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『千と千尋の神隠し』(せんとちひろのかみかくし)は、宮崎駿監督によるスタジオジブリの長編アニメーション映画である。2001年7月20日日本公開。
テンプレート:ネタバレ
小学4年生10歳の少女、荻野千尋(おぎの ちひろ)はごく普通の女の子。夏のある日、両親と千尋は引越し先の町に向かう途中で森の中に迷い込み、そこで奇妙なトンネルの入り口を見つける。入り口を見て嫌な予感がした千尋は両親に「帰ろう」と縋るが、両親は好奇心からトンネルの中へと足を進めてしまった。仕方なく後を追いかける千尋。
出口を出た先に広がっていたのは、広大な草原の丘だった。地平線の向こうには冷たい青空が広がり、地面には日本の古い家が埋まっていて瓦屋根が並んでいる。先へ進むと、誰もいないひっそりとした町があり、そこには食欲をそそる匂いが漂っていた。匂いをたどり両親は店を見つけ、そこに並ぶ見たこともない料理を食べ始めてしまう。すると両親はそれらの料理が神々の食物であったために呪いを掛けられ豚になってしまい、一人残された千尋はこの世界で出会った謎の少年ハクの助けで、両親を助けだそうと決心する。
千尋は八百万の神々が集う湯屋・「油屋」の経営者、湯婆婆に雇用を願い出る。すると湯婆婆は千尋の名前を奪い、「千」という新しい名を与えた。千尋は油屋の下働きとして働きながら、様々な出来事に遭遇しつつも、ハクや同僚のリン、釜爺らの助けを借りて、懸命に立ち向かい成長していく。
この作品は芸術性において宮崎駿の才能が最高潮に達した作品のひとつであるともいえる。
フィルム・コミック千と千尋の神隠し2には「仮面男」とカオナシの事は書かれている。
リン湯屋で働いている娘。年齢は14歳。その素性も過去の経歴も、なぜ不思議な世界に迷い込んで湯屋で働くようになったのかも、一切語られておらず、不明である。口調は荒っぽいが性格はサッパリとしており、湯屋の先輩として千尋に色々と仕事を教えて面倒を見るという優しさも見せる。イモリの黒焼きが大好き。坊湯婆婆の子。赤い腹掛けをした巨大な赤ちゃん。父親は不明。金太郎のような姿で、性格はわがまま。ぐずると泣き声だけで部屋中を破壊するほどで、癇癪を起こすと訳も分からず暴れてしまう。歯は生えている。湯婆婆の偏執的な愛情の元で育つが、彼女の所為で外に出ることを異常なまでに恐れていた。千尋と出会い、初めて外界の空気を吸ったことにより、性格的に一回り成長する。荻野明夫 (おぎの あきお)千尋の父親。38歳。建築会社に勤めるサラリーマンで、それなりの役職であることが持ち物や愛車(アウディ)からしのばれる。目元のあたりが娘の千尋によく似ている。性格は非常に豪快で楽天的、くわえてワンマンで人の意見を聞かず、反面子供っぽい意地っ張りなところも。引っ越しの時も道をよく確認しないままどんどん進んでしまい、いつの間にか不思議の町に迷い込んでも面白がって進み続ける。そして、町のレストランに迷い込んだ時、勝手に食事に手をつけてしまい豚の姿に変えられてしまう。荻野悠子 (おぎの ゆうこ)千尋の母親。35歳。スタイルも整った美人だが少し派手め。性格は快活明朗で社交的なようだが、やや子供っぽい夫を微妙に尻に敷いている所もある。不思議の町に迷い込んだ時、勝手に食事に手をつけてしまい、夫と一緒に豚の姿に変えられてしまう。父役、兄役、番台蛙それぞれ油屋で働く者達と湯婆婆との間の中間管理職的役割を担っている。いずれも蛙の化身。それぞれ典型的な上に諂い下に威張るキャラクターとして描かれている。下の者を見下す傾向があり、特に人間を毛嫌いしている。ゆえに千尋に対しては部下だから仕方なく接しているところもある。青蛙湯屋で下働きの仕事をしているカエル。金に目がないが、憎めない性格。※蛙(男衆)と蛞蝓(女衆)と蛇は三すくみの関係にある。神々油屋へ来る神々は、日本固有の八百万の神という考え方に則り、様々な形体をしている。作中でも大根(おしら様)や春日大社の面(春日様)、魚介類、牛鬼、川、タマゴのまま生まれてこられなかったひよこ(オオトリ様)、なまはげ(おなま様)等々の神をイメージし、擬人化のような形でデザインされている。ススワタリ(まっくろくろすけ)イガ栗のような形をした黒い実体。ジブリ作品『となりのトトロ』にも登場する。が、こちらには足が生えている。魔法の力で煤から生まれたらしく、常に働いていないと死んでしまうが、潰れて煤に戻ってもいつのまにか煤から生まれてくるらしい。石炭を抱えて運び、炉に放り込むのが仕事。商店街のモデルになった九份の町並み
