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更新日:2024/05/17 Fri 13:07:46NEW!
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地球連邦軍 機動戦士ガンダム 航空機 ガンダム 戦闘機 爆撃機 輸送機 支援戦闘機 戦闘爆撃機 msv 迎撃機 要撃機 ハービック社 連邦軍 ガンダム戦闘機項目
宇宙世紀0079年。
モビルスーツとミノフスキー粒子の登場は世界の有り様を一変させた。
既存の兵器群は陳腐化し、生き残りを賭けてある者は時代に沿った進化を、またある者は取り残されて消えていった。
それは旧世紀に歴史を変えた航空機にとっても例外ではなかった。
この項目では、そんな地球連邦軍が開発した航宙・航空機を解説する。
●目次
戦闘機
TINコッド
TIN COD
型式番号:FF-6
開発:ハービック社
《武装》
25mm機関砲 ×4門
ペンシル型空対空ミサイル
コア・ファイターの原型となった大気圏内用の小型制空戦闘機。
空戦のみに特化した設計で、翼端がガルウイングになった主翼とX字型の双尾翼、内臓式のミサイルランチャーと戦闘機としてはかなりコンパクトな構造をしていて、高高度性能と加速力は申し分ない。
U.C.0062年には試作機が完成していたが、実際に配備が進められたのは一年戦争中だった。
小型である分火力は左程高くなく航続距離も短かったものの、ライバルのドップと比べて運動性以外では上回る飛行性能を持ち、高高度性能と加速力を活かした一撃離脱戦法を武器に一年戦争中の総撃墜数301機を記録した"レディ・キラー"テキサン・ディミトリー中尉のようなエースも輩出した。*1
一年戦争後は改良型のTINコッドIIなども配備されたものの、航空戦の主力が可変MSやゲタ履きのMSに移っていったこともあってジャブローなどの拠点防空用や、テミスのような政府高官の息の掛かった民間軍事会社等に払い下げられた。
元はコア・ファイターの没デザインだが、MSVでTINコッドとして再利用された経緯がある。
余談だが、「TIN」とは錫(スズ)で「コッド」は鱈(タラ)のこと。
他意はない。
トリアーエズ
TORIARES
型式番号:FF-4
《武装》
25mm機関砲 ×2門
ハービック社が開発した防空用の小型宇宙戦闘機。
宇宙軍の主力としてルナツーや各コロニーにとりあーえず配備されていたが、ミノフスキー粒子未対応な上に火力も脆弱でMSには全く歯が立たず早々に消えていった。
セイバーフィッシュに比べると小型で武装も機銃が2門のみと火力も低いため、主任務はコロニーおよび基地の防衛・迎撃用であり、もともと決戦用ではなかったと思われる。
ただ、火力が絶望的に低いだけで性能そのものが低い訳ではなく、MSパイロットに転向する前の連邦軍撃墜王テネス・A・ユングは本機で航宙機7機、MS3機、巡洋艦2隻を撃破しており、並外れた腕前があればそこそこの戦果を残せたようだ。こんな武装でどうやって巡洋艦を落としたのか…
なお、小説版にてユウ・カジマがルウム戦役時に乗っていたのがこのトリアーエズである。
余談だが、元々トリアーエズは『機動戦士ガンダム』本編に登場しなかった没メカで、設定画の段階ではトリアエーズFF-4という名前だったのだが、雑誌『アニメック』に掲載された際に誤植で「トリアーエズ」となり、それがMSVにも引き継がれてしまったという経緯があったりする。
フライアロー
FRY ARROW
《武装》
機関砲 ×4門
他
水平双尾翼と3発のエンジンが特徴的な大気圏内用の制空戦闘機。
主な武装は機首の機関砲と主翼下に懸架するミサイル。
かのククルス・ドアンの島に墜落していた機体がコレで、そのマイナーさからムック本などに掲載されることも稀であったが、近年では漫画などに以外と登場していたりする。
既に旧式で主に哨戒などの任務に就いているが、世界各地の基地に配備されている。
TV版に登場した時点では名前が無く、『ガンダムセンチュリー』で初めて名付けられた。
コア・ファイター
CORE FIGHTER
V作戦で開発されたMS群のコアとなる脱出装置兼小型戦闘機。
