チームとしての勝敗が決まるにあたり、どんな要素がどの程度絡んでくるかを考える。
ところでWoTBでは、7人と7人のチームが戦闘を行うわけだが、1回のプレー中、常に7人全員が互いに対峙しているわけではない。
局所的に数名による戦闘があり、その結果が全体の勝敗につながっていくという流れのほうがむしろ多い。
それらも踏まえて、考えられる要素を列挙してみる。
- 車両数差・陣形
- 地形的有利・不利
- プレイヤーの操作スキル ※「操作」スキルである点に注意
- 車両固有の性能
- 車種のバランス
上から重要度が高い順に並べたつもりである。
すなわち、有利不利に最も影響するのが「車両数差」である。
これに対して、強戦車・弱戦車と呼び分けられる、車両固有の性能差は、WoTBにおいては、プレイヤーの操作スキル以下の要因によって充分に補える。
少なくとも、車両の性能差が戦力の決定的差であるとは言えない。
これは戦績集計サイトなどで調べられる、車両別勝率の分布や平均値などを見れば明らかである。
但し、優れたプレイヤーによる弱車両のみのチームでも、初心者の強戦車チームに常に勝てるとまでは言えない。
操作方法自体がわからないような初心者は論外として、その理由は、プレイヤーの操作スキルの差もまた、戦力の決定的差であるとまでは言えないからである。
車両数差・陣形
まず想像していただきたいのが、終盤の状況である。
一方は上級クラスの戦車が1台、無傷で残っている。
これに対してもう一方は、中級クラスの戦車が2台、HP半分程度で残っている。
この状況で有利なのはどちらだろうか?結論から言うと、2台残っている中級者のほうである。
ここに、揺るぎようのない絶対的な事実がある。
- どんなに上級者であっても、2つの方向に同時に砲撃することは出来ない。
- どんなに上級者であっても、決められた以上に装填を早めることは出来ない。
このために、ある程度のレベルにおいては、遮蔽物に隠れて撃つくらいのことはできるから、狙われている方が隠れるように交代して撃てば、理論上全く被弾の心配がない。
砲塔は一つの方向にしか向けられないので、これによって地形的不利の解消さえも狙いやすい。
このことから、次のような結論が導き出せる。
- 1vs1で戦った場合、いずれが勝つにしても、勝った方も体力を大きく削られる。
- 2vs1で戦った場合は、2台側は体力半分~ほぼ無傷で勝つことが出来る。
例えば序盤、Aチームが5-2、Bチームは6-1で分かれたとしよう。そして多数どうし(5-6)と少数どうし(2-1)で会敵したとする。
2-1はAチームの2台が安全に勝てるだろう。
しかしその間に、Aチームの5台の方が圧倒的不利である。マップによって別の場所で2-1が発生しており、自分たちが数的有利であるとわかれば、Bチームは当然のように攻め込むだろう。そうでなければ、1台を撃破したAチームの2台がこちらに来てしまうと7-6でしかも両側から挟み撃ちという最悪の事態になってしまう。
なのでBチーム6台は数的有利なうちに攻め込む。防御の甘い戦車がAチームに1台でもいれば、6台の集中砲火で一瞬で撃破できるだろう。そうすると4-6となり、更に状況は傾く。
このように、初動の分かれ方は勝敗に多大な影響を及ぼすことがある。
しかし他人同士によるランダム戦では、分かれてしまうケースは必ずある。
そのような場合、Aチームとしてはどのような対策が考えられるか。
- 2台組は、Bチーム6台への裏取りを最優先する。
例えばBチームで孤立した1台がAFKだったとする。当然戦力としては6-7となり最初から6側が不利が決定している。ところが7側側が5-2に分かれ、2台がAFKを発見し、その撃破をしている間、あとの戦力は6-5となり5台の味方は不利を負わされている。撃破は1台に任せて、もう1台は支援に向かうべきである(ただし、残した1台を待てる間合いは維持すべきであり、突っ込んではならない)。
AFKではなかった場合でも、敵の体力が半分を割るなど、片方の味方で対処できる段階で、もう片方は先に行けば良い。
これらはもちろん、敵の動きを把握できている事が前提であり、未発見の敵や、こちらに向かってくる敵がいる場合はこの限りではない。
- 5台組は、最初から足止めや防衛だけに専念し、自分たちから攻め入ることは絶対に避ける。
分かれた2台がこちらに来さえすれば、状況は一変するので、それまではフェイントなどでしのぐ。
砲撃は履帯切りを優先する。
