マイナーリーグ

マイナーリーグ(英:Minor League Baseball、略称MiLB)とは、MLBの傘下にある下部リーグ組織の総称である。合計で7つの階層に分かれており、それぞれの間での昇降格は行われない。

概要

MLBから独立して運営されている、北米のプロ野球リーグのうち、MLB側との協定によりその傘下に入っている組織を指す(協定を結んでいないものは｢独立リーグ｣と呼ばれる)。かつては、これらのリーグ組織はメジャー傘下には入らず、MLBを構成するナショナル・アメリカンの両リーグに次ぐ、第3・第4の組織となるべく対抗していた歴史を持つ。そのため、マイナーに属する球団は、MLBの30球団とは異なる都市に本拠を置き、経営的にも独立採算で運営されている。

MLBの各球団は、それぞれ6～8のMiLB球団と育成契約を結び、選手の年俸を負担する代わりに、育成をマイナー球団に委託する形を取っている。マイナー球団は他にも、故障者のリハビリや、不振選手の再調整の場としての機能を持つ。あくまでMLBとMiLB球団の関係は契約によるものであるため、契約が満了すると次年度から親球団が変わるケースもある。すなわち、あるシーズンまではマリナーズ傘下だったが、次シーズンからはジャイアンツ傘下に変わるといった具合である。この仕組みは、カージナルスが最も早くに導入した。

各階層ごとに想定される役割

ここでは、7階層に分かれた各リーグが、MLB球団からそれぞれどのような役割を期待されているかについて記す。なお、ここでの記述はあくまで一般論であり、すべての球団がこれに倣っているわけではないことに注意されたい。

• AAA級(トリプルエー)

マイナーリーグにおける最上位クラス。日本流に言い表すならば二軍。MLB球団のすぐ下に位置するクラスで、一軍との入れ替えも頻繁に行われる。そのため、経験豊富な中堅・ベテラン選手が、一軍の予備部隊として据えられることが多い。

• AA級(ダブルエー)

マイナーリーグにおける二番手クラス。日本流に言い表すならば三軍。1、2年以内に一軍に定着すると見込まれる、若手有望株の競争の場である。ここに到達できるか否かが、マイナー選手にとっての1つのキーポイントであると言ってもよい。

• A+級(アドバンスド・シングルエー)

3階層存在する、A級リーグの最上位クラス。日本流に言い表すならば四軍。A級の中では最もシーズンが長く、プレーのレベルも洗練されている。毎年入団する新人選手のうち、もっとも有望とされるクラスの選手は、ここかAA級からキャリアをスタートさせる。

• A級(レギュラー・シングルエー)

3階層存在する、A級リーグの二番手クラス。日本流に言い表すならば五軍。ルーキー級からキャリアをスタートさせた選手にとっての、最初の関門となるリーグ。スランプを迎えた一軍の主力選手は、ここから下のリーグで再調整に臨むことが多い。

• A-級(ショートシーズン・シングルエー)

3階層存在する、A級リーグの最下位クラス。日本流に言い表すならば六軍。ルーキー級ともども育成を主眼に置いたリーグであり、数年先を見据えた選手起用が行われることが多い。

• R+級(アドバンスド・ルーキー)

ルーキー級の上位クラスで、名前の通り新人育成を目的としたリーグ。日本流に言い表すならば七軍。アマチュアドラフトで入団した、アメリカやカナダ出身の新人のほとんどは、このクラスからのキャリアスタートである。

• R-級(ルーキー)

ルーキー級の下位クラスで、マイナー組織全体における最下位クラス。日本流に言い表すならば八軍。ドミニカとベネズエラで行われるサマーリーグで、ここで目につく成績を収めた者がR+級に送り込まれる。ドラフト外で入団した、中南米出身者にとってのキャリアスタートの場。

各階級リーグ一覧

トリプルA

• インターナショナルリーグ
• パシフィック・コーストリーグ
• メキシカンリーグ（MLBの傘下協定には入っていない）

ダブルA

• イースタンリーグ
• サザンリーグ
• テキサスリーグ

アドバンスドA

• カリフォルニアリーグ
• カロライナリーグ
• フロリダ・ステートリーグ

クラスA

• サウス・アトランティックリーグ
• ミッドウェストリーグ

ショートシーズンA

• ニューヨーク・ペンリーグ
• ノースウェストリーグ

ルーキー・アドバンスド

• アパラチアンリーグ
• パイオニアリーグ

ルーキー

• アリゾナリーグ
• ガルフ・コーストリーグ
• ドミニカン・サマーリーグ
• ベネズエラン・サマーリーグ

その他

MiLBがあるため通常は独立リーグとして区別されるノーザンリーグも、リーグの運営規模や選手の能力からマイナーリーグに相当する。

関連項目

• MLB

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