登録日:2010/05/13(木) 22:07:26
更新日:2023/10/19 Thu 11:59:24NEW!
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スキュレーとは、ギリシャ神話に登場する海の魔物のこと。
「スキュラ」とも呼ばれる。
▽目次
ギリシャ神話において
『オデュッセイア』等に登場。
上半身は美しい女性だが、下半身は6匹の犬の頭と12本の犬の足が生えているという奇怪かつ恐ろしい姿をしており、
メッシナ海峡の洞窟に潜み、近くを通った船乗りや動物をその恐ろしい犬の頭で貪り食う凶悪な魔物だと伝えられている。
元々はポセイドン等の神々の寵愛を受けた美しいニンフ(歌と踊りを好む美しい女性の姿の下級精霊)であった。
ある時、スキュレーは自分に一目惚れした人間の漁師・グラウコスに告白され、それを断ったことが彼女の悲劇の始まりとなった。
オウィディウスの『変身物語』によると、この時すでにグラウコスは人から海の神々の仲間入りを果たしており、
そんな彼にスキュレーは「自分は神の一柱だ!」と告白されたのだが、「男の人魚」な外見に引いてしまい、断ったのだという。
しかしグラウコスは彼女を諦め切れず、薬学と魔術に詳しい魔女のキルケを訪ね、惚れ薬を作ってほしいと頼みこむ。
そんなグラウコスをキルケは気に入り、「自分に関心がない者(スキュレー)よりも自分を愛する者を求めた方が良い」と暗に自分を選ぶよう勧めるが、
グラウコスはそれを聞き入れず、キルケに激昂されても変わらずにスキュレーへの恋心を持ち続けた。
愛する者に振り向いてもらえないキルケの嫉妬と怒りは、グラウコスではなく彼の心を奪ったスキュレーに向けられることとなり、
浴びた者を魔物に変えてしまう毒薬を惚れ薬と偽ってグラウコスに渡し、スキュレーが気に入って時折訪れる水辺に注ぐよう唆した。
これを信用したグラウコスはキルケの言う通りにするも、その水辺に浸かったスキュレーの下半身はみるみるうちに恐ろしい六頭の犬の頭と、12本の犬の足へと変貌した。
グラウコスは愛する者を自らの手で恐ろしい怪物にさせられたことに絶望し、キルケとの関係を断ったという。
後に、オデュッセウスがキルケの住む島に立ち寄った際には、キルケは「この付近にはスキュレーという恐ろしい魔物がいるから注意しろ」と警告したという。
まあ警告自体はいいこととしても、そもそもその怪物がどうやって生まれたかを考えると「お前が言うな」としか言いようがない。
その後オデュッセウスはキルケの言われた通りの場所でスキュレーに襲われ、仲間6人が殺されるも、
下半身の6つの犬の頭のうち2つを切り落として生き延びたという。
※話によっては生還こそできたが、オデュッセウスはなす術もなく、ただ仲間が殺されていく悲鳴を聞くことしか出来なかったとするものもある。
恐ろしい怪物ではあるが、元を辿ればメデューサ等と同じく、同性からの嫉妬で怪物に変えられたという悲劇の存在でもある。
しかもこの話に限っては、「求婚を断ったらその男に惚れた女に怪物にされた」というスキュレーに一切落ち度がない顛末なのでさらに救いがない。
女の嫉妬は恐ろしいというのは割とよくある展開であるが、自分の嫉妬で怪物にしておいてスキュレーを助けたり、討伐したりなどもせず、
それどころか後日、しれっとオデュッセウスに自分は関係ないと言わんばかりに「あそこに怪物がいる」とだけ注意するキルケの面の皮の厚さも凄い。
ちなみに、話によってはスキュレーに惚れた男はグラウコスではなくポセイドンで、その妃のアムピトリテに頼まれたキルケが怪物にしたというものや、
グラウコスを愛するようになったスキュレーが、自分に横恋慕したポセイドンの告白を断ったら怪物にされたというものもある。どの展開でもスキュレーに一切の非がないのは変わらない
他の創作において
そんな彼女だが一部モンスター娘好きからの人気は非常に高く、モンスター娘達の中でもなかなかメジャーな存在。
だが何故かその場合下半身は犬ではなく触手で描かれる事が多い。
恐らく多数の頭をぎっしり詰めて描き分けるのは構図を練るのも絵のスペース的にも大変なのと海らしさを表現するためだと思われる。
世界樹の迷宮シリーズ
『世界樹の迷宮Ⅱ』『新・世界樹の迷宮2 ファフニールの騎士』においては第三層に登場するモンスターで、同フロアのボスモンスターでもある。
モンスターということを分かりやすくするためか、その上半身は金髪ロングの美しい人間の女性であるが、肌は青色となっており、
さらに、上半身は(おそらく)普通の人間同様のサイズだが、下半身はモンスターらしく(?)巨大な上、
タコやイカのような触手や蟹の鋏、巻き貝(ドリル?)等の多用な海洋生物のパーツを集めたような異様な風体の魔物である。
※以下ネタバレ
『世界樹Ⅱ』と『新2』に登場する冒険者ギルド「エスバット」のメンバーの一人が、オーバーロードに回収され改造された姿。
同じエスバットのメンバーであるアーテリンデとライシュッツは、そんな彼女を何も知らない冒険者達の攻撃から守るため三層の奥に進もうとする者を始末してきたが、
同じように三層の奥に進もうとするプレイヤー達との戦闘に敗れて道を譲り、彼女の運命を彼らに委ねられたプレイヤー達が戦うこととなる。
なお、後のクエストに出てくる髪飾りの所有者はおそらく彼女であると思われる。
また、『Ⅱ』ではギルドメンバーということ以外の関係は特に言及されなかったが、『新2』にてアーテリンデの姉であると語られた。
