怪盗道化師

ページ名:怪盗道化師

登録日:2012/05/19(土) 03:09:20
更新日:2023/10/20 Fri 12:38:13NEW!
所要時間:約 4 分で読めます



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小説 児童文学 はやみねかおる 怪盗道化師



怪盗道化師参上!


怪盗道化師(ピエロ)とは、1990年に講談社わくわくライブラリーから刊行された小説である。
その後、2002年に講談社青い鳥文庫から復刊している。
第30回講談社児童文学新人賞受賞作品。


作者は「夢水清志郎」や「怪盗クイーン」で知られるはやみねかおる。つまり彼のデビュー作である。


一話完結型の短編物語で全1巻・18話。


「季節」や「月」がキャラクターとして登場するなど、非常に児童書らしいファンタジーな作品だが、話としては上手く纏まっており、後味のいい作品である。
特に最終話は秀逸。




【あらすじ】
怪盗道化師参上!
なんでもぬすみます。ただし―

  • 世の中に取って値打ちのないもの
  • 持っている人にとって値打ちのないもの
  • それをぬすむことによって、皆が笑顔になれるもの

れんらく先は西沢書店まで



【登場人物】
●西沢のおじさん
「どんで」という町の小さな書店を営むおじさん。奥さんを数年前に無くし、息子二人は結婚して上京しているため、一人で(正確には一人と一匹で)西沢書店を経営している。
退屈な日常を送っていたが、ある日「アルセーヌ・ルパン」を買う少女を見て、自らも「何かを盗んでも皆に笑顔を残せるような怪盗になろう」と決意。
同じく皆を笑顔にするピエロを参考に、怪盗道化師として活動を開始する。
怪盗の時は黒いマントにシルクハット、モノクルを身につけている。
…変装する気があるのかと思いたくなる程バレバレの変装だが、本人はその事を指摘されると必死に否定する。
僅か1ヶ月、本を読んだだけで変装術をマスターする他、知恵も働き、普通に考えれば不可能な様な物をいくつも盗むなどやたらハイスペックなおじさんである。
…しかし、寄る歳には勝てなかったのか、最後は癌に冒され…


●ゴロ
西沢のおじさんの飼い犬で現在唯一家族と呼べる存在。
いつもゴロゴロ寝てばかりいるからゴロという、わかりやすい名前を持つ。
西沢のおじさんに呆れたり、恋をしたりとやたら人間くさい。



◆依頼人


●美絵
怪盗道化師の最初の依頼人。物語冒頭で「アルセーヌ・ルパン」を買った、怪盗道化師誕生の切っ掛けを作った女の子。
盗んで欲しいものは「悪口」


●早野武
どんでの町の新人警察官。暴走しがちな正義感溢れる21歳。
当初は怪盗道化師を捕まえようとしたが、捕まる代わりに人々から「悪い心」を盗むように依頼する。


●ご隠居
西沢書店の隣にある小料理屋「魚いそ」のご隠居。またの名を“どんでの町の騒動師”
齢80を越えても町内会の雑用を引き受ける元気な老人である。
依頼は祭りを行う為に、祭りに出た「幽霊」を盗んで欲しいというもの。


●女の子
第5話に登場した、小学三年生くらいの女の子。
おばあちゃんの為に庭で菊を育てていたが、新しく建築されるビルによって庭に入る日の光が遮られる事を知り、菊が育たなくなると怪盗道化師に「影」を盗む事を依頼した。
今なら普通に訴訟モノだとか突っ込んではいけない


●幸子
眼鏡をかけた綺麗な女性。
小さい頃からクリスマスを独りで過ごした結果、クリスマスが嫌いになったというぼっちの鏡。
大嫌いな「クリスマス」を盗むように依頼した。


●スノーマン
雪だるま
当初は暖かくなると溶けて無くなる事を恐れ、道化師に「運命」を盗むように依頼しようとするが、西沢さんと触れ合う(という名の雪合戦)うちに考えを改める様になり…


●真一
ネクタイをしめてブレザーを着こなした小学五年生の少年。
憧れの少女、真理ちゃんの前で良いところを見せるため、自転車に乗れるようになりたいと自身の「悪い運動神経」を盗んでくれるよう依頼する。


●吸血鬼、透明人間、狼男
書いて字のごとくの怪物三人。
みんな現実的になってしまい、誰も自分達を信じてくれない事が悩み。
再び自分達を信じてもらえるように「現実」を盗んで欲しいと依頼に来たが…


●由美
髪の長いかわいい女の子。小学四年生。
毎晩悪夢を見る事から、道化師に「夢」を盗んで欲しいと依頼。
本来は仕事を自分の美学で激しく選り好みする怪盗が設置した怪盗ポストにきた依頼だった。


●暮伊頓 郎寸
奇術師。名前は“くれいとん ろうすん”と読む。
奇術師としての実力は本物なのだが、一度奇術を失敗してから“自分の失敗した奇術で子供に危険が及ばないか”と心配になり、道化師に自分の「シルクハット」を盗むように頼みに来た。


●月
背広を着て、帽子を被った姿で登場。
花火が大好きで、月の仕事休んでも花火が見たい程の花火好き。
しかし、花火大会の日に雲が出ては花火が綺麗に見えないと、「雲」を盗むように依頼する。


●千代
丸い眼鏡をかけた老婦人。
歳をとることで様々な物を失う寂しさを感じ、「時間」を盗んでもらうように依頼した。





追記・修正は西沢書店まで




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  • 昔作者のページに夢水清志郎が出てくるのがあったな 本編と違って完全な無能キャラだったし、夢水シリーズの構想を考えているときに書いた話だったんだろうか -- 名無しさん (2013-12-07 17:27:26)
  • あったな -- 名無しさん (2016-09-08 18:46:25)
  • 早野さん、親戚にブランド物のスーツ着た撃ちたがりの刑事いない? -- 名無しさん (2017-05-20 19:14:42)
  • これ本当に好きだ。 -- 名無しさん (2019-11-07 22:09:11)

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