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"無実だ。でも怖かった!"—ピーター・ペティグリュー[出典]
ピーター・ペティグリュー(勲一等マーリン勲章受章、1960年~1998年3月)とは、ワームテールの異名で知られた、魔法使いでペティグリュー夫妻の息子だった。彼は1971年にホグワーツ魔法魔術学校に入学した。組分け帽子は5分以上考えた末(ハットストール)に、グリフィンドールに組分けした。ホグワーツ在学中、彼はジェームズ・ポッター、シリウス・ブラック、リーマス・ルーピンらとマローダーズを組んで、忍びの地図を作った。
第一次魔法戦争中、ペティグリューは不死鳥の騎士団に所属していたがヴォルデモート卿に組してスパイに転じた。彼は忠誠の術で身を隠したポッター家の秘密の守り人となった上で彼らを裏切り、ジェームズと妻のリリー、一人息子のハリーをヴォルデモート卿に売った。ヴォルデモート失脚後、彼は12人のマグル殺しと裏切りの罪をシリウスになすりつけて自らの死を装った。
その後12年間、彼は動物もどきの能力で、ペットのネズミ、スキャバーズとしてウィーズリー家と暮らした。しかし1994年、シリウスとリーマスによって正体が暴かれた。行き場をなくしたペティグリューは逃亡し、アルバニアの森で生きながらえていたヴォルデモート卿と再会した。
ペティグリューはヴォルデモート卿の復活に一役買い、第二次魔法戦争中は彼のしもべとして働いた。1998年、マルフォイの館の小戦闘中、命の借りを思い出した彼は慈悲を感じてハリー殺害をためらった。そしてヴォルデモート卿が彼に与えた銀の手によって自らの首を絞めて死亡した。
ピーターは1960年にイギリスで生まれた。彼の母は魔法使いだった。
ピーターは1971年にホグワーツ魔法魔術学校に入学し。組分け帽子は彼をどの寮に組分けするか悩み、5分以上の長考の末、グリフィンドール寮に組分けした。
彼は入学後すぐにグリフィンドールのクラスメートであるジェームズ・ポッター、シリウス・ブラック、リーマス・ルーピンと友達になった。ピーターは友達と共にセブルス・スネイプへのいじめに参加した。
彼とジェームズ、シリウスはリーマスが狼人間であることに気づいたが、決して見捨てることはしなかった。むしろ彼らは動物もどきの方法を学び、ルーピンが狼人間に変身しても同行できるようにした。ピーターの動物もどきはネズミであり、ネズミの尻尾から「ワームテール」の渾名の由来となった。
ピーター含む4人の友人は自身をマローダーズと呼び、ホグワーツ城全体の状況を知ることができる忍びの地図を作成した。
12人のマグルを虐殺するピーター
ピーターはホグワーツ卒業後不死鳥の騎士団に加わり、第一次魔法戦争中ヴォルデモート卿相手に戦ったが、1980年10月までに彼はヴォルデモートのスパイとして動き始めた。ヴォルデモート卿は臆病者のピーターを低く見ていたにも関わらず、闇の印を与えられ正式に死喰い人の一員になった。これはピーターが不死鳥の騎士団に関する情報をヴォルデモート卿に提供し続けていたのが原因であると考えられる。彼は死喰い人であることは誰にも見抜くことが出来ず、アルバス・ダンブルドアも彼が死喰い人に寝返ったことを知らなかった。
ハリー・ポッターと闇の帝王に関する予言の後、ポッター夫妻は息子ハリーを連れて身を潜めた。夫妻の潜伏中、ピーターは少なくとも1度はポッター夫妻の所に訪れていた。シリウスはピーターが裏切り者だと知らないまま彼を秘密の守人として選んだ。1981年のハロウィーンに彼は友達を裏切り、ポッター夫妻の居場所をヴォルデモートに伝えた。居場所を突き止めたヴォルデモートはゴドリックの谷で夫妻を殺害したものの、ハリーを殺すことは出来ず逆に自身が破滅する結果になった。
