肺がんー併存症ー間質性肺疾患

ページ名:肺がんー併存症ー間質性肺疾患

<システマティックレビュー/メタアナリシス>

Saha A et al. Clin Oncol (R Coll Radiol). 2022. PMID 35168842
・間質性肺疾患(ILD)合併肺がんに対する胸部放射線治療に伴う放射線肺臓炎
・システマティックレビュー
<結論>間質性肺疾患(ILD)を合併している肺がん患者では重篤な/致死的な放射線肺臓炎の発生リスクが高い。間質性肺疾患を合併している肺がん患者に対して胸部放射線治療を行う場合には慎重な患者選択が必要で、高リスクな治療であることを説明をし同意を得た上で、厳格な肺の線量ー体積の制約が必要。
・対象:2000年1月~2021年4月までに発表された論文を系統的に検索した。
・24件の論文を組み入れ解析を行った。
・放射線肺臓炎(G3+)発生率の中央値は20%(範囲:8~46%)
・粒子線治療や体幹部定位放射線治療(SBRT)(中央値 13%)と比較して、従来型の放射線治療を受けた患者で放射線肺臓炎(G3+)発生率が高かった(中央値 32%)
・放射線肺臓炎(G5)発生率の中央値は12%(範囲:0~60%)
・間質性肺疾患(ILD)の存在は重篤な放射線肺臓炎発生の独立した予測因子であった。
・UIP(usual interstitial neumonia)やIPF(interstitial pulmonary fibrosis)では、それ以外の間質性肺炎と比較して、放射線肺臓炎の発生リスクが高かった。
・肺のV5Gy、V10Gy、V20Gyおよび平均肺線量は重篤な放射線肺臓炎の主な線量予測因子で、一般に従来に報告されているものよりも厳しい線量制約が必要であることが示唆されている。
・間質性肺疾患(ILD)を合併している患者では、ILDの合併のない患者と比較して、全生存期間が優位に短かった。

 

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。


最近更新されたページ

乳がん

・T1-2N1・炎症性乳がん・少数転移/オリゴ転移・転移性脳腫瘍・ネオアジュバント化学療法...

トップページ

 Zhang Q et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2024. PMID 38631536・切除不能III期非小細胞肺がんに対する化学放射線...

前立腺がん

・救済放射線治療(SRT)・炭素イオン線治療/重粒子線治療・骨盤内リンパ節転移陽性(N1)・少数転移/オリゴ転移・有害事象<第2相試験>Nakamura K et al. Int J Clin Onc...

胸腺腫瘍ー胸腺がん

・アジュバント放射線療法<レトロスペクティブ研究>Zou MX et al. Cancer Med. 2023. PMID 37329224・胸腺扁平上皮がんの予後因子・レトロスペクティブ研究、中国・...

左メニュー

・胃がん・外陰がん・肝細胞がん・胸腺腫瘍・子宮頸がん・食道がん・腎細胞がん・膵臓がん・前立腺がん・胆道がん・直腸がん・頭頸部がん・肉腫・乳がん・尿管がん・脳腫瘍・肺がん・皮膚がん・少数転移/オリゴ転移...

頭頸部がん

・寡分割照射・化学放射線療法・緩和照射・再照射・舌がん・中咽頭がん・少数転移/オリゴ転移...