TINコッドを参考に開発された。
MS用の核融合炉や学習型コンピューターを搭載しているので宇宙・地球の両方で運用可能で操縦性・運動性は優秀だったが、
本来は貴重なデータを持ち帰るための脱出装置なのでかなりコンパクトにまとめられている分機体に余裕が無く、搭載できる武装や航続距離に欠けているので余程戦力が足りていない時くらいしか使えない。
それでもV作戦とは無関係にオデッサやポートモレスビーなどに配備されたあたり、その優秀さが窺える。
トマホーク
小説版『機動戦士ガンダム』に登場する宇宙戦闘機。
性能など詳細は不明だが、槍を思わせる機体であるらしい。トマホーク(斧)なのに
ペガサスJrへ配備されMS隊のサポートを行っていたが、コレヒドール暗礁空域でのシャア・アズナブルの独立第300戦隊との戦闘で大部分が撃墜された模様。
マルチロール機
セイバーフィッシュ
SABER FISH
宇宙・地上を問わず配備されている全領域対応の万能戦闘攻撃機。
高性能だが核融合炉を持たないため、MS相手ではパワーが足りず不利は覆せなかったが、それでも数少ない対抗可能な戦闘機として連邦軍製MSの普及まで宇宙軍を支えた。
MSの登場で主力の座を降りたものの、地上基地では制空戦闘機としてU.C.96年頃でも運用が続けられている。
地上用の空軍仕様や詳細不明の局地要撃機仕様、ブースターを装着した試験機のセイバーブースターなど様々なバリエーションが存在する。
フライマンタ
FRY MANTA
連邦軍の主力戦闘爆撃機。
エイを思わせる機首のミサイルランチャーの形状からこの名前が付いた。
本機自身も本機に護衛されるデプ・ロッグもザクの天敵であり、ドップの存在意義は本機を墜とすことにあると言っても過言ではない。
詳細は項目を参照。
大気圏内だが、小説版では宇宙戦闘機として登場している。
Gファイター
G FIGHTER
RX-78-2ガンダムの支援用重戦闘機。
前部のAパーツと後部のBパーツに分離してガンダムの各パーツと組み合わせることで様々な状況に対応出来る。
MSを搭載可能な出力とペイロードの優秀さから爆撃型、宇宙型、強襲揚陸型などのバリエーションも開発された。
Gファイターのバリエーション
- Gファイター爆撃型
MS収容機能とキャタピラを廃して純粋な戦闘爆撃機として再設計した物。
ガンダムの収納スペースを燃料タンクと爆弾等の積載スペースに転用したことで航続距離と火力がアップした。
- Gファイター宇宙型
主戦場が宇宙に移行することを見越して開発された宇宙戦仕様。
メガ粒子砲を主翼部に移設し、コックピット後部には3連装ミサイルランチャーを装備した。
MS格納スペースには脱着式のウェポンベイが設けられたが、外せば原型機と同じくガンダムと合体出来る。
また、ウェポンベイの武装を扱うガンナーようにコックピットがタンデムシートに拡張されている。
少数ではあるが、実戦に投入されたという。
- Gファイター強襲揚陸型
一年戦争終結後、宇宙型をベースに開発された強襲作戦仕様。
AパーツとBパーツ間にキャタピラで自走可能なコンテナユニットを連結し、一度に30人程度の歩兵を収容することが可能。
コンテナには上部に多連装ロケットランチャー2基と側面にバンカーバスター用のパイロンを備え、強硬突入作戦を支援する。
主に特殊部隊によって運用され、U.C.0090年に入っても運用されるなど息の長い機体となった。
- GファイターⅡ
漫画『機動戦士ガンダム0083 REBELLION』に登場した改良型。
いわばガンダム試作1号機用のGファイター。
コア・ブースター
CORE BOOSTER
元々航空機として開発された訳ではなかったコア・ファイターを戦闘機として活かすために大型ブースターを装着したもの。
大気圏内外両用で、半MS・半戦闘機として両者の良いとこ取りしたかのような、連邦版モビルアーマーもどきと呼ぶべき超高性能マルチロールファイター。
元々コア・ファイターはジムにも最終仕様策定直前まで搭載される予定であり、仕様変更により先行生産された分が浮いてしまう事態が発生した。それらを活用する為の強化プランとして設計された。
コア・ブースターのバリエーション
- ジェット・コア・ブースター(コア・イージー)
