ルパン三世_Wiki
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十三代目石川五ェ門(じゅうさんだいめ いしかわ ごえもん)は、モンキー・パンチの漫画作品およびそれを原作とするアニメ『ルパン三世』シリーズに登場する架空の人物。
安土桃山時代の盗賊石川五右衛門から数えて第十三代の末裔(原作連載当初では鼠小僧の子孫にする予定だったが、手塚治虫作の漫画に敵役としてねずみ小僧が登場していたため、五ェ門に変わった)。
誕生のきっかけは作者のモンキー・パンチがアメリカのサンディエゴで開催されたコンペに出かけた際、現地の女性にサインを頼まれルパン三世の顔も即興で付け加えたが、その女性が落胆した。理由を聞くと(日本の漫画なのに)オリエンタルさが無かったとのことで、帰国後すぐに日本らしいキャラクターを付け加えたという[1]。
シリーズにより名称には様々な表記がある。原作では「五右ェ門」。パイロットフィルムでは「五右ヱ門」。『TV第1シリーズ』では「五ェ門」、『TV第2シリーズ』以降の作品では「五右ェ門」が基本設定。その他作品によって違いがあるが、最近のアニメ作品においては「五エ門」が採用されている。居合の達人(後のテレビアニメシリーズでは忍術(唐忍法)や念力の使用についても言及されており、TVスペシャルにおいては優れた動体視力の持ち主としても描かれている)。
第28話「五右ェ門登場」より登場し、師匠である百地三太夫が発見した錬金術の秘密書類示刀流空手の秘伝書をめぐる敵対の末、第43話(『TV第1シリーズ』第7話)でルパンの仲間になるが、第46話では再びルパンと対決している。一人称は「オレ」など。アニメと違って特に時代がかった言葉遣いはしない。性格もアニメとはかけ離れている。明るく非常に良識的であり、真面目で純情な坊ちゃんという設定である。なお女性にはあまり興味を示さない。
つねに仕込み刀を所持。刀自体は特別ではないが「秘伝鋼鉄斬り」という技によって鉄などの切断が可能。第76話では竹光によって物体を斬るという技を披露したこともある。『新ルパン三世』から刀に「流星」という名前、隕石を原料にした刀という設定が加えられる。133話に至って初めて「斬鉄剣『流星』」と、斬鉄剣という名前が登場する。
『TV第1シリーズ』第5話「十三代五ヱ門登場」より登場し、第7話「狼は狼を呼ぶ」のラストシーンでルパンの仲間になる。初登場時はルパンの命を狙う殺し屋として登場しており、そのためか『ルパンVS複製人間』では「他人にルパンを殺させたくない」といった台詞がある。
『TV第1シリーズ』の企画書に添付されたキャラ対照表では、五ェ門が明智小五郎や銭形警部と並んで描かれており、初期の映画、また同シリーズでは、ルパンの敵か味方か、中盤までわからない展開が用意されていたことをうかがわせる。
ルパンファミリーの一員として世界中を飛び回っているが、ルパンと影のように行動を共にする次元大介と違って、単独行動または別行動することが多い。役割は進路・退路の確保、敵陣への切り込み、武器破壊、障害物の破壊など、剣の腕を活かした戦闘や特殊任務に就くことが多い。
ルパンとは自身に関する事情によっては敵対することもあるが、ルパンに対する仲間意識は強く、同エピソード「五右ェ門危機一髪」ではルパンの弱点を聞き出すため凄まじい拷問にかけられるが、「仲間を売るくらいなら喜んで死ぬ」として一言も口を割らなかった。TVスペシャル『盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜』では、ルパンに対して「お主、やはり侍であったか」と、ルパンの人柄を認める発言をしている。
