休止した理由

ページ名:休止した理由

0967その名前は774人います (ペラペラ SD3d-Pj+E)2017/11/01(水) 20:49:04.17ID:eDyNiUDZD

>>966
プレイ時間20000オーバーのネトゲ廃人が休止した理由/復帰する理由
その他
2017/10/3021:53 2 -


おひさしぶりです。れいやです。3月から休止してました。

写真では「3月15日」となっていますが、実際には3月5日以降プレイはしていません。

休止開始の時点でプレイ時間は22852時間でした。3月5日はサービス開始から1677日目なので、一日平均だいたい13.6時間プレイしてきたわけです。


そんなバリバリのネトゲ廃人がなぜとつぜん休止したか。まあわざわざこんなとこで書かなくても、ぼくのTwitterアカウントを見ていたひとならおおよそ見当はついているでしょうが、けじめのため書き残しておこうと思います。

【井戸の底で見た光】


2012年8月、ドラゴンクエストXのオンラインサービスが開始された時点で、ぼくは30を超えていました。このブログの最初の記事でも書きましたが、自分は小説で食べていこうとしている人間です。
大きな文学賞で上位1%に残ること、しかし受賞は逃すこと三度、ようやく己が狙うべき賞はどういった賞なのかがわかってきました。あとはもうひたすら書いて送るだけです。が、そんなときに、このゲームが発売されてしまったんですね。

いったんのめりこむとそれしか目に入らなくなってしまうタチのぼくは、書くことから遠ざかり、その世界に溺れていきました。生活はどんどん荒廃していき、半年がすぎるころ、家賃滞納でアパートを強制退去させられました。
その後もバイトは週一程度しかせず、毎日15~16時間ログインする生活をつづけました。そうですね、はい、クズです。

しかしもちろんこのままでいいと思っていたわけではなく、常に暗いものがこころにまとわりついていました。自分が選んでそうなったわけですが、当時のぼくは己が置かれている状況をこう考えていました。
いっさいの光が射さない、誰の声も届かない、暗い井戸の底にいるようだと。

が、そこに、ある日とつぜん変化が起こりました。サービス開始からもうすぐ三年になろうかという2015年の春、ぼくはこのゲームを通してひとりの女の子と出会い、すぐに親しくなり、そしてつきあうことになったのです。

彼女は18歳、高校を卒業したばかりでした。自分はただ来る日も来る日も棺桶のような部屋で狂ったようにネトゲをやりつづけてきただけなのに、こんなすばらしいことが起こるなんて。こんなにすてきな女の子が愛してくれるなんて。物語だったら完全にご都合主義だ。
そんなふうに思いました。彼女は、これまでつきあった誰よりも、自分にぴったりくる相手だとそのときのぼくには思えました。そしてすぐに、かつて十年間ともにすごしたひとよりも、深く愛するようになりました。

ぼくは彼女を、井戸の底に射した光のように感じていました。

0970その名前は774人います (ペラペラ SD3d-Pj+E)2017/11/01(水) 20:53:24.23ID:eDyNiUDZD

【3月5日】


しかしぼくの生活はさほど変わりませんでした。交際を親に反対された彼女が意を決して家出してきてくれたのに、ぼくはあいかわらずゲームばかりで、小説を書きはじめることはありませんでした。
変化といえばせいぜい、15~16時間だった一日平均のログイン時間が10時間ほどに減り、バイトを多少増やした程度のものです。

そして2017年の3月5日。バイトから帰ると、部屋に彼女の姿がありませんでした。姿だけでなく、その荷物すべて。

数日後、高速バスに乗って彼女の実家まで会いに行きましたが、一度離れたこころがもどることはなく。帰りの車中、ぼくは痛みから逃れるように決意しました。
彼女とすごした1年9ヶ月を、そして、書くことから逃げつづけたこの4年半を、小説にしようと。

ドラクエXの世界は、すでに彼女との思い出でいっぱいで、そこにいるだけでいろいろなことを思いだしてしまう。
だからインしたいという気持ちはきれいさっぱり霧散していました。そうしてぼくはやっと、ふたたび小説を書きはじめたのです。

0971その名前は774人います (ペラペラ SD3d-Pj+E)2017/11/01(水) 20:55:34.49ID:eDyNiUDZD

【改ざんされた記憶のなかで】


その作品のために、ぼくは彼女と出会ってからの全ツイートを見返しました。出会うまえの鬱屈した日々を描くことより、出会ってからの幸福な毎日を描くことのほうが何倍もつらかったです。
ぼくはすでに死んでしまった彼女との愛に、それでもむなしく水を注ぐような思いで、一行一行を綴っていきました。