コア・ブースターを純粋な大気圏内用の戦闘爆撃機として再設計した簡易量産型。
MAもどきみたいな極悪な火力は無くなったが、活動領域を大気圏内限定に絞って最適化されたので航空機としての性能は向上している。
元が航空機として破格の性能だっただけに大変優秀な性能を持ち、フライ・マンタに代わる次世代戦闘爆撃機として期待されていたが、
一年戦争後はMSの更なる発展とSFSの普及で航空機は制空戦重視という方向にシフトしていったため、生産はストップしてしまった。
- コア・ブースターⅡ インターセプトタイプ
コア・ブースターの高高度要撃仕様。
ジャブローに配備された様子。
レイブン・ソード
RAVEN SWORD
型式番号:FF-S5
全長:16.6m
重量:18.7t
《武装》
30mm2連バルカン砲 ×4
各種ミサイル
セイバーフィッシュに代わる最新鋭の大気圏内外両用空間戦闘機。
MSの開発を優先したために開発が遅延、正式な配備は戦後となった。
後発だけあってより小型かつ高性能で、戦力の損耗が激しかった機動艦隊などに配備されたが、何故かU.C.0085年までに全機が退役したという。
ワイバーン
WIVERN
型式番号:FF-08WR / FF-08GB
全長:15.32m
全幅:9.5m
本体重量:15.3t
全備重量:20.0t
総推力:21.000kg
最高速度:マッハ20
乗員:1名
《武装》
60mmバルカン砲 ×1門
他
フライダーツの後継機としてグリプス戦役前のU,C,0080年代中頃*2から配備されている全領域型戦闘機。
この時代にもなるとMSもゲタ履きや可変MS(TMS)などで普通に空戦も行えるようになっていたため、主に高高度から低軌道にかけての防空・制空戦闘を重視した設計となっている。
エゥーゴ寄りの勢力が開発に関わったとされ、全体的な構造はΖプラスを思わせるような形状のブレンデッドウィングボディ*3で機首はコスト削減の為にコア・ファイター系から流用。
エンジンはターボ・ファンとロケット推進のハイブリッドで状況に応じて機能の切り替えが可能。
更にボディは大気圏突入を想定したウェイブライダーとしての機能を持ち、大気圏内から宇宙空間にかけてのあらゆる領域での活動が可能となっている。
最大の特徴は、Ζガンダム・ウェイブライダー形態の特徴であるテール・スタビレーターが採用されていることで、純粋な航空機としては初めてAMBACが可能となり、従来機よりも精密な姿勢制御を実現した。
このため、TMSが増え始めたグリプス戦役以降には主任務の高高度迎撃以外にもTMSの練習機としても使用されていて、『ガンダム・センチネル』序章でもリョウ・ルーツが模擬戦を行っている。
ちなみに、アフターコロニーの世界でも同名の戦闘機が開発されている。
ワイバーンのバリエーション
- ダガーフィッシュ
型式番号:FF-S4
セイバーフィッシュの後継機として宇宙空間専用に改設計したもの。
大気圏内用の装備を取っ払い、セイバーフィッシュと同じく上下面に計4基のブースターパックを増設している。
武装は増設したミサイルパイロンに加えて上面ブースターパックに装備されたメガ粒子砲で、火力もそこそこ高い。
宇宙専用になったことで結果的にコストがワイバーンやセイバーフィッシュよりも安価になったらしい。
型番がトリアーエズと被っているが、理由は不明。
- クインビー
型式番号:FE-08WR
電子戦仕様。
グラナダでの終戦条約でミノフスキー粒子の散布が制限されたために限定的ながらも旧来の無線通信が可能となったミノフスキー粒子濃度の薄い宙域での運用を目的に開発された。
各所に電子戦装備が設けられた他、それを扱う管制士官を乗せるためにコックピットも複座式に改められた。
また、重くなった機体とのバランスを取るためにテール・スタビレーターが長くなっている。
- ミスルトゥ
型式番号:X-08WR
ワイバーンをベースとした実験機。
亜音速域でのドッグファイト能力を獲得すべく開発された。
機首をGコア(Sガンダムのコア・ファイター)との合体ジョイントを持つ新型に取り換え、Gコアと合体して格闘戦時に分離する方式だったが、戦闘後の帰還方法に問題があったために計画は中止された。
