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Zhang Q et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2024. PMID 38631536
・切除不能III期非小細胞肺がんに対する化学放射線療法
・トモセラピーを用いた寡分割照射(60Gy/20回) vs 従来型の通常分割照射(60Gy/30回)
・ランダム化試験、中国
・146例、プラチナ製剤ベースの化学療法2サイクルを同時併用。化学放射線療法後プラチナ製剤ベースの地固め化学療法を2サイクル施行。
・経過観察期間(中央値)46ヶ月
・3年全生存率(寡分割照射 vs 通常分割照射):58% vs 38%(HR 0.61(95% CI 0.40-0.94, p=0.03)
・全生存期間(中央値)(寡分割照射 vs 通常分割照射):41ヶ月 vs 30ヶ月


Nakamura K et al. Int J Clin Oncol. 2024. PMID 38630382
・限局性前立腺がんに対する寡分割照射による強度変調放射線治療(IMRT)を用いた画像誘導下放射線治療(IGRT)
・多施設共同第2相試験、日本
・線量分割:70 Gy/28回
・登録症例:134例、経過観察期間(中央値):5.16年
・低リスク 20例、中リスク 80例、高リスク 34例
・5年全生存率:94.5%、生化学的無再発率:96.0%、臨床的無再発率:99.2%
・5年生化学的無再発率:低リスク 94.1%、中リスク 97.4%、高リスク 93.9%
・晩期毒性(G2):消化管毒性 5.3%、生殖泌尿器毒性:5.3%、消化管/生殖泌尿器毒性:10.5%(90% CI:6.3-16.2)


Ito K et al. Jpn J Radiol. 2024. PMID 38625476
・子宮頸がん、腔内小線源治療不適格例に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)
・第1/2相試験、日本
・治療:全骨盤照射(45 Gy/25回)+体幹部定位放射線治療
・体幹部定位放射線治療:21 Gy/3回 または 22.5 Gy/3回
・登録症例:21例(第1相試験 3例、第2相試験 18例)
・経過観察期間(中央値):40ヶ月
・完全奏効:20例、部分奏効 1例
・2年局所領域制御率:84%、無増悪生存率:67%、全生存率:81%
・治療関連毒性(G3+):急性期の下痢(1例)、晩期の尿路閉塞(1例)


Tohidinezhad F, et al. Neuro Oncol. 2024. PMID 38595122
・原発性脳腫瘍に対する放射線治療後の神経認知機能低下(ND)
・対象:2019年~2022年、根治目的の放射線治療(X線 および/あるいは 陽子線)治療が行われた原発性脳腫瘍患者 219例。
・COWA(Controlled Oral Word Association)、HVLTR(Hopkins Verbal Lerning Test-Revised)、TMT(Trail Making Test)を用いて認知機能低下を評価した。
・認知機能低下を認めた患者の割合は、放射線治療6ヶ月後 50%、1年 44.5%、2年 42.7%
・認知機能低下の予測因子:放射線治療施行時の年齢(>56歳)(OR 5.71)、体重(OR 0.49)、肥満(OR 0.35)、化学療法(OR 2.33)、脳のV20Gy(>20%)(OR 3.53)、脳幹体積(>26 cc)(OR 0.39)、視床下部体積(>0.5 cc)(OR 0.4)
・臨床因子および線量体積パラメータを組み合わせた複合モデルのAUC (area under curve) / MAE (mean absolite error):6ヶ月 0.79/0.021、1年 0.72/0.027、2年 0.69/0.038


de Wild SR et al. Br J Surg. 2024. PMID 38597154
・臨床的リンパ節転移陰性でセンチネルリンパ節生検にてリンパ節転移が限定的な乳がんに対する乳房切除術施行例における腋窩リンパ節郭清の省略
・レジストリ研究、オランダ
<結論>乳房切除術を受けたcT1-2N0 乳がんで、センチネルリンパ節転移が限定的な患者では、5年局所再発率は低く、腋窩リンパ節郭清の有無による差異は認められなかった。
・対象:2013~2014年、乳房切除術をうけた片側性のcT1-T2N0乳がん、センチネルリンパ節転移(pN1mi~pN1a)、リンパ節転移 1~3個
・1,090例の患者が組み入れられた(腋窩リンパ節郭清施行群 [郭清群] 40%、腋窩郭清省略群 20%、局所放射線治療群 30%、腋窩リンパ節郭清+局所放射線療法群 10%)
・腋窩リンパ節郭清が行われなかった患者で腫瘍因子が良で高齢者が多く認められた。
・5年局所再発率:1.3%;腋窩リンパ節郭清の施行の有無による再発率の差をみとめなかった。
・無再期間も腋窩リンパ節郭清の有無による差異を認めなかった。
・腋窩郭清が行われなかった患者群ではがん以外の死亡が多く認められ、5年全生存率は腋窩郭清省略群で不良であった。


de Boniface J et al. N Engl J Med. 2024. PMID 38598571
・臨床的にリンパ節転移陰性、センチネルリンパ節生検にて転移陽性の乳がんに対する腋窩リンパ節郭清の省略
・ランダム化試験/非劣性証明試験、SENOMAC trial、 NCT02240472
<結論>臨床的リンパ節転移陰性でセンチネルリンパ節生検にてリンパ節転移陽性の乳がん患者において、センチネルリンパ節生検単独は腋窩リンパ節郭清に対して非劣性。
・対象:臨床的にリンパ節転移陰性原発性乳がん(T1-T3)、センチネルリンパ節生検にてマクロ転移(>2 mm)1-2個
・(1:1)の割合で腋窩リンパ節郭清を行う群(郭清群)と郭清を省略する群/センチネルリンパ節生検単独群(省略群)にランダム化。
・2015年1月~2021年12月、2,766例の患者が登録された。
・per-protocol解析には2,540例が含まれ、省略群 1,335例、郭清群 1,205例
・省略群 1,192例(89.9%)、郭清群 1,058例(88.4%)に対してリンパ節を標的とした放射線治療が行われた。
・経過観察期間(中央値)46.8ヶ月(範囲:1.5~94.5ヶ月)
・191例に再発または死亡イベントを認めた。
・5年無再発生存率:省略群 89.7%(95% CI 87.5~91.9%)、郭清群 88.7%(95% CI 86.3-91.1%)
・再発または死亡の国別調整ハザード比 0.89(95% CI 0.66-1.19)であり、事前に規定した非劣性マージンを有意に下回った。


Wang Q et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2024. PMID 38583495
・肝細胞がんに対する体幹部定位放射線治療(SBRT)+レンバチニブ(± PD-1阻害薬)
・後ろ向き研究、中国
<結論>切除不能肝細胞がんに対する体幹部定位放射線治療とレンバチニブおよびPD-1阻害薬の併用は、レンバチニブ単独併用と比較して、管理可能な安全性プロファイルで有意な全生存の改善と関連していた。
・対象:2018年10月~2022年7月、一次治療としてSBRT+レンバチニブ(± PD-1阻害薬)の併用が行われた切除不能肝細胞がん患者。
・214例の患者を組み入れ、SBRT+レンバチニブ+PD-1阻害剤の併用(レンバチニブ+PD-1阻害薬群)が146例、SBRT+レンバチニブの併用(レンバチニブ単独群)が68例に対して行われていた。
・全生存期間(中央値):レンバチニブ+PD-1阻害薬群 31.2ヶ月、レンバチニブ単独群 17.4ヶ月(p<0.001)
・無増悪生存期間(中央値):レンバチニブ+PD-1阻害薬群 15.6ヶ月、レンバチニブ単独群 8.8ヶ月(p<0.001)
・レンバチニブ+PD-1阻害薬 vs レンバチニブ単独;肝内無増悪生存期間(中央値) 17.5ヶ月 vs 9.9ヶ月(p<0.001)、肝外無増悪生存期間(中央値)20.9ヶ月 vs 11.6ヶ月(p<0.001)
・客観的奏効率:レンバチニブ+PD-1阻害薬群 63%、レンバチニブ単独群 40%(p=0.002)
・治療関連有害事象の発生率や重症度は両群で同等。


Parker CC et al. Ann Oncol. 2024. PMID 38583574
・前立腺がん術後;アジュバント(術後)放射線治療(ART) vs 救済放射線治療(SRT)
・第3相ランダム化試験、RADICALS-RT、長期成績
<結論>前立腺がん術後の放射線治療において、救済放射線治療と比較して、術後補助放射線治療による有意な病勢制御の改善効果は認められず、尿路および消化管毒性のリスクは上昇するため、PSA再発時の救済放射線治療を標準治療とするべき。
・対象:前立腺がんに対する根治的前立腺全摘除術施行例;pT3/4、グリソンスコア 7~10、断端陽性、治療前のPSA値 10 ng/mL以上の危険因子を1つ以上有する患者
・(1:1)の割合で術後補助放射線治療(アジュバント放射線治療)(ART)を行う群とPSA値が0.1 ng/mL以上に上昇 / 3回連続上昇が認められた際に救済放射線治療(サルベージ放射線治療)(SRT)を行う群にランダム化
・照射線量:52.5 Gy/20回 または 66 Gy/33回
・2007年10月~2016年12月、1,396例がランダム化(ART群 697例、SRT群 699例)
・ART群の93%は術後6ヶ月以内に放射線治療を受けており、SRT群では経過観察期間中に39%の患者に対して救済放射線治療が行われた。
・経過観察期間(中央値)7.8年
・10年遠隔無再発率:ART群 93%、SRT群 90%(HR 0.68, 95% CI 0.43-1.07, p=0.095)
・109例が死亡し、17例は前立腺がんに伴うものであった。
・ARTによる全生存の有意な改善効果を認めなかった(HR 0.980, 95% CI 0.667-1.440, p=0.917)
・ランダム化1年後時点で、尿失禁と便失禁がART群で不良(p=0.001)で、10年後時点でもART群の便失禁が不良であった(p=0.017)


Schaverien MV et al. JAMA Netw Open. 2024. PMID 38578640
・乳房切除+一時(即時)乳房再建術前の放射線治療、40.05Gy/15回 vs 50Gy/25回
・ランダム化試験、米国、NCT05774678
<結論>乳房切除術と一時再建前の術前放射線治療が施行可能であることが示された。これらの結果をもとに寡分割照射と通常分割照射を比較する大規模比較試験を開始した。
・対象:乳がん、cT0-3, N0-3b、放射線治療が推奨される患者
・乳房と領域リンパ節に対して放射線治療を行い、その後乳房切除+一時乳房再建を施行した。
・主要転機:再建失敗;自家皮弁の完全消失と定義
・50例の患者が登録され、49例が評価可能
・年齢(中央値)48歳(範囲:31~72歳)、46例(94%)に対してネアアジュバント全身療法が行われた。
・25例は乳房に対して50Gy/25回、領域リンパ節に対して45Gy/25回の照射が行われ、24例は乳房に対して40.05Gy/15回、領域リンパ節に対して37.5Gy/15回の照射が行われた。
・48例に対して一時乳房再建を伴う乳房切除術が行われ、放射線治療後からの日数(中央値)は23日(IQR 20~28.5日)
・41例は微小血管吻合を用いた再建術、5例は広背筋皮弁による再建術、2例はティッシュエキスパンダー留置術を受けた。
・自家皮弁の完全喪失なし、1例はティッシュエキスパンダーの摘出を受けた。
・8/48例(17%)に乳房乳房皮膚皮弁の壊死を認め、1例に対して再手術が行われた。
・経過観察期間(中央値)29.7ヶ月(範囲:10.1~65.2ヶ月)、局所再発および遠隔転移再発を認めなかった。


Guckenberger M et al. Cancer. 2024. PMID 38581694
・転移性骨腫瘍に対する体幹部定位放射線治療(SBRT) vs 従来型の放射線治療(cEBRT)
・第3相ランダム化試験;2016年11月~2023年1月に実施され、早期中止終了となった。
<結論>従来型の放射線治療と比較して、線量増加体幹部定位放射線治療によって6ヶ月時点での疼痛スコアの有意な改善を認めた。
・対象:18歳以上、有痛性、安定性/不安定性の可能性の椎体転移(1-2個)、期待生命予後1年以上
・体幹部定位放射線治療:硬膜外浸潤あり 48.5Gy/10回、硬膜外浸潤なし 40Gy/5回
・従来型の放射線治療:30Gy/10回 または 20Gy/5回
・主要エンドポイント:6ヶ月時点での疼痛スコア2ポイント以上の改善(VAS, 0-10ポイント)
・スクリーニングが行われた214例のうち、63例がランダム化された(体幹部定位放射線治療群 33例、36病変、従来型の放射線治療 30例、31病変)
・年齢(中央値)66歳、男性 40例(64%)
・ITT解析にて、6ヶ月時点で疼痛が2ポイント以上改善した患者の割合:体幹部定位放射線治療群 69%、従来型の放射線治療群 42%(two-sided p=0.02)
・ベースラインに対するオピオイドの摂取量は両群間に有意差を認めなかった。
・椎体圧迫骨折の発生率や有害事象の発生率に両群間に有意差を認めなかった。


