肺がんー非小細胞肺がんー局所進行ー化学放射線療法ー免疫療法ーデュルバルマブの同時併用

ページ名:肺がんー非小細胞肺がんー局所進行ー化学放射線療法ー免疫療法ーデュルバルマブの同時併用

<第2相試験>

Tachihara M et al, JAMA Oncol. 2023. PMID 37676681
・局所進行非小細胞肺がんに対する化学放射線療法とデュルバルマブの同時併用
・第2相試験、日本、DOLPHIN試験
<結論>PD-L1発現陽性局所進行非小細胞肺がんに対する化学放射線療法とデュルバルマブの同時併用に伴う有害事象は忍容可能で治療効果は有望。
・放射線療法(60 Gy)とデュルバルマブ(10 mg/kg、2週ごと)を同時併用し、化学放射線療法後最大12ヶ月間デュルバルマブを投与継続。
・主要評価項目:12ヶ月無増悪生存率
・35例の患者のデータが評価可能(年齢 [中央値: 72歳、男性 89%)
・12ヶ月無増悪生存率:72%(95% CI 59~85%)
・経過観察期間(中央値)22.8ヶ月(範囲:4.3~31.8ヶ月)、無増悪生存期間(中央値):25.6ヶ月(95% CI:13.1~推定不能)
・予定した放射線療法を97%の患者で完遂。
・客観的奏効率:91%(95% CI:76~98%)、治療完遂率:58%(95% CI 39~75%)
・34例で安全性を解析;有害事象(G3-4)を53%に認め、2例(6%)にグレード5の有害事象の発生を認めた。
・肺臓炎(any grade)を68%に認め、肺臓炎(G3-4)発生率は12%。


<第1相試験>

Kim DW et al. Lung Cancer. 2024. PMID 38471416
・切除不能III期非小細胞肺がんに対する化学放射線療法とデュルバルマブの同時併用
・第1相試験、CLOVER試験、NCT03509012
<結論>切除不能III期非小細胞肺がんに対する同時化学放射線療法へのデュルバルマブの同時併用の忍容性は良好で管理可能な安全性プロファイルを示した。
・対象:治療歴のないIII期非小細胞肺がん
・デュルバルマブ:4週毎に投与
・併用化学療法により3群に登録;シスプラチン+エトポシド併用群、カルボプラチン+パクリタキセル併用群、シスプラチン+ペメトレキセド群(非扁平上皮型のみ)
・病勢進行または許容できない毒性発現までデュルバルマブを投与継続
・64例の患者が登録され、シスプラチン+エトポシド群 21例、カルボプラチン+パクリタキセル群 22例、シスプラチン+ペメトレキセド群 21例
・シスプラチン+エトポシド併用群にのみ用量制限毒性(DLT)の発生を認めた(AST上昇 [G3 ]およびALT上昇 [G4])
・治療関連有害事象(G3-4)を全患者の77%に認め、主な有害事象は好中球減少(52%)、白血球減少(20%)、貧血(17%)
・事後解析では8%の患者に肺炎/放射線肺臓炎を認めた。
・客観的奏効率 61%(95% CI 48-73%)、奏功期間(中央値):15.8ヶ月(95% CI 9.0~推定不能)
・無増悪生存期間(中央値)13.4ヶ月(95% CI 8.8~20.1ヶ月)、全生存期間(中央値)未到達(95% CI 21.9~推定不能)

 

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