3回のテストフライトの後に宇宙戦仕様に再設計され、分離合体方式TMSの訓練機として重宝されたようである。
- 対地攻撃仕様
型式番号:FF/A-08WR
主翼下にトリプル・イジェクター・ラックを4基増設した対地攻撃用のワイバーン。
主にカラバで運用されたという。
- タングラム
型式番号:FT-08WR(ET-08WR)
『アドバンスド・オペレーション』に登場した練習機。
航空学校に配備され、Z系MSの高等訓練に用いられる。
攻撃機・爆撃機
マングース
MONGOOSE
型式番号:AF-01 / AF-01A /AF-01B
開発:バドライド社
《武装》
20mm機関砲 ×4門
75mm自動砲 ×1門
ビーツG-8ロケット弾 ×8基
B-108爆弾 ×12基
他
一年戦争以前から運用されている対地攻撃機。*4
パッと見ではA-10のような現用機のように見えるが、実際には双胴機で左側が丸々エンジンユニットになっている。
そして何より特徴的なのが、左主翼中央に装備された対戦車用の75mm自動砲。
一見機体と不釣り合いにも見えるが、高い安定性と命中精度を実現した対戦車砲であり、その雄々しいブツには絶対に地上目標を殺してやるという気概を感じずにはいられないだろう。
あまり速い機体ではなかったようだが、奇抜な見た目と重装備にもかかわらず低空・低速域での安定性に優れ、高い対地攻撃力も合わさって近接航空支援で威力を発揮してタンクバスターの異名で親しまれた。
既存の兵器体系の中でなら優秀な攻撃機であったが、正面からなら61式戦車の砲撃にもある程度耐えられるMSが相手ではまるで歯が立たず、無用の長物となってしまった。
一方で対MS戦闘以外での戦果には諸説あり、75mm砲の目視照準がミノフスキー粒子散布下でも活躍したとも、マゼラアタックの装甲を撃ち抜けず苦戦を強いられたとも言われている。
デプ・ロッグ
DEPP ROG
全高:33.5m
全長:31.5m
全備重量:185.1t
ペイロード:120t
最高速度:マッハ2.4
装甲材質:ユニバーサル・ジュラルミン
乗員人数:7名(パイロット2名、ナビゲーター2名、爆撃手1名、砲手3名)
《武装》
対空レーザー砲 ×5門
対空ミサイル
誘導爆弾
巡航ミサイル
連邦軍の誇る重爆撃機。
構造そのものは第二次世界大戦期の戦略爆撃機と大差ないものの、その性能は雲泥の差。
大量の誘導爆弾や巡航ミサイルなど、搭載量は120t*5にもおよび、一年戦争期の連邦軍航空機では最大の大きさを誇る。しかもマッハ2.4と以外に速い。
ただしその巨体故か、自衛用のレーザー砲や空対空ミサイルを備えているものの空戦能力は皆無で、前線に出るには護衛機の随伴を必要とした。
また、多くの既存兵器と同様にミノフスキー粒子の影響下では電子装備による補助が制限されて性能をフルに発揮できなかった。
劇中には登場しないが派生型に20mmモーターガトリングを底部に装備した地上掃射型、レーザー誘導爆弾でピンポイント攻撃を行う拠点攻撃型、フライダーツを最大3機まで搭載できるように改造された空中発射母機型などが実戦投入されて戦果を挙げたという。
作中ではオデッサ作戦にて相当数のデプ・ロッグが投入され、連邦軍の勝利に貢献した。*6
MSVの解説によればオデッサ作戦以外にも北米戦線やアフリカ戦線等の各地に投入され、多大な戦果を挙げた。
ギレンの野望シリーズではジオンの系譜までは”対地攻撃ではフライマンタを上回る代わりに対空攻撃ができず汎用性で劣る”ユニットだったのだが、ジオン独立戦争記あたりから”フライマンタと違い単機編成で耐久力は上なのでネームドパイロットを乗せるのに向いている”という特性がついて徐々に使い勝手が上昇。そして新ギレンの野望では対空レーザーが武装に追加されドップぐらいなら頑丈さを活かして返り討ちにすることが可能に。地上における連邦序盤の大黒柱となりジオン編でも対策に頭を悩ませる強敵となった。
ドン・エスカルゴ
DON ESCARGOT
《武装》
機銃 ×4挺
対潜爆弾
投下式単魚雷用ポッド
投下式アクティブソナー・ポッド
名前の通りカタツムリを連想させる形状が特徴の対潜哨戒機。
ヒマラヤ級航空母艦などで運用されたが、一説ではVTOL機能も備えていて、駆逐艦のヘリ甲板でも搭載されていたと言われている。
