前立腺がんー炭素イオン線治療

ページ名:前立腺がんー炭素イオン線治療

<前向き観察研究>

Kawamura H et al. BMC Cancer. 2020. PMID 32000716
・前立腺がんに対する炭素イオン線治療(CIRT)
・前向き観察研究、日本、GUNMA0702
<結論>前立腺がんに対する炭素イオン線治療(CIRT)に対する57.6Gy(RBE)/16回の照射プロトコールに伴う泌尿生殖器毒性および消化管毒性の発生率は低く、5年での生化学的制御は良好であった。
・対象:2010年6月~2013年8月、限局性前立腺がんに対し炭素イオン線治療(CIRT)を施行した304例
・照射線量:57.6Gy(RBE)/16回(4週間)
・リスクに応じてホルモン療法を併用した。
・経過観察期間(中央値)60ヶ月
・5年生化学的無再発率:92.7%;低リスク 91.7%、中リスク 93.4%、高リスク 92.0%
・5年局所制御率:98.4%、5年全生存率:96.6%
・泌尿生殖器毒性:G2 9%、G3 0.3%
・消化器毒性:G2 0.3%、G3 0%


<後ろ向き研究>

Takakusagi Y et al. PLoS One. 2024. PMID 38457424
・前立腺がんに対するスキャニング法を用いた炭素イオン線治療(CIRT)
・後ろ向き研究、日本(神奈川県立がんセンター)
<結論>前立腺がんに対する治療において、スキャニング法を用いた炭素イオン線治療(CIRT)後の治療効果は良好で毒性は低かった。
・対象:2015年12月~2017年12月に炭素イオン線治療(CIRT)を受けた前立腺がん 253例
・線量分割:51.6Gy(RBE)/12回(3週間)
・年齢(中央値)70歳(範囲:47~86歳)
・経過観察期間(中央値)61.1ヶ月(範囲:4.1~80.3ヶ月)
・低リスク 3.2%、中リスク 35%、高リスク 62%(D'Amico分類)
・5年全生存率:97.5%、5年生化学的無再発率:93.3%
・5年生化学的無再発率:低リスク 88%、中リスク 94%、高リスク 93%(NS)
・累積晩期毒性(G2+)発生率:泌尿生殖器 7.4%、消化器 1.2%

 

Sato H et al. Cancer Sci. 2021. PMID 34107139
・限局性前立腺癌に対する炭素イオン線治療(CIRT)
・後ろ向き研究、日本
<結論>限局性前立腺がんに対する51.6Gy/12回の炭素イオン線治療(CIRT)は、照射法によらず治療成績は良好で毒性発生率は低かった。
・対象:限局性前立腺がんに対し、炭素イオン線治療(CIRT)51.6Gy/12回の照射例、1年以上経過観察された256例を解析
・パッシブ法 45例、スキャニング法 211例
・経過観察期間(中央値)7.0年(範囲:1.1~10.4年)
・低リスク 16%、中リスク 43%、高リスク 41%
・212例(83%)に対してアンドロゲン除去療法が行われていた。
・5年生化学的無再発率:低リスク 95%、中リスク 91%、高リスク 91%。
・5年累積晩期毒性(G2)発生率:泌尿生殖器 0.4%、消化器 6.3%
・グレード3以上の毒性の発生なし。
・パッシブ法とスキャニング法の比較において、生化学的無再発率や毒性(G2)発生率に有意差なし


 

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