駆逐は開始地点付近の狙撃地点を当てにしない。マップにもよるが、最初から撤退できそうな位置に下がっておくか、使うとしても1発にとどめて、あとは逃げる。逃げる機動のない駆逐は、最初から充分に後方に下がっておく。
撤退戦は死ななければ勝つと考える。敵が様子を見ている間はフェイントと足止めに徹し、動き出した時は履帯を狙い、1発ごとに後方の遮蔽物に後退する。
地形的有利・不利
地形的有利・不利について。
簡単な例を挙げると、どんなに強車両で、優れた操作スキルを持つプレイヤーであっても、隠れる場所のない谷底で、谷上から狙う戦車と撃ち合っても、勝つのは相当難しい。
そんな場面をあまり見かけないのは、優れた操作スキルを持つプレイヤーならば、そもそもそんな状況で撃ち合うようなことはしないからだ。
敵が谷底に降りたからと言って、安易に自分も降りていくようなことはしない。
運河の低地や湾港の丘陵側の河川などでしばしば見受けられるのが、谷底に降りた1台を追いかけて、敵または味方が集団で降りていき、結果、上にいる相手から袋叩きに合うという残念な展開である。
(もっとも、そのようなレベルでは、相手側も釣られて全員降りていくことも少なくないが…)
先に述べたように、プレイヤーの操作スキルは、戦力差を決定づけるほどの戦力要素ではない。
にも関わらず、上級者プレイヤーが、自身はほぼ無傷のまま、他の敵を圧倒していくのは、操作スキルとは別に、地形的有利を常に考慮して行動しているからである。
初心者プレイヤーは、地形を気にしないで移動するので、敵を発見したら、たとえそこが野ざらしの平地であっても立ち止まる。
また、互いに遮蔽物を盾にした撃ち合いでも、遮蔽物から大幅に飛び出て狙いに行く。結果、自分が1発撃つ間に、2発3発と被弾して不利に落ち込む。
優れたプレイヤーは、常に遮蔽物から遮蔽物へ渡るように移動するし、撃ち合いの場面では、無闇に飛び出さない。飛び出す時は、数的に圧倒、あと一発で撃破できる、敵後方支援が不在、敵が装填中など、確実にプラスを得られる判断が出来ているときだけである。
プレイヤーの操作スキル
プレイヤーの操作スキルがどんなに極まっていても、それによって装填速度が早まったり、装甲が増圧されることは決して無い。
しかし初心者と上級者が、同性能の戦車で一対一で戦ったとしても、まず引き分けにはならない。上級者が8割9割方勝つだろう。
これには豚飯やハルダウンという技術の差が大きく関わってくるためだが、その具体的内容については別ページにて説明する。
初心者側のもっと初歩的な問題として、「思った方向に曲がれない」というのもあるだろう。
特に、車体が横や後ろを向いている状態の操縦は、敵に応戦しながらともなるとなおさら、初心者には難しいものだろう。
この感覚は慣れるしか無いが、だいたい誰でも慣れる。
なぜならば、大人になればほとんどが車を運転しているからだ。
未成年は法的制限があるだけの話で、近所のおばちゃんでも、高齢者でも、運転はしている。
そして未成年であっても、ラジコンの操縦に慣れていれば、戦車の操縦もまず難なく操作できていることだろう。
車両固有の性能
車両の性能が戦力的有利不利に影響する程度はそれほど高くない。
よくOP(Over Powered、強化されすぎ)と言われる戦車の1つにDraculaがあるが、それがOPとして勝敗に大きく貢献するのは、操縦するプレイヤーが数的有利、地形的有利をよく認識しており、最低限の操作スキルも備わっていることが大前提である。
序盤から単独で突っ込む、平地を平気で横切る、撤退を知らない、すぐ遮蔽物に衝突する、そんなプレイヤーがDraculaを使用しても、勝利に大きく貢献することはない。
もちろん、それでも勝ててしまうのがOPたるゆえんであるから、逆に弱いとされる戦車が、数や地形、操作スキルだけで、OP戦車を常に完封できるとまでは言えない。
他の戦車を相手にするよりも、被害は多く発生することになるであろう。これはトップティアのKV-1を相手にするときなどにもよく当てはまる。
車種のバランス
例えば敵チームはMTが多いのに、味方はTDだらけでスポット役がいない、などとなると、開始時点からそれなりに厳しいと言えるかもしれない。
しかし、これは上に挙げた他の要因で充分に補えることである。
本サイト「車種」の項におけるとおり、駆逐であっても偵察や前衛がある程度務まるものもある。
また、そもそも、よほどプレイヤーの少ない時間帯でない限り、敵と味方で車種のバランスが大きく異なることはなかなか見かけないであろう。
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