帝国魔導学院の若き俊才と謳われ、青の魔術と白の魔術を使いこなすが体が弱く、武術の才は引き継がなかったと言われている。
軍事よりも内政に向く性格のため、武力で他国を併呑することを基本政策に据えている現皇帝の政策に真っ向から異を唱えられる数少ない人物である。
しかし、最大版図の領土再占領を悲願とする帝国の中では浮いた存在であり、次期皇帝候補に名が残っている弟のジェラルドと異なり、皇帝候補には選ばれなかった。
その一方で帝国内務大臣をはじめとする、内政担当の官僚からは軍備拡充一辺倒の政策に対する歯止めとして期待されており、次期皇帝候補の再選の機会を狙っている。
ヴィットリオ自身はやはり軍備拡張をやめ、亜人排斥政策と奴隷制を廃止、治水工事と農地開墾に力を入れて国内の生産性の向上を図ることで国を富ませることができると試算している。
しかしそれには、莫大な額の国費投入が不可欠であり、軍備拡充による周辺他国の併呑で国を富ませるという現皇帝の政策に真っ向から反対する立場でもある。
同時に、古の領土の回復に躍起になる首脳部の狂気を最も身近に感じているのも彼である。
そうした帝国の暴走を止めることを願っているが、今の自分たちの派閥がいかに主流派に比べて脆弱であるかも理解しており、止めることは叶わないとわかっている。
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