ある日、夢と愛で満たされた小さな世界は、火山の噴火を契機に以前の姿を喪失した。
セルリアンの濁流が地表を洗い流し、山は地鳴りの産声をあげ、空は蝿どもや海棲物それにちゃんちゃら可笑しい何かの領域と既に化しており、地上には死そのものが蔓延し全てが枯れ果てている。海を望めば幽霊船たちを目視することもできただろう。そうやって、速やかに終わった。
しかして、国破れて山河あり。職員や来客者のその殆どがとうに退避を済ませた今でも。忘れ切れない、未練を断てない、馬鹿どもの中には未だ、地獄と化してなお土地に留まり続ける者もいた。かくいう俺も、その馬鹿の一人である。
CDC職員としての知識、食料備蓄庫とシェルターの位置。なんとかフレンズを守りながら生き延びるのにはギリギリ足るだけの材料だと俺は目算したのだ。
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