特徴[]アニメでは白鞘の日本刀「斬鉄剣」を所持(斬鉄剣に関しては、下記参照)しており、この斬鉄剣を使った居合いの斬撃が主な戦闘手段である。
斬鉄剣でさまざまなものを斬った後の「また、つまらぬ物を斬ってしまった」いう趣旨の台詞が初めて使われたのは劇場版『ルパンVS複製人間』であり(このときは「つまらぬ物を斬ったか」という台詞)、その後のTVシリーズや劇場版『カリオストロの城』でも使用されて有名になった。TVシリーズでは『TV第2シリーズ』第86話「謎の夜光仮面現る」で初めて使っている。哀愁ただよう決め台詞であるが、パターン化することで、笑いをさそうルパン作品の定番シーンとなっている。しかし,「つまらぬ殺生はせぬ」と言ったこともある。
他のキャラクターと比べて、作品ごとの容貌の違いが大きい。当初目つきの悪い渋面だったが、『TV第2シリーズ』より変更され見た目、役回りともども二枚目になった。さらに『PartIII』では太い眉に割れたアゴを備えた日本男児然とした風貌になった。近年のテレビスペシャルでは三枚目を演じることもある。幼少の五ェ門を「紅顔の美少年」と表記した小説もある。ちなみにアニメスタッフは原作の設定を大幅に変更し、古風な感じになじみやすくした。)長年五ェ門役を演じてきた井上真樹夫はOVA『ルパン三世 Master File』でのインタビューで五ェ門を「スタッフ側がいじくりやすかったのか、ストーリーの都合で性格が一番変化させられることが多かったキャラクター」と評している。
世捨て人のような印象が強いが、車や大型自動車、大型機械、飛行機などの操縦を難なくこなしている。またオリジナルの「水上歩行機」を発案したこともある他、状況によっては機関銃などを使用している場面もある。『TV第2シリーズ』第138話「ポンペイの秘宝と毒蛇」では歴史考古学にも詳しいと語っている。また、TVスペシャル『the Last Job』ではiPhoneに酷似したスマートフォンを所持していた。
人物[]普段着は着物に袴、さらしを巻いて前を大きくはだけている。足下は素足に雪駄である。なお、この服装は南極・北極といった極寒地でもあまり変わることがない。改まった場では紋付きを着ることもある。なお、愛用の下着は褌(越中)である。
百地三太夫、自然先生など、師匠とされる人物は何人かいるが、過去のことはほとんど語られておらず、家族や出生についても謎が多い。だが『TV第2シリーズ』では、母親は熱心な観音様の信者だったと語っている。
第六感が鋭く、その勘やまれに行う占いはほぼ100%当たる。気配にも聡く、敵や危険に一番初めに気付くことも多い。だが、その分直感的に行動することも多く、罠や策略にはまりやすいとも言える。
どのような理由があっても嘘をつくのを嫌がるという生真面目ぶり(『新ルパン三世』第51話)で、劇画を知らないという世間知らずな一面もある(同第50話)。他人や自分が興味のない人間の悪口はズバッというくせに、自分や斬鉄剣、自分が好意を寄せている人間のことを悪く言われるとすぐに逆上する、実はかなり短気で自分勝手な性格。更に斬鉄剣が折れたりボロボロになったりすると、自分が未熟であると思い込んで勝手にいなくなる。ストイックなまでに強さを追い求める姿勢は、映画『七人の侍』に登場する久蔵がもとになっている。また歌舞伎や任侠映画を見るのが好きで、自らの先祖である石川五右衛門や『忠臣蔵』の歌舞伎を見て感涙したこともあるほど。
彼にとって初代石川五右衛門は尊敬すべき先祖であると同時に、ルパンにとっての祖父同様大切な存在であるようで、先祖の浮世絵が絡む仕事を無報酬で引き受けたり、先祖が敗れた泥棒合戦を鼠小僧の子孫と共にやり遂げようとしたり等、行動の上で先祖の存在が強い動機になることも少なくない(ただし前述の歌舞伎観賞における涙は石川五右衛門作品だけでなく忠臣蔵の場合でも見せているため、歌舞伎を好む点に関しては先祖の存在は関係がないと思われる)。