極めて優れた航続距離と索敵・攻撃能力を持ち、ジオン軍潜水部隊の多くがドン・エスカルゴの餌食となった。
恐らく連邦軍の水中用MSが発展しなかった理由の一つ。
わざわざ海中に潜って戦うよりも、ドン・エスカルゴが空中から探し出して対潜攻撃を仕掛けたほうが効率的で強力だからである。
月面攻撃機ホッグ
型式番号:FF-1F
《武装》
ガトリング砲
ガンポッド
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に登場。
月面都市フォン・ブラウン市に駐留する連邦軍に配備されている攻撃機。
速度と航続距離は低いがその分機動性が高く小回りが利き、主に輸送艦の随伴や哨戒機として運用されている。
武装は底面のガトリング砲とガンポッド。
「スミス海の戦い」の際に亡命を謀るミノフスキー博士の護衛として投入されたが、シャアの駆るザクⅠによって何も出来ないまま撃墜された。
サイド2のハッテ防衛隊にはコロニー内部及び周囲の警備・パトロール用にバリエーション機のヴォルホッグを配備している。
こちらは武装が無反動砲1門に強化されているがやはりMSに対抗出来るだけの性能は無く、ジオン軍の侵攻に果敢に立ち向かうもサイド2を守ることは叶わなかった。
輸送機
ミデア
MEDEA
全高:15.9m
全長:45.0m
全幅:67.7m
全備重量:245t
ペイロード:160t
最高速度:マッハ0.82
《武装》
機首機関砲 ×2門
連装機関砲塔 ×2基
他
連邦軍の戦術輸送機。
貨物室がなく着脱式のコンテナを懸垂運搬する珍しい形式で、個性的な外見に反して160tものペイロードや長大な航続距離、未整地の最前線でも着陸可能なVTOL機能を備えて、補給から空挺作戦まであらゆる局面で連邦軍の兵站を支えた名機中の名機。
輸送量はジオン軍のファット・アンクルを上回るが、MS誕生以前の機体なのでコンテナの高さが足りず、MSを運ぶ際は寝かせるかしゃがむかしなければならない。
グリプス戦役の頃にもなると新型輸送機などの登場によってすっかり見掛けなくなってしまったが、U.C.0090年にも空挺部隊の指令機としては運用が続けられている様子が確認できる。
武装は機首の機関砲が2門と連装機関砲が2基のみ、スピードも「輸送機にしては速い」程度で間違っても護衛無しで行動出来るものではないが、
第136連隊所属のマチルダ・アジャン中尉が率いた輸送部隊などは度々護衛無しで輸送を強行、ホワイトベースに物資を送り届けている。
また、隊によってはミサイルランチャーなどを増設した機体もあったという。
登場する作品によってやや見た目が異なり、水平尾翼の位置が異なる『08小隊』版、08小隊版に近いが主翼のエンジンがなくなった代わりにコア・ファイターを護衛用のパラサイトファイターとして懸架した『サンダーボルト』版がある。
これらがミデアと同一機なのか派生型なのかは不明だが、小説版『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』によれば「垂直離着陸可能な輸送機の代名詞としてこの名前が付けられることが多かった」らしく、単一の機種を指すものではなかったようである。*7
資料や媒体によっては名前がミディア表記な事もあり、また「ミディア=ミデア後期型」と扱われる事もある*8。
ミデアのバリエーション
- 旧型ミデア
型式番号:C-85
『機動戦士ガンダムUC』に登場した旧式のミデア。
詳しい性能は不明だが、一年戦争以前に運用されていたもので垂直離着陸機能が無い。
小説では「双胴式で翼下に4基のエンジンを吊り下げている」とされたが、漫画版の『バンデシネ』に登場したものは車輪部にローターが無いくらいでほぼ従来通りの見た目だった。
- ミデア後期型(ミデア改)
型式番号:C-88
一年戦争後期から配備されている改良型。見た目が普通の航空機寄りになったので、言われなければミデアに見えない。
エンジン出力の強化に伴ってペイロードが200tまで増加、コンテナが一体型に改められた。
ところで機体にローターらしきものが見当たらないが、劇中では普通にVTOL機として垂直離着陸を行っている。
どうやって浮いているのだろうか?
