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627隻+クリンゴン艦隊(戦いの途中で参戦) | 1、254隻 |
不明 | 不明 |
DS9奪還作戦(Operation Return)とは、2374年に発生した、ドミニオン軍及びその同盟軍であるカーデシア軍と、連邦連合軍に属する宇宙艦隊とクリンゴン軍による戦いである。この戦いの目的は連邦連合軍による宇宙ステーション「ディープ・スペース・9」(以下「DS9」)のドミニオン側からの奪還である。DS9はこの戦いから約5ヶ月前のドミニオン戦争における最初の戦いでドミニオン側に占領されており、アルファ宇宙域とガンマ宇宙域を結ぶベイジョー・ワームホールの位置するこのステーションの確保は、ドミニオン戦争において最重要拠点とされており、この戦いはこの戦争の中でも極めて重要な戦いの一つであると考えられている。
ドミニオン戦争開戦時、連邦連合軍は初期の戦いにおける二回の勝利にも関わらず、ジェムハダーによる大規模な攻勢を前に敗北が続いた。例えば、タイラ星系に対する第7艦隊の攻撃は、112隻の艦の内無事に帰還できたのが僅か14隻という無惨な有様となるなど、攻撃・撤退の繰り返しで戦争はこう着状態となり、消耗戦となりつつあった。惑星連邦宇宙艦隊の兵士達の士気は下がる一方であり、同盟国であるクリンゴン帝国の戦士達ですら、この戦争に勝てないのではないかと思い始めるほどの状況であった。
しかし、連邦連合軍にとって唯一の幸運はDS9撤退時にワームホールに敷設した機雷原が未だに稼働中であり、ドミニオン軍はそれらの撤去ができず、ガンマ宇宙域からの援軍をアルファ宇宙域に呼び入れることを阻止し続けていることであった。もしも、この機雷原がなければ連邦連合軍はもっと早い段階でドミニオンに敗北していたであろう。また、同時に宇宙艦隊がDS9を撤退する際にステーションに大規模な破壊工作を実施したために、ドミニオン軍が駐留しても最初の数ヶ月は修理に忙殺され、ベイジョー・セクターの補給基地以上の役割を果たせなかったという状況も幸いしていた。
この機雷原に対して、ドミニオン軍側もただ黙って見ていたわけではなかった。カーデシア軍指揮官であるガル・デュカットの副官であるグリン・ダマールがそれらの機雷を無力化する対策の立案を担当していた。そして、この解決は時間の問題であると彼らは考えていたのであった。
DS9奪還作戦の計画図
この膠着状態を打破するために、ベンジャミン・シスコ大佐とウィリアム・ロス中将はDS9を奪還し、ベイジョー・ワームホールの支配権を連邦連合軍が再び確保する必要性があることを痛感しており、ステーションを奪還するための計画を立てた。
宇宙艦隊司令部に提示された計画では、第2艦隊、第5艦隊、第9艦隊の分隊から成る機動部隊を編成し、そこにクリンゴン軍の増援部隊を追加した大部隊でもってDS9奪還の為に大規模な攻勢をかけるというものであった。
しかし、宇宙艦隊司令部及びクリンゴン最高評議会では、この計画に対して懸念を表明した。この計画の為に、他の戦線から多数の艦を引き抜くこととなるため、その他の重要拠点の防御が手薄になってしまうという点である。艦隊司令部のコバーン少将は、この計画を実行すると地球及びヴァルカンの防衛が手薄となり、ドミニオン軍がDS9を犠牲にし、部隊を地球へ差し向けた際には防衛しきれない事を懸念した。これに対してシスコ大佐はこう述べた。
「アルファ宇宙域の重要拠点は地球ではなく、ワームホールなんです。そしてディープ・スペース・ナインを抑えた者がワームホールを手に入れる」シスコとロスは宇宙艦隊提督たちを納得させることには成功したが、クリンゴン帝国のガウロン総裁はそれでもこの計画に難色を示しクリンゴン艦隊の派遣を拒否した。そのため、シスコはマートク将軍とウォーフ少佐を説得の為にクロノスへと派遣した。
第375宇宙基地を出発する攻略艦隊
DS9奪還作戦は立案から僅か5日後に急遽実施されることとなった。何故なら、ダマールが機雷原に反重力子ビームを照射することで自己複製機能を止めることができ、機雷原の撤去ができるということを発見したのであった。そして、その情報をステーション内で活動するレジスタンスのキラ・ネリス及びジェイク・シスコ、クワークが入手し、中立国出身のモーン経由で宇宙艦隊まで届けられたためであった。この情報を宇宙艦隊が入手したときには、残り三日で機雷原は完全撤去されるという状況であった。
