乳がんー転移性脳腫瘍ー全脳照射ー導入化学療法

ページ名:乳がんー転移性脳腫瘍ー全脳照射ー導入化学療法

<ランダム化試験>

Chen TW et al. JAMA Oncol. 2024. PMID 38127335
・乳がんの脳転移;シスプラチン+エトポシド+ベバシズマブ(BEP)による導入療法後の全脳照射 vs 全脳照射
・ランダム化試験、台湾
<結論>乳がんの脳転移に対する全脳照射先行と比較して、全脳照射前にシスプラチン+エトポシド+ベバシズマブによる導入療法を行うことで乳がん脳転移の制御を改善する可能性が示唆された。
・対象:局所治療が適さない乳がんの脳転移(BMBC)、全脳照射の既往なし、年齢:60~75歳、測定可能な脳転移1個以上。
・主要エンドポイント:脳転移の無増悪生存、予想ハザード比 0.60、両側 α≦0.20、検出力 0.8
・シスプラチン+エトポシド+ベバシズマブ療法後に全脳照射を行う群(BEP群)と全脳照射のみを行う対象群(WBRT群)に(2:1)の割合でランダム化
・118例の患者がランダム化;ITT(intention-to-treat)コホートは112例
・年齢(中央値)56歳(範囲:34~71歳)、55%はERBB2陽性。
・脳転移の無増悪生存期間(中央値):BEP併用群 8.1ヶ月、全脳照射先行群 6.5ヶ月(HR 0.71, 95% CI:0.44~1.13;p=0.15;事前定義 α≦0.20で有意)
・2ヶ月後の脳転移の客観的奏効率に有意さを認めなかった(BEP 42% vs WBRT 53%)
・8ヶ月後の脳転移の無増悪生存率はBEP群で有意に良好であった(49% vs 26%;p=0.003)
・有害事象は予防的なG-CSF投与にて管理可能なものであった。

 

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