- フライングコンテナー
型式番号:C-130
ゲームブック『機動戦士Ζガンダム ジェリド出撃命令』に登場したミデアの発展型。
全長60mの大型輸送機らしい。
- マディア
ゲーム『SDガンダム G GENERATION SPIRITS』に登場したプレイヤー部隊に最初から配備されている母艦。
白くてミサイルランチャーを装備している。
設定によると新設部隊に支給される機体らしい。
名前の由来は恐らく『SDガンダム外伝』のゲーム版に登場する上位回復魔法マディア。
そちらにはミデア由来の「ミディア」という回復魔法が存在しており、その上位にあたるのがマディアである。
ガンペリー
GUNPERRY
V作戦に合わせて開発された汎用輸送機。
バリエーションとして小規模なMS部隊向けの強襲型ガンペリー(ガンペリー・シギント)も存在する。
詳しくは項目を参照。
ガンキャリー
GUNCARRY
《武装》
4連装ミサイルランチャー
Gファイターを基に開発された宇宙・空中用輸送機。
一応機首の下部にミサイルランチャーを装備しているがGファイターのように戦闘が主目的ではなく、ヘビーガンダムの行動範囲を補う目的で使用される。
降下艇
ミデアから車両や人員を安全に降下させる為の小型飛行艇。
胴体部に着脱式のコンテナを装着、地表に降ろした後にミデアに帰還する。
大型輸送機
グリプス戦役以降に使用されていた輸送機。
ミデアのようなVTOL機能は無いようだが、貨物室はかなり広く、少なくとも強襲揚陸型Gファイター2機分くらいのスペースが確認出来る。
また、ミデアと同様に空挺部隊にも配備されている様子。
非武装の大型機なので間違っても戦場に首を突っ込めるような機体ではないはずなのだが、こいつで戦闘機動中のアッシマーに体当たりをかまして傷一つなく生還したヤツがいたらしいですよ大尉。
ガルダ級超大型輸送機
一年戦争後、ジオン軍のガウ攻撃空母を参考に開発された超大型輸送機。
従来のミデアなどとは比較にならないほど巨大な輸送機で、これ1機でもインフラ・地球防衛の一部といっても過言ではない。
それだけに超高価で凄まじい維持費がかかるのでおいそれと生産できず、6機のガルダで地球上層部を周回して地球・宇宙間の連絡、防空を担う成層圏プラットフォーム構想は夢と消えた。
ガウ改
アトラクション『グリーンダイバーズ』に登場した大型輸送機。
ガルダに近いシルエットだが、部分的にガウの面影を残している。
登場媒体が少な過ぎて性能には不明な点が多い。
宇宙世紀0087年12月6日に発生した豪華宇宙客船プロスペロー号落下事件発生の際に地球連邦軍第91救助隊の所属機が出動。
エゥーゴ、ティターンズと共同で脱出カプセルの救助にあたった。
長らく忘れられた存在だったが、小説『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』に同型機の「アトバラナ」が登場。
反連邦組織ケラウノスに奪われ、カラバに譲られて番外編「分岐」の主人公ヨーン・ユルヤナの母艦となった。
ビッグ・キャリアー
『閃光のハサウェイ』に登場した輸送機。
小説媒体の為、外見・性能などは不明。
偵察機・その他
フラットマウス
FRAT MOUSE
毎度お馴染みハービック社が開発した電子戦術偵察機。
設計にあたって用いられたのが20世紀後半の超音速機の技術という技術的には古い機体であるが、それ故に短期間で開発・配備が行われた。
ターボファン=ラム混合ジェットエンジンによるスーパークルーズを可能とし、直線での加速力では他機の追随を許さない超音速飛行を実現した。
主翼下にタンクを装備しているがこれは増槽ではなく冷却剤タンクで、開発段階でエンジンのオーバーヒートしやすいことが発覚したために量産機から装備された。
本来は電子機器による索敵・偵察を行う機体であったが、一年戦争時には機体下部に装備された一体型のカメラポッドをはじめ光学式を中心とした索敵装備に置き換えたことによってミノフスキー粒子の影響下でも威力を発揮した。
また、戦争後期にはカメラポッドを分離式にしたタイプも開発された。
こちらはコア・ファイターに似た外観に変更されているらしい。
本機が現れた時は連邦軍が攻勢に出る前触れであり、ジオン兵からは「死神」として恐れられたという。
スカウト・ミサイル
SCOUT MISSILE
ミサイルの一種のような名前だが、無人偵察機。
精密光学器とレーザー通信機を備え、静粛性も高い。
『GUNDAM CENTURY』収録の短編小説「ホワイト・ベース ライヴ」に登場する。
現実のイスラエルにも「スカウト」という無人偵察機が存在するが、別物だと思われる。
ディッシュ
DISH
《武装》
25mm機関砲 ×2門
連邦軍要人の移動に使用されるジェット連絡機。
機体のほとんどがレドームで、そこから直接左右2対の主翼と機首が生えた、名前の通り皿か平べったい亀のような特異な形状の航空機。
STOL機能も備えていて運動性も良く、申し訳程度ではあるが機首に25mm機銃を2門装備している。
