乳がん
・T1-2N1・炎症性乳がん・少数転移/オリゴ転移・転移性脳腫瘍・ネオアジュバント化学療法...
【免疫療法+放射線療法 vs 免疫療法単独】
Theelen WSME et al. Lancet Respir Med. 2021. PMID 33096027
・転移を有する非小細胞肺がん(mNSCLC)に対するペンブロリズマブ+放射線療法(RT併用群) vs ペンブロリズマブ単独
・2件のランダム化試験のプール解析(PEMBRO-RT試験、MDACC試験)
<結論>遠隔転移を有する非小細胞肺がん患者に対するペンブロリズマブ単独治療と比較して、放射線療法の併用による奏効と生存成績の改善を認めた。これらの結果は第3相試験での検証が必要。
・組み入れ基準:転移を有する非小細胞肺がんで、照射野外の奏効が評価できる病変を1つ以上有する患者
・化学療法歴:PEMBRO-RT試験では化学療法歴を必須とし、MDACC試験では前治療の有無を問わなかった(免疫療法歴はなし)
・放射線療法:PEMBRO-RT試験では24Gy/3回、MDACC試験では50Gy/4回または45Gy/15回
・奏効に関しては照射野外の病変のみを評価した。
・全体で148例の患者をプール解析に組み入れ、ペンブロリズマブ単独群 76例、RT併用群 72例
・経過観察期間(中央値)33ヶ月(IQR 32.4~33.6ヶ月)
・124例(84%)は扁平上皮がん以外の組織型で、111例(75%)に対しては化学療法歴があった。
・主な照射部位は、肺転移(39%)、胸腔内リンパ節(21%)、肺の原発巣(17%)
・照射野外の最大奏効率:ペンブロリズマブ単独 20%、RT併用 41.7%(オッズ比 2.96, 95% CI 1.42~6.20, SS)
・照射野外の病勢制御率:ペンブロリズマブ単独 43%、RT併用 65%(オッズ比 2.51, 95% CI 1.28~4.91; SS)
・無増悪生存期間(中央値):ペンブロリズマブ単独 4.4ヶ月、RT併用 9.0ヶ月(ハザード比 0.67, 95% CI 0.45~0.99, SS)
・全生存期間(中央値):ペンブロリズマブ単独 8.7ヶ月、RT併用 19.2ヶ月(ハザード比 0.67, 95% CI 0.54-0.84; SS)
・プール解析による安全性の新たな懸念は認められなかった。
Welsh J et al. J Immunother Cancer. 2020. PMID 33051340
・転移を有する非小細胞肺がん(mNSCLC)に対するペンブロリズマブ+放射線治療(RT併用群) vs ペンブロリズマブ単独(ペンブロリズマブ単独群)
・第1/2相試験
<結論>転移を有する非小細胞肺がんにおいて、免疫療法と放射線療法の併用は安全に施行可能であるが、どのような患者で放射線療法併用による有効性が高いかについてはより大規模な試験での確認が必要。
・対象:放射線治療が可能な肺または肝臓病変を有するmNSCLC患者
・ペンブロリズマブ 200mgを3週毎、最大32サイクルまで投与
・放射線治療:可能であれば体幹部定位放射線治療(50Gy/4回)、不可能であれば従来の分割照射(45Gy/15回)を行った
・主要エンドポイント:照射野外病変の最大奏効(best out-of-field lesion response)
・経過観察期間(中央値)20.4ヶ月
・100人の患者を登録(第1相試験 20例、第2相試験 80例)、第2相試験登録例のうち72例で治療効果の評価が可能であった。
・治療関連有害事象:第1相試験 G4発生なし、第2相試験 G3 9例、G4 2例
・客観的奏効率:ペンブロリズマブ単独群 25%、RT併用群 22%(NS)
・照射野外の客観的奏効率:ペンブロリズマブ+SBRT群 38%、ペンブロリズマブ+従来型の照射 10%
・ペンブロリズマブ単独の患者を検討した場合、救済治療として体幹部定位放射線治療が行われた患者では照射野外の客観的奏効率は33%、、従来型照射が行われた患者で17%
・全患者の解析において、無増悪生存期間(中央帯)はペンブロリズマブ単独 5.1ヶ月(95% CI 3.4~12.7ヶ月)、ペンブロリズマブ+RT 9.1ヶ月(95% CI 3.6~18.4ヶ月)(NS)
・探索的解析において、PD-L1低発現の患者における無増悪生存期間(中央値)は、ペンブロリズマブ単独 4.6ヶ月、RT併用 20.8ヶ月(SS)
Theelen WSME et al. JAMA Oncol. 2019. PMID 31294749
・転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に対するペンブロリズマブ+放射線療法(RT併用) vs ペンブロリズマブ単独
・ランダム化第2相試験、PEMBRO-RT試験、オランダ
<結論>ペンブロリズマブ投与前の定位放射線療法の忍容性は良好であった。客観的奏効率の改善が認められたが、事前に規定した臨床的有用性のエンドポイントは達成されなかった。PD-L1陰性の患者では放射線療法併用群の無増悪生存と全生存が良好な結果であった。
・対象:進行期非小細胞肺がん(PD-L1発現の状態は問わず)92例を2015年7月~2018年3月に登録した。
・ペンブロリズマブを3週毎に投与し、RT併用群では24Gy/3回を単一部位に対して照射を行った。
・ペンブロリズマブの投与期間:最大24ヶ月、画像的な病勢進行/許容不能な毒性発現/患者の同意撤回/治験医師の判断により投与終了
・主要評価項目:12ヶ月時点での全奏効率(ORR);ペンブロリズマブ単独 20%、放射線療法併用で50%と仮定
・登録された92例のうち、76例がペンブロリズマブ単独群(40例)とRT併用群(36例)に無作為に割り付けられた。
・年齢(中央値)62歳(範囲:35~78歳)、男性 44例(58%)
・12週時点での客観的奏効率:ペンブロリズマブ単独 18%、RT併用 36%(p=0.07)
・無増悪生存期間(中央値):ペンブロリズマブ単独 1.9ヶ月、RT併用 6.6ヶ月(ハザード比 0.71, 95% CI 0.42~1.18; NS)
・全生存期間(中央値):ペンブロリズマブ単独 7.6ヶ月、RT併用 15.9ヶ月(ハザード比 0.66, 95% CI 0.37~1.18; NS)
・サブグループ解析において、PD-L1陰性患者において、放射線療法併用による有益性が大きかった。
・RT併用による治療関連毒性の増加を認めなかった。
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