Machiels JP et al. Lancet Oncol. 2024. PMID 38561010
・局所進行頭頸部扁平上皮がんに対する化学放射線療法;ペンブロリズマブ併用 vs 化学放射線療法単独
・第3相ランダム化試験、KEYNOTE-412
<結論>頭頸部扁平上皮がんで分子生物学的に選択を行わない場合、化学放射線療法にペンブロリズマブを追加しても無イベント生存の有意な改善効果はみられなかった。
・ペンブロリズマブ(200 mg)+化学放射線療法群(ペンブロリズマブ群)とプラセボ+化学放射線療法群(プラセボ群)に(1:1)の割合でランダム化。
・主要エンドポイント:無イベント生存(EFS, event-free survival)
・804例がランダム化(ペンブロリズマブ群 402例、プラセボ群 402例)
・経過観察期間(中央値)47.7ヶ月
・無イベント生存期間(EFS)(中央値):ペンブロリズマブ群 未到達、プラセボ群 46.6ヶ月(HR 0.83, 95% CI 0.68-1.04, log-rank p=0.043 [有意閾値 p<0.024])
・有害事象(G3+):ペンブロリズマブ群 92%、プラセボ群 88%
・主な有害事象(G3+):好中球減少(27% vs 25%)、口内炎(20% vs 17%)、貧血(20% vs 15%)、嚥下障害(19% vs 16%)、リンパ球減少(19% vs 20%)
・重篤な有害事象:ペンブロリズマブ群 62%、プラセボ群 49%
・主な重篤な有害事象:肺炎(11% vs 6%)、急性腎障害(8% vs 8%)、発熱性好中球減少症(6% vs 2%)
・治療関連死:ペンブロリズマブ群 4例(1%)(誤嚥性肺炎、腎不全、肺炎、硬化性胆管炎)、プラセボ群 6例(2%)(咽頭出血 3例、口内出血、処置後出血、敗血症)

 

 


Tian Q et al. J Clin Oncol. 2024. PMID 38560819
・早期舌扁平上皮がん(T1-2N0M0)に対する術後放射線治療(PORT)
・後ろ向き研究、中国
<結論>早期舌扁平上位がんに対する根治手術後、中分化~低分化がんでは術後放射線治療が行われた患者で生存成績が良好であった。神経周囲浸潤や脈管侵襲のある患者でも術後放射線治療による生存成績の改善効果が示唆された。
・根治手術を受けた528例(年齢 [中央値] 62歳)を組み入れ、145例(28%)は術後放射線治療が行われていた。
・多変量解析にて術後放射線治療と良好な生存成績に有意な関連が認められ、中等度~低分化がん、神経周囲浸潤(PNI)、脈管侵襲(LVI)、浸潤深達度(DOI)が不良な生存成績と関連した。
・中分化~低分化がんの患者では手術単独と比較して、術後放射線治療が行われた患者で予後が良好であった(PSM後の比較;全生存率 97% vs 69%、無病生存率 88% vs 50%、PNI/LVIの患者を除外しても同様の結果;全生存率 97% vs 82%、無病生存率 87% vs 64%)
・神経周囲浸潤(PNI)および/あるいは脈管侵襲(LVI)を有する患者(104例)でも術後放射線治療による生存成績の改善効果が認められた(全生存率 81% vs 58%、無病生存率 76% vs 47%)
・病変深達度が5 mmを超える あるいは 断端近接のサブグループにおいて、術後放射線治療後の無病生存が良好(80% vs 60%)であったが、全生存には有意差を認めなかった。


Okonogi N et al. Jpn J Radiol. 2024. PMID 38568430
・外陰がんに対する根治的(化学)放射線療法、JROSG調査
・対象:外陰がん(扁平上皮がん/腺がん)、根治的(化学)放射線療法が行われた外陰がん172例
・経過観察期間(中央値)16.8ヶ月(範囲:3.2~154.8ヶ月)
・同時化学放射線療法 55例、放射線治療単独 117例
・2年全生存率:I期(78%)、II期(72%)、III期(55%)、IV期(42%)
・III期の患者では化学療法併用と良好な全生存に関連性を認めた(p=0.013)
・多変量解析では、腫瘍径(HR 1.50, 95% CI 1.112-2.02)、リンパ節転移陽性(HR 1.80, 1.29-2.52)、放射線治療単独(HR 1.94, 1.12-3.16)が不良な全生存との関連を認めた。


Kaneko T et al. BMC Cancer. 2024. PMID 38532338
・大血管侵襲を伴う肝細胞がん(HCC)に対する重粒子線/炭素イオン線治療
・後ろ向き研究、日本
<結論>肉眼的血管侵襲(MVI)を有する肝細胞がんに対する重粒子線治療後の治療関連毒性は最小限で局所制御は良好な結果であった。
・対象:1995年~2020年、45~48Gy/2回 または 52.8~60Gy/4回の炭素イオン線治療を受けた肉眼的血管侵襲(MVI, macroscopic vascular invasion)を有する肝細胞がん(HCC)
・合計76例を評価;年齢(中央値)71歳(範囲:41~86歳)
・68例はChild-Pugh grade A、8例は grade B。
・17例は下大静脈または門脈本幹まで腫瘍栓が進展していた。
・経過観察期間(中央値)27.9ヶ月(範囲:1.5~180.4ヶ月)
・2年全生存率:70%(95% CI:58~79%)、無増悪生存率:33%(95% CI:22~44%)、局所再発率:9%(95% CI:2~24%)
・多変量解析では、アルブミン-ビリルビン グレード1 および 単発性病変が予後因子であった。
・晩期有害事象(G3)発生率:5%;急性期/晩期有害事象(G4-5)の発生を認めなかった。


Su CW et al. Oncologist. 2024. PMID 38530254
・進行肝細胞がんに対するアテゾリズマブ+ベバシズマブ(Atezo-Bev)併用高線量放射線治療
・後ろ向き研究、台湾
<結論>高度進行肝細胞がん(HCC)において、アテゾリズマブ+ベバシズマブによる全身療法に高線量の外部照射を同時併用することは安全で、有効性を高めることができる様子。
・対象:門脈本幹の腫瘍塞栓(Vp4)または肝臓体積の50%以上の腫瘍を有する高度進行肝細胞がん
・Atezo-Bevと高線量の同時併用が行われた患者群(RT併用群)とAtezo-Bev単独治療が行われた患者群(Atezo-Bev単独群)の治療成績を比較した。
・放射線治療:陽子線治療 72.6Gy/22回 (13例)、X線治療 54Gy/18回(1例);合計34例
・Atezo-Bev単独群と比較して、RT併用群でVp4を有する割合が高かった(79% vs 21%, p=0.05)
・経過観察期間(中央値)5.2ヶ月
・Atezo-Bev単独群と比較して、RT併用群で客観的奏効率が高く(50% vs 12%, p<0.01)、全生存期間も長かった(中央値:未到達 vs 5.5ヶ月, p=0.01)
・多変量解析にて、放射線治療の同時併用と良好な全生存との関連を認めた(HR 0.18, 95% CI 0.05-0.63, p<0.01)
・Atezo-Bev単独群と比較してRT併用による有害事象(any grade)(79% vs 59%, p=0.19)、有害事象(G3+)(14% vs 15%, p=0.97)の有意な増加を認めなかった。


Franceschini D et al. Radiother Oncol. 2024. PMID 38522597
・乳がんの肺または肝臓の少数転移/オリゴ転移(OM)に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)
・第2相試験(2015年~2021年)、イタリア、NCT02581670
<結論>乳がんの少数転移/オリゴ転移に対する体幹部定位放射線治療は安全かつ有効な治療選択肢で局所制御率は非常に良好。生存成績を改善し、遠隔転移の発生率を低下させるためには、適切な患者選択が必要。
・対象:18歳以上、ECOG PS 0-2、乳がん、肺/肝臓の少数(4個以下)転移、最大径 5 cm未満、転移は肺/肝臓のみ、肺/肝臓以外の病変は安定/全身療法に奏効
・腫瘍エンドポイント:局所制御(LC)
・64例が登録され90病変に対して体幹部定位放射線治療(SBRT)が行われた。
・局所制御率:1年 95%、3年 91%、局所制御期間(中央値)未到達。
・全生存期間(中央値)16.5ヶ月、全生存率:1年 88%、2年 61%、3年 52%
・遠隔無再発生存期間(中央値)8.3ヶ月、遠隔無再発生存率:1年 38%、2年 21%、3年 16%
・単変量解析にて、体幹部定位放射線治療(SBRT)に対する奏効と全生存および遠隔無再発生存との関連を認めた。


Lorusso D et al. Lancet. 2024. PMID 38521086
・高リスクの局所進行子宮頸がんに対する化学放射線療法;ペンブロリズマブ併用 vs プラセボ併用
・第3相ランダム化試験、ENGOT-cx11/GOG-3047/KEYNOTE-A18、NCT04221945
<結論>高リスク子宮頸がんに対する化学放射線療法において、化学放射線療法にペンブロリズマブを併用することにより無増悪生存が有意に改善。
・対象:高リスクの局所進行頸がん
・ペンブロリズマブ(200 mg)またはプラセボを3週ごと5サイクル東予市、化学放射線療法を行い、その後にペンブロリズマブ(400 mg)またはプラセボを6週毎15サイクル投与した。
・外部照射の照射法(IMRT/VMAT vs それ以外)、スクリーニング時の子宮頸がんステージ(IB2-IIB vs III-IVA)、放射線治療の照射線量(外部照射+ブラ期セラピー)(2 Gy分割で70 Gy未満 vs 70 Gy相当以上)で層別化。
・主要評価項目:RECIST ver 1.1による無増悪生存期間(PFS)および全生存(OS)
・2020年6月9日~2022年12月15日の期間に1,060例の患者が無作為化された。
・529例がペンブロリズマブ+化学放射線療法(ペンブロリズマブ併用群)、531例がプラセボ+化学放射線療法群(プラセボ群)。
・無増悪生存期間(中央値)は両群とも未到達。
・24ヶ月時点での無増悪生存率はペンブロリズマブ群 68%、プラセボ群 57%。
・病勢進行または死亡のハザード比(HR)0.70(95% CI 0.55~0.89;p=0.0020)で、プロトコールで規定した主要目標を達成。
・24ヶ月時点での全生存率はペンブロリズマブ群 87%、プラセボ群 81%でハザード比(HR)0.73(95% CI:0.49~1.07)で、これらのデータは統計学的有意性の境界を越えなかった。
・有害事象発生率:ペンブロリズマブ群 75%、プラセボ群 69%。


Christ SM, et al. Radiother Oncol. 2024. PMID: 38508239.
・少数転移/オリゴ転移に対する体幹部定位放射線療法の線量分割
・前向きコホート研究、EORTC-ESTRO E2-RADIatE OligoCare Study(NCT03818503)。
<結論>少数転移/オリゴ転移に対する体幹部定位放射線療法では、原発巣と照射部位にあわせて照射線量が調整されていることが示唆された。今後の解析では部位および原発巣に適応した体幹部定位放射線治療の線量分割法の安全性と有効性を検討する予定。
・登録患者 1,099例を対象として解析を行った。
・生物学的実効線量(BED)は、すべての原発巣は10 Gy、非小細胞肺がん(NSCLC)および大腸がん(CRC)は10 Gy、乳がん(BC)は2.5 Gy、前立腺がん(PC)は1.5 Gyの各種がんの特異的α/β値を用いて換算された。
・999例/1,099例(99.5%)が組み入れ基準を満たした;NSCLC 20%、BC 16%、CRC 18%、PC 48%が遠隔転移に対して体幹部定位放射線治療(SBRT)が行われた。
・患者の2/3は単発性転移に対する照射であった。
・分割回数の中央値は5回(IQR:3~5回)、1回あたりの照射線量(中央値):9.7 Gy(IQR 7.7~12.4 Gy)
・主な治療部位は、脊椎以外の骨転移(23%)、肺転移(21%)、遠隔リンパ節転移(19%)
・多変量解析において、生物学的実効線量(BED)は原発巣によって異なり(BED:乳がん 237 Gy、前立腺がん 300 Gy、大腸がん 84 Gy)、転移部位によっても線量が異なった(肺と肝臓で高線量の照射が行われていた)。


