肺がんー非小細胞肺がんー局所進行ー照射線量

ページ名:肺がんー非小細胞肺がんー局所進行ー照射線量

 


【第3相試験】

Bradley JD et al. Lancet Oncol. 2015. PMID 25601342
・III期非小細胞肺がんに対する化学放射線療法;高線量(74 Gy)vs 標準線量(60 Gy)、セツキシマブ併用 vs 化学放射線療法単独
・第3相ランダム化試験(2007年11月-2011年11月)、RTOG 0617
<結論>III期非小細胞肺がんに対する化学放射線療法において、標準線量(60 Gy)と比較して高線量(74 Gy)の照射による生存成績の改善を認めず、有害である可能性がある。セツキシマブ同時併用による生存生成の改善は見られない。
・対象:切除不能III期非小細胞肺がん、Zubrod PS 0-1、鎖骨上または対側肺門リンパ節転移なし
・(1:1:1:1)の割合で標準線量群(60 Gy)、高線量群(74 Gy)、60 Gy+セツキシマブ群、74 Gy+セツキシマブ群の4群にランダム化を行った。
・併用化学療法:カルボプラチン(AUC 2)+ パクリタキセル(45 mg/m2)を週1回投与
・化学放射線療法終了2週後よりカルボプラチン(AUC 6)とパクリタキセル(200 mg/m2)による地固め化学療法を2サイクル施行した。
・セツキシマブ併用群ではセツキシマブ 400 mg/m2を初日に投与し、その後 250 mg/m2を週1回投与し、地固め療法まで継続した。
・主要評価項目:全生存(OS)
・60 Gy群(166例)、74 Gy群 (121例)、60 Gy+セツキシマブ群(147例)、74 Gy+セツキシマブ群(110例)
・照射線量比較における経過観察期間(中央値)22.9ヶ月
・全生存期間(中央値):60 Gy群 28.7ヶ月(95% CI 24.1-36.9ヶ月)、74 Gy群 20.3ヶ月(95% CI 17.7-25..0ヶ月)(HR 1.38, 95% CI 1.09-1.76, SS)
・照射線量比較による治療関連毒性(G3+)の発生率に有意差を認めなかった。
・高線量照射とセツキシマブ併用では治療関連死亡を多く認めた(高線量 vs 標準線量:8例 vs 3例、セツキシマブ併用 vs 非併用:10例 vs 5例)
・肺の有害事象に関しては治療群間に有意差を認めなかった。
・重篤な食道炎は高線量照射が行われた患者で増加していた(21% vs 7%, SS)


 

 

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