以前と同じように、いや、むしろまえより巧く書けるようになっていたことはうれしい誤算でした。もちろん、ずっと書きつづけていればさらによい書き手になれていたのでしょうが。

言うまでもなく、ぼくはクズです。どうしようもないダメ男です。しかし、そういう人間だからこそ書ける文章を、物語を、ぼくは胸に呑んでいる。
そしてそれは、この世でいちばん強くぼくのこころをゆさぶるものなのです。ぼくは、自分がいちばん見たい景色を、自身の手で描きだすことができる。
いちばん欲しい能力を、己の中にもっている。これは、とてもしあわせなことです。願望と才能は、得てして一致しないものなので。

そういったことにあらためて気づかされ、ああ、やっぱり自分には書くことしかないのだなと痛感しました。
結局小説を書きあげたところで、彼女との関係がよみがえることはありませんでしたが、それでもやっぱり、あのひとがふたたび筆をとらせてくれたことは事実なので、いまでもこう思うのです。
彼女はぼくにとって、井戸の底に射した光だったのだと。

0972その名前は774人います (ペラペラ SD3d-Pj+E)2017/11/01(水) 20:58:07.01ID:eDyNiUDZD

【ぼくとドラクエ】


7月29日、ドラゴンクエストXIが発売されました。このころはまだ、コンビニで流れるCM中の「序曲」を聞くだけで胸が痛くなるありさまでしたので、購入はしませんでした。
ぼくはPS4版、彼女は3DS版でいっしょにやろうと約束していたので、やれば絶対に彼女のことを思いだしてしまうに決まってますから。
グラフィックやら技やら、Xを想起させる要素いっぱいであることが予想されましたしね。

まさか自分が、ドラクエのナンバリング新作を発売日に買わない日がやってくるとは、思ってもいませんでした。

ぼくがはじめてやったドラゴンクエストは、ファミコン版のⅡです。しかし父親が厳しかったためにあまりゲームをやらせてもらえず、
ⅡもⅢも、クリアまでいくことはできませんでした。だからほんとうにリアルタイムでⅠからずっとやってきたひととは、またちょっと感覚がちがうと思います。

ぼくが本格的にドラクエにハマったのは二十歳のころです。当時のぼくは、役者を志してはいたものの、とくになにをするでもなく毎日プラプラしていました。
そんなある日のこと、ふいに思いたって、中古ゲーム屋でスーパーファミコンを購入したぼくは、それから一気にロトシリーズの三作とⅤ・Ⅵをプレイしました(Ⅳはまだファミコン版しかなかったので)。
文字どおり寝食忘れて、狂ったようにやってましたね。
作品自体のすばらしさももちろんですが、きっとそのときのぼくにとっては、そんなふうに誰の目も気にせずただゲームに熱中するという行為が、
学生時代に味わうことのできなかった「自由」の象徴のように感じられたのかもしれません。

そこからはずっと、初期からのオールドファンに負けないくらい、ドラクエを愛してきました。Ⅰ~Ⅵまではそれぞれ5回くらいクリア、Ⅲ以降の作品はそのつど100時間前後やりこみました。
いまでも残っていますが「ドラクエノート」をつくったり、外伝作品である「ドラゴンクエストモンスターズ」の全国大会に出場したり、Ⅸを700時間以上プレイしたり。

そんな自分が、新作をスルーする日がくるなんて。

しかし8月頭に小説を書きあげ、だんだんと彼女を失った痛みがやわらいでくると、じょじょにXIへの興味がわいてきて。
発売からふた月半後の10月10日、PS4本体とソフトを購入しました。

感想はまあ、気がむいたら別記事で書こうかと思いますが、ふつうにたのしめてしまいました。
彼女のことも、Xのことも、思いだして胸を痛めることなく、ひとつの作品としてたのしめてしまいました。

ストーリーにはだいぶ不満があるのですが、でも、やっぱり、自分はオフラインのドラクエが好きなんだなあと再確認しました。
と同時に、いくら強くなってもやることがなくならないオンラインのよさも、あらためて認識しました。

オンラインのドラクエは、オフのドラクエで言うと、毎日毎日飽きもせずえんえん「すばやさのたね」とか「きようさのたね」を集めつづけているようなものです。
それ自体はまったくたのしくない「作業」を、1のたのしい時間のために9やることを強いられているような。
それが終わらずにずっとつづくわけですから、たまったものじゃありません。地獄です。でも、そのかわり、オフゲとちがって、その苦労に見合った強敵や、そこでの成果がちゃんとあるんですよね。

距離を置いたおかげで、オンラインのよさも恐さも、より実感をともなって理解できた気がします。

 

 

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