ヴォルデモートの「死」はピーターにとってはイレギュラーな事態だった。ヴォルデモートの敗北によってピーターは仲間の死喰い人から裏切り者の扱いを受け、追われる身となった。裏切り者の烙印を払拭するべく彼は12人ものマグルを殺害し、その罪を同級生で親友だったシリウス・ブラックに着せようと試みた。また、ピーターは自身が死んだと見せかけるために指を切断した。結果、シリウスはマグル殺害とポッター家を裏切ったとして逮捕され、裁判なしにそのままアズカバンに送り込まれた。
ピーターは1980年代にRと呼ばれる闇の魔法使いの組織に入った。彼は4番目の呪われた部屋の探索にパトリシア・レークピック、ジェイコブと共に同行した。しかし、部屋の門番であるハンガリー・ホーンテイルとの戦いに敗れると一目散に逃げ、レークピックやジェイコブを置き去りにした。その後彼はRを離脱し、Rにも追われる身となった。
逃亡生活ホグワーツ特急に乗るピーター(スキャバーズ)
ピーターはヴォルデモートの支持者から逃れるように、ネズミに変身して過ごすことが増えていった。彼は死喰い人を壊滅に追い込んだ裏切り者として自身が彼ら(ルシウス・マルフォイやコーバン・ヤックスリー)から報復されることに恐怖心を持っていた。彼は自分を匿ってくれる魔法使いの家を探し、最終的にウィーズリー家の隠れ穴にたどり着いた。ネズミに変身していた彼は「スキャバーズ」と名前をつけられ、パーシーとロンのペットとして世話をされた。
Peter_Pettigrew_exposed_HM520.pngジェイコブのシブリングに正体を見せるピーター
1987~1988年度にピーターはパーシーの元から抜け出し、忍びの地図を探すためにホグワーツ中を徘徊した。その後彼は呪われた部屋の廊下でジェイコブのシブリング発見された。その後、彼はジェイコブのシブリングを廊下に呼び出し、そこで彼の変身解除術を受け動物もどきを解除し正体を表した。素性を知られると困る彼は隙をついて忘却術をジェイコブのシブリングにかけ、その場を脱出した。そして何事もなかったかのように再びパーシーの元に戻った。
Scabbers_Transfiguration_01.gif動物もどきで変身しているピーターをグラスに変身させようとするロン
スキャバーズは他のネズミに比べて寿命が極端に長かった。通常ネズミは2~3年が寿命とされているが、彼は12年もの間スキャバーズとして過ごした。ピーターが魔法使いの家族に潜入したのはヴォルデモートが復活する然るべき時に真っ先に駆けつけるためだった。スキャバーズは「食っては寝る」ネズミだったため、ロンはスキャバーズを役に立たないのペットであると考えていた。しかし、クルックシャンクスに食べられそうになったときはスキャバーズに同情したようである。
正体を表す Harry-potter4-movie-screencaps.com-10104.jpgハグリッドの小屋に隠れるピーター(スキャバーズ)
1993年、アズカバンに収用されていたシリウス・ブラックはウィーズリー家のエジプト旅行の家族写真にスキャバーズが写っているのを見て、アズカバンから脱獄した。シリウスの脱獄を知ったピーターはシリウスが自身に復讐するのではと思い、極度のストレスを受けた。その結果、スキャバーズ(ピーター)の頭頂部の髪は薄くなり、次第に禿げていった。ネズミが禿げていることにロンは当初海外旅行のストレスやクルックシャンクスとの小競り合いが原因であると考えていた。ハリーはスキャバーズの寿命が尽きかけているのではと推察した。この頃、スキャバーズは度々ロンの元から抜け出し、ホグワーツに隠れるようになった。
Animagus_reversal_spell_GIF.gif動物もどきを解除させられるピーター
1994年、暴れ柳によってトリオは根元に吸い寄せられ、そこから続く道から叫びの屋敷へと向かった。叫びの屋敷にはリーマス・ルーピンとシリウス・ブラックがいた。2人はハリーの両親を売った真犯人について語り始め、シリウスではなくピーターこそが裏切り者であると暴露した。その後、シリウスによってピーターの動物もどきが解除され、生身のピーターが姿を表した。