愛する姉を魔物に変えられたアーテリンデは当初、せめて自分たちの手で姉を葬ってやろうと幾度となく戦ったが、
スキュレーは何度倒されても怪物として蘇ってしまう不死性を付与されていたため、何度倒しても姉を死なせてやることが出来ず、
倒す度に苦痛に満ちた表情を浮かべる姉の顔に心を痛めたアーテリンデは、彼女ではなく彼女を討伐しようとする冒険者を始末し、苦痛から守ろうと決意したという。
元々スキュレーは強力な魔物である上、そもそも世界樹の迷宮自体危険な場所なので、彼女の元に辿り着く前に死亡したり、
あるいは彼女に手も足も出ずに屠られてしまった冒険者も多くいたと思われるが、それでも少なからず同業者をその手にかけたのは事実である。
幾度となく手にかけ、それでも蘇ってしまう姉を自らの手で倒してやることを諦め、何も知らない冒険者を殺し続けた彼女らを悪党と罵るか、
姉・仲間を何度殺されても蘇る無間地獄に落とされてしまった冒険者たちの結末と哀れむかは貴方次第である。まあもとはと言えば全部オーバーロードのせいなんだけど
とにかく硬く、攻撃も痛く、状態異常や縛りまで使いこなす強敵。
中盤最大の壁であり多くの冒険者が彼女の前にhageたという。
単純に痛いクライソウルを連発されただけでPTは半壊し、立て直そうとしたら6つの罪や子守唄で状態異常祭りで気が付けば全滅している…
慈愛の抱擁は即死級の威力をもつが命中率はが異常に低く、素の状態だとまず当たらないが、
子守唄で眠らされたり這い寄る触手で足を縛られると当たってしまう。
縛りや状態異常対策は万全にしよう。でないと彼女の熱いハグでhageる。
そのhage率と触手な見た目からSQⅡ屈指の触手エロ要員でもある。
…実際の所、彼女に敗北した場合は別の意味で(R-18G的な)モザイクが必要な絵面になるだろう。
対策としてはまず縛り技で強力な攻撃を封じてしまう事が挙げられる。
また地味にテラーが効きやすいのでカースメーカーがいれば封殺も可能。
封じた後は弱点の雷属性のスキルで早めに倒してしまおう。
核熱の術式も有効でアルケミストがいればかなり楽。
レアドロップ条件は3ターン以内に撃破。
適正レベルで満たすのはかなり難しいのでよっぽどレベルを上げていない限りは初見では諦めよう。
逆にレベルが上がると特に何も考えず全力投球するだけで条件が満たせてしまうのでよく金策目的で乱獲される。
またボスなので経験値も多いためレベル上げ目的のボスマラソンでもよく乱獲される。
しかし金や経験値目的で二週間ごとに殺されるスキュレーの姿をエスバットの二人が見たらどう思うだろうか…
続編の世界樹の迷宮Ⅲでは交易都市アイエイアの大航海クエストで戦う事が出来る。
ちなみに前作とは別の個体の模様。
基本的にやることは前作と同じだが、大航海クエストのためNPCを連れていく必要があり、構成によっては難易度が上がる。
特にクエスト3のペイルホース達は殺意が湧くほど完全な足手まとい。
しかも無駄に三人もいるためにこちらの戦略はかなり限られ、適正レベルで挑むなら全大航海クエスト中難易度は最高クラスなので注意が必要。
レアドロップ条件は呪いのダメージで撃破に変更された。
「呪い状態で撃破」でなく「呪いによるダメージで撃破」な点に注意したい。
呪いを付与するスキルが少ないのもありかなり面倒な条件なので素直に水溶液ぶっかけるか幸運のハンマーで殴ったほうが無難。
ちなみにアイエイアの女王の名前はキルケーでその側近の兵士の名前はグラウコス。
そう、上記のギリシャ神話のスキュレーを彷彿とさせる名前に設定されているのだ。
グラウコスはスキュレーと何らかの因縁があることが語られるだけで、具体的に何があったかは教えてもらえないが、元ネタ的に何となく予想はつくだろう…
また、今回は乱数固定を利用しクエスト1で一緒に戦う事が出来るグラウコス(ビーストキング)さんの召喚する剣虎でスキュレーを一瞬で即死させてレベルに関係無く経験値を稼ぐ技が存在する。
準備が何も必要なくお手軽で多くのプレイヤーに利用されている稼ぎ技だが、グラウコスさんの心情を察するとやるせない気持ちになる。
自分達の利益のためだけにグラウコスさん自身に彼が昔惚れてた女を何度も殺させる冒険者達マジ外道。
GOD OF WARシリーズ
外伝作品『GOD OF WAR 降誕の刻印』にスキュレーが登場。
シリーズお馴染みの序盤に出てくる巨大ボスとして、主人公クレイトスの前に立ちはだかるのだが……
どうしてこうなった。
追記修正お願いします。
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- キルケがスキュラ出没海域付近を通れと言ったのは、その対岸が渦潮の化身カリュブデスの縄張りだったからという理由もある(スキュラ側を通れば6人死亡で済むがカリュブデス側を通れば船ごと渦潮に弄ばれて全員死亡するから)。ちなみにカリュブデスはかなりの美女らしく、後世には「目先の事や見栄えの良さに釣られて、より悪い結果を選んでしまう」喩えとして「スキュラからカリュブデスへ」という慣用句も作られた。 -- 名無しさん (2014-06-07 23:21:14)
- 聖闘士星矢のイオの最大奥義がビッグトルネードだったのはす -- 名無しさん (2015-03-04 00:29:38)
- スキュラのお隣のカリュブデスの大渦が元ネタなのかもな -- 名無しさん (2015-03-04 00:30:50)
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