エフェクトブースターとは
エフェクトブースター(通称「エフェブ」)とは、CardWirth の背景描画の拡張機能のことで、これを用いることでシナリオの映像表現を多彩にすることが可能です。プレイのためではなく、完全にシナリオ制作者向けの機能です。
そもそも CardWirth のプレイ画面はカード画像と背景画像の二層構造になっており、それぞれ
- カード
 - 人物やアイテム、メニューなどを意味するオブジェクト。プレイヤーが直接操作する対象となる
 - 背景
 - 舞台演劇の書き割りに相当する、舞台や情景を示す画像
 
という役割を担っています。

CardWirthプレイ画面(groupAsk『ゴブリンの洞窟』)
エフェクトブースターは2004年にリリースされたver1.28より使用できるようになった追加機能で、背景画像に多彩な表現をさせることが可能になりました。
具体的には
- 複数の画像を組み合わせて配置したものを一枚の背景であるかのように定義する
 - テキストを画像のように扱う
 - 背景(全体ないし一部)を加工して表示する
 - 一時描画機能を用いてアニメーションさせる
 - アニメーションに音声ファイルを組み合わせる
 - プレイ画面のスクリーンショットを作成する
 
などの機能を持っており、これらの機能はさらに組み合わせて使用することも可能です。
エフェクトブースター利用の現状
ただし、現状でエフェクトブースターの利用はごく一部のシナリオ作者にとどまっているようです。その理由として以下のようなものがあります。
- あくまでも拡張機能であり、使わなくてもシナリオは作れる
 - ver 1.50 以降のシナリオ用エディタ(WirthBuilder)ではテキストセルなどの機能が追加され、エフェクトブースターに頼らなくてもできることが増えた
 - シナリオ用エディタのような WYSIWYG 形式で編集する手段がなく、とっつきづらい
 - 公式配布パッケージに含まれる JPY メーカーはエフェクトブースターのすべての機能を使えない上、ユーザインタフェイスに難があり使いづらい
 - ini 形式のテキストファイルなので Windows でのプログラミング経験があれば理解しやすいが・・・
 - CardWirth の描画機能およびエフェクトブースターの仕様にクセがあり、動作を理解するために試行錯誤が必要
 - 情報源が少ない
 - 公式配布パッケージに含まれるヘルプファイル editor128.chm が一次情報ではあるが、誤りが多く漏れもある
 

エフェクトブースターの定義ファイル例(iniファイル形式)
こうした事情から推測するに、「ちょっとやってみたけどうまく行かず、自分には使えないと思い込んでやめてしまった」という人が多いのではないかと思われます。
このWikiの目的
とはいえ、多くのシナリオ作者さんの間には「エフェブを使ってみたい」という潜在的な欲求、特にエフェクトブースター最大の魅力であるアニメーションによる演出には需要があるようです。
そこで、この CardWirth Effect Booster Wiki では初心者向けのチュートリアルを中心に、エフェクトブースターの挙動をある程度理解し、使えるようになるための教材を提供する目的で設置されました(将来的にはリファレンスやレシピ集のような内容を扱うかもしれません)。
この Wiki がみなさんの CardWirth シナリオ制作のお役に立てば幸いです。

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