ところが、この情報を受け取った時点では攻略部隊に予定の艦は62.7%しか揃っていなかった。合流予定の第9艦隊の到着予定は四日後であり、クリンゴン艦隊の増援部隊も見通しがまだついていない状況であった。だが、それらの到着を待っていてはワームホールの機雷による封鎖は解かれ、ガンマ宇宙域からの半永久的な援軍を招き、ドミニオンへの勝ち目が万に一つもなくなってしまうのは目に見えていた。シスコは不十分な戦力を承知で直ちに出撃を決意した。
この動きはドミニオン側でも察知しており、デュカットは前線から部隊を引き上げさせ、DS9防衛に充てた。
宇宙艦隊の攻略部隊627隻[1]がベイジョー・セクターへ接近したときにジェムハダー及びカーデシアの艦から成るドミニオン軍1,254隻が迎え撃った。実に2対1の数でドミニオン側が優勢だった。
攻略部隊指揮官シスコ大佐はこう言った。
「古いことわざがある。『大胆さは運を呼ぶ』という。……一つ、試してみようじゃないか。」ドミニオン艦隊に対して攻撃を加える戦闘機部隊
機雷原の排除まで8時間以内と迫る中、連邦艦隊は約二倍の戦力のドミニオン艦隊に対峙し圧倒的に不利な状況にあった。ドミニオン艦隊は進撃経路上に強固な防御陣形を組み、デュカットは機雷原の排除が完了するまでの間、連邦艦隊をここで足止めする作戦を取った。
シスコは戦闘攻撃機小隊に対してカーデシア艦のみを狙って突撃させ、集中砲火を浴びせ直ちに脱出する様命令を下した。ジェムハダー艦は命令に従い決して陣形を乱さないが、カーデシア艦は挑発に乗って陣形を乱す可能性があるためであった。
この作戦はデュカットに見抜かれており、戦闘攻撃機隊は9回に渡り突撃を敢行して第2及び第6駆逐艦部隊が援護射撃を行なった時、 カーデシア艦の2小隊にわざと陣形を崩させ、戦闘攻撃機隊を追わせ始めた。そして、その奥に配備されているガロア級駆逐艦によって罠にはめようとしたのである。
シスコもこの行動がデュカットの仕掛けた罠であることを感づいていたが、それを見据えた上で逆に好機と捉えこう述べた。
「だがチャンスでもある。次があるかどうかわからん。少尉、ギャラクシー部隊 9-1 と 9-3 に駆逐艦を攻撃するよう伝えろ。その他の全艦は開口部へ突進だ! 一機でも通り抜けたら、全速でディープ・スペース・9へ向かえ。」穴の開いた陣形の奥に配備されたガロア級駆逐艦をギャラクシー部隊9-1及び9-3に攻撃を命令し、穴の両側をそれらギャラクシー部隊に守らせ、その他の全艦でもって中央突破を図ったのである。
USS_Sitak_and_USS_Majestic_hit.jpg撃墜されるUSSマジェスティックとUSSシタック
旗艦USSディファイアントを先頭に全艦が開口部へ向けて突撃を開始した直後、直ちに乱戦が始まった。ドミニオン軍は変調電磁パルス(E-Mパルス)を出して連邦艦隊の通信を妨害し、連邦側に混乱を起こさせた。
数で圧倒するドミニオン軍に対して連邦艦隊は徐々に追い詰められていった。艦隊内での通信が行えないために、的確な指示も攻撃の集中も不可能となっていた。多くの連邦艦(ミランダ級やエクセルシオ級など)が撃沈されていった。
Klingon_fleet_joins_Operation_Return.jpg援軍に駆けつけたクリンゴン艦隊
乱戦はおよそ二時間続き、戦いは連邦側にとってほぼ絶望的な状況であった。旗艦であるディファイアントを両舷で援護していたUSSシタックとUSSマジェスティックは撃沈され、ディファイアントですら多大な被害を受けていた。
しかし、突然新たな部隊が出現し、ドミニオン軍に対して攻撃を加えた。
それはクリンゴン艦隊であった。ドミニオン艦隊の側面から攻撃を加えたクリンゴン艦隊はドミニオン軍の陣形を大幅に崩すことに成功した。マートクとウォーフはガウロンへの援軍要請の説得に成功し、ヴォルチャ級及びバード・オブ・プレイによって編成される艦隊を遅れながらも派遣したのであった。そして、この援軍が戦況を逆転させ勝利への好機となったのであった。
何とか戦場を抜けたディファイアントは、DS9へ向けて最大ワープで向かった。
デュカットはディファイアントの追跡を命令はせず、ステーションの防御システムで対抗することを選んだ。しかし、その間にクリンゴンの参戦の為ドミニオン軍の戦線が崩れ始めてもいたが、機雷原の破壊に絶対の自信を持っていたため、ガンマ宇宙域で待機している1,000隻以上のジェムハダーの援軍が到着すれば事態は好転すると考えていた。
そして、遂に機雷の自己複製機能の無力化を完了し、機雷原の破壊に成功した。ドミニオン軍は勝利への唯一の障害を遂に排除することに成功し、それを目撃したディファイアントのクルーたちの間に絶望感が漂った。
シスコはディファイアントでワームホールへの突入を命令し、反対側から向かってくる数千隻のジェムハダー艦に対してたった一艦で立ち向かった。
Dominion_fleet_disappears_in_wormhole.jpg消滅するドミニオン艦隊
