擬人化された動物社会の食肉事情

ページ名:擬人化された動物社会の食肉事情

登録日:2020/02/11 Tue 22:21:26
更新日:2024/05/16 Thu 12:38:39NEW!
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子供向けファンタジーを始めとして、フィクションの世界では擬人化された動物たちが社会を築いて生活していることがよくある。
直立二足歩行して服を着た動物が人間と同じように暮らしていることもあれば、見た目は普通の動物が人間同様のコミュニケーションをとって暮らしているパターンもある。
そして、そのような世界ではライオンやトラ、クマなどの肉食動物とウサギ、ウマ、ヒツジなどの草食動物が混在して暮らしていることが大多数である。
……さて、幼い頃は「おとぎ話のような世界」とごく当たり前のように受け入れていただろうこの世界観だが、大人になってブラックな観点から考え始めると一つの疑問に行き当たる。もっとも、子供のうちにこのような疑問を抱く事も多いだろうが…



この肉食動物たち、一体何食って生きてんだ?



ここではそんなある種のタブーを描いたり描かなかったりしている「擬人化された動物たちの社会」を描いた作品を紹介していく。


●目次


タイプ別に見た擬人化動物社会での食肉事情

タイプ① 「擬人化された動物」と「そうでない動物」が分かれて存在している

特に明言されていない場合は恐らくこのパターンだと思われる。
要は霊長類が人間とサルに分かれているようなもので、同じ動物でも知性を持って社会を築けるものと、そうでないものがいるタイプ。
子供向け作品では深く踏み込まないために実質これに近い形式になっていることが多い。


ミッキーマウス、およびディズニー作品

擬人化作品としてはアニメ界最古参ともいえるディズニーの作品は、一部例外を除けばほとんどがこのタイプに該当する。
そもそも擬人化されているグーフィーそのものであるプルートが共存しているような世界観であり、「擬人化された動物」と「動物」は根本的に別の生き物という設定がなされている模様。
実際、擬人化されていない動物を擬人化された動物のキャラクターが食べようとするといったシーンもある。
衝撃的なところでは、「ドナルド・ダックと甥っ子三人組でチキンの皿を囲っている」場面も。

その割には、ドナルドが「アヒル」呼ばわりされ、肉食の相手に鳥の丸焼きに見立てられてしまったりというブラックジョークもまかり通っているのだが。


それいけ!アンパンマン

擬人化された動物と擬人化された食物と擬人化された無機物と妖精とバイ菌が同居するなかなかカオスな世界観。
カツドンマンの中身やハンバーガーキッドの具材など、間違いなく肉が存在していることは確かであるが、その原材料についてはハッキリと存在を示されることは少ない*1
しかし一方でゲストキャラクターなどが振舞う料理について説明する際に、材料となる生物について言及する台詞も存在しているので、それらの生物は実在し、食されていると思われる。
なお、少なくとも擬人化されていない昆虫は存在を確認できる。
一方で擬人化されていない哺乳類については登場機会が少なく、ばいきんまんドキンちゃんがステーキを食べているシーンもあるが、これも原材料は不明。
しかし、ハンバーガーキッドの愛馬・ピクルスや牛車を引く牛などは存在しているので多分この辺が原材料になっている……のかもしれない。
ちなみに意図されたものかは不明だが、本作ではライオンやトラのような明らかな肉食獣をモチーフにしたキャラクターは少ない。*2
ただし猫・犬・ねずみなどの身近な肉食獣は登場。また、熊やワニのような大型肉食獣の住人も存在する。*3
なお肉食獣モチーフではないが、アニメ化以前の絵本『あんぱんまんとごりらまん』では、
表題のごりらまんが小象を食べようとする場面がある。(未遂に終わるが*4


しまじろう

トラのしまじろうと鳥のとりっぴぃが仲良く暮らしている世界観。焼き鳥とか、らむりんが消えたのはしまじろうに食われたからとかブラックなネタには事欠かない
大体の事情は上記アンパンマンと似たような感じだが、本作の場合牧場をしまじろうたちが訪れるというシーンがあり、カオスさに拍車をかけている。
牧場では我々の世界と同じような牛が飼育されており、食肉については触れられていないが明らかに家畜として飼われている。
知性を持った動物と家畜が交流するという一見ほのぼのとしているがよく考えるとかなり歪な光景が繰り広げられる。
さらに、パンダの生徒が動物が苦手と発言し、牛と交流するのを拒否するなど、教育アニメとしては妥当なのかもしれないが真面目に考察するとかなり異様な世界観である。