Ikawa T et al. J Radiat Res. 2024. PMID 38515338
・乳がんに対する術後放射線療法後の胸部軟部肉腫発生リスク
・後ろ向きコホート研究、日本
<結論>乳がんに対する術後放射線療法の施行は胸部軟部組織肉腫の発生率上昇と有意に関連。
・対象:大阪府の人口ベースのがん登録データ;女性、年齢(20~84歳)、1990年~2010年に乳がんと診断、鎖骨上リンパ節または遠隔転移なし、乳がんに対する手術が施行され1年以上生存
・乳がん診断後1年以降の胸部の軟部肉腫の発生を評価した。
・乳がん診断後(中央値)7.7年で、放射線療法施行群 15例/13,762例に胸部軟部肉腫の発生を認めた(血管肉腫 9例、その他の肉腫 6例)
・乳がん診断後(中央値)11.6年で、放射線療法非施行群 4例/27,658例に胸部軟部肉腫の発生を認めた(血管肉腫 3例、その他の肉腫 1例)
・10年累積胸部軟部肉腫発生率は、放射線療法非施行群と比較して、放射線療法施行群で有意に高かった(0.087% vs 0.0036%;p<0.001)
・ポアソン回帰分析では、乳がんに対する術後放射線療法により胸部軟部肉腫の発生リスクが高まることが示唆された(相対リスク 6.8;95% CI:2.4~24.4)


Yang Z et al. JAMA Oncol. 2024. PMID 38175627
・ERBB2/HER2陽性乳がんの脳転移;放射線療法とピロチニブ(pyrotinib;EGFR、HER2、HER4を標的としたチロシンキナーゼ阻害薬)+カペシタビン併用
・第2相試験、中国
<結論>ERBB2/HER2陽性乳がんの脳転移患者において、ピロチニブとカペシタビンを併用した放射線療法は許容可能な安全性プロファイルで中枢神経系無増悪生存期間の延長につながる可能性が示唆された。
・対象:2020年1月~2022年8月、ERBB2陽性乳がんの脳転移患者を登録
・放射線治療:分割定位放射線治療 または 全脳照射
・ピロチニブ(400 mgを1日1回)とカペシタビン(1000 mg/m2、1日2回、21日サイクルの第1~14日目に投与)を放射線治療の第1日目より投与を開始し、病勢進行/許容できない毒性発現まで継続。
・主要評価項目:中枢神経系の無増悪生存(CNS-PFS)
・40例の患者が登録された(年齢中央値:50.5歳 [IQR:46~59歳])
・経過観察期間(中央値)17.3ヶ月(IQR:10.3~26.9ヶ月)
・1年中枢神経系無増悪生存率(CNS-PFS):75%(95% CI:62~91%)
・CNS-PFS(中央値):18ヶ月(95% CI:15.5ヶ月~未到達)
・1年無増悪生存率(PFS):67%(95% CI:53~84%)、無増悪生存期間(中央値)17.6ヶ月(95% Ci:12.8~34.1ヶ月)
・中枢神経系の客観的奏効率:85%(34/40例)、全生存期間(中央値)未到達
・主な治療関連有害事象(G3-4):下痢(7.5%)
・無症候性の放射線脳壊死を分割定位放射線治療が行われた4/67病変(6.0%)に認めた。
・多くの患者ではMMSE(Mini-Mental State Examination)での評価で神経認知機能が維持されていた。


Wu TC et al. JAMA Oncol. 2024. PMID 38206614
・局所進行非小細胞肺がん(LA-NSCLC)に対する寡分割照射+体幹部定位放射線治療(SABR)による化学放射線療法
・前向き試験、第1相試験
<結論>局所進行非小細胞肺がんにおいて、寡分割照射と定位放射線治療によるブーストによる70 Gy/15回の化学放射線療法は安全で有効なレジメンである可能性が示唆された。
・対象:II期(手術不能/手術拒否)またはIII期の非小細胞肺がん
・2011年5月~2018年5月に患者を登録し治療を行い、経過観察期間(中央値)18.2ヶ月。
・経過観察期間90日以内に線量制限毒性(DLT)の発生率が33%未満の場合にさらに高線量の体幹部定位放射線治療(SABR)のコホートに移行した。
・線量制限毒性(DLT):グレード3以上の肺/消化管/心臓毒性、非血液毒性グレード4以上
・放射線治療:まず寡分割照射(40 Gy/10回)を施行し、その後の代謝的活動性が認められる残存病変に対し体幹部定位放射線治療(SABR)によるブースト照射を施行した。
・体幹部定位放射線治療(SABR)は、低線量群(25 Gy/5回)、中線量群(30 Gy/5回)、高線量群(35 Gy/5回)
・併用化学療法:weekly CBDCA/PTX
・主要評価項目:最大耐用線量(MTD, maximum tolerated dose)の決定
・28例が登録された(低線量群 10例、中線量群 9例、高線量群 9例)
・年齢(中央値)70歳(範囲:51~88歳)、男性 57%、III期 86%
・プロトコールで規定された最大耐用線量(MTD)を超えることはなかった。
・非血液毒性(G3+)発生率:急性期 11%、晩期(90日以降)7%
・中線量群ではグレード3の治療関連毒性の発生を認めず、高線量群では2例が死亡。
・2年局所制御率:低線量群 74%、中線量群 86%、高線量群 100%
・2年全生存率:低線量群 30%、中線量群 76%、高線量群 56%


Chen TW et al. JAMA Oncol. 2024. PMID 38127335
・乳がんの脳転移;シスプラチン+エトポシド+ベバシズマブ(BEP)による導入療法後の全脳照射 vs 全脳照射
・ランダム化試験、台湾
<結論>乳がんの脳転移に対する全脳照射先行と比較して、全脳照射前にシスプラチン+エトポシド+ベバシズマブによる導入療法を行うことで乳がん脳転移の制御を改善する可能性が示唆された。
・対象:局所治療が適さない乳がんの脳転移(BMBC)、全脳照射の既往なし、年齢:60~75歳、測定可能な脳転移1個以上。
・主要エンドポイント:脳転移の無増悪生存、予想ハザード比 0.60、両側 α≦0.20、検出力 0.8
・シスプラチン+エトポシド+ベバシズマブ療法後に全脳照射を行う群(BEP群)と全脳照射のみを行う対象群(WBRT群)に(2:1)の割合でランダム化
・118例の患者がランダム化;ITT(intention-to-treat)コホートは112例
・年齢(中央値)56歳(範囲:34~71歳)、55%はERBB2陽性。
・脳転移の無増悪生存期間(中央値):BEP併用群 8.1ヶ月、全脳照射先行群 6.5ヶ月(HR 0.71, 95% CI:0.44~1.13;p=0.15;事前定義 α≦0.20で有意)
・2ヶ月後の脳転移の客観的奏効率に有意さを認めなかった(BEP 42% vs WBRT 53%)
・8ヶ月後の脳転移の無増悪生存率はBEP群で有意に良好であった(49% vs 26%;p=0.003)
・有害事象は予防的なG-CSF投与にて管理可能なものであった。


Vo K et al. Breast Cancer. 2024. PMID 38507145
・高齢のホルモン受容体陽性男性乳がん患者に対する乳腺腫瘤摘出術後の放射線治療(RT)の省略
・National Cancer Database(米国)の解析
<結論>高齢のホルモン受容体陽性早期乳がん患者に対する腫瘍摘出術後の補助療法としてホルモン療法単独と比較して、放射線療法単独で治療された患者の全生存に有意差を認めず、放射線療法とホルモン療法の併用が行われた患者では全生存が良好であった。
・対象:2004年~2019年、65歳以上の男性患者で、乳房温存手術が行われ、切除断端陰性、T1-2N0(3 cm以下)、ホルモン受容体陽性を選択
・行われた術後補助療法により、放射線治療単独(RT)、ホルモン療法単独(HT)、放射線治療+ホルモン療法(RT+HT)に分類した。
・全生存の比較のため、男性患者と女性患者をマッチさせて比較を行った。
・合計523例が組入基準を満たした。
・24%がホルモン療法単独(HT)、16%が放射線療法単独(RT)、59%が放射線療法とホルモン療法の併用(RT+HT)で治療が行われていた。
・治療確率の重み付け(IPTW)調整後の5年全生存率:HT群 84%(95% CI 77~92%)、RT群 81%(95% CI 71~93%)、RT+HT群 93%(95% CI 90~96%)
・IPTW後の多変量解析において、ホルモン療法単独(HT)と比較して、放射線療法とホルモン療法の併用が行われた患者の全生存が良好であった(HR 0.64, p=0.042)
・ホルモン療法単独(HT)と放射線療法単独(RT)後の全生存に有意差を認めなかった(HR 1.26, p=0.420)


Yazici G et al. Radiother Oncol. 2024. PMID 38499272
・頭頸部のパラガングリオーマ(傍神経節腫)に対する定位放射線治療(SRT);治療奏効が得られるまでの期間の検討
・後ろ向き研究、トルコ
<結論>頭頸部のパラガングリオーマに対する定位放射線治療後の局所制御は良好であるが、治療に対する奏効がみられるまでには長期にわたる時間が必要である可能性があり、治療1年以降に腫瘍体積の減少が認められる患者の割合も高い。
・対象:頭頸部のパラガングリオーマ(傍神経節腫)に対して定位照射が行われtあ患者63例
・68病変に対して放射線治療が行われた。
・腫瘍径(中央値)3 cm(範囲:1~7.6 cm)、腫瘍体積(中央値) 15.4 cc(範囲:1~185 cc)
・照射線量(中央値)25 Gy(範囲:12~37.5Gy)、分割回数(中央値)5分割(範囲:1~5分割)
・経過観察期間(中央値)40ヶ月(範囲:3~184ヶ月)
・定位放射線治療後(中央値)4.6ヶ月(3~11ヶ月)での評価では、26例(41%)に腫瘍体積の減少(TVR)が認められた。
・経過観察期間中にさらに13例で腫瘍体積の減少(TVR)が認められ,全体の腫瘍体積減少率は62%。
・腫瘍体積が確認されるまでの期間の中央値は9ヶ月(範囲:3~36ヶ月)、定位照射12ヶ月以降に腫瘍体積の減少が認められた割合は42%。
・手術歴がなく(p=0.03)、経過観察期間が長い(p=0.04)患者では腫瘍体積の減少がみられる割合が高かった。
・腫瘍体積の減少がみられる可能性は照射線量が増加するにしたがい高まる傾向がみられた(p=0.06)
・全体の局所制御率:100%で、急性期/晩期有害事象(G3)の発生は認められなかった。


Tsutsumi Y et al. Cancer Med. 2024. PMID 38497548
・嗅神経芽細胞腫(ONB, olfactory neuroblastoma)に対する術後放射線療法
・後ろ向き研究、日本
・対象:腫瘍切除後に術後放射線療法が行われた嗅神経芽細胞腫(ONB)患者22例
・経過観察期間(中央値)37ヶ月時点で、全生存率:95.5%、全生存率:100%
・無病生存率(DFS):3年 64.4%、5年 56.3%
・9/22例(Kadish C 8例、Kadish B 1例)に腫瘍増悪を認め、このうち5例は断端陽性、2例は断端近接であった。
・6例に頸部リンパ節転移再発を認め、頸部転移再発を伴わない遠隔転移再発を3例に認めた。
・無病生存の解析において統計学的有意差を認めなかったものの、多変量解析において切除断端陽性は再発の有意な因子であった。