意外に迷信深い一面があり、『TV第2シリーズ』第7話「ツタンカーメン三千年の呪い」でツタンカーメンの黄金マスクを盗んだ時には「呪いがあるのではないか」と心配したり、斬鉄剣に浮かんだ曇りをみて「不吉だ」と仕事を断ったりもしている。しかし、TVスペシャル『盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜』では盗む理由を聞いた際、ルパンにブルズ・アイの呪いについて「怖いんだろ五右衛門」と言われた際「拙者はそんな迷信は信じておらん」とも言っている。
修行のためなのか、高いところに好んで行く傾向があり、作中でも崖の上や塔のてっぺんといった高いところにいる描写が多い。また、手刀で岩を砕き、巨大な大仏の彫刻を作製したこともある。
筋金入りといってもよいほどの日本文化への強い執着があり、宗教は代々日本神道の家系である。(「生あるものは必ず死ぬ」「諸行無常」などのセリフや、「悟り」を開くことを目標とするなど仏教の影響も多く見られる)普段から食事は日本食しか食べようとしない等の頑固な面があるが、『TV第2シリーズ』ではルパンたちと共にパスタを食べていたり、次元と洋風な肉料理を食べていたりと、さすがに限界の状態となれば日本食以外も食べることがあるようである。ただ、やはり日本食は大好きらしく『TV第2シリーズ』の第26話「バラとピストル」では、みそ汁とたくあん恋しさ故に他の食事がのどを通らず、味噌とたくあんを買いに峰不二子を日本に行かせたり、「バルセロナに来れば日本料理の店があるかも知れん、と言ったのは誰だ」とルパンに嫌味を言ったりしている。「ルパン対スーパーマン」でも、ハンバーガーやホットドッグを拒否してスーパーマーケットでカップそばを買いに行っている。TVスペシャル『ワルサーP38』で2週間豆の缶詰だけで生活したときには、久しぶりのご飯と梅干しに感涙していた、また同じ作品では飛行船の爆弾の解除のためにコードを切る時赤か青かで迷っていた中、次元・不二子を押しのけて赤を斬鉄剣で切り解除に成功したが赤を切った理由は「梅干しの色だから」というものであった。また、自分で茶を点てたり、茶請けに羊羹を食べたりもしている。さらに『お宝返却大作戦!!』ではスペインに行ったときはルパンに日本茶を買ってくるよう頼んだが売っておらず仕方なく買ってきたスペイン茶のにおいが気に入らずルパンに押し付けていた。
実直な人間というイメージがあるが、ギャンブルは嫌いではないようで、スロットマシンで散財した他、次元の勧めで行ったラスベガスのカジノで大儲けをしたこともある。トランプや麻雀も好きなようで、『TV第2シリーズ』ではルパンとババ抜きをしているシーンがある(その際はかなり楽しんでいた)。またTVスペシャル『アルカトラズコネクション』では、「金があってこその人生だ」と発言したことや、清楚な雰囲気を漂わせるイカサマ宗教の美人導師に加担して、稼いだ金を持ち逃げされてしまったこともある(TVスペシャル『1$マネーウォーズ』より)。
アニメでは自らすすんでタバコを吸うシーンはないが、口に挿し込まれて吸ったことはある。次元からタバコをもらい吸ったこともあり、原作ではたまに煙管をふかしているため、非喫煙者ではない模様。酒は日本酒を好むが、洋酒やビールを飲むという情景もみられる。
