肝細胞がんー体幹部定位放射線治療ーvs 肝動脈化学塞栓療法

ページ名:肝細胞がんー体幹部定位放射線治療ーvs 肝動脈化学塞栓療法

<ランダム化試験>

Méndez Romero A et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2023. PMID 37037359
・肝細胞がんに対する薬剤溶出性ビースを用いた肝動脈化学塞栓療法(DEB-TACE) vs 体幹部定位放射線治療(SBRT)
・ランダム化試験、オランダ、TRENDY trial
<結論>肝細胞がんに対する薬剤溶出性ビーズを用いた肝動脈化学塞栓療法と体幹部定位放射線療法において、体幹部定位放射線治療による無増悪期間の有意な延長は認められなかったものの、局所制御は体幹部定位放射線治療後で良好であった。全生存や治療関連毒性、生活の質に有意差は確認されなかった。
・対象:肝細胞がん、TACEの適応あり(肝移植前で治療が必要な患者も対象とした)
・DEB-TACE:最大4回まで、不完全なTACEの場合にはアブレーション治療を行うことも許容した。
・主要エンドポイント:無増悪期間(TTP, time to progression)
・2015年5月~2020年4月、30例がランダム化され、症例集積不良により試験は早期中止終了。
・体幹部定位放射線治療(SBRT)群の2例が不適格とされ、DEB-TACE群 16例、SBRT群 12例を解析した。
・経過観察期間(中央値)28.1ヶ月
・無増悪期間(TTP)(中央値):DEB-TACE群 12ヶ月、SBRT群 19ヶ月(p=.15)
・局所制御期間(中央値):DEB-TACE群 12ヶ月、SBRT群 未到達(40ヶ月以上)(p=0.075)
・全生存期間(中央値):DEB-TACE群 36.8ヶ月、SBRT群 44.1ヶ月(p=0.36)
・事後解析にて局所制御率(DEB-TACE vs SBRT):1年 54% vs 100%、2年 44% vs 100%(p=0.019)
・治療関連毒性(G3+):DEB-TACE群 3例、SBRT群 発生なし。
・生活の質(QoL)は両群とも安定していた。

 

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