0127 ちさとが模擬店を出す②

ページ名:0127 ちさとが模擬店を出す②

 お店は、私とひじりちゃんの二人で回すのが基本になるので、立ち飲み屋でいいでしょうと言う事になった。
 お店のデザインは、実はそれだけでは決まらない。会計方法を決めなければならない。
 立ち飲み屋さんの会計方式はいろいろだ。都度会計する方式、食券方式、伝票、皿や串の数で会計する場合もある。
 私達の料理は串でどうにかならないし、皿の数を用意しなくてはならないのも面倒だ。食券方式は券売機を用意しなくちゃいけないし、二人で回して会計に当たるのはちょっとしんどいなと思われた――どーせ群れを成して来るに違いないからだ。
 そうなると、都度会計で売れたものをこっちでチェックするのがよいだろう。

 要望を伝えて"施設課"にお願いした。
 対面でやりとりしやすいように、カウンターの内側は少し高く、そして、カウンターの高さも中学生に合わせて……手を伸ばしてお釣りのやりとりが出来るぐらいの距離で……


 料理はなるべく多くしたいが、"民業圧迫"はいけないので、出店予定のお店を見て考える。
 なるべくは、切って盛り付ける、レンジでチンする、鍋から掬うだけで出せるようにしたい。

 ローストビーフ、鶏ハムは冷蔵庫に入れておけばいいし、お刺身は管理が大変なので、ルイベにしておけばいい。氷温の冷蔵庫もあるから、それを利用しよう。酒盗、チャンジャ、わさび漬けチーズ辺りは作り置きなり、買ってきたものを使うなりすれば良い、
 良いピータンが手に入ると言うので、ガリピータンも入れておこう。
 煮込みモノは、肉じゃがと筑前煮がいいでしょう。
 購買の中田さんが絶対オススメと言ってたらっきょうと千枚漬け、松前漬けも出しておこう。
「少しは揚げもの出したいよね?」
 と言っても、その類いは結構出店があるしなぁ。
「南蛮漬けとか?」
「あと、あんかけもいいよね。お肉はもうあるし、お魚で。中田さんに相談すればいいよね?」

 あとはお酒だ。
 一々注ぎに行けばちょっかい出されるかなと思う。それ以上に、カウンターと客席の往復は面倒だ。
「冷酒は地酒ワンカップ、ビールは色んな種類冷蔵庫に入れておいて、都度会計でよくない?」
「それいいね。
 それとは別に燗酒は欲しいよね」
「酒燗器を用意しよう」

 こんなに省力化するのには理由がある。綾夏さんもひじりちゃんも、「みんなちさとちゃんと喋りたいだろうし」と言うのだ。
「なんか、求めてるもの、お酒じゃなくないですか?」
 と言うと、「キャバは流石にマズイでしょ?」と笑われた。笑い事ではない。

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