本来は高速哨戒機もしくは偵察機であるが、ミノフスキー粒子の影響下では思うように索敵性能を発揮出来なかったため、主に高官用の高速連絡機として使用されていた。
なお、設定画には「デッシュ」と記載されているが、公式百科事典等では「ディッシュ」と記載されているのでこちらの表記が正しいと思われる。
ドラゴン・フライ
DRAGON FRY
史実でも珍しいプッシャー式*9のエンテ型*10軽飛行機。
飛行距離は短く速度も速くないが、小型で静粛性が高く、主にビッグトレーの艦載機として高官の連絡・脱出や着弾観測、偵察など幅広く用いられた。
フライダーツ
FRY DARTS
《武装》
電磁加速式モーターカノン ×1門
ミサイルランチャー
ハービック社が開発したFFシリーズの一つで(型式番号は不明)、スペースシャトルにも似たリフティングボディ式の高高度要撃機。
連邦宇宙軍の地上基地に配備され、地球への侵入者を撃退することが使命。
「地上で打ち上げて低軌道上で迎撃した後大気圏内に帰還する」という難易度の高い任務を担当する都合、パイロットは少数だったが腕利き揃いであった。
ただ、地上基地で運用するにもかかわらず戦場が低軌道だということで所属が宇宙軍であったため、地球上の防空を任務とする空軍と担当領域を巡っての対立があったらしい。
後に空軍のデプ・ロッグを改造してパラサイトファイターとして運用した例もあったので何らかの決着は着いたのかもしれない。
一年戦争開戦初期のジオン軍による地球侵攻作戦の際にはミノフスキー粒子の影響で性能を発揮出来なかったものの、中盤以降は新戦術に対応して多くのHLVや降下艇を迎撃、補給線を干上がらせた。
一年戦争以降は後継機のワイバーンが登場しているので、順次退役していったと思われる。
ハイブリッド戦闘ヘリ
《武装》
20mmガトリング砲
WAMM(有線式対MSミサイル)チューブ
ロケット弾ポッド
メカニックデザイン企画『F.M.S.』(福地モビルスーツステーション)に登場する戦闘ヘリコプター。
「ハイブリッド」の名が示すようにヘリとジェット機の両方の特性を持ち、どちらかというと飛行機のような形状をしている。
武装は機首の20mmガトリング砲、主翼下のWAMM(有線式対MSミサイル)チューブ及びロケット弾ポッド。
ファンファン
FAN FAN
全高: 5.6m
全長: 9.2m
全幅:10.7m
全備重量:3.3t
最高速度:430km/h
装甲材質:ユニバーサル・ジュラルミン
《武装》
5連装ミサイルポッド ×2基
視覚連動7.7mmミニガン ×4挺
一年戦争前から運用されている多目的ホバークラフト。
ホバーとは言ってもホバートラックとかドムのような地上を走るタイプではなく、どちらかと言えばヘリかワッパのように低空を飛行するタイプ。コックピット後部左右にファンで浮遊、ジェットエンジンで推進する。
少なくとも10~20mくらいの高度まで上昇出来るので、地下空洞にあるジャブロー内部でも運用可能な唯一の航空機となっている。
武装は機首左右のミニガンと推進機上部左右にある5連装ミサイルポッド。
ミサイルは有線式で命中率こそ高かったものの、MSにはあまり効果はなく、実際の戦闘では''「市街戦でファンファンがおびき寄せたザクを61式戦車が奇襲する」''戦法が確認されている。
またジャブローでウッディ大尉が乗った機体は「5連装」どころではない弾丸を連射している。本人はミサイルと言っていたがバルカンのようにも見え、武装の変更も可能とみられる。
バリエーションとして『第08MS小隊』に登場したミサイルポッドを外したタイプや、『バニシングマシン』に登場した対潜哨戒機型のファンファンSROが存在する。
近藤和久の漫画版「0079」ではアレンジ版が登場。
本体の設計はほとんど変わらないが、ミサイルポッドが小型化して翼下に吊り下げる形になった。数も四基に増えている。機首には機関砲も備える。
ジャブロー内部を哨戒中に侵入したジオン工作隊を発見、ホバリングしたまま機銃を発射してジオン兵を掃討した。
一機はRPGの反撃で撃墜されるが、それと見た別のファンファンはついに小型ミサイルを発射、ジオン工作隊をミンチに変えていく。
この班はシャアとは別の班だったのだが、通信機から悲鳴と爆撃の音だけが響く様はシャアをして「我々は全滅の危機にあり」と発言させた。
幸いというか、イワノフのアッガイが近くで待機しており、シャアの指示で突撃したアッガイによってファンファンは撃退される。
しかし工作班の兵たちが文字通りに散っていく姿は、やられ役になりがちなファンファンの強さ・恐ろしさを存分に思い知らされる。
ガンダムシリーズが劇中劇として存在している『ガンダムビルドファイターズトライ』にはヤシマ商事の社用機として登場した。
これにはミサイルポッドの発射口が無いので、純粋に商用機だと思われる。
宇宙空間哨戒機
読んで字の如く。
同型機が多数配備され、各方面でパトロールを行っている。