湯婆婆が経営する、八百万の神が体を休める温泉旅館である。油屋としての施設はボイラーやエレベーターなど、近代的な施設が極彩色の純日本的な建築とミックスされたデザインとなっている。最下層にボイラー機械室、その上に従業員用のスペースがあり、湯婆婆とハク、釜爺以外の従業員達はそこで寝泊りする。ここまでは神々の出入りする正面からは見えない地下と地上階の崖側に配置されており、油屋正面とそれらの上階が油屋の営業スペースとなっている。中に大きな吹き抜けがあり、下には様々な種類の風呂が配置され、その上を取り囲むように宴会場や客室が配置されている。さらにそれらの上には湯婆婆の個人宅がありその部分だけ洋風の建築様式となっている。
千尋たちが最初に迷い込んだ時計台のような建物から暫くはいくつかの廃墟のあるなだらかな丘が続くが、その後小川(河)を渡ったあたりから湯屋に付随する食堂街となる。その河は昼には小川であるが、夜になり神々が訪れる時間となると船が行き交う巨大な河となる。食堂街を抜けると橋があり湯屋の正面入り口へと繋がる。食堂街の周りに養豚場や冷凍室、花園などが配置され町全体で油屋と食堂を運営するようになっている。ちょうど河の反対側は絶壁となっており、その下は広大な平原が広がっていて雨が降ると海になる。油屋だけで独立した絶壁の上に聳えるように建っており、レストラン街や養豚場等の周辺施設は別の崖の上に配置されている。また、油屋ともう一つの崖とは橋で繋がっており、橋の下を海原電鉄が走っている。単線の一方通行で逆向きには列車が走っておらず、専ら行きっぱなしである。
油屋は「色々な温泉が入っていて特定のモデルはない」とされていて、道後温泉本館や渋温泉金具屋、湯原温泉油屋、江戸東京たてもの園の建物を参考に描かれている。油屋の名前は日本の各地にある普遍的な屋号であるが、一番信憑性が高いのは出雲国安来湊にあった油屋宗右衛門の屋敷ということである。スタジオジブリの作品には高畑勲の故郷の店の名や伝説が時々登場する。これもその一つである。また、一部では兵庫県高砂市高砂町に現存する歴史的雰囲気を濃厚に残し、今なお薪で焚く銭湯梅ヶ枝湯も作品に登場する湯屋によく似ているとして話題を集めている。町並みや建物などの全体的な雰囲気は台湾の九份をモチーフにしたといわれている。日本で出版されている台湾旅行ガイドブックなどで『千と千尋の神隠しのモデルの街』として広く紹介されているため、本作品を観て九份を訪れるファンも多い。食堂で千尋の両親が食べた料理にも台湾料理の影響を見ることができる。テンプレート:ネタバレ終了
日本で発売された『千と千尋の神隠し』のDVDや、ビデオカセットに収録されている本編映像が、劇場公開版や予告編・TVスポットなどと比べて赤味が強いとして、スタジオジブリと発売元のブエナビスタや消費者センターに苦情が寄せられた。
両社は、DVD制作時に用意されたマスターの色調は意図的な調整を施したことによるものであり、「このクオリティが最高のものと認識しております」と説明した。映画上映時のTVCMや上映用プリントやDVDに収録された予告編、TVスポットなど極めて正常の色合いであり、この調整は施されておらず、比較すると明らかに赤みが異なる。つまり、DVD製作時に意図的にこの赤み改編が行われたことになる。
この問題で一部ユーザーは販売元のウォルト・ディズニー・ジャパンを相手取り、京都地方裁判所裁判に訴えたが、不良品とは認められず返品や交換には至らなかった。その後北米、ヨーロッパ、韓国で発売されたDVDには、赤味の強くない映像が収録され、販売されている(台湾のDVDは日本と同様)。
日本テレビでの2003年1月24日の放映には、DVDと同様の赤味が強いマスターが使用された(その再放送も)。世界で日本と台湾においてのみ、不自然な色調に調整された作品を見なければならないという皮肉な状況に陥っており、いまもなおこの色調のDVDが生産され続けている。