Koide Y et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2024. PMID 38493900
・疼痛に対する緩和照射の奏効を予測する因子
・前向き観察研究、日本
<結論>オピオイドの使用と再照射が疼痛に対する緩和照射後の奏効率が低下する因子として同定された。
・対象:有痛性腫瘍に対する緩和的放射線療法施行例
・適格基準:NRS(numerical rating sclae)2以上、緩和的放射線療法を2021年8月~2022年9月に施行
・放射線治療2週、4週、12週、24週、36週、52週後に評価を予定した。
・疼痛の奏効:International Consensus Pain Response Endpointsを用いて評価
・主要評価項目:12週以内の奏効
・登録された488病変のうち、261例の366例が基準を満たした。
・多くは骨転移(75%)で、72%の患者ではオピオイドが使用されており、22%は再照射であった。
・従来型の放射線療法(例えば8Gy/1回や20Gy/5回)が93%の患者に対し行われた。
・経過観察期間(中央値)6.8ヶ月、評価可能な273病変において、放射線療法12週後時点での平均NRSは6.1から3.4に低下、奏効率は60%であった。
・多変量解析において、オピオイドが使用されている患者、再照射の患者では奏効率が低かった。
・病変を3群に分類;クラス1(オピオイド使用なし、非再照射 89病変】、クラス2(クラス1および3以外、211病変)、クラス3(オピオイド使用 および 再照射 66病変)
・疼痛の奏効率:クラス1 75%、クラス2 61%、クラス3 36%
・奏効までの期間はクラス間に有意差を認めなかったが、放射線療法24週時点での増悪率に差異を認めた(11% vs 27% vs 63%)


Nikitas J et al. Eur Urol. 2024. PMID 38494380
・遠隔転移を有するホルモン感受性前立腺がんに対する間欠的アンドロゲン除去療法(ADT)とアンドロゲン受容体経路阻害薬(ARPI)および遠隔転移に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)の併用療法
・第2相試験、SATURN試験、NCT03902951
<結論>全身療法に遠隔転移に対する体幹部定位放射線治療を併用することで、テストステロン回復後もPSA値が低値に維持できることが確認されたが、最適な全身療法レジメンを明らかなにするためにはさらなる研究が必要。
・対象:根治的前立腺全摘除術後、PSMA-PETにて臓器外、骨盤外の転移が1ー5個のホルモン感受性前立腺がん
・6ヶ月間のアンドロゲン受容体経路遮断療法(AAT;リュープロレリン、酢酸アビラテロン+プレドニゾン、アパルタミド)を施行し、遠隔転移部に対してSBRTを施行した。
・主要評価項目:テストステロン開腹(>150 ng/dL)回復後6ヶ月時点でPSA値が0.05 ng/mL未満になる患者の割合。
・2021年3月~2022年6月までに28例が登録され、経過観察期間(中央値)20ヶ月(IQR 16~22ヶ月)
・26例(93%)の患者で6ヶ月のホルモン療法とSBRT治療を完遂。
・6例は少なくとも1つのARPIを中止、2人の患者は早期に中止。
・テストステロン回復後6ヶ月時点で、13/26例(50%, 95% CI 32~67%)でPSA値が0.05 ng/mL未満に維持されていた。


Vaugier L et al. Eur Urol. 2024. PMID 38490854
・前立腺がんの骨盤内リンパ節の少数転移(6個以下)に対する救済放射線療法
・第2相試験、OLIGOPELVIS(GETUP-P07)、5年成績
<結論>骨盤内リンパ節の少数転移に対する高線量放射線療法の長期成績を評価した。骨盤部に対する高線量照射に伴う毒性は限定的で腫瘍制御期間を延長できることが示唆され、患者の3人に1人は5年後も完全寛解が維持されていた。
・進行:PSA値が組み入れ時の値を2回連続して上回ること および/あるいはRECIST v1.1による臨床的進行 および/あるいは何らかの原因による死亡
・放射線治療:全骨盤 54Gy/30回(1.8Gy/回)、リンパ節転移 66Gy/30回(2.2Gy/回);照射歴のない患者に対しては前立腺床に対し66Gy/33回(2Gy/回)、前立腺床に局所再発を認める場合には72Gy/36回(2Gy/回)
・67例の患者をリクルート
・経過観察期間(中央値)6.1年(95% CI:5.9~6.3年)
・病勢進行のなかった患者における泌尿生殖器毒性(G2)発生率:3年 15%、4年 9%、5年 4%
・病勢進行のなかった患者における消化器毒性(G2)発生率:3年 2%、4年 3%、5年 4%
・5年無増悪生存率:39%、、生化学的無再発生存率:31%、アンドロゲン除去療法回避生存率:64%
・45例に進行を認め、7例はPSA値の上昇のみの進行であった。
・PSA値の上昇以外の進行を認めた患者38例において、局所再発 18%、N1への進行29%、M1aへの進行 50%、M1bへの進行 32%、M1cへの進行 11%。
・予防的リンパ節照射とアンドロゲン除去療法との併用に伴う毒性は限定的で、腫瘍制御期間を延長するようであった。
・5年時点でおよそ3分の1の患者では生化学的(PSA)再発を回避できていた。
・主な再発部位は傍大動脈リンパ節であった。


Buyyounouski MK et al. JAMA Oncol. 2024. PMID 38483412
・前立腺がん術後放射線治療;寡分割照射 vs 通常分割照射
・第3相ランダム化試験(非劣性証明試験)、NRG-GU003(米国、カナダ)
<結論>前立腺がんに対する術後照射において、通常分割照射と比較して、寡分割照射では照射終了時点での消化管毒性が強かったが、治療6ヶ月後にはベースラインまで改善した。治療2年後時点で、寡分割照射後の尿路毒性および消化管毒性は通常分割に劣っていなかった。
・治療2年後の患者報告による泌尿生殖器症状(GU)および消化管症状(GI)について、か分割照射が通常分割照射に非劣性であるかを検討した。
・対象:前立腺がんに対し前立腺全摘除術後、PSA 0.1 ng/mL以上のpT2/3NxM0 または PSA 0.1 ng/mL未満のpT3 または 切除断端陽性のpT2
・2017年6月から2018年7月に合計296例が無作為化された。
・放射線治療:寡分割照射照射 62.5Gy/25回(1回 2.5 Gy) vs 通常分割照射 66.6Gy/37回(1回 1.8Gy)
・主要評価項目:Expanded Prostate Cancer Composite Index質問票における消化管と尿路領域のベースラインから2年間のスコア変化。
・年齢(中央値)65歳(範囲:44~81歳)
・寡分割照射群 144例、通常分割照射群 152例に対し治療が行われた。
・放射線治療終了時点でGU変化スコアの平均値は臨床的に有意でもなく、統計学的にも有意差を認めず、治療6ヶ月後および12ヶ月後も同様であった。
・放射線治療終了時点でGI変化スコアの平均値は、RT終了時点では臨床的に有意な異なりを認め、統計学的にも有意差を認めた(寡分割照射 -15.52 vs -7.06, SS)
・GI変化スコアの平均値は治療6ヶ月後および12ヶ月後時点では、臨床的および統計学的有意差は認められなくなった。
・放射線治療24ヶ月後の平均GU変化スコアおよび平均GI変化スコアの差は、通常分割照射に対して非劣性で、劣性の帰無仮説を棄却した(非劣性マージン:GU -5、GI -6)
・平均GUスコア(SD):寡分割照射 -5.01(15.10)、通常分割照射 -4.07(14.67)
・平均GIスコア(SD):寡分割照射 -4.17(10.97)、通常分割照射 -1.41(8.32)
・経過観察期間(中央値)2.1年、生化学的再発(PSA 0.4 ng/mL以上に上昇と定義)に有意差を認めなかった(2年生化学的再発率:寡分割照射 12%、通常分割照射 8%, NS)


Liu G et al. Cancer Med. 2024. PMID 38477511
・食道扁平上皮がんに対するネオアジュバント化学放射線療法後(NCRT)の病理学的完全奏効を予測するノモグラム
・後ろ向き研究、中国
<結論>食道扁平上皮がんに対するネオアジュバント化学放射線療法(NCRT)において、早期cN病期、NCRTの期間(62日未満)、プラチナ製剤+タキサン併用の化学療法レジメン、NCRT前の好中球-リンパ球比(NLR)(2.199以上)、NCRT前の血小板-リンパ球比(PLR)(99.302以上)が病理学的完全奏効と有意に関連していた。これらの因子によりノモグラムを作成し検証したところ、良好な精度と一貫性が認められた。
・対象:食道扁平上皮がんに対するNCRT後に食道切除術が行われた293例
・手術後、38%の患者で病理学的完全奏効(pCR)が得られていた。
・ノモグラムに含まれた変数は、性別、cN、化学療法レジメン、NCRTの期間、NCRT前の好中球-リンパ球比(NLR)、NCRTまでの血小板-リンパ球比(PLR)
・ノモグラムのC-index 0.743(95% CI 0.686-0.800)、Hosmer-Lemeshow適合度検定におけるp値:0.600(.>0.05)


Kwak L et al. J Clin Oncol. 2024. PMID 38471051
・限局性前立腺がんに対するアンドロゲン除去療法(ADT)併用放射線療法;放射線療法終了6ヶ月のPSA値が予後へ与える影響
・ランダム化試験の個々の患者データを用いたメタ解析
<結論>限局性前立腺がんに対する放射線療法(RT)±アンドロゲン除去療法(ADT)施行例において、放射線療法終了6ヶ月以内にPSA値が0.1 ng/mL以下へ低下しない患者では予後が不良であった。
・対象:1987年~2011年に限局性前立腺がんに対する放射線療法±ADTを評価した16件の研究から個々の患者のデータを入手した。
・RT終了後6ヶ月以内の最低PSA値を同定し、0.1 ng/mL未満と0.1 ng.mL以上に群分けを行い比較を行った。
・主要評価項目:ランダム化後12ヶ月時点での遠隔無再発生存(MFS)、前立腺がん特異的死亡(PCSM)、全生存(OS)
・RT単独の98%、RT+短期ADTの84%、RT+長期ADTの77%の患者では、RT終了6ヶ月以内にPSA値が0.1 ng/mL未満とならなかった。
・PSA値 0.1 ng/mL以上は、放射線療法±ADT後の不良な遠隔無再発生存(MFS)、全生存、前立腺がん死亡(PCSM)と関連していた。
・放射線療法単独;MFS HR 2.24(95% CI 1.21~4.16)、PCSM sHR 1.82(95% CI 0.51~6.49)、OS HR 1.72(95% CI 0.97~3.05)
・放射線療法+短期ADT;MFS HR 1.27(95% CI 1.12~1.44)、PCSM sHR 2.10(95% CI 1.52~2.92)、OS HR 1.26(95% CI 1.11~1.44)
・放射線療法+長期ADT;MFS HR 1.58(95% CI 1.27~1.96)、PCSM sHR 1.97(95% CI 1.11~3.49)、OS HR 1.59(95% CI 1.27~1.99)
・5年遠隔無再発生存率(MFS)(0.1 ng/mL未満 vs 0.1 ng/mL以上):RT単独 91% vs 79%、RT+短期ADT 83% vs 76%、RT+長期ADT 87% vs 74%


Aoki S et al. Cancers (Basel). 2024. PMID 38473295
・早期中枢型小細胞肺がんに対する炭素イオン線治療/重粒子線治療(CIRT)
・後ろ向き研究、日本
<結論>早期中枢型非小細胞肺がんに対する炭素イオン線治療(CIRT)は施行可能で有効。特に他の根治的治療に耐えられない患者に対する治療選択肢として考慮できる。
・対象:2006年~2019年に中枢型非小細胞肺がんに対して炭素イオン線治療(CIRT)(68.4Gy/12回)を受けた患者30例
・年齢(中央値)75歳、KPSスコア(中央値)90%
・全例で慢性閉塞性肺疾患(COPD)を合併しており、20例(67%)は手術不能と判断された患者であった。
・線量体積ヒストグラム(DVH)解析において各の中央値は、肺のV5Gy:15.5%、V20Gy:10.4%、近位気管支樹のDmax:65.6Gy、D0.5cc:52.8Gy、D2cc:10.0Gy
・経過観察期間(中央値):43ヶ月
・3年全生存率:72%、疾患特異的生存率:76%、局所制御率:89%
・治療関連有害事象:2例に肺炎(G3)を認めたが、縦隔臓器に関連したグレード3以上の有害事象の発生を認めなかった。