「常に和服」「時代錯誤な口調や思考」「常人離れした居合の技」「女性が弱点」など、アニメが進むにつれ非常に特徴的なキャラ立てがされたため(『PartIII』に至っては稀に語尾に「~じゃ」が付く)、他のアニメ・ゲーム作品でも彼に影響を受けたと思われるキャラクターは数多い。ただしごくまれに、変装時に洋服を着ることもある。TVスペシャル『アルカトラズコネクション』のエンディングでは、珍しくプライベートで洋服を着ていた(オープニングでは、カジノのディーラーに変装していた)。なお正装時は黒の紋付袴だが、きっちりと着こなしており西洋風の中で特に浮いている様子は無い(時と場所を選ばず色物を好むルパンや、常に帽子をかぶっている次元の方がよほど浮いている)。変装はルパンや次元ほどはしないが、特に嫌いだったり苦手だったりするわけではなく、必要なときには普通にしている(とはいえ、ルパンほど完璧に変装することはまれである)。
一人称は作品によってばらつきが大きい。原作漫画版では「俺」、『TV第1シリーズ』では「某(それがし)」、劇場版『ルパンVS複製人間』では「私」、これらを除く『TV第2シリーズ』以降は「拙者」を主に使っている(「私」や「俺」の場合もごくわずかだがある)。キャラクター変貌の一片と見ることもできる(オリジナル小説では、「みども」を使っているものがある)。また、ルパン三世のことは「ルパン」、次元大介のことは「次元」、峰不二子のことは「不二子殿」「不二子」と呼んでいる。銭形警部のことは「銭形」と呼んでいるが作品によっては「警部」や「警部殿」『TV第2シリーズ』のみは「とっつぁん」などと呼ぶこともある。銭形に関しては、ルパンと同じく敵ながら親しみに似た感情を抱いているようで、『TV第2シリーズ』「とっつぁんのいない日」では、ルパンによって銭形が殺害されたと報じられた新聞を見て、「貴様を見損なった」とする発言をしている。
宮崎駿は劇場版『カリオストロの城』当時のインタビューで、五ェ門のことを「悟り澄ました顔をしているが、結局人斬りの快感が忘れられない俗物」と評している。
身体能力[]その身体能力は、かなり人間離れしているルパンファミリーの中でも突出している。作中では、数メートルの跳躍を見せたり、逆に飛び降りたりという描写が何度もあり、非常に身軽。また反射速度も速く、高所から落ちた際(ルパンや銭形は頭から落ちることが多いが)、五ェ門はほとんどの場合完璧に着地(着地前は正座の状態になっていることも多い)している。
また、ルパンや銭形に変装するなど変装術にも長けている。
足の速さも折り紙付きで、劇場版『ルパンVS複製人間』では張られたロープの上をオートバイと同じ速度で駆け抜けていたり、TVスペシャル『EPISODE:0 ファーストコンタクト』ではルパンが運転する車やバイクにも振り切られずに追い続けるほど。
物体を斬れなかった際に斬鉄剣が折れてしまうこともあるほどに振り下ろす腕力が強く、アニメでは(催眠状態ではあるが)両手にかけられた手錠の鎖をあっさりと引きちぎるという怪力ぶりも見せている。
視力が良く、劇場版『カリオストロの城』では、ルパンや次元が望遠鏡を使って観察していた城の様子を裸眼で確認していた。中でも動体視力は、複数のマシンガンから放たれた弾丸を全て見切るほど驚異的。
相手の超能力(テレパシー等)を逆感知することが出来ることから、五ェ門自身も超能力者であるらしいが、作中では五ェ門自身が使用している描写はない。
五ェ門と女性[]ルパンの仲間になる前に不二子と対面した時、五ェ門は「拙者は女は斬らん」と言っている。一方で女性を見る目はかなり厳しい。『TV第2シリーズ』では「痘痕(あばた)面の月はごめんこうむる」、老婆ルクレツィア・ボルジアの顔を見て一言「おぞましい顔じゃ…」(第135話「毒薬と魔術とルパン三世」)、体格の並外れて大きい中年の女性ブジ子に対して「ブスタンク」などなど、女性の外見に対して数々の暴言とも言うべき発言をしている。多くのアニメシリーズでは女性の裸体は非常に苦手という設定にされており、『TV第2シリーズ』第112話「五右ェ門危機一髪」では露天風呂に入ってきた女性の影に狼狽し、そのためルパンを狙う殺し屋コンビの手に落ちてしまうというエピソードもあった。しかし原作では作戦上、敵の人妻に襲いかかり布団に押し倒して寝ようとするなど(「ラスプーチン」)特に女性に対して苦手という訳でもない。
