肝細胞がんー体幹部定位放射線治療ー免疫療法

ページ名:肝細胞がんー体幹部定位放射線治療ー免疫療法

<第2相試験>

Chiang CL et al. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2023. PMID 36529152
・肝細胞がんに対する肝動脈化学塞栓療法(TACE)+体幹部定位放射線治療(SBRT)+免疫療法
・第2相試験、START-FIT、中国、NCT03817736
<結論>今回の試験は局所進行切除不能肝細胞がんに対するコンバージョン治療を目的とした免疫療法と局所療法を併用した初の前向き試験であり有望な結果が得られた。
・対象:18歳以上、ECOG PS 0~1、Child Pugh score A5~B7、腫瘍径 5 cm以上、病変数 最大3個、十分な肝機能/腎機能/骨髄機能を有する患者
・1日目にTACEを施行、28日目に体幹部定位放射線治療(27.5~40 Gy/5回)、定位放射線治療の14日よりアベルマブ(10 mg/kg)の投与を開始し、その後2週毎に投与。
・主要評価項目:根治目的の治療が可能と判断される患者の割合;少なくとも2ヶ月間、治療による完全奏効または部分奏効が持続し、根治的治療(外科的切除/ラジオ波焼灼療法/肝移植)が可能と判断される患者
・2019年3月~2021年1月の期間に33例(男性32例)が登録された。
・最大腫瘍径(中央値)15.1 cm(IQR:8.3~14.9 cm)
・21例(64%)に大血管への侵襲が認められた(肝静脈 13例、門脈分岐 3例、肝静脈および門脈分岐 5例)
・経過観察期間(中央値)17.2ヶ月(IQR 7.8~28.8ヶ月)
・18例(55%)が根治的治療が可能と判断され、2例に対して外科的切除、2例に対してラジオ波焼灼療法が行われ、14例は画像的に完全奏効を示した。
・治療関連有害事象(G3+)発生率は33%;主な有害事象(G3+)は、TACE後のALT/ALTの一過性上昇。
・免疫関連有害事象(G3+)発生率:15%(肝炎 3例、皮膚炎 2例)

 

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