Upadhyay R et al. Cancers (Basel). 2024. PMID 38473406
・頭頸部がんに対するQUAD SHOTによる緩和照射;QUAD SHOT単独 vs 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)併用
・後ろ向き研究、米国
<結論>頭頸部がんに対するQUAD SHOTによる緩和照射において、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の同時併用により局所制御の改善効果が示唆された。全生存期間の中央値は9.4ヶ月であり、従来の報告と比較して良好な結果であった。根治的治療が適さない頭頸部がん患者においてQUAD SHOTと免疫療法の併用は有望な治療選択肢であり前向きの評価が必要。
・ICIの同時併用:QUAD SHOTから4週以内のICI投与と定義
・70例の患者を組み入れ、57%に対してICIが同時併用されていた。
・年齢(中央値)65.5歳、50%の患者では(中央値)66Gyの照射歴があった。
・経過観察期間(中央値)8.8ヶ月
・QUAD SHOT単独群と比較して、ICI併用群で局所制御が良好であった(12ヶ月局所制御率:85% vs 63%; SS)
・遠隔制御率(12ヶ月 56% vs 63%, NS)および全生存期間(中央値 9.0ヶ月 vs 10.0ヶ月; NS)は両群で同様であった。
・多変量解析において、ICIの同時併用が局所制御と有意に関連していた(ハザード比 0.24, 95% Ci 0.07~0.78, SS)
・全体で23%に毒性(G3)の発生を認めたが、QUAD SHOT単独とICI併用同様であった。


Mutsaers A et al. Cancers (Basel). 2024. PMID 38473213
・頭頸部がんの少数転移/オリゴ転移(OM)に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)
・システマティックレビュー/メタアナリシス
<結論>頭頸部がんの少数転移(OM)に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)の忍容性は良好で、局所制御と全生存成績は比較的良好なものであった。長期にわたる無増悪生存率は依然として低く、このような患者に対する有効な局所療法や全身療法の必要性が示唆された。
・適格基準を満たした15件の研究、639例、831病変を組み入れた。
・12件の研究で共通したエンドポイントが報告されており、定量的統合が可能であった。
・15件の研究のうち、14件は後ろ向き研究で、1件は単施設の前向き試験であった。
・研究の規模はいずれも小さく、患者数の中央値は32例(範囲:6~81例)、病変数:63病変(範囲:6~126病変)であった。
・少数転移(OM)の定義は研究により様々で、転移の数は2~5個、同時性と異時性が混在しており、少数増悪(oligoprogression)含む研究もあった。
・主な転移部位は肺。
・放射線療法は1~10分割で20~70Gyが照射されていた。
・局所制御は12件の研究で報告されており、1年局所制御率は87%(95% CI 79~92%)、2年局所制御率:78%(95% CI 66~86%)で、研究間で異質性が認められた。
・無増悪生存は5件の研究で報告されており、1年無増悪生存率:43%(95% CI 35~51%)、2年無増悪生存率:24%(95% CI 18~31%)であり、研究間で均質なものであった。
・全生存は9件の研究で報告されており、1年全生存率:80%(95% CI 74~85%)、2年全生存率:61%(95% CI 51~69%)
・治療の忍容性は良好で、治療関連毒性(G4-5)の発生は報告されていなかった。
・治療関連毒性(G3)の発生率は一様に5%以下であった。


Takano S et al. Br J Radiol. 2024. PMID 38466928
・前立腺がんに対する救済放射線療法(SRT)における1回線量と晩期毒性
・後ろ向き研究、日本
<結論>前立腺がんに対する救済放射線療法(SRT)において、1回線量2.1Gy以上の照射では晩期の泌尿生殖器毒性が増加する可能性が示唆された。
・対象:2008年~2018年、前立腺がん術後に救済放射線治療が行われた前立腺がん患者212例
・照射法:画像誘導下強度変調放射線治療、照射線量(中央値)67.2Gy、1回線量 1.8~2.3Gy
・1回の照射線量により2Gy以下(137例)と2.1Gy以上(75例)に分けて比較を行った。
・総線量はα/β=3を用いて、1回2Gy換算の等価線量(EQD2)を計算した。
・経過観察期間(中央値)63ヶ月
・5年累積晩期有害事象(G2+):泌尿生殖器毒性 14%、消化管毒性 2.5%
・5年累積晩期泌尿生殖器毒性(G2+):1回線量2.0Gy以下 10%、2.1Gy以上 22%(SS)
・多変量解析にて、1回線量2.1Gy以上と晩期の泌尿生殖器毒性(G2+)と有意な関連を認めた(ハザード比 2.37, 95% CI 1.12-4.99; SS)
・総線量と晩期泌尿生殖器毒性(G2+)と有意な関連を認めなかった。


Choi SH et al. J Hepatol. 2024. PMID 38467379
・肝細胞がん、少数転移/オリゴ転移に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)
・第2相試験、韓国
<結論>肝細胞がんの少数転移/オリゴ転移に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)は有効で施行可能な治療選択肢で、局所腫瘍の制御は良好で、生活の質(QOL)に悪影響を与えることなく生存期間を延長することが可能。
・対象:原発巣が制御されている肝細胞がん患者で、1~5個の転移を有する患者
・2021年から2022年にかけて40例の患者を登録62病変に対して体幹部定位放射線治療(SBRT)を施行した。
・主な転移:肺(48%)、リンパ節(23%)、骨(18%)
・経過観察期間(中央値)15.5ヶ月
・2年全生存率:80%
・無増悪生存期間(中央値)5.3ヶ月、無増悪生存率:1年 21%、2年 0%
・年齢、Child-Pughクラス、AFP、原発巣への一次治療から少数転移までの期間が無増悪生存と有意に相関していた。
・2年局所増悪回避率:91%、客観的奏効率:76%、病勢制御率:98%
・急性期毒性発生率:10%、晩期毒性発生率:7.5%;グレード3以上の毒性の発生を認めなかった。
・QOLスコアは全体で安定していたが、全身療法が行われなかった患者では不眠と社会的機能スコアの改善がみられた。


Xu X et al. J Immunother Cancer. 2024. PMID 38458635
・切除可能胸部食道がんに対するネオアジュバント化学放射線療法+トリパリマブ(PD-1阻害薬)
・前向き研究、中国
<結論>切除可能局所進行食道がんに対する化学放射線療法と周術期のトリパリマブ投与の併用療法は有効で安全に施行可能。長期成績に関してはまだ明らかではない。
・対象:病理学的に診断された胸部扁平上皮がん(cT1-4aN1-2M0 / T3-4aN0M0)
・化学放射線療法:weekly CDDP+PTX併用、41.4Gy/23回
・化学放射線療法後、トリパリマブ 240 mgを3週毎、2サイクル投与し、手術を施行。手術後にトリパリマブ 240 mgを3週ごと、4サイクル投与。
・主要評価項目:病理学的著効率(MPR, major pathological response)
・21例を登録、20例に対して手術を施行;1例は手術を拒否、1例は術後に腺がんと診断
・病理学的著効率(MPR):79%(15/19例)、病理学的完全奏効率(pCR):47%(9/19例)
・主な有害事象:リンパ球減少(100%)、白血球減少(86%)、好中球減少(52%)
・主な有害事象(G3):リンパ球減少(67%)
・3例に再発を認め、病理学的著効(MPR)が得られた患者では、MPRが得られなかった患者と比較して、無病生存期間が長かった。


Vansteenkiste JF et al. JTO Clin Res Rep. 2024. PMID 38455595
・局所進行非小細胞肺がんに対する化学放射線療法(+デュルバルマブ)に伴う肺臓炎
・PACIFIC試験の探索的解析結果
<結論>局所進行非小細胞肺がんに対する化学放射線療法後とデュルバルマブによる地固め療法に伴う肺臓炎(G2+)発生のリスク因子を同定した。デュルバルマブの臨床的有用性は肺臓炎(G2+)の発生とは関係なく維持されており、肺臓炎(G2+)の発生リスク因子はデュルバルマブの使用を避けるものではない。
・対象:WHO PS 0-1、切除不能III期非小細胞肺がんに対し同時化学放射線療法施行例
・同時化学放射線療法1~42日後に、デュルバルマブ投与群とプラセボ投与群に(2:1)の割合でランダム化
・経過観察期間(中央値)25.2ヶ月
・肺臓炎(G2+)発生率:デュルバルマブ群 20%、プラセボ群 14%
・肺臓炎(G3+)発生率:デュルバルマブ群 4.6%、プラセボ群 4.7%
・肺臓炎(G2+)発生までの期間および消退までの期間は、デュルバルマブ群とプラセボ群で同様であった。
・アジアで治療を受けた患者、IIIA期の患者、PS 1の患者、導入化学療法が行われていない患者で、肺臓炎(G2+)発生リスクが高かった。
・時間依存性の肺臓炎(G2+)によらず、デュルバルマブの無増悪生存および全生存の改善効果が確認された。


Takakusagi Y et al. PLoS One. 2024. PMID 38457424
・前立腺がんに対するスキャニング法を用いた炭素イオン線治療(CIRT)
・後ろ向き研究、日本(神奈川県立がんセンター)
<結論>前立腺がんに対する治療において、スキャニング法を用いた炭素イオン線治療(CIRT)後の治療効果は良好で毒性は低かった。
・対象:2015年12月~2017年12月に炭素イオン線治療(CIRT)を受けた前立腺がん 253例
・線量分割:51.6Gy(RBE)/12回(3週間)
・年齢(中央値)70歳(範囲:47~86歳)
・経過観察期間(中央値)61.1ヶ月(範囲:4.1~80.3ヶ月)
・低リスク 3.2%、中リスク 35%、高リスク 62%(D'Amico分類)
・5年全生存率:97.5%、5年生化学的無再発率:93.3%
・5年生化学的無再発率:低リスク 88%、中リスク 94%、高リスク 93%(NS)
・累積晩期毒性(G2+)発生率:泌尿生殖器 7.4%、消化器 1.2%


Palma DA et al. JAMA Oncol. 2024. PMID 38451491
・間質性肺疾患(ILD)合併早期非小細胞肺がん(NSCLC)に対する体幹部定位放射線治療
・前向きコホート研究、カナダ、スコットランド
<結論>線維性間質性肺疾患(ILD)に対する体幹部定位放射線治療(SABR)の毒性と有効性は事前に設定した許容可能範囲の閾値を満たしていた。リスクと有益性を慎重に検討した上で、治癒を目的とした治療として体幹部定位放射線治療の施行は支持できる。
・対象:18歳以上の線維性ILDを合併している外科的切除の適応のない非小細胞肺がん(T1-2N0)
・体幹部定位放射線治療:50Gy/5回(1日おき)
・2019年3月-2022年1月、39例の患者を登録。
・年齢(中央値)78歳(IQR 67-83歳)、23例(59%)が男性
・ベースライン時点で、70%の患者に呼吸困難が認められ、%FEV(中央値)80%(IQR 66-90%)、FVC(中央値)84%(IQR 69-94%)、DLCO(中央値)49%(IQR 38-61%)
・経過観察期間(中央値)19ヶ月(IQR 14-25ヶ月)
・1年全生存率:79%(95% CI 62-89%)、全生存期間(中央値)25ヶ月(95% CI 14-NR)
・無増悪生存期間(中央値)19ヶ月(95% CI 13-28ヶ月)、2年局所制御率 92%(95% CI 69-98%)
・有害事象:G1-2 31%、G3 10%、G4 0、G5 7.7%(全例呼吸器系の悪化)


Miyazawa Y et al. BMC Cancer. 2024. PMID 38443871
・前立腺がんに対する根治治療後の性機能障害;炭素イオン線治療(CIRT) vs ロボット支援下根治的前立腺摘除術(RARP)
・後ろ向き研究、日本
<結論>前立腺がんに対するロボット支援下根治的前立腺摘除術(RARP)施行例と比較して、炭素イオン線(CIRT)後のEPIC性機能サマリースコアの低下が小さかった。
・対象:RARP患者 127例、CIRT患者 190例
・EPIC(Exanded Prostate Cancer Index Composite)スコアを治療前、治療12ヶ月後、24ヶ月後に評価。
・傾向スコアマッチングを行い、各群101例のデータを解析、比較。
・傾向スコアマッチング後の治療前のEPIC性機能サマリースコア平均:46.4ポイント vs 48.2ポイント。
・RARP群:12ヶ月後 27.9(39.9%低下)、24ヶ月後 28.2(39.2%低下)
・CIRT群:12ヶ月後 41.4(14.1%低下)、24ヶ月後 41.6(13.7%低下)
・RARP群、CIRT群、いずれの群でも治療前と比較すると治療後12ヶ月、24ヶ月後に有意なスコアの低下がみられた。
・治療12ヶ月後、24ヶ月後、いずれの時点においても、RARPと比較して、CIRT群のスコアが有意に高かった。