ワームホールへ突入すると反対側の入り口からジェムハダー艦2,800隻が迫ってくるのを目撃した。しかし、その時預言者がシスコに接触してきた。預言者はシスコがこの戦いで死ぬことを良しとしなかった。そのため、シスコを預言者たちの世界へ呼び寄せたのであった。しかし、シスコは宇宙艦隊の大佐としてドミニオンによるアルファ宇宙域征服を絶対に阻止しなければならない使命があることを預言者に訴え、自分をディファイアントへ戻すよう訴えたが、預言者たちはシスコが死ぬことを許さなかった。シスコは自分の人生に預言者が口を出す権利はないと訴えるも、預言者たちは権利ならあると言い、取り合わない。シスコは自分の人生に関わるのであれば、ワームホールを超えてやってくるジェムハダーを何とかしてくれと訴えた。しかし預言者たちは物質世界の事は自分たちには関係がないと取り合わないため、シスコは預言者たちに、かつて自分たちがベイジョーの神であると名乗ったのであれば、ベイジョーを守るのは当然だと訴えた。
預言者たちはシスコに償いが必要であると伝え、シスコを戻した。すると、ディファイアントと対峙する2,800隻のジェムハダー艦は跡形もなく消え去ったのであった。
DS9では、ワームホールから出てくるディファイアントに続いてジェムハダーの援軍が出てくるものと思っていたが、何の反応もなく、援軍2,800隻と共にガンマ宇宙域側の前哨基地すら消えていた。更に、戦闘地帯では防御線が破られ、200隻の連邦連合軍側の艦がDS9へ向けて進軍してきたのを探知した。さらに、DS9はレジスタンスの破壊活動により、防衛設備も全く機能しない状態となってしまって、完全に無防備な状態となってしまった。
事態の急変に鑑み、女性可変種は全軍に対してカーデシア領へ撤退するよう命令を発し、DS9駐留のドミニオン軍も撤退を開始した。
こうして、最終的に預言者の助けを借りて連邦連合軍はDS9奪還という目標を達成し、この戦いに勝利したのであった。
宇宙艦隊が駐留するDS9
この戦いは戦術的・戦略的にも連邦側の勝利となり、ガンマ宇宙域からのドミニオンの援軍を防ぐという目的も達成はされたが、戦争全体の戦局を見るとその勝利は小さなものであった。重要拠点であるDS9を奪還に成功はしたものの、その後の数週間でドミニオン軍はカーデシア領内で造船所やジェムハダー及びケトラセル・ホワイトなどの生産拠点を確保・強化を着実に行なったために再び攻勢へと戻り、連邦側はベタゾイドを占領されるなど厳しい状況に追いつめられる格好となった。そして、連邦連合軍はロミュランの参戦まで本格的な反撃に移れなかった。(DS9: 夢、遥かなる地にて、消された偽造作戦、待っている女、砂漠からの呼び声)
しかし、宇宙艦隊はこの功績を讃え、シスコにクリストファー・パイク勲章を授与したのであった。(DS9: 決意の代償)
艦名 | レジストリナンバー | クラス | 戦闘後の状況 |
---|---|---|---|
USSケンタウロス | NCC-42043 | ケンタウロス型 | 不明 |
USSコルテス | 不明 | 不明 | 生還 |
USSディファイアント(NX-74205) | NX-74205 | ディファイアント級 | 生還 |
USSフッド(NCC-42296) | NCC-42296 | エクセルシオ級 | 生還 |
USSマゼラン | NCC-71820 | ギャラクシー級 | 不明 |
USSマジェスティック | NCC-31060 | ミランダ級 | 撃沈 |
IKSロタラン | 不明 | クリンゴン・バード・オブ・プレイ | 生還 |
USSサレク | 不明 | 不明 | 不明 |
USSシタック | 不明 | ミランダ級 | 撃沈 |
USSトライアル | NCC-1948 | ミランダ級 | 生還 |
USSヴェンチャー | NCC-71854 | ギャラクシー級 | 生還 |
USSトリンキュロ | NCC-71867 | ギャラクシー級 | 生還 |
名称不明艦
ドミニオン戦争の主な戦い |
---|
第二次ディープ・スペース・9の戦い (2373) • トーロス3号星の戦い (2373) • DS9奪還作戦 (2374) • ベータゼットの戦い (2374) • 第一次チントカ星系の戦い (2374) • リクトール・プライムの戦い (2375) • サンフランシスコ襲撃 (2375) • セプティマス3号星の戦い (2375) • 第二次チントカ星系の戦い (2375) • カーデシアの戦い (2375) |
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