転移性脳腫瘍ー乳がんーHER2陽性

Phillips C, et al. Breast. 2024. PMID 38340685
・HER2+ 乳がん、5個以内の脳転移に対する局所治療（全脳照射の省略）
・第2相試験（2016-2020年）、TROG study 16.02
＜結論＞HER2陽性乳がん、5個以下の脳転移の患者において、定位照射（± 手術）による局所制御は良好で、治療関連毒性の発生率は低かった。95％の患者で全脳照射の必要性はなかった。
・対象：HER2陽性乳がん、全身状態 PS 2以下、脳転移 5個以下、HER2を標的とした全身療法中/全身療法予定；髄膜病変や全脳照射の既往のあるものは除外
・登録前6週以内の手術は許容し、＞4cmの脳転移では必須とした
・主要評価項目：12ヶ月時点での全脳照射を必要とした割合
・25例が登録、症例登録不良により試験は早期中止
・37脳転移病変、摘出腔 4病変に対し定位照射を施行；摘出腔 4病変、脳転移 5病変は経過観察された
・12ヶ月時点で全脳照射を必要とした患者は1例のみ（全脳照射回避率：95％, 95% CI 72-99%）
・局所再発回避率 91%（95% CI 69-98%）、遠隔脳再発回避率 57%（95% CI 34-74%）、頭蓋外の病変増悪回避率 64%（95% CI 45-84%）、全生存率 96%（95% CI 74-99%）
・治療関連有害事象（G3）を2例に認めた。・MMSE（mini-mental state examination）評価；異常例：治療開始前 3/24例、12ヶ月時点 1/17例。