食道がんー陽子線治療ーvs X線ー有害事象ーリンパ球減少

ページ名:食道がんー陽子線治療ーvs X線ー有害事象ーリンパ球減少

Wang X et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2024. PMID 37652304
・食道がんに対する化学放射線療法中のリンパ球減少;陽子線治療(PBT) vs 強度変調放射線治療(IMRT)
・第2相ランダム化試験(NCT01512589)のデータ解析
<結論>食道がんに対する化学放射線療法において、強度変調放射線治療(IMRT)と比較して、陽子線治療(PBT)により高度のリンパ球減少の発生率を低減できる可能性を示した最初の前向きのエビデンスである。
・対象:ネオアジュバント治療/根治を目的として食道がんに対する化学放射線療法施行例
・105例で評価可能;化学放射線療法開始からの期間(中央値)28日時点で、44例(42%)にリンパ球減少(G4)の発生を認めた。
・導入化学療法、ベースラインのリンパ球数、放射線治療(陽子線 vs IMR)、計画標的体積(PTV)がリンパ球減少(G4)と有意に関連。
・多変量分類解析により患者を5つのサブグループに分類したところ、リンパ球減少(G4)発生率はそれぞれ0%、14%、35%、70%、100%。
・ベースラインのリンパ球数が中等度で、計画標的体積(PTV)が大きな患者では、強度変調放射線治療(IMRT)と比較して陽子線治療(PBT)のベネフィットが顕著であった。

 


<後ろ向き研究>

Shiraishi Y et al. Radiother Oncol. 2018. PMID 29248170
・食道がんに対するネオアジュバント化学放射線療法に伴うリンパ球減少;陽子線治療(PBT) vs 強度変調放射線治療(IMRT)
・後ろ向き研究、米国;傾向スコアを用いた比較
<結論>食道がんに対するネオアジュバント化学放射線療法において、強度変調放射線治療(IMRT)と比較して、陽子線治療(PBT)により重度のリンパ球減少の発生リスクを低下できる可能性が示唆。
・ネオアジュバント化学放射線療法が行われた480例のうち、傾向スコアを用いてIMRT 136例、PBT 136例をマッチングさせた。
・陽子線治療群(PBT)と比較して、強度変調放射線治療群(IMRT)でリンパ球減少(G4)の発生率が高かった(18% vs 40%, p<0.0001)
・多変量解析にて、陽子線治療(PBT)(vs IMRT)とリンパ球減少(G4)発生リスク低下との有意な関連が認められた(OR 0.29, 95% CI 0.16-0.52)

 

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