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Google Earth(グーグルアース)は、Google社が無料で配布しているバーチャル地球儀ソフトである。2005年6月28日から頒布が開始された。
世界中の衛星写真を、まるで地球儀を回しているかのように閲覧することができる。同様のソフトで、先行していたアメリカ航空宇宙局のNASA World Windとほぼ同様の動作をするが、Google Earthの方が比較的低スペックのPCでも動作する。当初は、Windows 2000とWindows XPのみで動作したが、2006年1月10日にMac OS Xに対応したバージョンが公開された。Google Earth 4ベータ版(Ver.4.0.2080)より正式に日本語に対応している。
Google Earthは、地域により異なるが基本的には地球全域はEarthsat社の衛星写真を用いている。北米の一部では、パブリック・ドメインな衛星写真(例:NIMA (National Imagery and Mapping Agency)、ニュージャージー州など)を用い、その他の領域においては衛星写真販売各社(Digitalglobe、Blueskyなど)の衛星写真を用いている。また、ごく一部の地域ではチャーター機による航空写真を用いている。
先行してベータ版として公開されていたGoogle マップ自体は、Keyhole社を買収して開始されたサービスである。このため、Google Earthから直接アクセスできるGoogle Earth BBSも、Keyhole.comドメインとなっている。当初はGoogle Mapsと同じだった地点の画像も、Google Earthでは細かく見えるよう、画像が差し替えられている部分がある。
また、2005年にニューオリンズ近辺で発生したハリケーン・カトリーナ被害のため、該当地域を閲覧するためのサーバが特別に用意され、起動時にどのサーバを閲覧するかを選択できるようになっている。
地球全土の解像度や色彩は、一様ではない。画像が撮影された時期もまちまちである。
標準的な解像度は15mであるが、大都市や興味深い施設などでは、解像度1mの高解像度画像が使われている。この解像度では、航空機の機種もおおまかに判別できる。また、極めて限られた地域では、解像度60cm、30cm、15cmの画像が使われており(例:マサチューセッツ州ケンブリッジ "Cambridge, Ma.")、この場合は車の車種や、木々が落とす枝の影さえ判別できるほどである。ただし、アメリカの治安機密に触れる場所については、モザイクがかけられている(例:副大統領公邸)。
アメリカでは、Google Earthと連携したカーナビがフォルクスワーゲンより2006年2月に発表された。
日本近辺では当初東京都や横浜市などの大都市部が高解像度であった。また、台湾・台北、北朝鮮・寧辺の核施設近辺も高解像度であった。
2005年8月16日に、世界的に高解像度地域が増え、日本近辺では大阪市、名古屋市、札幌市、神戸市、広島市などの主要都市が次第に高解像度となった。
また台湾の各都市、韓国のソウルその他の都市、北朝鮮の平壌、中国の上海が高解像度となった。更に世界の主要都市や核施設なども見ることが可能である。また、カトリーナやパキスタン地震の被害状況の衛星写真も確認することが出来る。
前述のVersion 4 ベータ版のアップデートにより日本のスポット情報が提供されるようになったほか、簡単な3Dポリゴン表示も利用できるようになった。
Google Earthの知名度と解像度の高さ、画像データの豊富さからニュース映像で衛星写真として取り上げたり、バラエティ番組で目的地を紹介する際の映像として取り上げるケースもある[1]。
基本的なインターフェースは、マウスのドラッグで移動し、画面下のコンソールパネルで拡大縮小、回転、ティルト(傾き)を調整するが、ダブルクリックや右ボタンドラッグ、ホイール操作にも動作が割り付けられており、慣れればマウスだけでもかなりの操作が可能となる。Altキーを押しながらの操作は、たいていの場合「緩やかに」という指定になる。
基本的には、画像データはPC上に置かず、すべてインターネット経由でGoogle社のサーバから転送する。このため、回線速度が遅いユーザーは、高解像度領域を表示した時に特に表示が遅くなってしまう。転送された画像データは、メモリとハードディスクにそれぞれキャッシュするようになっている。
なお、描画エンジンにはOpenGLとDirectXを選択することができる。
また、この他にも多彩なオプションが用意されており、カスタマイズができる。国境線(北米などでは州境)を線で表示できるほか、多様なオプション表示(ホテルなどの商業施設、空港などの公共交通施設など)が選択可能である。
また、標準での標高・視点距離表示はマイル・フィートが使われているが、オプション画面でメートル法にすることができる。
3DCADベンダーとして有名なBentley Systems(USA)の主力製品である3次元CAD:MicroStationによりGoogle Earthへ3D Modelをexportできるようになった。また、それらのModelにword,excel,pdfなどのファイルやModelに関するCADデータなどのリンクを設定し、Google Earth上で情報共有できるようだ。
Google Earthには、地名や座標を入力するためのFly toというテキストボックスがある。
地名などを入力する機能があるが、予想通りの動作をしないことが多い(たとえば"Fuji, Japan"と入力すると、北海道・斜里岳付近に移動する)ため、日本人にとっては使いにくいものとなってしまっている。また、綴りのミスも散見される。(例:香川県丸亀市→Maragume)(最新バージョンでは、ほとんど入力通りの動作をする)
地図が手元にあり、座標が分かっていれば、
のような指定法も可能である。
Google Mapsの座標をGoogle Earthで閲覧するためには、URLの一部をコピーして、Google Earthの「Fly to」に貼り付ける方法が手っ取り早い。具体的には、URL中の"ll="に続く数字(例:"34.914551,-117.882271")をコピーし、Fly toに貼り付ける。
現在、日本語による住所検索に対応している。指定された住所を入力すればその付近へ移動する。完璧にその住所の位置というわけではない。
Google Earthでは、Placemarkを置いてその上でセーブ操作を行うと、KMLファイル(Keyhole Markup Language)またはKMZファイル(KMLファイルをZIP形式で圧縮したもの)をローカルに保存できる。
これをWebページにアップロードして、ユーザーにダウンロードさせるという手法が取れる。Google Earthがインストールされていれば、拡張子.kmlと.kmzファイルはGoogle Earthに関連づけがなされるため、非常に便利である。
また、地点を連続して移動する「ツアー」機能もある。
また、グラフィックカードについては、つぎの会社のものが動作確認されている。
有料版の「Plus」では、次のような機能が付加されている。
料金は年間20米ドルで、クレジットカード決済のみ。
なお、バイナリは無料版と共通であり、インストール先のディレクトリ名がplusになっているため、混乱するユーザーも散見されるが、課金の手続きを踏まなければPlus版にはならない。閲覧にとどめ、付加機能を利用しないのであれば、無料のまま使い続けることができる。
研究機関・教育機関向けのプロスペック版で、次のような特徴がある。
年間400米ドルで、クレジットカード決済のみ。
公式サイト
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