転移性骨腫瘍ー再照射ー体幹部定位放射線治療

 

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【後ろ向き研究】

Koide Y et al. Jpn J Radiol. 2024. PMID 38413551
・高線量照射歴（EQD2 50 Gy以上）の照射歴のある転移性骨腫瘍に伴う脊髄圧迫症（MESCC）患者に対する体幹部定位放射線治療（SBRT)による再照射
・後ろ向き研究、日本
＜結論＞高線量の照射歴のある頸部または胸部の転移性骨腫瘍に伴う脊髄圧迫症（MESCC）の患者では体幹部定位放射線治療による再照射が有効である可能性があり、このような治療を行うが場合には初回と再照射の食道の累積線量の評価を推奨する。
・対象：2018年4月～2023年3月の期間に、EQD2 50 Gy以上の照射歴があり、頸椎または胸椎のMESCCの患者で、24 Gy/2回のSBRTによる再照射が行われた患者21例
・年齢（中央値）68歳、男性14例（67％）
・原発腫瘍：食道 6例、肺 6例、頭頸部 7例、その他 2例。
・初回の放射線治療の照射線量（中央値）60 Gy2（範囲：50-105 Gy2）
・10例は手術後にSBRTが行われ、11例はSBRT単独で治療が行われた。
・経過観察期間（中央値）10.4ヶ月
・17例が死亡しており、多くは全身性の病勢進行、1例は食道穿孔に伴う治療関連死。
・1年局所再発率：29％、1年全生存率：55％
・椎体圧迫骨折：5例（24％）、放射線肺臓炎：1例（5％）
・推奨される食道の累積線量：Dmax <203 Gy3、D0.035cc ＜187 Gy3、D1cc＜167 Gy3

 

Sasamura K, et al. J Radiat Res. 2020. PMID 32766715
・脊椎転移に対する体幹部定位放射線治療を用いた再照射
＜結論＞体幹部定位放射線治療による脊椎転移に対する再照射に伴う治療関連毒性は最小限で、疼痛緩和や神経学的改善に有効。
・後ろ向き研究（2007-2019年）、日本
・対象：初回の放射線治療と椎体に重複する部位へ再照射を行った患者40例、42病変
・初回の放射線治療の脊髄の照射線量（中央値）30Gy
・再照射：強度変調放射線治療を用いた体幹部定位放射線治療
・処方線量：25Gy/5回
・24/40例（60％）で疼痛の緩和が得られた。
・8/15例（53％）で神経学的改善が見られた。
・有害事象（G2＋）は2例；疼痛（G3）1例、脊椎骨折（G3）1例
・放射線脊髄炎の発生なし

 

Ogawa H, et al. Acta Oncol. 2018. PMID 30280622
・有痛性骨転移に対する体幹部定位放射線治療による再照射
＜結論＞有痛性骨転移に対する体幹部定位放射線治療による疼痛緩和効果は良好で、長期間にわたり疼痛を制御できる可能性が示唆。
・後ろ向き研究（2013年9月-2017年12月）、日本
・対象：1）有痛性骨転移、2）転移巣に対する放射線治療歴あり、3）再照射として体幹部定位放射線治療を施行
・年齢（中央値）65歳、ECOG PS 0-1：51例、2：10例、3-4：5例
・前回の照射線量（中央値）30Gy（範囲：8-70.4Gy）
・前回の照射から体幹部定位放射線治療までの期間（中央値）21ヶ月（範囲：4～192ヶ月）
・体幹部定位放射線治療の処方線量：24Gy/2回：51例、30Gy/5回：13例、35Gy/5回：2例
・体幹部定位放射線治療後の経過観察期間（中央値）10ヶ月（範囲：1～37ヶ月）
・疼痛奏効率86％（57例）
・1年時点での疼痛増悪回避率：55％、疼痛増悪回避期間（中央値）13ヶ月（範囲：1～24ヶ月）
・治療関連有害事象（G4）：6例；椎体圧迫骨折5例、放射線脊髄炎1例
・その他の治療関連有害事象（G3+）の発生なし

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