2人はなぜ不死鳥の騎士団を裏切ったのかピーターに問いただした。そして彼を殺そうとするが、ピーターはハリーに慈悲を求めた。その様子を見た2人は激怒した。リーマスとシリウスはピーターへの復讐を計画したが、ハリーはピーターが直接ポッター夫妻を殺してはいない事などからピーターに慈悲を与え、彼を吸魂鬼に引き渡し、それを持ってシリウスの濡れ衣をはらそうとした。この一連の出来事によってピーターの中にはハリーへの「借り」が生まれた。
リドル家の屋敷にてヴォルデモート、ピーター、クラウチ
ホグワーツを脱出したピーターはヴォルデモート卿の僕として働く他に道はなかった。彼は単身アルバニアに行き、そこでヴォルデモートの杖を手に入れた。ヴォルデモート卿の元へ向かう途中、彼は休憩の為に訪れた旅館で偶然魔法省のバーサ・ジョーキンスと出会った。ピーターは彼女をアルバニアの森へ誘い込み、そこで倒した後に彼女の身柄をヴォルデモート卿に渡した。バーサはそこで拷問を受け、ハリー・ポッターに関する様々な情報を手に入れた。しかし、度重なる拷問によってバーサの脳は損傷を受けた。
ヴォルデモートはナギニの毒によって貧弱ながらも最低限活動できるだけの体を得た。ピーターらはイギリスに帰国し、リドルの館を一時的な潜伏先にした。ヴォルデモートはピーターをマローダーズと同じ「ワームテール」と呼んだ。ヴォルデモートは魔法界においては死亡したとされていたため、彼の存在など知る由もなかった。
ピーターはハリー・ポッター以外の魔法使いの体でも十分に復活できることをヴォルデモートに伝え、数日間側から離れる許しを得ようとした。しかし、ヴォルデモートはこれを自分自身への恐怖心からであることに気づいていた。
ヴォルデモート卿の復活ピーター・ペティグリューはヴォルデモート卿の復活で重要な役割を果たした。ハリーがリトルハングルトンの墓地に連れて来られた際、彼はイレギュラーだったセドリック・ディゴリーを殺害し、ハリーをヴォルデモートの復活に利用した。彼は大きなナイフでハリーの血を奪いその血を復活に使い、自身の右腕を切り落とした。ヴォルデモートが大釜から復活した際にピーターはヴォルデモートから切り落とした腕に変わる銀の義手を与えられた。
ヴォルデモートの下僕としてマルフォイ邸の戦闘と最期"僕はお前の命を救ったのに?ピーター・ペティグリュー、君は僕に借りがある!"—ピーターに問いかけるハリー・ポッター[出典]
Silver_Hand_Betrayal.png自らの銀の義手に絞殺されるピーター
1998年3月、ハリー・ポッター、ハーマイオニー・グレンジャー、ロン・ウィーズリーはスナッチャーに捕まりマルフォイ邸の地下室に閉じ込められた。ベラトリックス・レストレンジはゴドリック・グリフィンドールの剣をどうやって手に入れたか彼らに拷問して白状させようと試みた。拷問の最中、地下室から音が聞こえたため、ピーターは地下室に送られた。
音の正体は屋敷しもべ妖精ドビーの姿現しだった。ピーターが地下室の扉を開けた時、ハリーたちはピーターに襲いかかり、取っ組み合いになった。ロンは彼から杖を奪うことができたが、ピーターはハリーの首を絞め始めた。必死の抵抗の最中、ハリーは叫びの屋敷でピーターの命を救った借りがあることを彼に思い出させた。これを聞き、ピーターは一瞬借りを思い出し、慈悲の念から絞めていた手を緩めるが、ヴォルデモートが与えた右手の銀の義手がピーターの首を絞めはじめ、彼は死亡した。
レガシーピーターは日和見主義で臆病かつ裏切りを繰り返していたが、組分け帽子は彼をグリフィンドールに組分けしたことは間違いではなかったと語っていた。帽子はピーターの死に際に手を緩めた行動こそが彼の「勇気」であるとしたが、多くの人はこれを疑っていた。ハリーはピーターの臆病や裏切りを嫌悪していたが、彼の死に際の行動に哀れみを感じており、ピーターの人生の選択に対する後悔の念を悟った数少ない人物だったと言えよう。