Rodríguez MR et al. Clin Transl Oncol. 2024. PMID 38431539
・肝転移に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)
・前向き研究
<結論>肝転移に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)は有効な治療選択肢であり、毒性プロファイルを低く抑えながら良好な局所制御と生存成績が得られることが示された。
・対象:肝転移 5個以下
・2015年~2018年、52例(105転移病変)に対しSBRTを施行した。
・主な原発腫瘍は大腸がん(72%)。
・原発腫瘍と肝転移の診断が同時のものが46%、肝臓以外の少数転移を伴っていたものが40%。
・全例で画像誘導下放射線治療(IGRT)と呼吸ゲーティングを併用した強度変調放射線治療(IMRT)/強度変調回転照射(VMAT)が行われた。
・すべての病変に対し生物学的実効線量(BED10)100 Gy以上の照射を行った。
・肝臓への体幹部定位放射線治療後の経過観察期間(中央値)23.1ヶ月
・局所無増悪生存期間(中央値):未到達
・照射野内の局所制御率:24ヶ月 85%、48ヶ月 78%
・全生存期間(中央値):肝転移に対する体幹部定位放射線治療後 27.7ヶ月、遠隔転移の診断後 52.5ヶ月
・病変の直径(5 cm以下)が全生存と有意に相関していた。
・急性期および晩期に有害事象(G3+)の発生を認めなかった。


Siva S et al. Lancet Oncol. 2024. PMID 38423047
・原発性腎細胞がんに対する体幹部定位放射線治療(SABR)
・第2相試験、TROG 15.03 FASTRACK II(オーストラリア、オランダ)
<結論>主にT1b以上の病変を有する腎細胞がんにおいて体幹部定位放射線治療は効果的な治療戦略であり、局所再発や癌関連死の発生を認めず、副作用プロファイルおよび腎機能は許容可能な範囲のものであった。
・対象:生検で原発性腎細胞がんと診断、1病変のみ、ECOG PS 0-2
・除外基準:eGFR 30 mL/min per 1.73 m2未満、腎細胞がんに対する全身療法の既往、重複部位に対する高線量の放射線治療歴あり、10 cmを超える腫瘍、腎細胞がんと腸管が直接接触している病変
・最大径 4 cm以下の腫瘍に対しては26 Gy/1回、最大径 4 cmを超え、10 cm以下の腫瘍に対しては 42 Gy/3回を照射・
・主要評価項目:局所制御(RECIST ver. 1.1)
・1年間の局所制御率を90%と仮定(帰無仮説が80%以下の場合にはランダム化試験に進む価値なしと判断)
・2016年7月~2020年2月、70例が登録され、治療が開始された。
・年齢(中央値)77歳、49/70例(70%)では経過観察画像にて経時的増大が認められていた。
・男性 70%、腫瘍径(中央値)4.6 cm(IQR 3.7-5.5)
・登録された患者は全例でT1-T2a N0-N1
・23例に対し26 Gy/1回、47例に対し 42 Gy/3回の照射が行われた。
・経過観察期間(中央値)43ヶ月(IQR 38-60)
・12ヶ月局所制御率:100%
・治療関連有害事象(G3)を7例に認めた(悪心/嘔吐 4%、腹痛、側腹部痛、腹痛 6%、腸閉塞 3%、下痢 1%)
・治療関連有害事象(G4)の発生なし、治療関連死およびがん関連死なし。


Yao Y et al. Radiat Oncol. 2024. PMID 38413988
・進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)に対する免疫化学療法施行例に対する胸部放射線療法(TRT)
・後ろ向き研究、米国
<結論>進展型小細胞肺がんに対しプラチナ製剤+エトポシドによる化学療法と免疫チェックポイント阻害薬による治療が行われた患者において、胸部放射線療法を追加することによる有意な生存期間の延長効果が示唆され、忍容性も良好な結果であった。
・対象:2018年~2022年の期間に進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)に対して一次治療として免疫チェックポイント阻害薬(ICI)と化学療法(CT)が4~6サイクル行われた進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)
・初期治療として胸部放射線療法(TRT)が行われたかどうかで患者を群分けを行い、傾向スコアマッチング(PSM)を用いて2群間のバランスの調整を行った。
・276例の患者を組み入れ解析を行った。
・経過観察期間(中央値)22.3ヶ月(範囲:4.0-53.7ヶ月)
・傾向スコアマッチング後、197例を解析した(胸部放射線療法群:99例)
・胸部放射線療法群で無増悪生存が有意に良好であった(無増悪生存期間中央値:10.8ヶ月 vs 7.6ヶ月,SS)
・全生存も胸部放射線療法群で有意に良好であった(全生存期間中央値:21.7ヶ月 vs 16.6ヶ月, SS)
・多変量解析においても、胸部放射線療法の施行は有意な予後因子であった。
・胸部放射線療法の施行による有害事象(any grade)(NS)および有害事象(G3-4)(NS)の有意な増加を認めなかった。
・胸部照射に伴う主な有害事象は放射線食道炎、消化器毒性、血液毒性であったが、これらは忍容可能な範囲のものであった。
・高線量照射が行われた患者で肺炎の発生リスクの上昇を認めた。


Yu KK et al. Radiother Oncol. 2024. PMID 38412905
・巨大な切除不能肉腫に対する緩和目的での部分的な体幹部定位放射線治療(PABR, partially ablative body radiotherapy)
・対象:2020年1月~2023年10月、部分的な体幹部定位放射線治療(PABR)が行われた肉腫患者18例
・後ろ向き研究、オーストラリア
・全例5 cm以上の腫瘍で、腫瘍体積(中央値)985 cc、主な症状は疼痛であった。
・年齢(中央値)73歳、45%はPS 2-3
・主な線量分割は20 Gy/5回で、腫瘍内ブーストとして50 Gy(83%)を照射した。
・経過観察期間(中央値)11ヶ月
・89%の患者で部分奏効が得られ、腫瘍体積減少割合(平均)50%
・症候性の患者では全例で症状の改善が得られた
・1年全生存率:61%、局所再発回避率:83%、遠隔転移回避率:35%
・グレード3以上の治療関連毒性の発生を認めなかった。
<結論>巨大な切除不能肉腫に対する部分的な体幹部定位放射線治療による高線量の照射は安全に施行可能で、症状緩和が得られる割合は高く、腫瘍の縮小や局所制御は良好な成績であった。


Yilmaz MT et al. J Neurooncol. 2024. PMID 38383875
・膠芽腫に対する定位放射線治療(SRT)による再照射
・後ろ向き研究、トルコ
<結論>膠芽腫に対する治療後の増悪に対する定位放射線治療による再照射は有効な治療法である。無増悪生存期間(14ヶ月以上)、高線量の再照射、再照射後に偽増悪(pseudo-progression)がみられた若年者では生存成績が良好であった。
・対象:2009-2022年、定位放射線治療(1-5分割)による再照射が行われた膠芽腫(GBM)症例77例
・再照射までの期間(中央値)14ヶ月(範囲:6-68ヶ月)
・定位放射線治療(SRT)の主な線量分割は30 Gy/5回(18-50 Gy/1-5分割)
・再照射後の経過観察期間(中央値)9ヶ月(範囲:3-80ヶ月)
・再照射後の1年全生存率:46%、無増悪生存率:35%
・再照射の線量および偽増悪(pseudo-progression)が全生存および無増悪生存の有意な予後因子であった
・無増悪生存期間(14ヶ月以上)は無増悪生存の有意な予後因子であった
・定位放射線治療による再照射の忍容性は良好で、目立った急性期有害事象を認めたなかった
・経過観察期間中に放射線脳壊死を17例(22%)に認め、14例(82%)は無症候性であった


Jiang J, et al. J Neurooncol. 2024. PMID 38381257
・びまん性正中グリオーマの予後因子の検討
・後ろ向き研究、中国
<結論>患者の年齢がびまん性正中グリオーマの独立した予後因子であった。
・対象:2018年1月~2022年11月の期間に、病理学的にびまん性正中グリオーマと診断された64例
・41例に対し外科的切除が行われ、23例に対しては生検術が行われた。
・全例、手術後に放射線治療が行われた。
・全生存期間(中央値)33.3ヶ月
・全生存率:1年 93%、2年 75%、3年 45%
・単変量および多変量解析にて、年齢が予後因子であることが示され、高齢の患者で予後が良好であった。


Berthet C, et al. Br J Radiol. 2024. PMID 38377402
・転移性脳腫瘍(BM)に対する定位放射線治療(SRT);局所制御と関連する線量パラメータ
・後ろ向き研究、フランス
<結論>転移性脳腫瘍に対する定位放射線治療において、BED10 >50 Gy、処方アイソドーズライン <80%が良好な局所制御を得るために重要な線量パラメータ
・対象:1-3個の転移性脳腫瘍に対して定位放射線治療を施行した患者;349例、538病変を解析
・肉眼的腫瘍体積(GTV)(中央値)2 cm3(IQR 0-7)、生物学的実効線量(BED10)(中央値)60 Gy(IQR 32-82)、処方アイソドーズライン(中央値)71%(IQR 70-80)
・経過観察期間(中央値)55ヶ月、全生存期間(中央値)17.8ヶ月
・95病変に再発を認め、局所制御率は1年 87%、2年 78%
・単変量解析では、全身療法、PTVのD2%~D50%、BED10(>50 Gy)、計画標的体積(PTV)、肉眼的腫瘍体積(GTV)が局所制御と有意に関連していた
・多変量解析にて、肉眼的腫瘍体積(GTV)、処方アイソドーズライン、生物学的実行線量(BED10)が局所制御と有意に関連していた


Wu Q, et al. Jpn J Clin Oncol. 2024. PMID 38376811
・肝細胞がん(HCC)に対する強度変調放射線治療(IMRT)後の肝毒性
・後ろ向き研究、中国
<結論>肝細胞がん(HCC)に対する強度変調放射線治療(IMRT)施行例において、治療前のChild-Pugh、肝臓のV15Gy、BMIを用いたリスク評価モデルは肝毒性を最小限にとどめるための患者の個別化戦略の指針となりうる。
・対象:肝細胞がんに対し強度変調放射線治療(IMRT)を施行した196例
・放射線性肝毒性:Child-Pugh scoreの進行と定義
・放射線性肝毒性1以上(Child-Pugh 1以上)を45%、放射線性肝毒性2以上(Child-Pugh 2以上)15%に認めた。
・単変量ロジスティック解析にて、治療前のChild-Pugh score、BMI(body mass index)、線量-体積パラメータが放射線性肝毒性1以上との関連を認めた。
・肝臓のV15Gyが線量-体積パラメータの中で最も予測効果が高かった(訓練コホート AUC 0.763、検証コホート:AUC 0.759)
・治療前のChild-Pugh、BMI、肝臓のV15Gyを用いて肝毒性1以上を予測するモデルを構築した(訓練コホート AUC 0.799、検証コホート AUC 0.775)
・BMI 20.425以下、BCLC C、B型肝炎陽性、ECOG PS 1-2、肝臓の線維化を有する患者では肝臓のV15Gyを抑える必要がある。


Shouman MA, et al. Clin Transl Radiat Oncol. 2024. PMID 38370495
・膵臓がんに対する体幹部定位放射線治療、システマティックレビュー
・対象:10年以内に報告された膵臓がんに対する体幹部定位放射線治療の前向き研究
・31件の研究(合計 1,571例)を対象とした;局所進行膵がんを対象とした研究14件、切除可能境界膵臓がんに対するネオアジュバント治療の研究9件、根治切除術後のアジュバント治療に関する研究2件、孤立性局所再発に関する研究2件、MRIガイド下放射線治療の研究4件。
・局所進行膵臓がんに対する体幹部定位放射線治療の局所制御率は良好で、いくつかの研究では切除可能な状態となることが報告されており、実質的な切除率は39%に達していた。
・MRIガイド下放射線治療の利用は重篤な毒性を最小限に抑えながら、高線量を照射を行うという課題の解決につながる可能性がある。
・切除可能境界膵臓がんでは、体幹部定位放射線治療と新しい導入全身療法を組み合わせることにより最大80%の切除率の達成が報告されている。
・術後のアジュバント治療における体幹部定位放射線治療は、アジュバント化学療法と比較して明らかなアドバンテージはなさそうである。
・孤立性の局所再発や疼痛緩和を目的とした体幹部定位放射線治療のデータは限られているものの、後ろ向き研究のデータからは肯定的な知見が得られている