この「不自然な色調」については、後の複数の検証によりDVDマスター製作過程における色温度設定の錯誤とする説が有力となっており、機器環境があれば、これに基づいてある程度は色調補正が可能である。
ちなみに、本アニメはDVD版222万本、VHS版160万本以上の売上を記録している(オリコン調べ)。売上本数、裁判結果からも交換というのは現実的ではないが、色調を再調整したリマスター版の発売など、何らかの形での解決策が望まれる。なお、この本編映像はソニーPCLにて、スタジオジブリ撮影監督と技術者の協力のもとで作成されたものである。ブルーレイディスクで発売される際に修正版が発売されるかについては不明である。
ピクサーのジョン・ラセターが製作総指揮をてがけ、4人の翻訳家が英語版台本を作成した。役名の判明しているキャストのみ記す。
興行収入304億円という、日本国内の映画興行成績における歴代トップの記録を打ち立て、2007年現在も『千と千尋の神隠し』(1位)・『ハウルの動く城』(2位・196億円)・『もののけ姫』(3位・192億円)と、トップの座を維持している。
ベルリン国際映画祭において、他の実写作品を押しのけ、アニメーションとしては史上初の最高賞である金熊賞を受賞。その他アカデミー賞をはじめ日本国内外の多くの賞の栄冠に輝いた。2003年1月24日には日本テレビ系でテレビ初放送され、46.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という過去にテレビ放送された劇場映画の最高視聴率を記録した(映画の歴代視聴率1位でもある)。主題歌「いつも何度でも」のシングルCDは60万枚を売り上げ、サントラ盤も50万枚を売り上げた。
尚、アメリカではアカデミー賞を受賞し大規模な広告キャンペーンが行われたのものの、興行収入1,000万ドル(『もののけ姫』の約4.2倍、同時期のディズニーアニメの30分の1以下)といういまひとつの結果となった。これはキリスト教の文化的背景に生まれ育った観客には、「八百万の神々」という概念が理解しにくいためと思われる。また、明瞭に一貫したストーリーを持たず、様々な出来事がいくつも起きて大団円を迎えるという展開が分かり難かったとも考えられる。ちなみに、日本以外の国での題名は、
と各国とも日本独特の物である神隠しという世界観・用語を伝えることに苦労し、あるいはタイトルで言及しないという方法をとっている。
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ar:المخطوفة (فيلم 2001)ca:El viatge de Chihirocs:Cesta do fantazieda:Chihiro og heksenede:Chihiros Reise ins Zauberlandeo:La vojaĝo de Ĉihiro (filmo)es:El viaje de Chihiroeu:Chihiroren Bidaiafa:شهر ارواحfi:Henkien kätkemäfr:Le Voyage de Chihirohe:המסע המופלאhr:Avanture male Chihirohu:Chihiro Szellemországbanid:Spirited Awayis:Spirited Awayit:La città incantatako:센과 치히로의 행방불명lt:Stebuklingi Šihiros nuotykiai Dvasių pasaulyjelv:Gariem Līdzinl:Spirited Awaynn:Sen to Chihiro no kamikakushino:Chihiro og heksenepl:Spirited Away: W krainie bogówpt:Sen to Chihiro no Kamikakushiru:Унесённые призракамиsv:Spirited Awayth:Spirited Awaytr:Ruhların Kaçışıvi:Cuộc phiêu lưu của Chihiro vào thế giới linh hồn
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