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グーグル八分(グーグルはちぶ)とは、グーグルの基準に該当するページが、グーグルのデータベースから除かれ、グーグルで検索しても内容が表示されない状態になることを村八分になぞらえて呼ぶ言葉である。グーグルの検閲行為とも言われる。英語では "Censorship by Google" あるいは "Google Censorship"と呼ばれるが、こちらは各国政府の要請による検閲や、グーグルマップ上の特定の衛星写真の改変を含むより広い概念である。
グーグル八分とは、インターネットの検索エンジンサービス提供会社googleが、提供する検索サービスの検索結果として表示されるはずのサイトの一覧から特定のサイトを取り除き、利用者が検索サービスを利用する際にそれらのサイトを表示しないようにすることである。
Googleは検索情報として提供される情報自体はGoogleが主体的に決定できるものであり、Googleが任意にそのようなことをする権限を持つとしている。
Googleによれば、「Google の方針として、検索結果に対する検閲は行われていません。しかしながら、各国の法律、条例、政策の求めに応じ、これを行うことがあります。」、とあり、具体的には「犯罪にからむサイト」、「SPAM的な手法によって検索順位を向上させるサイト」「個人や法人から『このサイトは自分の権利を侵害している』というクレームがあったサイト」について検索結果に表示されないよう情報を削除することがあると、インタビューで語っている。
また、このようなケースで情報の削除を行った場合については削除した事実は米国の第三者機関に提示し、また、検索エンジンサービスは事実上寡占状態であるため、一企業の内部的な決定で検索結果が恣意的に変更されることについては異論も多い。なお、日本においてはGoogle以上の利用者がいるとされるYahooにおいても同様のことについては、Yahoo!八分(ヤフー八分)と称されることがある(後述)。一般にこうした検索サイト運営会社が意図的に検索サービスの検索結果から特定のサイトを取り除くことをグーグル八分と呼ぶこともある。
また、類義語として図書や映像メディアにおけるAmazon八分、日本の特定SNSを対象としたmixi八分等の呼称もあるが、何れもWebサイトの検索エンジンに関係することではなくこうした事柄をグーグル八分とは呼ばない。
グーグル八分のような、外国の私企業による情報の制限について危機感を持つ人々もいる。
日本においては2007年10月にCEATEC会場で、タレントの眞鍋かをりが経済産業省の研究会から生まれた産学連携プロジェクト「情報大航海プロジェクト」のブースにおいて、Googleの検索結果から特定のWebサイトが表示されなくなる「Google八分」を紹介するビデオが繰り返し流され、「検索結果が海外の特定企業に決められることがどれだけ怖いか分かるだろうか」と訴えた。同プロジェクトでは50億円をかけて日本発の次世代検索技術を研究・開発し、Googleなど米国企業に独占されている状況を打開したいという。
同様にフランスにおいては同様のプロジェクト「Quaero」(クエロ)が進められている。
日本においては悪徳商法と具体的事例についての周知を目的としたWebページ「悪徳商法?マニアックス」の書き込みが、2004年1月にグーグルの検索結果から削除されたことによって大きく知られるようになった。ある企業が米グーグル本社に検索結果から削除することを依頼したためとされている。
当初、この問題でグーグル八分されているページは3ページ程度であったが、平和神軍観察会事件に関連した記述が悪徳商法?マニアックスに上げられ、グロービートジャパンと右翼系宗教団体「日本平和神軍」や「イオンド大学」に一体性があるとの記述がなされたことに対して、グロービートジャパンに関するページが、ことごとくグーグル八分され、現在は30ページ以上に上っているとされる。特定の話題がグーグル上から消されるということであり、本来の意味でのグーグル八分に近い唯一の例である。この例は社会的に公共性が高いと思われる事柄についてグーグル八分を行なった例として有名である。
特定の政治家の氏名等でグーグル八分が行われていることも知られている。
グーグルではアダルトサイトの表示を抑制するフィルターを働かせている。このためフィルターのない検索結果と通常表示される検索結果はことなっており、表示されないサイトが出てきている。英語版の検索以外において、このフィルターを外す手段は現在のところ提示されていない。しかしいったん表示を英語版に変え、設定を変えることで他言語版でもフィルターを解除した状態での使用は可能。
グーグルではアメリカ政府をはじめとした、各国政府の意向によりその国の政府の意思を受けた検閲を行っている、ただし、グーグルの検索サーバの中心はアメリカにあるため、アメリカ政府の指導や法令等により検索情報から消去されたサイトについては他の国の検索結果からも消えるといわれている。これらはgoogleの意思というよりは各国政府の指導であり、いわゆるグーグル八分と分けて考えるべきであろう。詳細はGoogleを参照。
グーグルの検索順位を決定しているページランクと呼ばれる数値の計算アルゴリズムは定期的に変更され、「グーグルダンス」と呼ばれる。ページランクの変化により事実上上位ページに掲載されなくなったページについてそのページの主催者等からグーグル八分されたといわれることがある。
これは特定のサイトが順位を下げられるということではないため、一般的にはグーグル八分とは考えられない。
前述の通り、利用者がグーグルに対し法令違反等を理由に検索結果の削除を申請した結果、削除が行なわれた場合、グーグルでは削除した旨を表示することとなっている。したがって、利用者は検索結果が削除されているかどうかを判断することが出来る。
反面、グーグルが検索エンジンスパムと判断したり不適切と判断したものを削除した場合、その旨を表示することは無い。したがって、グーグルによりスパムと判断されてしまうと、本当にそのサイトが検索エンジンスパムであるかどうかに関わらず完全にgoogleインデックス上から消えてしまう。