ナルニア国物語

異世界ナルニアには、普通の獣と物言う獣が存在しており、物言う獣を食べることはタブーとされている。
物言う獣たちはビーバーが魚を捕って料理したりとフリーダム。
「銀のいす」において、地球人二人とナルニア人一人の三人組が、野蛮な巨人族から食事を振る舞われるのだが
鹿肉について巨人が「この鹿は『私は美味しくない』と言ってたが嘘だったな」と言ってるのを聞き、ナルニア人が酷くショックを受けるというシーンがある。
他にブラックなネタで「朝びらき丸 東の海へ」で、ユースチスという少年が目の前で寿命で死んだ竜の洞窟に入り、そこにあった呪いの宝で自分が竜に成ってしまい
その後竜になったユースチスは外に出て「前述の竜の死体が猛烈に食いたくなって全部平らげてしまう」という展開があった。
…この「竜」は言葉を話す場面はなかったが、竜化したユースチスも人間の言葉を発音できなかったのだが…。



スポンジボブ・スクエアパンツ

海に住んでるスポンジが主人公のアメリカのギャグアニメ。
出てくる魚・蟹・タコは全て擬人化されており、服を着て二足歩行で海底を歩く。
また、一部の海洋生物はペットや家畜、野生動物として生活している。*5
作中では大人気の「カーニバーガー」だが、レシピは謎*6。ハンバーガーのパティを焼いているが、そもそも素材は何の肉か謎。
他には海藻のシリアルや海藻ポテトなど海藻を主としたメニューがある他、普通にポップコーンやジュースも飲んでいる。


ONE PIECE

作中では様々な人種が登場しているが、その中でも水生生物の要素の強い「魚人族」と「人魚族」、哺乳類の要素の強い「ミンク族」が存在する。
魚人族は普通に魚類や肉類を食べる。タコの魚人のはっちゃんたこ焼き屋を開いていたりするなど、自身と同じ特徴の生物でも食べることには抵抗はない模様。
一方人魚族は魚を友として扱っているため魚と肉を摂らず、食事は貝類と海藻類が中心。
ミンク族は毛皮を持つ動物*7を摂らず、獣肉はカバやワニのような毛皮を持たない動物のみに限り食用とする*8
なお悪魔の実を食べて得られる能力には動物に変化できる『動物系』が存在するが、能力者のほとんどはその動物の食性に引っ張られないためここでは扱わない。


かいけつゾロリ

擬人化された動物による異世界物。たびたび肉類の食べ物が登場しているが、家畜としての動物が登場した事が一度もない。
それどころかアニメでは幻獣であるドラゴンを飼育している牧場が出てきている。また、恐竜一家の卵(赤ちゃん)を猿の一家が食べようとする場面も。
しかし、作中では普通のハトやワニが何度も登場している他、家畜由来のものが原材料のドーナツやミートボールなどもある為、普通の動物の家畜がいる可能性が高い。
作者は異なるが、ゾロリがデビュー作である「ほうれんそうマン」で行った初の悪事は、(家畜などではない)小鳥たちのアパートを倒壊させて、中にある百個のタマゴを強奪して食べようとした事だったりする。


マヌ~ルのゆうべ

NHKの動物番組『ダーウィンが来た!』内で放送されている、擬人化された動物による次回予告も兼ねたミニアニメ。
擬人化の具合がすごくばらけていて、メインキャラが「服を着た二足歩行のマヌルネコ」と「人型のツノゼミ」であり、
それ以外だと文字を使う以外は擬人化要素のないムクドリから、ビジネススーツを着てスマホの通話で会社を動かすライオンのライオネル・リキまで存在する。
加えて本項にはあまり関係ないが、擬人化された島が登場したこともある。
もちろん擬人化されていない動物も存在し、それらを食べる動物は魚を捕まえたハサミアジサシやオキアミの大群を追ったシロナガスクジラなど少なからず存在する。焼き肉を食べていた回もあったが何の肉かは不明。
それどころか人間体型のホタルがハニートラップの後捕食するなど擬人化された動物でも食われる場合がある。


