『かつて南の森深く、六尾の狐が住みにけり。
白銀の毛も美しく、青い眼は玉のよう。
天より見降ろすセルモンテスの心をたちまち奪いけり。
弓と矢を持ち狩猟神、森の外れに降り立ちぬ。
森に入りたるセルモンテス、時も忘れて狐狩り。
しかし成果は徒労のみ、狐の影さえつかめずに、ただ徒になりにけり。
これに怒るはカルザミス、己の勤めもそこそこに、狩場で遊ぶ太陽を、きつく言葉で打ち据えり。
しかして今日も狐狩り、日は大地を照らさずに、今日も森へと落ちにける。
遂に怒りしカルザミス、天より落とす雷で、白銀の狐を撃ちにけり。
赤く燃えたるその毛皮、セルモンテスは掲げたり。
かくて狐は深更の、東の空に輝きぬ。』
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