背鰭山脈の麓に広がる広大な森林地帯がナーラロゥの森である。
ナーラロゥは王国文化圏の中で、エルフたちが生活の拠点とする森として最大の規模を持つ森で、神話の時代からセルモンテスの祝福を授けられた地であり、セルモンテスを崇めるエルフたちの聖地のひとつでもある。
セルモンテスがエンデルクスに頼んで行った火除けの祝福のため、この森の樹木は火に強く、とても固いためエルフたちはこれを利用した防具を使うことを好んでいる。
幾度となく中央に侵攻を企てた帝国に対して、この森の者たちも長く戦ってきた歴史を持つ。
そのため、背鰭山脈を挟んで北を帝国、南を都市国家同盟が治めるようになった今でも、反帝国の気風が根強く残っている。
一方で、帝国の亜人排斥政策によって帝国から亡命してきたエルフやツリーフォークの受け入れ先としてこの森は有名であり、帝国からの貿易商についてこの森を目指してくる他人種も少なくない。
エルフやツリーフォークは火を使う金属をあまり好まないため、彼らの生活は石器によって支えられている部分も多い。
石器と言っても原始的なそれとは異なり、彼らの美意識が反映されたものに仕上がっている。
使われているのは背鰭山脈で産出する硬質な花崗岩や、東域の吠竜の谷で採れる黒曜石、南海産の珊瑚や貝などを象嵌に使ったものが用いられている。
特に黒曜石や瑪瑙を刃に使った小刀はエルフが嫁ぐときの持参金代わりとして挙げられるほどで、非常に上質なものを用意する風習がある。
また、この森で作られる薬はエルフの貴重な現金収入減となっている。
そのため、医者として各地に招かれるエルフも多い。
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