長毛で大きな角を持つ北領牛は、魔獣と言うにはあまりに家畜化されている魔獣で、北領では主に食用に供される。
肉と言えば鶏や豚が主流である北領で、北領牛は通常の牛肉よりも高価な部類に入る。
そのため、調理法としては塊肉よりも細かく切って煮込みにするか、挽肉にして薬味と混ぜてから焼いたり、詰め物にして食すことが一般的。
中でも小麦粉を練って作った生地で挽肉を包んで揚げるソイファという料理にはよく北領牛の挽肉が使われる。
もっとも、北領牛のソイファは比較的高価なので、ソイファそのものは豚肉か、あるいは北領牛との合挽を使うことの方が多い。
また、北領牛の角は角笛にも使われ、北領の軍では突撃の合図に使う角笛として非常に馴染み深い。
一方で北領牛の角は非常に硬く、一昔前の北領のゴブリンやドワーフは皆毛皮と角を合わせた、北領牛の革鎧を仕立てていた。
現在では野生の北領牛は減少傾向にあり、それと共に北領牛の革鎧も姿を消しつつある。
家畜としては北領牛は肉だけではなく毛皮も利用できるが成長が遅く、肉として売り物になるのは5年以上育てたものになるため、手間がかかりすぎると言って北領牛を育てる畜産農家はそう多くない。
帝国西部が主な産地であり、ジューゴロゥの近辺では比較的安価にその肉を食すことができ、同時にその毛皮を用いた加工品も入手しやすい。
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