清純派、または清楚な美女に対しては、実はルパン以上に甘く、それが原因で自分の命を危険に晒したことも多い。『TV第1シリーズ』の初登場回では、近づいてきた不二子に篭絡され「不二子ちゃんは某(それがし)のガールフレンド」と口走り、ルパンとの対決にまで発展するなど現在の五右衛門からは想像できない描写があった。TVスペシャル『天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜』では、辻斬りカオルとの対決の直後、「違う形であいまみえたかった」と発言している。劇場版『カリオストロの城』でも、真面目で心の優しいクラリスには好感を抱き、彼女に対し思わず「可憐だ…」と呟くシーンがある。
また、TVスペシャルになってから女性が絡んでくることが多いがほとんどが悪党であったケースが多く銭形同様女性に恵まれない部分がある。
OVA版(劇場版)『風魔一族の陰謀』では、墨縄紫という女性が婚約者となり結納も交わしているが、最終的には五ェ門の修行のため、結婚延期ということになっている。(但し、婚約に関する設定は『風魔~』だけに限られた設定であると思われる。)
彼の居合の腕前は、常人ではまずなしえないほどに高い。また徒手格闘においても示刀流空手免許皆伝の腕前を持っている。
これらのことを踏まえてか、DVDの解説書などでは五ェ門のことを「史上(世界)最軽量の機動兵器」と称している。これらの現実世界では到底有り得ない能力は、後のアニメ作品などにも大きな影響を与えた。
そもそも『ルパン三世』という作品自体が細かい共通設定を持たないため、斬鉄剣に関する設定はそのシリーズの中(シリーズ中でもさらに各話ごと)でのみ通用する。「何でも斬ることができる」という設定さえ話によって変わったりする。そのため、「どんな硬い物であろうと斬ることの出来る刀」というイメージが大きいが、実際には切れない物も数多くある。
斬鉄剣が1本しかない限り、理論的に製法も一つしか有り得ない。しかし上記のように、製法に関してもシリーズ間で複数の設定が存在する。
TV第1シリーズ第5話五ェ門の発言によれば、斬鉄剣は虎徹、良兼、正宗という3本の名刀を一緒に熔かして打ち直した物とされている。第7話ルパン二世が開発し秘伝書に記した「鉄を斬る刀の製法」を示刀流が奪い、示刀流が作り出したものと設定された。示刀流では斬鉄剣の量産化も行っているようである。TVスペシャル『燃えよ斬鉄剣』斬鉄剣は五ェ門の先祖が発明した特殊合金から作られたと設定された。原作『新ルパン三世』名称を「流星」とし、鉄をも斬るとされる流れ星の金属から作った刀と設定された。TVスペシャル『EPISODE0 ファーストコンタクト』東洋に伝わる秘伝の金属「クラム・オブ・ヘルメス」なる金属で作られ、その金属の作成法を収めた秘伝書の入れ物である密封された筒を開けるための唯一の鍵としても作成された(ただしこちらはストーリー上、本当にあったかはうやむやになっている)。石川五ェ門の所持する斬鉄剣は白鞘に収められている。数多くの異なる設定が混在する斬鉄剣において、唯一全作品で共通する点である。
刀身の反りはほぼ直線か真っ直ぐに近い曲線である。刀身が直線であれば鞘もまた直線であるため、その場合は納刀状態で杖に見える。ゆえに、時として斬鉄剣は仕込み刀として紹介されることもある。
なお、『TV第1シリーズ』7話でルパン二世が所持しているものは短剣の形状をしており、示刀流で造られている物は通常の日本刀のように拵が存在している。
