第3章 プログラミング入門
コード例
Hello, World!を100個出力するコード
for i in range(100):
print("Hello, World!")
出力結果
Hello, World!
Hello, World!
Hello, World!
…
コメント
コード中の1行(または行の一部)に書かれた英語などの自然言語で、ある記号以降の文字列をコードではないとみなす。Pythonでは # 記号がコメントの始まりを表す。
コメントは、前後の行のコードが何をするのかを説明する。
出力
printは、出力したい文字列をクォート(")で囲めば、好きな文字列を画面に出力出来る。
行
Pythonのプログラムは行単位で解釈される。
コードが長くなって複数行になってしまったら、三重クォート(""")で囲んだり、丸カッコ(())、波カッコ({})、角カッコ([])で囲めば、改行して複数行で書くことも出来る。
行末にバックスラッシュ(\)を使うことで、普通ではできない、次の行に続きを書くこともできる。
キーワード
Pythonのようなプログラミング言語には特別な意味を持つ単語がある。これをキーワードと呼ぶ。
スペース
データ型
Pythonでは、データを性質でグループ分けしたものをデータ型と呼ぶ。
Pythonのデータ、例えば 2 や、"Hello, World!"のような値はオブジェクトと呼ばれる。Pythonにおいてオブジェクトというのは、同一性、データ型、値、という3つの要素がある。
"Hello, World!"は、strというデータ型のオブジェクトで、その値は Hello, World! である。strデータ型のオブジェクトのことを通常「文字列」と呼ぶ。文字列は、1つ以上の文字の羅列で、クォートで囲まれている。
文字は a や 1 のような、1つの記号である。クォートとしてシングルクォート(')かダブルクォート(")が使えるが、開始時のクォートと終了時のクォートは揃える必要がある。
数値もまたオブジェクトである。すべての整数(1, 2, 3, 4など)はintデータ型である。
小数(小数点を含む数値)はfloatデータ型で、2.1, 8.2, 9.999はすべてfloatデータ型のオブジェクトである。これは浮動小数点数という。
ブール値のオブジェクトは boolデータ型で、値は True か False のみである。
NoneTypeデータ型のオブジェクトは、常に None 1つの値しかない。これは値が存在しないことを表現するのに使われる。
定数と変数
定数とは、絶対に変わらない値のこと。
変数というのは名前を持っていて、その名前は1文字以上の文字の集まりで構成されている。この名前に代入演算子(=)を使って値を割り当てると、変数になる。
変数名には自由な名前を付けられるが、以下の4つのルールには従う必要がある。
- 変数名にはスペース(空白文字)を含めることはできない。もし2つの単語を1つの変数に含めたければ、アンダースコア(_)を単語の間に置くと良い。
- 変数名には文字、数字、アンダースコア記号、の文字だけを含められる。
- 変数名の1文字めには数字を使えない。1文字目にアンダースコアは使えるが、アンダースコアで始まる変数名には特別な意味がある。
- Pythonのキーワードは変数名には使えない。
構文
構文(シンタックス)は、ある言語において、単語の順序で文章の構成を支配する、一連の規則、原則、処理である。
エラーと例外
Pythonには2種類のエラーがある。構文エラー(Syntax Error)と例外(Exception)である。構文エラーでないエラーがすべて例外である。
算術演算子
Pythonでは、演算子(オペレーター)を複数のカテゴリで呼び分けていて、割り算のような算数の計算をする演算子を算術演算子という。
演算子 | 意味 | 例 | 評価結果 |
---|---|---|---|
** | 累乗 | 2 ** 3 | 8 |
% | 割り算の余り(剰余) | 14 % 4 | 2 |
// | 整数の割り算、切り捨て | 13 // 8 | 1 |
/ | 割り算(除算) | 13 / 8 | 1.625 |
* | かけ算(乗算) | 8 * 2 | 16 |
- | 引き算(減算) | 7 - 1 | 6 |
+ | 足し算(加算) | 2 + 2 | 4 |
演算子の前後に書く値は、被演算子(オペランド)という。2つの被演算子と1つの演算子があれば、それを式(expression)という。プログラムを実行した時、Pythonが式それぞれを評価して、それぞれの式に対して1つの値を返す。
演算子の優先順位は、数式を評価するときに使われる計算順序のルールである。カッコは累乗より優先順位が高く、累乗はかけ算と割り算よりも優先される。優先順位が一番低いのが、足し算と引き算。優先順位が同順の演算子が並んだ場合は、左から順番に評価される。
比較演算子
比較演算子は、算術演算子と同様に、2つの被演算子と1つの演算子で1つの式を表す。比較演算子を使った式は、True か False のどちらかしか返さない。
演算子 | 意味 | 例 | 評価結果 |
---|---|---|---|
> | より大きい | 100 > 10 | True |
< | より小さい | 100 < 10 | False |
>= | 以上 | 2 >= 2 | True |
<= | 以下 | 1 <= 4 | True |
== | 等価(同じ値か) | 6 == 9 | False |
!= | 非等価(違う値か) | 3 != 2 | True |
x = 100のように、= は数値を変数に割り当てるために使用する。xが100かのチェックはしない。
「xは100に等しい」ではなく「xに100を代入する」と読むべきである。
論理演算子
論理演算子は、比較演算子と同様に True か False のどちらかを返す。
演算子 | 意味 | 例 | 評価結果 |
---|---|---|---|
and | かつ | True and True | True |
or | あるいは | True or False | True |
not | 否定 | not True | False |
and はPythonのキーワードで、and の左右に与えられた式が True と評価される場合に True を返す。どちらかが False と評価された場合、False を返す。and キーワードは、1つの文に複数回使える。
or キーワードは、or の左右に与えられた式どちらかが True と評価されれば True を返す。and と同様に、or キーワードは1つの文に複数回使える。
not キーワードは式の前に書いて、その式の評価結果を逆転する。
条件文
if, elif, else のキーワードは条件文に使用する。条件文は制御構造の1つで、与えられた変数の値で実行を判断するコードの塊(ブロック)である。
home = "アメリカ"
if home == "アメリカ":
print("Hello, America!")
else:
print("Hello, World!")
if文のみでの使用もできる。
if文のブロック内にif文を書くこともできる。これを「ネスト」とか「入れ子」などと呼ぶ。
文
文というのは技術用語で、Python言語のいろいろな要素を指している。
Pythonには2種類の文がある。単純文と複合文である。
複合文は、1つ以上の節で構成される。1つの節は2行以上のコードで、1行のヘッダー部分と、それに続くスイート部分で構成される。
第1部
第1章 イントロダクション
第2章 さあ、はじめよう!
第4章 関数
第5章 コンテナ
第6章 文字列操作
第7章 ループ
第8章 モジュール
第9章 ファイル
第10章 知識を1つにまとめる
第11章 ハマったときの助け
第2部
第12章 プログラミングパラダイム
第13章 オブジェクト指向プログラミングの4大要素
第14章 もっとオブジェクト指向プログラミング
第15章 知識を1つにまとめる
第3部
第16章 Bash
第17章 正規表現
第18章 パッケージ管理
第19章 バージョン管理
第20章 知識を1つにまとめる
第4部
第21章 データ構造
第22章 アルゴリズム
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