0089 峰が女子中学生を見てデレデレしている

　入構証があるので、割と自由に学校を出入りできる。勿論、普段は購買だけだけど。
　それでもお使いがあるときは臨時で立ち入れる施設もある。
　写真は厳禁で他言も無用となっている。
　鉄砲担いだ人がいると思えば、テレビで見た事のある政財界のエライ人とすれ違う事もある。
　だけれど、私の関心は全然そんな所にはなく、この学校の可愛い生徒の暮らしぶりに接するのが楽しいのだ。

　内面はどうあれ、女子中学生から「峰ちゃん！」と呼ばれるのは、相当に自己肯定感をアゲてくれる。
　偶に東京に仕事へ行くと、「真栄田さん、最近若返りましたね」と言われる。
　そりゃぁもう、無限の女子中学生成分を摂取しているんだもの！

　この界隈で女子中学生は最強の存在である。どんな大人がいても動じないし屈しない。それこそ、先に話した政治家や財界人でも、関係ないなら見向きもしない。
　勿論、ただの礼儀知らずではない。だが、大人以上に自己を持っているし、自信も高いのだ。

　にこやかに行き交う様々なタイプの美少女達。誰もが輝き幸福そうにしている。
　そういう姿を見ているだけで心が充溢してくるのだ。
　ふざけ合ってくっついている女の子を見るのがいい。楽しく駆け回ってる女の子を見るのがいい。

　時より声を掛けてくれるし、駆け寄っても来てくれる。
「今日の夕飯ですか？」
「今日は肉じゃがに挑戦しようと思うの」
「焦がさないでくださいよ。楓さんの苦情を聞く身にもなってくださいね」
「今度は自信があるから大丈夫！」

　家に帰って待っていれば、可愛い女の子が帰ってくる。
　一人ではないと言う事がこんなに楽しいとは思わなかった。
　一人でいないと言う事が苦痛でしかなかった時期があったなんてもう思い出しようもない。