転移性脳腫瘍ー乳がんー併用薬剤ーピロチニブ カペシタビン

ページ名:転移性脳腫瘍ー乳がんー併用薬剤ーピロチニブ カペシタビン

<第2相試験>

Yang Z et al. JAMA Oncol. 2024. PMID 38175627
・ERBB2/HER2陽性乳がんの脳転移;放射線療法とピロチニブ(pyrotinib;EGFR、HER2、HER4を標的としたチロシンキナーゼ阻害薬)+カペシタビン併用
・第2相試験、中国
<結論>ERBB2/HER2陽性乳がんの脳転移患者において、ピロチニブとカペシタビンを併用した放射線療法は許容可能な安全性プロファイルで中枢神経系無増悪生存期間の延長につながる可能性が示唆された。
・対象:2020年1月~2022年8月、ERBB2陽性乳がんの脳転移患者を登録
・放射線治療:分割定位放射線治療 または 全脳照射
・ピロチニブ(400 mgを1日1回)とカペシタビン(1000 mg/m2、1日2回、21日サイクルの第1~14日目に投与)を放射線治療の第1日目より投与を開始し、病勢進行/許容できない毒性発現まで継続。
・主要評価項目:中枢神経系の無増悪生存(CNS-PFS)
・40例の患者が登録された(年齢中央値:50.5歳 [IQR:46~59歳])
・経過観察期間(中央値)17.3ヶ月(IQR:10.3~26.9ヶ月)
・1年中枢神経系無増悪生存率(CNS-PFS):75%(95% CI:62~91%)
・CNS-PFS(中央値):18ヶ月(95% CI:15.5ヶ月~未到達)
・1年無増悪生存率(PFS):67%(95% CI:53~84%)、無増悪生存期間(中央値)17.6ヶ月(95% Ci:12.8~34.1ヶ月)
・中枢神経系の客観的奏効率:85%(34/40例)、全生存期間(中央値)未到達
・主な治療関連有害事象(G3-4):下痢(7.5%)
・無症候性の放射線脳壊死を分割定位放射線治療が行われた4/67病変(6.0%)に認めた。
・多くの患者ではMMSE(Mini-Mental State Examination)での評価で神経認知機能が維持されていた。

 

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