また、グーグルやその社員に対する批判などが、将来何らの警告も無く検索結果から削除されてしまうのではないかという懸念もあり、アメリカでは訴訟等も発生している。
検索エンジンスパムに対するグーグル八分は、何もポルノサイト等の違法サイトばかりでなく、企業サイトに対しても行われる。海外においてはドイツBMW社が検索エンジンスパムとみなされる技術を用いたとしてgoogle八分を受けた。
Googleはページのインデックスを作る際に、クローラー、ボット等と呼ばれる自動ページ収集プログラムを用いている。このため、robot.txt等で明示的にこれらプログラムからの参照を排除していたり、他のページとのリンクが全くない等の理由で収集プログラムからページが収集されないと、検索リストに表示されない。
このような理由から検索リストに載らないページについてはグーグル八分とは言わないが、ISPや外部レンタルサーバ等の管理者の設定ミス等でこのような結果が生じることがしばしばあり、このようなISPやレンタルサーバのWEBページが検索リストに載らない状況をgoogle八分と誤解されることはままある。
主要なページでないと判断されている場合[]Googleはページのインデックスを作る際に、特定のページの全文コピーや要約等、そのインデックスに対する主要なページでないと判断されたページに対して補足インデックス(Supplemental Index)というインデックスをつけ、主要なページとは別のカテゴリーに置いている。以前はこの補助インデックスが付けられたページはメインのインデックスから十分なページがリストできる場合には表示されなかった。(メインのインデックスから十分なページ数が用意できない場合については「最も的確な結果を表示するために、上の○件と似たページは除外されています。検索結果をすべて表示するには、ここから再検索してください。」との注釈が現れ、「ここ」の部分にあるリンクをたどることで表示ができた。)
2007年7月31日をもってgoogleは、このような表示を廃止し、補足インデックスを含めたページを表示すると発表した。このため2007年7月31日以後は補足インデックスを理由としたページの検索リストからの除去は無いと考えられる。
前述のようにグーグル八分が行なわれるか否かはGoogleの法務部が決めている。グーグルによれば「どのページを検索結果に表示しないかという判断基準は、グーグルではなく法にある」という。しかしながら、法令によって削除されるべきかどうかはあくまで裁判所の判断が必要であり、本来であればグーグル自身がきちんとした削除基準を示し、それが各国の法令に準拠するような妥当なものかが検討されるのが自然であろう。あえて削除の基準を明示しないことで、極めて恣意的な運用が可能となっており、社会的な告発は非表示とする反面、単なる誹謗中傷や個人情報については削除しないという傾向にある。
2007年、情報処理推進機構が主催する未踏ソフトウェア創造事業(2007年第2期)にて採択されたプロジェクトの中に、「グーグル八分発見システム」が含まれている。本システムの開発者は「悪徳商法?マニアックス」の管理者であることが、明らかにされた。
同ソフトウェアは他のサーチエンジンとgoogleの検索結果を比較し、その差から具体的にどのサイトがグーグル八分を受けていることを発見するシステムであるとされる。
グーグルと並ぶインターネット検索サービス会社であるYahoo!に対応して、google八分に対応するYahoo!八分という言葉がある。しかしながら、Yahoo!八分についてはその実例が確認されておらず、また、Yahoo!もそのような表示結果の修正を行っていることを認めていない。
また、MSNもMicrosoftは検閲を実施しないと明言している。
MSNはMSNのモバイル検索サービス「MSNモバイルサーチ」は2004年11月6日にガイドラインを改定し、インターネットを介して起こる昨今の社会問題に配慮し、検索結果から、自殺サイト等7つの分類の反社会的サイトの表示をしないと発表した。
MSN、YAHOO!、goo等の日本における主要サイトではgoogleと同様にアダルトサイトへのフィルタリングがなされていることが知られている。
中国における検閲の実施ではYahoo!はgoogleを上回る検閲を行っているとされる。また、MSNも中国においては検閲を行っていることを認めている。また、MSNは自社のブログサイトMSN Spaceにおいて、アメリカ政府からの要望のあった場合、検閲をすることを表明している。
Yahoo!においてgoogleのページランクに相当する数値であるYSTインデックスは、やはり定期的にその計算方法が変更されている。このためgoogle同様に悲喜劇が発生し、あるいはこの変動によって順位を下げられたサイトがYahoo!八分にあったということがある。
MSNやgooにおいても同様のことはあるが、現在の検索エンジン最適化はgoogleとYahoo!を主として対象としているので、あまり注目されることはない。
グーグルと同じく他のサイトにおいても、検索エンジンスパムと判断されたサイトは表示される順位が大きく下がるためYahoo!八分等と誤解されることはままある。
Google同様検索ロボットを、ISPや外部レンタルサーバ等の管理者の設定ミス等で排除したことによりYahoo!八分等と誤解されることはままある。
Smallwikipedialogo.png | このページの内容は、ウィキペディアから取られています。オリジナルの記事は、グーグル八分にあります。この記事の著作権者のリストは、ページの履歴を御覧ください。The Unofficial Google Wiki 日本語版と同じく、ウィキペディアのテキストは、GNU Free Documentation Licenseで提供されています。 |
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