ルパン三世_Wiki
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『ルパン三世 ルパンVS複製人間(クローン)』は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の劇場映画第1作。1978年12月16日公開。
オープニングのタイトルクレジットなど劇場公開時の題名は『ルパン三世』だが、家庭用ビデオソフト発売の際、『ルパンVS複製人間』という副題がついた。
日本テレビ系全国ネットで放送されていた『TV第2シリーズ』の高視聴率を受け、製作費5億円をかけて製作された。ルパン三世と自らを神と名のる謎の人物マモーとの、賢者の石を巡る争奪戦を描く。「世界初の長編アニメビジョン」と宣伝で謳われ、作画においてビスタサイズを想定して通常より大判のセル画を用いている。
本作は「初期の頃の大人向けのルパンが見たいという声にお応えします」という制作趣旨が明示されており、当時放送中だったTV第2シリーズの低年齢層向け作風とは異なり、『TV第1シリーズ』初期の作風に近づけるという意向が明言されていた。東宝宣伝部によると本作は『007シリーズ』のアニメ版という位置付けとし、ポスターと本編にヌードや性的表現を登場させるなど、ターゲットとする観客層は大人を想定していた。地方での同時上映作品はアガサ・クリスティ原作、ジョン・ギラーミン監督の『ナイル殺人事件』という大人向けの作品である。ところが、いざ公開が始まると事前の予想とは異なり、実際の観客層は『ルパン三世 (TV第2シリーズ』を視聴中の子供が中心だった。そのため、10億円の配給収入を上げて次回作の製作が決定すると、ターゲットとする観客層は15~16歳中心に改められた。
キャラクターデザインは『TV第1シリーズ』とも放映中だった『TV第2シリーズ』とも異なる。不二子は髪型と目のデザインが独特で、五ェ門の肌はやや黒く塗られ、頭髪も濃い茶髪になっており、ルパンの顔は比較的細長く、上着(ジャケット)はTV第2シリーズと同様に赤いものの、他の配色はTV第1シリーズに近いものになっている。また、愛車は『TV第1シリーズ』の初期で使用されていたメルセデス・ベンツSSKである。『TV第1シリーズ』のキャラクターデザイナーである大塚康生は、少し先行して製作されていた『未来少年コナン』の影響で参加が遅れているが、監修・メカニックデザインを担当した。関連性薄い:なお、(出崎統が参加している)初期のTVスペシャルのキャラクターデザインは本作をイメージした物であり、馬面ルパンと呼ばれている。
後の映画作品やTVスペシャルでは不二子以外の(ヒロインやマドンナ的な役柄の)女性キャラクターの登場がほぼ恒例となっているが、この作品には登場しない。
書記長として出演した梶原一騎は製作担当の東京ムービー新社社長藤岡豊と『巨人の星』以来親交がある。三波春夫は本作品のエンディングテーマである「ルパン音頭」を歌っており、これも藤岡豊の指示で挿入されたものである。
本作はクローン技術をテーマにしたSF作品であり、細胞分裂の限界などクローンに関する知見を盛り込む一方で、実際のクローン技術では達成不可能な「複製人間」を登場させている。この作品が公開された1978年はイギリスで「試験管ベビー」と呼ばれる世界初の体外受精児が誕生している。このためクローンはこの年の旬のテーマとなり、本作以外にもクローン人間をテーマとした小説『ブラジルから来た少年』の映画化、ノンフィクションという触れこみの『複製人間の誕生(In His Image:the Cloning of a Man)』の刊行があった。
公開当時のパンフレットには、冒頭でルパンが死刑になったことで目的を達成した銭形は退職し、山寺の寺男になっているというあらすじが書かれており、実際にこのくだりは製作されたが、最終的にカットされた(序盤でルパンの検死報告が流れるシーンの背景が仏像なのは、この山寺のシーンに直結していたための名残である。この山寺のアイディアは、後に『ルパン三世 風魔一族の陰謀』にて流用される)。なお劇場用予告編にはカットされた山寺のシーンが一部使用されている。設定画そのものは残されているため、DVDの特典で没となった和尚や寺男デザインの銭形などを見ることが可能である。また、特報では『パイロットフィルム(シネマスコープ版)』の映像が多用されている。
なお、脚本は大和屋竺、吉川惣司の連名であるが、実際は吉川一人の執筆である。打ち合わせは2人で重ねていたものの、吉川一人で書き上げたものが初稿としてプロデューサーに提出された。その後、吉川は大和屋に直しを打診したがそのままでいいと了解を得たため、吉川の大和屋への敬意から連名クレジットとなった。
双葉文庫の『ルパン三世カルト 2001』ではTVシリーズ、劇場版、OVA、TVスペシャルすべてを含めた面白さのランク付けで、本作は2位と評価されている(1位は『TV第1シリーズ』第2話「魔術師と呼ばれた男」)。
2007年には、本作の世界観をベースとした同一素体フィギュアのセット「ルパン三世対決セット」シリーズがミクロアクションシリーズとして発売される。一方は本人としてであり、もう一方はクローンという設定である。1999年11月19日に金曜ロードショーで放送された際は視聴率19.7%を記録、これは同作がテレビ放送された中で最高で劇場版作品としては2位である[1]。
