0144 真生ルイがオバサンに絡まれる

ページ名:0144 真生ルイがオバサンに絡まれる

 真生ちゃんと電車に乗って街に出る途中、スマホをいじりながら時間を過ごしていると、妙齢のオバサンからいきなり喧嘩をふっかけられた。
 何やらテスターのような手のひらサイズの機械を向けられて、「貴方の電磁波のお陰で、健康被害を受けているんだけど!」と訴えている。
 真生ちゃんは迷惑そうな顔をしているし、私も関わりたくなかったので無視を決め込んでいると、ガラケーで写真を撮り始めて、「傷害罪で訴えますよ!」とか言い出す始末。

「あのね、私のスマホから出る電波で健康障害が出るなら、いま唸り声を上げているこの電車から出る電磁波は何なの? 目の前で使っているガラケーとか、その怪しい機械からは電磁波が出ないの? バカじゃないの。
 あらゆるテクノロジーをかなぐり捨てて、田舎に籠もって静かにしているならいざ知らず、自分の使うテクノロジーは許して、自分のいらないテクノロジーは否定するって態度はどうなの?」
 そこまで言うと、「あんたのスマホがダメなの!」と言い張る。
「それは、私達が幼くて言い返さないからそう思っただけでしょ?
 スマホなら、そこらじゅうで使ってるじゃない? 貴方がしたいのは自分より弱い者を攻撃したいだけの事。
 貴方は、自分の人生の扱いにくさの問題を、そうやって人の所為にして、自分の問題に正面から取り組まない理由を作っているだけでしょ。
 そうやって人よりもナイーヴな人間だと人や自分に言い聞かせて、他人に妥協を求めているだけじゃないの」
 そこまで言ってやると、「うるさいうるさいうるさい!」と叫びつつ、ガラケーで「警察ですか! 私、攻撃されています!」と必死に訴えかけていた。
 その頃には車掌が現われて、次の停車駅で駅員に引き渡されていた。

「急病人搬送のために停車しておりました。お急ぎの所、大変申し訳ありませんでした」
 さっきの車掌のアナウンスが流れる。
 私がアレを言ったところで、誰が救われる訳ではないのだけど……

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