Xie SJ, et al. Breast. 2024. PMID 38367283
・乳がん ルミナルタイプ T1-2N1に対する乳房温存療法施行例;21遺伝子スコアによる術後放射線治療の影響の違い
・コホート研究、SEER Oncotype DX database
<結論>乳がん ルミナルタイプ T1-2N1患者における術後放射線療法の予後予測における21遺伝子再発スコアの果たす役割が示唆された。
・6,509例を解析
・5,302例(86%)に対し乳房温存手術+術後放射線治療(BCS+PORT)が行われており、207例(15.5%)は乳房温存手術単独(BCS)で治療が行われていた。
・21遺伝子再発スコア:低リスク 22%、中間リスク 66%、高リスク 12%
・傾向スコアマッチング後の比較において、BCS単独と比較して、BCS+PORT群で5年全生存率が良好(95.1% vs 90.5%, SS)であった。
・乳がん特異的生存に関しては両群間に統計学的有意差を認めなかった(p=0.126)
・感度分析において、低リスク群ではPORTの施行の有無による乳がん特異的生存(p=0.472)および全生存(p=0.650)に有意差を認めなかった。
・一方、中間リスク/高リスク群では、BCS単独と比較して、BCS+PORT群で乳がん特異的生存(p=0.031)および全生存(p<0.001)が有意に良好であった。


Zhu M, et al. Hepatology. 2024. PMID 38358542
・門脈腫瘍栓合併肝細胞がんに対する一次治療における抗PD-1抗体シンチリマブ+ベバシズマブと放射線治療の併用療法
・第2相試験、中国
<結論>門脈腫瘍栓合併肝細胞がんに対する一次治療としてのシンチリマブ+ベバシズマブと放射線療法の併用の安全性プロファイルは許容可能なもので治療効果と生存期間は良好な成績であった。
・対象:門脈腫瘍栓を合併する肝細胞がん患者46例
・シンチリマブ(200 mg on day 1)+ ベバシズマブ(15mg/kg on day 1)を2サイクル投与後に放射線治療(30-50 Gy/10回)を施行
・放射線治療期間中はシンチリマブ+ベバシズマブの投与は中止し、放射線治療2週後より3週毎の投与を再開、病勢進行/許容不能な毒性発現/患者の同意撤回まで継続
・主要評価項目:客観的奏効率
・客観的奏効率:58.7%、病勢制御率:100%
・経過観察期間(中央値):26.0ヶ月(95% CI 24.0-26.0)
・全生存期間(中央値):24.0ヶ月、無増悪生存期間(中央値):13.8ヶ月
・予期しない有害事象や治療関連死亡の発生はなかった


Li LQ, et al. Clin Oncol (R Coll Radiol). 2023. PMID 37541936
・サイズの小さな肝細胞がん(HCC)に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)
・システマティックレビュー/ネットワークメタアナリシス
<結論>サイズの比較的小さな肝細胞がんにおいて、体幹部定位放射線治療(SBRT)はラジオ波焼灼療法(RFA)や外科手術に代わる第一選択の治療として推奨できる可能性が示唆された。全生存成績に関しては除去不能なバイアスの存在を考慮して慎重に解釈する必要がある。
・対象:最大径 5cm以下、3個以下の肝細胞がん;外科手術やラジオ波焼灼療法(RFA)と体幹部定位放射線治療を比較した。
・45件の研究、21,468例の患者を組み入れ解析
・比較可能なデータを用いたネットワークメタアナリシスにおいて、外科手術と比較して、体幹部定位放射線治療後の長期生存成績は不良な結果であった(3年 OR 1.39 ,95% CI 1.30-1.89, 5年 1.33, 95% CI 1.06-1.69)
・ラジオ波焼灼療法(RFA)と比較して、体幹部定位放射線治療(SBRT)後の1年無増悪生存は良好で(OR 0.39, 95% CI 0.15-0.97)、その他の治療成績は同等の結果であった。
・体幹部定位放射線治療(SBRT)後の重篤な合併症の発生率が他の治療と比較して低かった(vs 外科手術;OR 0.62, 95% CI 0.42-0.88)(vs ラジオ波焼灼療法;OR 0.2, 95% CI 0.03-0.94)


Bae SH, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2024. PMID 37597757
・肝細胞がん(HCC)に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)
・システマティックレビュー/メタアナリシス
・9回以下の分割で治療された肝細胞がん患者 1,899例(17観察研究)を組み入れメタアナリシスを施行した。
・全生存率:3年 57%(95% CI 47-66%)、5年 40%(95% CI 29-51%)
・局所制御率:3年 84%(95% CI 77-90%)、5年 82%(95% CI 74-88%)
・腫瘍サイズは局所制御や全生存との有意な関連性を示した。
・個々の患者データ解析では、5年局所制御率 79%(95% CI 74-84%)、5年全生存率 25%(95% CI 20-30%)
・腫瘍径(<3 cm)、地域(東部)、肝機能(Child-Pugh socre B7以下)、病期(Barcelona Clinic Liver Cancer stage 0 および A)が良好な全生存と関連していた。


Bindels BJJ, et al. JAMA Netw Open. 2024. PMID 38345820
・有痛性骨転移に対する放射線治療;体幹部定位放射線治療(SBRT) vs 従来型の放射線治療(CBRT)
・システマティックレビュー/メタアナリシス
<結論>有痛性骨転移に対する放射線治療において、疼痛の奏効率は体幹部定位放射線治療と従来の放射線治療で同程度。疼痛の完全奏効率は体幹部定位放射線治療で高かった。
・18件の研究、1,685例をシステマティックレビューに、8件のランダム化研究、1,090例をメタアナリシスに組み入れた。
・Intetion-to-treat populationのメタ解析において、疼痛の奏効率は両群間に有意差なし;1ヶ月(RR 1.14, 95% CI 0.99-1.30)、3ヶ月(RR 1.19, 95% CI 0.96-1.47)、6ヶ月(RR 1.22, 95% CI 0.96-1.54)
・疼痛の完全奏効率は体幹部定位放射線治療で高かった;1ヶ月(RR 1.43, 95% CI 1.02-2.01)、3ヶ月(RR 1.80, 95% CT 1.16-2.78)、6ヶ月(RR 2.47, 95% CI 1.24-4.91)
・Per-protocolでの解析でも同様の結果であった


Chang JY, et al. Lancet. 2023. PMID 37478883
・非小細胞肺がん 早期/孤立性肺再発;ニボルマブ+体幹部定位放射線治療(I-SABR) vs 体幹部定位放射線治療単独(SABR)
・第2相ランダム化試験(2017年6月-2022年3月)、米国
<解釈>治療歴のない早期/根治的治療後の孤立性肺再発を来した非小細胞肺がん患者に対する体幹部定位放射線治療単独と比較して、免疫療法を併用することにより4年無イベント生存の改善効果を認め、治療に関連する毒性は忍容可能な範囲のものであった。
・主要評価項目:4年無イベント生存
・免疫療法:ニボルマブ 480 mgを4週毎、4サイクル投与
・156例がランダム化、141例に対し割り付けた治療を行った
・I-SABR群で4年無イベント生存率が有意に良好;77% vs 53%(HR 0.38, 95% CI 0.19-0.75, SS、ITT population HR 0.42, 95% CI 0.22-0.80, SS)
・体幹部定位放射線治療に関連した有害事象(G3+)の発生なし
・I-SABR群では、ニボルマブに関連した免疫関連有害事象(G3)が10例(15%)に発生
・肺臓炎(G3)や治療関連毒性(G4+)の発生なし


Meng Y, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2024. PMID 37716460
・EGFR-TKIと胸部照射併用に伴う肺臓炎
・システマティックレビュー/メタアナリシス
・評価項目:重症肺炎(G3+)
<結論>EGFR-TKIと胸部胸部照射に伴う重篤な肺炎および死亡は比較的稀で許容できる範囲。同時併用は忍容性を低下させるため慎重を期す必要がある。オシメルチニブに関するデータは限定的で追加の検討が必要。
・37件の研究、1,143例を組み入れ解析
・重症肺炎(G3+)発生率:3.8%(95% CI 1.8-6.5%)
・致死的肺炎発生率:0.1%(95% CI 0-0.3%)
・重症肺炎(G3+)発生率:根治的放射線治療 2.3%、定位照射/緩和照射 2.9%
・重症肺炎(G3+)発生率:同時併用 4.9%、逐次併用 0.4%


Aoki S, et al. Cancers (Basel). 2024. PMID 38339314
・間質性肺炎(IP)合併早期肺がんに対する単回照射による重粒子線/炭素イオン線治療
・後ろ向き研究(2013年4月-2022年9月)、日本
<結論>間質性肺炎合併肺がんに対し重粒子線治療/炭素イオン線治療は比較的安全に根治的な治療が行えていたが、間質性肺炎の合併は重篤な放射線肺炎のリスクを高める。
・照射線量:50Gy/1回
・対象:間質性肺炎合併肺がん50例;A期 32例、IB期 13例、IIA期 4例、IIB期 1例(UICC 7th)
・32例(64%)はUIPパターンの間質性肺炎を合併
・経過観察期間(中央値)23.5ヶ月
・3年全生存率:45%、疾患特異的生存率:75%、局所制御率:78%
・肺のV5Gy(中央値)10%、V20Gy(中央値)5%、平均肺線量(中央値)2.6Gy
・肺の線量(特に肺V20Gy)と全生存に強い関連性を認めた
・肺炎(G2+)の発生率は13%(6例);4%(2例)はGrade 5の疑い


Song Y, et al. BMC Cancer. 2023. PMID 37904083
・EGFR変異陽性非小細胞肺がんの脳転移に対する初期治療;頭部放射線治療+EGFR TKI vs EGFR TKI単独
・システマティックレビュー/メタアナリシス
<結論>EGFR変異陽性非小細胞肺がんの脳転移に対する初期治療において、EGFR-TKI単独治療と比較して、頭部放射線治療を併用した方が有効である可能性が高い。頭部放射線治療の有用性は脳転移に関連する症状の有無、EGFR遺伝子変異のサブタイプ、性別、脳転移の数によらず認められる様子。
・24件の後ろ向き研究、3,184例を組み入れ解析
・用いられたEGFR-TKIは第1世代または第2世代
・EGFR-TKI単独と比較して、初期治療で頭部放射線治療が行われた患者で全生存(HR 0.75, 95% CI 0.64-0.88)および頭蓋内の無増悪生存(HR 0.61, 95% CI 0.52-0.72)が有意に良好であった。
・無症候性と症候性、エクソン19変異とエクソン21変異、脳転移1-3個と>3個の患者、男性と女性、いずれにおいても頭部放射線治療併用の全生存や頭蓋内の無増悪生存のベネフィットに有意差を認めなかった


Guninski RS, et al. Radiother Oncol. 2023. PMID 37922993
・脊椎転移に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)、システマティックレビュー/メタアナリシス
<結論>脊椎に対する体幹部定位放射線治療の有効性と安全性プロファイルは良好で、疼痛および病勢コントロールに持続的な効果が得られる。

・69件の研究、5,736例、7,236転移病変を解析
・体幹部定位放射線治療の疼痛に対する奏効率:83%(95% CI 68-94%)
・疼痛の完全奏効率:36%(95% CI 20-53%)
・1年局所制御率:94%(95% CI 86-99%)
・疼痛に対する奏効率(I2=93%)、疼痛の完全奏効率(I2=86%)、1年局所制御率(I2=86%)に異質性を認めた
・体幹部定位放射線治療(SBRT)は概して安全に施行されており、椎体骨折発生率 9%(95% CI 4-16%)、放射線脊髄炎発生率 0%(95% CI 0-2%)、疼痛フレア発生率 6%(95% CI 3-17%)。
・外科的治療を要する椎体骨折発生率は1.7%


Liu Q, et al. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2024. PMID 37980921
・食道がん 少数転移/オリゴ転移;局所療法+全身療法 vs 全身療法単独
・第2相ランダム化試験(2019年3月-2021年9月)、ESO-Shanghai 13、中国
<結論>全身療法を施行する食道がん 少数/オリゴ転移患者において局所療法を追加することにより無増悪生存を有意に改善しうる。
・対象:食道扁平上皮がん、原発巣は制御されており、1-4個の少数転移
・全身療法のレジメンは治験医師の裁量;化学療法単独、抗PD-1抗体単独、化学療法+抗PD-1抗体
・116例をスクリーニング、適格例 104例をランダム化;局所療法群 53例、全身療法単独群 51例
・抗PD-1ベースの全身療法施行率:局所療法群 38%、全身療法単独群 45%
・経過観察期間(中央値):30.5ヶ月(IQR 24.7-37.8ヶ月)
・無増悪生存期間は局所療法群で良好;無増悪生存期間(中央値):15.3ヶ月 vs 6.4ヶ月(層別ハザード比 0.26, 95% CI 0.16-0.42, 層別 log-rank SS)
・局所療法群で急性期の食道炎(G1-2)の増加を認めた(19% vs 2%, SS)
・治療関連有害事象(G3+)発生率は両群で同等(47% vs 41%, NS)
・主な有害事象は白血球減少(32% vs 35%)、好中球減少(36% vs 39%)
・治療関連死亡:局所療法群 2例、全身療法単独群 1例