一人の男が処刑された。その男がルパン三世であることは、鑑識の結果確実だったが、当然銭形が信じるはずがない。銭形はルパンが埋葬されているドラキュラ城へと赴き、そこでルパンの生存を確認する。銭形はルパンを捕まえようとするが逃げられてしまう。
ルパンはエジプトでピラミッドから「石」を盗み出した。それは不二子の依頼だったが、不二子もまたマモーなる人物に依頼されていた。その石は人間に永遠の生命を与えるとの言い伝えがある「賢者の石」と呼ばれるものだった。マモーはルパンを使って不老不死に関する品物を集めていた。しかし、ルパンは偽物を渡したため、マモーに狙われる。
不二子はマモーの手を逃れてルパンの前に現れるが、次元と五右ェ門は不二子の密告によって痛い目に遭っていたため不二子を許さない。不二子をかばうルパンに愛想をつかした二人は、ルパンのもとを去ってしまう。ルパンと不二子は2人だけの一夜を過ごすが、不二子は麻酔薬でルパンを眠らせ、マモーの部下に引き渡した。
捕らえられたルパンは、マモーの島でナポレオンやヒトラーなどの歴史に大きな影響を与えた人物らしき人々に出会う。彼らはマモーのクローン技術によって複製された人々だった。マモー自身も1万年前から自己を複製し続けてきた複製人間(クローン)、永遠の命を得た「神」だというが、ルパンは信じない。そして助けに来た次元はマモーを射殺して、逃げ出すことに成功する。
コロンビアの田舎町にあるホテルへやってきたルパン一行だったが、そこへ死んだはずのマモーが現れ不二子を連れ去り、直後ルパンの挑発に答えるかのごとく地震が発生する。ルパンはマモーの力に心が折れてしまった次元の制止を振り切り、単身マモーの本拠地に乗り込み、ついに「自称神」マモーとの決闘を迎える。
本作はテレビ放映時、放映時間調整と倫理的観点などから「瓶詰めになった赤ん坊のマモー」「ルパンの性的欲求が探り出される部分」のほか、「荒野での次元、五ェ門の口論とその後に続く砂漠をさまようルパン一行」などの場面が削除されるのが通例である。国境沿いの砂漠を旅する場面の削除については、その前後のつながりが不自然になるなどの影響が出ている。放送禁止用語も含まれているため台詞の問題で編集されるシーンもある(例えば、ヒトラーのクローン人間に遭遇したルパンのセリフ「ハーイル・ヒットラー!」の部分が無音になる。最近の放映ではこのセリフが伏せられない場合もある)。
2000年にバンプレストから、「生きていた複製人間」の題名でテレビゲーム作品として本作の続編の制作が予定されていた。
内容は、「何人もいたマモーのクローンの中の数体が生き残っていて、ルパンたちに復讐を企む」というものであり、敵キャラクターとして、マモーだけでなく、『ルパン三世 カリオストロの城』『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』『ルパン三世 風魔一族の陰謀』『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』などの劇場映画シリーズのキャラクター(のクローン)も登場する予定であった。しかし製作が思うように進まず、ルパンのゲームの製作権がセガへ移ってしまったため没案となっている。
なお、この「生きていた」というアイデアは、2002年発売のOVA第2弾『ルパン三世 生きていた魔術師』に受け継がれることとなる。またゲームブック『ルパン三世 ダークシティの戦い』もこの作品との関連性が読み取れる。
英語版は4つあり、1つはアメリカのStreamline Picturesが"Lupin III: The Mystery of Mamo"のタイトルで製作したもの(演出 - カール・メイセック)。Streamline Picturesは他にも劇場版『ルパン三世 カリオストロの城』、『TV第2シリーズ』第145話「死の翼アルバトロス」、第155話「さらば愛しきルパンよ」の3作品を翻訳しており、『カリオストロの城』ではルパンの呼び名が"Wolf"であるが、『ルパンVS複製人間』を含む3作品では"Lupin"と呼ばれている(Wolfという名は著作権上Lupinという名が使えず、やむをえずlupinという綴りからラテン語のlupus(狼)を連想し名づけられたもの。後に翻訳権を取得したManga Entertainmentもこれを踏襲した)。
また、イギリスのManga Entertainmentが"Secret of Mamo"のタイトルで製作したものもある。ここでは"Lupin"の名は登場せず、ルパンは"Wolf the 3rd"、五右ェ門は名前ではなく"Samurai"と呼ばれている。
そして、アメリカのPioneerが"Lupin The 3rd:The Movie - The Secret of Mamo"のタイトルで発売したもの(演出 - リチャード・エプカー)がある。Pioneerは『TV第2シリーズ』の翻訳も行っており、名前の変更は行われてない。
上記3つ以外に、全日空の国際線の機内上映のために製作された英語版もある。
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