ピーター・ペティグリューは臆病で常に「弱さ」を見せる人物だったが、グリフィンドールに組分けされた。ペティグリューはグリフィンドールが求める「勇気」を持ち合わせておらず、一見するとこの組分けが間違っているものであるように見えた。事実、ピーターはジェームズやシリウスのような人物に憧れていたため、ハリー・ポッターと同じようにグリフィンドールに組分けして欲しいと組分け帽子にお願いした可能性がある。
彼は学生時代ジェームズやシリウスのような才能ある学生の腰巾着として、セブルス・スネイプをいじめていた。ピーターは他3人とは異なり、勇気を持ってはいなかった。しかし、マローダーズは彼を友達として快く迎え入れた。親友として過ごしていた彼らにとって、ピーターの裏切りは大きなショックを与えることになった。
ピーターは利己主義的であり不死鳥の騎士団に付いていたにも関わらず、ヴォルデモート卿の元に寝返った。ヴォルデモート卿はそんなピーターの利己主義的、日和見主義的な面を見抜いており、終始彼を軽蔑していた。ピーターはヴォルデモート卿が破滅してから復活できることが分かるまで、彼を探そうとはせずハリー・ポッターを殺すこともしなかった。リーマスとシリウスに裏切りについて追及されても彼は開き直って恥知らずにもハリーに慈悲と許しを懇願した。彼にとって、死より恐ろしいものがあるとすればそれは吸魂鬼のキスだった。
彼は「弱く才能のない人物」であると主張する者も少なくなかったが、彼は少なくともヴォルデモート卿の破滅後にシリウスを誘い、彼にマグル殺しの濡れ衣を着させてアズカバンに送り込み、動物もどきの能力を使い長年潜伏するなど狡猾な一面があった。彼は最終的に「裏切り者」の汚名を無くして再び死喰い人に舞い戻る計画を持っており、実際に実行した。臆病者であるにも関わらず、彼は主人の命令には忠実に守り、ヴォルデモートがセドリック・ディゴリーを殺すことを命じると彼はそれを躊躇なく実行した。もし、ピーターが「命の恩人」であることを思い出さなければ、ハリーですら殺していた可能性がある。
Black_and_Lupin_confronting_Pettigrew.jpgリーマスとシリウスに慈悲を懇願するピーター
臆病で日和見主義だったピーターだが、少なくとも親友を裏切ったことには後悔を感じていた。彼は1998年にマルフォイ邸でハリーへの「命の借り」を思いだし、殺害を躊躇した。彼はそのハリーへの「命の借りを返す意識」を殺そうとしたが、自身の銀の手に殺された。また、ペティグリューはヴォルデモートの復活の生け贄としてハリー・ポッター以外の人物を使うことを提案した。この行動からピーターはハリーに対してある程度の情けと命を助けてくれたことに対する感謝の念を持っていたことが分かる。
マクゴナガルはピーターを彼の友人の中で魔法能力に最も欠けているとみなしており、ヴォルデモートも彼を過少評価していたが、彼は驚くほどの才能を見せた。彼の行動から熟練した魔法の使い手であると考えられるが、彼の置かれた社会的地位と臆病な性格が彼の魔法能力を必要以上に貶めた。知られている行動から彼は他のマローダーズと同じ程度の力を持っており、特に闇の魔術は4人の中で最も精通していた。
ポッターモアに掲載された若き日のピーター
YoungPeterPettigrewWU.pngハリー・ポッター:魔法同盟における制服を纏ったピーター
R | ||
---|---|---|
指導者 | ||
ペレグリン | ||
メンバー | ||
パトリシア・レークピック | ピーター・ペティグリュー(脱退) | ジェイコブ(脱退) |メルーラ・スナイド | カズヒロ・シラトリ | ベルッカ・バックソーン=スナイド |ゼニス・ジープ | ユースタス・バーク | Rのメッセンジャー(服従の呪文) | ||
関連場所・組織 | ||
死喰い人 | 呪われた部屋 | 呪われた氷 | 夜の闇横丁 |
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