Feng B, et al. Radiother Oncol. 2023. PMID 37981084
・進展型小細胞肺がんに対する免疫化学療法施行例に対する胸部放射線治療
・システマティックレビュー/メタアナリシス
<結論>進展型小細胞肺がんに対する免疫化学療法施行例において、胸部に対する放射線治療に伴う有害事象は管理可能な範囲のもので、生存成績の改善効果を示唆。
・4,677件の研究をスクリーニング、15件の研究(1,033例)を組み入れ
・免疫化学療法に胸部照射を追加することによる有意な有害事象(G3+)の増加はみられなかった(RR 1.29, 95% CI 0.85-1.98)
・胸部放射線治療により6ヶ月全生存(RR 0.89, 95% CI 0.77-1.00)および12ヶ月全生存(RR 0.77, 95% CI 0.72-0.82)は改善
・無増悪生存に関しても、胸部放射線治療による6ヶ月無増悪生存(RR 0.67, 95% CI 0.47-0.86)および12ヶ月無増悪生存(95% CI 0.22-0.55)の改善効果を認めた
・治療関連有害事象(G3+)発生率は24%(95% CI 8-39%)で、放射線肺臓炎(G3+)発生率は3%(1-6%)


Monk BJ, et al. Lancet Oncol. 2023. PMID 38039991
子宮頸がんに対する化学放射線療法;デュルバルマブの同時併用 vs 化学放射線療法単独
・第3相ランダム化試験(2019年2月-2020年12月)、CALLA trial
<結論>局所進行子宮頸がんに対する化学放射線療法へのデュルバルマブの併用の忍容性は良好であったが、無増悪生存の改善効果は得られなかった。

・対象:子宮頸がん(扁平上皮がん/腺がん/腺扁平上皮がん)(IB2-IIB期でリンパ節転移陽性 または III期以上 [FIGO 2009])、WHO/ECOG PS 1以下
・デュルバルマブ群:デュルバルマブ 1,500 mgを4週毎、化学放射線療法に同時併用し、最大24サイクルまで投与継続
・プラセボ群:プラセボをデュルバルマブと同様のスケジュールで投与
・化学放射線療法:シスプラチン 40 mg/m2 または カルボプラチン AUC 2、毎週投与;放射線治療では外照射(45 Gy)と小線源治療(高線量率 27.5-30Gy または 低線量/パルス線量 35-40Gy)
・770例がランダム化(デュルバルマブ群 385例、プラセボ群 385例)
・経過観察期間(中央値):デュルバルマブ群 18.5ヶ月、プラセボ群 18.4ヶ月
・データカットオフ時点で、両群とも無増悪生存期間中央値は未到達
・12ヶ月無増悪生存率:デュルバルマブ群 76%、プラセボ群 73.3%
・主な有害事象(G3-4):貧血(15-20%)、白血球減少(10-13%)
・重篤な有害事象:デュルバルマブ群 28%、プラセボ群 23%
・治療関連死:デュルバルマブ群 5例(尿路感染症、出血に伴う貧血、肺塞栓症、内分泌障害、肺塞栓症)、プラセボ群 1例(肺炎)


Tsai CJ, et al. Lancet. 2024. PMID 38104577
・非小細胞肺がん/乳がんの少数個の遠隔転移の残存病変の増悪(oligoprogression);体幹部定位放射線治療+標準治療(SBRT+SOC) vs 標準治療単独(SOC)
<知見>非小細胞肺がん/乳がんの全身療法後の小数個の遠隔転移の残存病変増悪に対し体幹部定位放射線治療を追加することによる無増悪生存の改善が示された。無増悪生存延長効果は原発巣による効果が異なり、非小細胞肺がんでは無増悪生存の改善がみられた一方、乳がんではその改善効果はみられなかった。
・第2相ランダム化試験、CURB trial(2019年1月-2021年7月)、米国
・対象:全身療法施行後に少数(1-5個)の残存転移病変の増悪を認めた乳がんまたは非小細胞肺がん
・主要評価項目:12ヶ月無増悪生存
・106例をランダム化;SOC群 51例、SBRT+SOC群 55例
・中間解析時点で主要評価項目が達成されたため、試験は早期中止終了。
・経過観察期間(中央値):SOC群 11.6ヶ月、SBRT+SOC群 12.1ヶ月
・無増悪生存期間(中央値):SOC群 3.2ヶ月、SBRT+SOC群 7.2ヶ月(HR 0.53, 95% CI 0.35-0.81, SS)
・非小細胞肺がん患者では、SOC群と比較して、SBRT+SOC群で無増悪生存期間が有意に延長(中央値:10.0ヶ月 vs 2.2ヶ月, HR 0.41, 95% CI 0.22-0.75, SS)
・乳がん患者ではSBRT追加による無増悪生存の有意な改善効果は認められず(無増悪生存期間 [中央値] 4.4ヶ月 vs 4.2ヶ月, HR 0.78, 95% CI 0.43-1.43, NS)
・有害事象(G2+)発生率:SOC群 41%、SBRT+SOC群 62%
・SBRT+SOC群において、SBRT関連の有害事象(G2+)は9例(16%);GERD、疼痛増悪、放射線肺臓炎、腕神経叢障害、血球減少など


Siva S, et al. Lancet Oncol. 2024. PMID 38181809
・腎細胞がんに対する体幹部定位放射線治療、システマティックレビュー
・3,972件の論文をスクリーニング、36件の研究(822例)を解析に組み入れ
・局所制御率(中央値)94.1%(範囲:70-100%)
・5年無増悪生存率:80.5%(95% CI 72-92)、5年全生存率:77.2%(95% CI 65-89%)
・推奨される線量分割:25-26Gy/1回、大きな腫瘍に対しては42-48Gy/3回
・体幹部定位放射線治療後のルーチンでの生検の施行は転帰を予測できないため推奨されない
・原発性腎細胞がんに対する体幹部定位放射線治療の安全性および有効性は高い
・治療後の経過観察では、両側腎および副腎の腹部を画像評価し、治療後初期は6か月ごとに胸部も評価する


Zhang C et al. Radiother Oncol. 2024. PMID 38309584
・限局型小細胞肺がん(LS-SCLC)に対する術後照射、システマティックレビュー/メタアナリシス

<結論>限局型小細胞肺がんに対する手術後のアジュバント放射線治療は、pN0およびpN1では推奨されない。一方でpN2では生存成績の改善効果が示唆された。

・対象:11件の後ろ向き研究(7,694例)
・術後放射線治療非施行群と比較し、術後放射線治療群の全生存が良好(HR 0.79, 95% CI 0.71-0.87, SS)
・pN0の患者では、術後放射線治療が行われた患者の全生存が不良(HR 1.22, 95% CI 1.04-1.42, SS)
・pN1の患者では、術後放射線治療の施行の有無による有意な全生存成績差なし(HR 0.82, 95% CI 0.60-1.12, NS)
・pN2の患者では、術後放射線治療が行われた患者の全生存が良好(HR 0.59, 95% CI 0.50-0.70, SS)
・無病生存に関しては、術後放射線治療による治療成績改善効果はそれほど大きなものではなかった(HR 0.76, 95% CI 0.58-1.00)


Keric N, et al. J Neurooncol. 2024. PMID 38326661
・組織学的にWHO grade II-IIIと診断されたIDH 1/2 野生型(2021 WHO分類 grade 4)の予後
・後ろ向き研究(2016-2019年)、ドイツ

<結論>従来のWHO grade II-III、IDH 1/2野生型 星細胞腫の全生存は同等な結果。年齢、切除範囲、EGFR発現が治療に関連する重要な予後因子

・対象:組織学的にWHO grade 2-3と診断され、IDH 1/2 野生型であった患者
・157例を解析(平均年齢 58歳、女性 39%)
・主な組織型は退形成性(WHO grade III)(78%)、びまん性生細胞腫(WHO grade II)(22%)
・手術:肉眼的全摘(38%)、亜全摘(29%)、生検術(34%)
・無増悪生存期間(中央値)12.5ヶ月、全生存期間(中央値)27.0ヶ月;WHO gradeによる差異なし
・生検術と比較して、肉眼的全摘および亜全摘が施行された患者では無増悪生存および全生存が有意に良好
・化学療法単独や放射線治療単独と比較して、Stuppレジメンによる化学放射線療法と良好な無増悪生存や全生存との有意な関連は示されず
・EGFR増幅(SS)およびTERTプロモーター変異(SS)が不良な全生存と関連
・MGMTプロモーターのメチル化と治療成績に有意な関連性を認めなかった


Kool R, et al. Eur Urol Oncol. 2024. PMID 38326142
・筋層浸潤性膀胱がんに対する放射線治療を主体とした治療におけるネオアジュバント化学療法の有用性
・後ろ向きコホート研究、カナダ

<結論>忍容性がある場合には、(同時化学)放射線治療前にネオアジュバント化学療法を行うことにより生存成績を改善できる可能性がある

・対象:放射線治療が行われた筋層浸潤性膀胱がん(cT2-4a,N0-2,M0)
・586例を組み入れ解析、102例(17%)に対しネオアジュバント化学療法が施行されていた
・ネオアジュバント化学療法が行われた患者群で、若年者(平均年齢 65歳 vs 77歳)、全身状態が良好(ECOG PS 0-1)(87% vs 78%)、リンパ管侵襲(32% vs 20%)、進行T病期(T3-4)(29% vs 20%)、リンパ節転移(cN1-2)(32% vs 4%)、放射線治療時の化学療法併用(79% vs 67%)が多かった
・治療荷重の逆確率(IPTW)に基づいた調整後、ネオアジュバント化学療法施行群と非施行群の因子のバランスは良好となった
・ネオアジュバント化学療法の施行は、良好な疾患特異的生存(HR 0.28, 95% CI 0.14-0.56; p<0.001)および 全生存(HR 0.56, 95% CI 0.38-0.84; p=0.005)と有意に関連


Dai J, et al. JAMA Oncol. 2024. PMID 38329737
・上咽頭がんに対する化学放射線療法;導入化学療法+放射線治療(ICT+RT)vs 導入化学療法+同時化学放射線療法(ICT+CCRT)

<結論>局所進行上咽頭がんに対する化学放射線療法において、導入化学療法+同時化学放射線療法と比較して、導入化学療法+放射線治療単独は3年無増悪生存においては非劣性

・ランダム化試験/非劣性証明試験(2015年4月-2018年3月)、中国
・対象(383例):18~70歳、組織学的に非角化腫瘍が証明された上咽頭がん(ステージ III-IVB)、KPS 70以上、臓器機能正常
・導入化学療法:TPF(ドセタキセル、シスプラチン、フルオロウラシル) 3サイクル
・同時化学放射線療法:シスプラチン 30 mg/m2を毎週投与
・年齢(中央値)48歳(範囲 19~70歳)、女性 26%
・経過観察期間(中央値)76ヶ月(IQR 70~89ヶ月)
・3年無増悪生存率:76%(ICT+RT)vs 77%(ICT+CCRT)、差異 0.6%(95% CI -7.9%~9.1%, noninferiority p=0.01)
・per-protocol集団の解析においても同様の結果
・短期間の治療関連毒性はICT+RT群で少なく、晩期毒性は有意差なし


Lu Y, et al. BMC Cancer. 2024. PMID 38321381
・乳がんに対する術後照射;寡分割照射 vs 通常分割照射
・システマティックレビュー/メタアナリシス

<結論>乳がんに対する術後照射において、通常分割照射と寡分割照射で局所制御や無病生存、全生存に明らかな違いはない。一方で皮膚炎や疲労は寡分割照射で軽度。

・35件の研究、18,246例の集団サンプルを組み入れ解析
・有効性に関しては統計学的な有意差なし;局所再発(OR 0.91, 95% CI 0.76-1.09)、無病生存(OR 1.20, 1.01-1.43)、全生存(OR 1.08, 0.93-1.26)
・乳房痛、リンパ浮腫、肺炎、肺線維症、毛細血管拡張、心毒性に有意差なし
・皮膚毒性(OR 0.43, 95% CI 0.33-0.55)と疲労(OR 0.73, 0.60-0.88)は寡分割照射の方が軽度。


 

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