映像では『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』にコールサイン「ストロベリー9」が登場。
移送中のコロニーの哨戒中にシーマ艦隊と出くわし、撃墜された。
また、『新機動戦記ガンダムW』にこれとそっくりな機体が宇宙旅客機として登場している。
恐らく設定画を使いまわしたのだろう。*11
ミノフスキー・クラフト・ヘリコプター
《武装》
ミサイル
『ガイア・ギア』に登場。宇宙世紀0200年代の地球連邦軍及びマハが採用している治安維持用の攻撃型ヘリコプター。
ヘリコプターと言ってもミノフスキー・クラフトを採用したことで一般的なヘリコプターとは異なる性質のようだ。
ホンコン・マハがホンコンにて起動したゾーリン・ソールの撃墜を4機で試みるが、ミノフスキーバリアによって攻撃を無効化された。
ミノックス
《武装》
爆弾
焼夷弾
マハが運用している航空機。偵察機と爆撃機としての機能を持つ兵器で胴体をリング状のミノフスキー粒子発生フィンで囲んでいる独特なデザインが特徴。
スペースコロニーの制圧を目的に開発されているため、搭載している爆薬は単純な対象の破壊よりも建造物を焼き溶かすことを重視した仕様となっている。
有人の操縦に留まらず無人によるリモート操作も可能。
サイド2のヘラスのジャフール地区を爆撃し、同地区に逃げ込んだアフランシへの攻撃を試みた。
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- Gジェネに登場したミデアの改良型「マディア」の名前の由来は、恐らくSDガンダム外伝のゲームから。ミデア由来の回復魔法として「ミディ」「ミディア」といったものが存在し、その上位魔法が「マディア」だった -- 名無しさん (2020-05-07 20:40:44)
- ギレンの野望だと一年戦争編まではMSを余裕で圧倒できる -- 名無しさん (2020-05-07 21:05:15)
- 並びが変だなと思ったが、五十音順なんだな。 -- 名無しさん (2020-05-08 00:17:39)
- ↑2 ジオンのMSが対空苦手なの多いから速攻仕掛けると地上は楽なんだよな -- 名無しさん (2020-05-08 11:13:47)
- 「TINコッド」「レディ・キラー」 他意は無い? ホントかなぁ?(疑心暗鬼ゴロリ -- 名無しさん (2020-05-08 13:17:47)
- ↑名付け親が御大だとしたらなぁ、しかしTINコッドがシルバーフィッシュとかそれ系統の命名というのは初耳だった -- 名無しさん (2020-05-08 19:36:37)
- 全体的に戦闘機の「質」は連邦のほうがいいな、やっぱり。航空機も宇宙戦闘機もバランス良く高性能で、こりゃドップやガトルじゃ太刀打ちできんわ。 -- 名無しさん (2020-05-08 23:16:21)
- ギレンの野望でも慣れると1年戦争とデラーズ編なら通常兵器でクリアできるよな -- 名無しさん (2020-05-09 00:15:02)
- 50音順ってちょっと分かりにくいと思ったので、種類別・年代別で並び替えようと思います -- 名無しさん (2020-05-09 10:11:44)
- ファンが二つだからファンファン? -- 名無しさん (2020-09-05 12:31:08)
- とても良いページだと思います。できればなのですがアナザーガンダム(SEED以降も含めて)の航空・航宙戦力のページを作って欲しいです。愛称(名称)や型式名がないものも多いですが一覧にして頂けますと大変助かります -- 名無しさん (2021-07-03 20:55:33)
- トリアーエズ。似たような名前のキャラがVガンに出てたよね。 -- 名無しさん (2021-11-09 05:25:36)
- ↑エンジェル・ハイロゥ辺りのエピソードに出たトッリ・アーエスだな。 -- 名無しさん (2021-11-09 06:32:48)
- ↑中の人がアニソン歌手だったね。バクシンガーのOP歌ってた。 -- 名無しさん (2024-04-27 15:50:06)
#comment(striction)
*2 少なくともU.C.0085年以前から配備されている
*3 主翼と胴体が一体化した構造のこと
*4 ただし、ミノフスキー粒子散布下での戦闘を想定して開発されたとする資料もある。
*5 米軍B-29の約13倍、B-52の4倍近く!
*6 進軍と被撃墜の描写だけで実際に爆撃するシーンは無い
*7 現実だと単発プロペラの軽飛行機を指して「セスナ」と呼ぶ感覚に近いか。
*8 「オレら連邦愚連隊」など。
*9 後部にプロペラがある形式のこと。
*10 主翼の前にカナード翼のある機体構造。
*11 この他にもジム・マシンガンがそのままの見た目でレーザーガンとして登場している。
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