この剣には雄刀と雌刀がある。五ェ門が所持しているのは雄刀で、300年に一度切れ味が鈍るが、両刀を一夜添い寝させることで切れ味が戻る(『TV第2シリーズ』第131話より。なお、その後、雌刀は硫酸のプールに落ちて消滅してしまったため、遅くとも300年後には二度と切れなくなることが予想される)[2]。ただしシリーズでたびたび折れたり刃が欠けているにも関わらず次のシリーズでは元の形状に戻っていることから、五ェ門自身切れ味を研磨・修復させる別の方法を知っている模様。
斬鉄剣が鋼鉄をもたやすく斬り裂く秘密は刀身の温度にあり、通常の刀よりも温度が非常に高くなっている(『TV第2シリーズ』第108話)。
多くのストーリーで、斬鉄剣は使い手である五ェ門とともに様々な硬い物を切断している。今まで切断された物の中には、例えばダイヤモンドのようにとても硬い物、風・雷・水などの切れない物、飛行機やビルのように明らかに刀身より大きい物などがあり、いずれも現実では切断は不可能な物ばかりである(刀身より大きい物に至っては、ただ切れやすいというだけではなぜ切断できたか説明がつかない)。また流れ星を切ったこともある(ただし切れたように見えただけの可能性が高く、この時は流石にルパンも「ウソ! そりゃウソだ!」と漏らしている)。
一方で、また多くの物の切断に失敗している。ほとんどは対象物が斬鉄剣の切断能力を上回る硬さだった(といっても、現実的にも切断不可能と思われるものがほとんどなので、これをもって斬鉄剣が弱いなどといわれることはまずない)という理由である。
切断に失敗した時などに折れたり刃こぼれすることがあり、その度修理したりする。パートⅠ第15話「ルパンを捕まえてヨーロッパへ行こう」で床に仕込まれた特殊な防弾ガラスが確認される最初の切断失敗例であり、パートⅡ第14話「カリブ海の大冒険」でジャンボ・ルビーを斬ろうとした際、初めて刃こぼれが生じた。
五ェ門は斬鉄剣を非常に大切にしており、『TV第2シリーズ』第61話「空飛ぶ斬鉄剣」で不二子によって斬鉄剣が盗まれた時は自殺騒動まで起こしている。その一方で『TV第2シリーズ』第19話では、卵形金庫(百年金庫と呼ばれる)を切ることができず折れてしまったが、命よりも大切にしている割に、その時は嘆きもせず折れた斬鉄剣をゴミでも捨てるかのように投げ捨てていた。
他にも、『PartIII』第26話と第38話、TVスペシャル『炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜』で盗まれている。またTVスペシャル『ロシアより愛をこめて』では、竹光にすりかえられたことがある。
『PartIII』第37話では、銭形から強力な瞬間接着剤入りの銃弾を受け、斬鉄剣が抜けずそのまま銭形に敗れたというエピソードがある。
『PartIII』第46話では、ルパンたちが復元したゼロ戦のプロペラとしても活躍している。
劇場版『ルパンVS複製人間』では、合金チョッキこそ切れなかったものの、相手の顔面を切るという荒技を見せている(この際、演出で画面が切られたように見える)。しかしそれが原因で斬鉄剣が欠けてしまった(この破片は後にルパンの命を救う)。
2007年8月15日放送の『世界一キモいクイズ』にて、コンニャクが唯一切れないと回答されていたが、実際に作中では下記の物が斬られていない。
TV第1シリーズなおダイヤモンドに関しては、『PartIII』第22話において「さすがに切れない」とされたが、この話のストーリー上の必要で使われたものであり、他では以前も以降も使われていない。『TV第2シリーズ』では原石にブリリアントカットを施したこともある。
各リンク先を参照。
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