転移性骨腫瘍ー体幹部定位放射線治療ーvs 従来型の放射線治療

ページ名:転移性骨腫瘍ー体幹部定位放射線治療ーvs 従来型の放射線治療

【システマティックレビュー/メタアナリシス】

Bindels BJJ, et al. JAMA Netw Open. 2024. PMID 38345820
・有痛性骨転移に対する放射線治療;体幹部定位放射線治療(SBRT) vs 従来型の放射線治療(CBRT)
・システマティックレビュー/メタアナリシス
<結論>有痛性骨転移に対する放射線治療において、疼痛の奏効率は体幹部定位放射線治療と従来の放射線治療で同程度。疼痛の完全奏効率は体幹部定位放射線治療で高かった。
・18件の研究、1,685例をシステマティックレビューに、8件のランダム化研究、1,090例をメタアナリシスに組み入れた。
・Intetion-to-treat populationのメタ解析において、疼痛の奏効率は両群間に有意差なし;1ヶ月(RR 1.14, 95% CI 0.99-1.30)、3ヶ月(RR 1.19, 95% CI 0.96-1.47)、6ヶ月(RR 1.22, 95% CI 0.96-1.54)
・疼痛の完全奏効率は体幹部定位放射線治療で高かった;1ヶ月(RR 1.43, 95% CI 1.02-2.01)、3ヶ月(RR 1.80, 95% CT 1.16-2.78)、6ヶ月(RR 2.47, 95% CI 1.24-4.91)
・Per-protocolでの解析でも同様の結果であった

 

Wong HCY et al. Radiother Oncol. 2023. PMID 37739318
・脊椎転移に対する放射線治療;体幹部定位放射線治療(SBRT) vs 従来型の外照射(cEBRT)
・ランダム化試験のシステマティックレビュー/メタアナリシス
<結論>脊椎転移に対する体幹部定位放射線治療は安全な治療選択肢で、従来型の外部照射と比較して疼痛の完全奏効率を高めることができる可能性がある。
・3件のランダム化試験(642例)が同定された。
・全体的な疼痛の奏効率に有意差を認めなった(3ヶ月時点 RR 1.12, NS、6ヶ月時点 RR 1.29, NS)
・2件の試験結果から疼痛の完全奏効率を比較したところ、体幹部定位放射線治療(SBRT)後の疼痛の完全奏効率の改善がみられた(3ヶ月時点 RR 2.52, SS、6ヶ月時点 RR 2.48, SS)
・局所再発や全生存成績に有意差を認めなかった。
・放射線皮膚炎(any grade)体幹部定位放射線治療(SBRT)でリスクの低下がみられた(RR 0.17, SS)。それ以外は同様の結果であった。
・局所進行および全生存期間に有意差はなかった。有害事象は、グレードを問わず放射線皮膚炎がSBRT群で有意に低かった(RR 0.17、95%CI 0.03-0.96、P = 0.04)以外は同様であった。


 

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