王国の兵は大きく分けて騎馬隊と歩兵隊に分かれ、歩兵隊はさらに通常の歩兵のほかに弓兵や工作兵、魔砲兵と細分化する。
さらに歩兵隊と騎馬隊には魔導騎士から成る魔導兵隊がそれぞれ編成されており、標準軍装もそれぞれで異なるため少々複雑となる。
順に見ていこう。
騎馬隊
騎馬兵隊の装備するものは概ね鉄製の板金鎧である。
とは言っても斥量が小さく、疾く駆けることを良しとする王国の騎馬兵はその疾さを損なわないように工夫化されてきた。
結果として、金属製の胸鎧と、その下に鎖帷子、鉄兜という装備が標準化されて残った。
武器としては一見簡素な作りの騎兵槍に、剣を下げることが多く、得意な者はこれに短弓を下げるがあまり一般的ではない。
騎兵槍は硬い樫の柄に金属製の穂先を固定した物が主流だが、まれにすべてを鉄で作った重いものを使う兵もいた。
こうした好みによって標準兵装を変える自由は、下級士官になると許され、騎馬隊では指揮官階級であった。
魔導騎士による魔導騎馬兵も基本的には大差ないが、支給される剣は、杖としての機能が与えられたものであり、その分だけ通常の騎兵の使う剣より高価であった。
しかし、乱戦になると剣と杖を使い分けるほどの暇はなく、愛用の杖よりも剣として使える官給品が好まれた。
歩兵隊
歩兵隊の装備も基本は鉄製の物だが、籠手や具足などを着込む形になり、騎馬兵の物よりも重く、防御する箇所が多くなっている。
歩兵の持つものは武装としては変わらないが、弓兵のごく一部には滑車弓が使われている。
威力の非常に大きい滑車弓は、騎士団が少数で魔獣を討伐する際にも用いられるが、非常に高価で製作が難しいため、本当に一部の兵のみに配備される。
魔砲兵科は槍などを持たない代わりに、大型の魔導砲を曳くための台車や荷駄などが標準的に配備される。
剣は全員に支給されるため、腰から下げてはいるが、彼らの大きな武器は魔導砲であり、その弾である。
戦場でも大半は輜重隊のように戦場を避けて動き、砲を据え付け、正確に射撃をすることが望まれるため、彼らが剣を抜く機会は少ない。
工兵隊に至っては、井蘭や卵鉄、衝車に投石器といった攻城兵器を扱う兵員で、魔砲兵よりもはるかに輜重隊同然の動きをする。
そのため、個人の兵装を語るところにあまり意味はない。
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