肺がんー非小細胞肺がんー早期ーvs 手術

ページ名:肺がんー非小細胞肺がんー早期ーvs 手術

<前向き試験>

Chang JY et al. Lancet Oncol. 2021. PMID 34529930
・手術可能I期非小細胞肺がん(NSCLC)に対する体幹部定位放射線治療(SABR)
・前向き試験、revised STARSNCT02357992
<結論>手術可能I期非小細胞肺がんに対する体幹部定位放射線治療は、胸腔鏡補助下肺葉切除+縦隔リンパ節郭清に劣らない。
・傾向スコアを用いて試験登録期間中のMD Andersonの胸部・心臓血管外科で胸腔鏡補助下肺葉切除術+縦隔リンパ節郭清が行われた患者の前向きコホート比較。
・対象:Zubrod PS 0~2、腫瘍径 3 cm医科、非小細胞肺がん
・SABR:末梢型 54 Gy/3回 中枢型 50 Gy/4回(標的内同時ブーストにて60 Gyまで線量増加)
・80例が登録され、経過観察期間(中央値)5.1年
・全生存率:3年 91%、5年 87%
・有害事象:呼吸困難(G3)1%、肺炎(G2)1%、肺線維症(G2)1%;G4-5の毒性発生なし
・胸腔鏡補助下肺葉切除+縦隔リンパ節郭コホートの全生存率:3年 91%、5年 84%
・体幹部定位放射線治療後の3年全生存率は胸腔鏡補助下肺葉切除+縦隔リンパ節後の成績を下回らず非劣性が示された。
・多変量解析にて両群間の全生存に有意差を認めなかった(HR 0.86, 95% CI 0.45-1.65, p=0.65)

 

Chang JY et al. Lancet Oncol. 2015. PMID 25981812
・手術可能 I期非小細胞肺がん(NSCLC)に対する体幹部定位放射線治療(SABR) vs 手術/肺葉切除術
・2件のランダム化試験(STARSNCT00840749ROSELNCT00687986)のプール解析
<結論>手術可能なI期非小細胞肺がんにおいて体幹部定位放射線治療は治療選択肢。患者数が少なく経過観察期間も短いため、手術可能な患者の体幹部定位放射線治療と手術を比較するランダム化試験が必要。
・いずれの試験の症例登録が進まず早期中止終了。
・対象:cT1-T2a(4 cm未満)N0M0、手術可能な非小細胞肺がん
・58例の患者が登録されランダム化(SABR 31例、手術 27例)
・経過観察期間(中央値)35.4ヶ月、手術群の6例、SABR群の1例が死亡
・3年全生存率:SABR群 95%、手術群 79%(HR 0.14, 95% CI 0.017-1.190, log-rank p=0.037)
・3年無再発生存率:SABR群 86%、手術群 80%(HR 0.69, 95% CI 0.21-2.29, log-rank p=0.54)
・治療関連有害事象(SABR);有害事象(G3): 3例(10%)(胸壁痛 10%、呼吸困難/咳嗽 6%、疲労および肋骨骨折 3%);有害事象(G4)や治療に関連した死亡の発生なし
・治療関連有害事象(手術);有害事象(G3-4):12例(44%)(呼吸困難 15%、胸痛 15%、肺感染 7%など);1例(4%)が手術合併症のため死亡


<後ろ向き研究>

Verstegen NE et al. Ann Oncol. 2013. PMID 23425947
・早期非小細胞肺がんに対する体幹部定位放射線治療(SABR) vs 胸腔鏡補助下肺葉切除術(VATS)
・後ろ向き研究、オランダ(傾向スコアマッチングを用いた比較研究)
<結論>早期非小細胞肺がんに対する胸腔鏡下肺葉切除術後と比較して、体幹部定位放射線治療後の局所領域制御が良好であったが全生存に有意差を認めなかった。
・cTNM、年齢、性別、Charlson comorbidity score、肺機能、全身状態に基づく傾向スコアを用いてマッチング。
・VATS 86例とSABR 527例の転帰を盲検化して(1:1)の割合でマッチング。
・128例を登録(SABR 64例、VATS 64例)
・局所領域制御は体幹部定位放射線治療後(SABR)で良好(1年 97% vs 93%、3年 87% vs 83%, p=0.04)
・遠隔再発と全生存に有意差なし。

 

 

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