どうぶつの森

ご存じ(人間である主人公以外は)擬人化された動物たちが生活する村でスローライフを送る人気ゲームシリーズ。
擬人化されたカエルやタコの住民と、釣りで獲れるカエルとタコが同時に存在することが確認できるなど、擬人化されている動物・されてない普通の動物が区別されていることは明らかである。
家畜等は登場しないが、住民との会話に「てりやきバーガー」や「ぶたキムチ」が出てくることがあるので、ニワトリや豚などは存在し、普通に食されているようである。また、「夕飯のおかず」に魚を捕ってきてくれという依頼や、セイウチやビーバーの擬人化である「セイイチ」や「うおまさ」が魚介類を食すなど直接的な食肉描写自体はちゃんと存在する。


種族ごとの好き嫌いはないので、ヒツジの住人がジンギスカンを食べることもあれば、オオカミの住人がフルーツばかり食べていることもある。また、カメレオンの「カメヤマさん」を除けば例え鳥やカエルの住人でもムシを食べようとすることはない。
一方で、感謝祭イベントで登場する七面鳥の擬人化である「フランクリン」が自身が食われることを心配するなど完全に分かれているかどうか疑問な点も存在する。
最新作「あつまれ」の博物館における描写によると、擬人化された住民たちは元の生物と同じ進化系統図上で進化しているようである。*9
謎は多いが、この系統図を信じるなら住民と動物の関係はヒトと猿の関係に近いのかもしれない。
ちなみに肉ではないが、現実の動物なら殆ど飲めないコーヒーを大半のキャラが平気で飲めるという明確な描写がある。
体の大きさで多少なら大丈夫ということか、人間並にカフェインが平気な体質かは不明だが。


住人の間ではオオカミとヒツジ、ライオンとウシといった組合せでも特にどちらかが怖がるような様子はないが、一部の作品では喧嘩になりやすい種族の組み合わせとして設定されていることはある。
ちなみに「ハムカツ」「ポーク」「ケンタ」「カル」「ピータン」「フォアグラ」「タコヤ」etc.といった具合に、どうぞ食ってくださいと言わんばかりのネーミングにされている住人は割とたくさんいる。誰が何の種族かはお察しください。


ハクメイとミコチ

哺乳類、爬虫類、両生類、昆虫が共通の文化と言語で生活しており、鳥類と魚介類は当てはまらないというやや変わった世界観。
このうち食用とされるのはもっぱら魚介類で、意思疎通を行う場面はない。
鳥類は乗用や物資輸送用の使役動物として扱われており、「羽頭」と呼ばれる乗り手は独自の言語により意思疎通を行っている。
ただし5話では七面鳥とクランベリーのサンドイッチが、7話では卵を使用したワッフルが登場しているため、鳥類も一部は食用として利用されている様子。


食肉とは関係のない話だが、6話には鳥にしか見えない住人が登場しており(ミコチに粕汁の味見を頼んでいた奴)、読者の間では考察の対象になっている。
漫画ではペンギンの一種であるコガタペンギンに似た姿をしており、空を飛べない事と関係があるのではないかという推測も出ているが、
テレビアニメ版では全く別の見た目となり、謎は深まるばかりである。


ジャバウォッキー

人類の影に人間型となった恐竜が息を殺し生きているという設定の世界。
作中ではティラノサウルスがチキンサンドなどを食べているので、家畜食は制限がない可能性がある。
一方で主人公の種族であるオヴィラプトルは「薄汚い卵食い」として罵られたり最下層の仕事にしか着けなかったり、虐殺を受けたりと悲惨な環境にあるため、少なくとも”同族の卵”を食うことは確実に唾棄すべき禁忌とみなされている。成人を狩ることが許されるかは描写が無いため不明。


ドラゴンボール

Dr.スランプのイメージが強かった初期にはたくさんの擬人化した動物が登場する。一方で普通に肉料理も登場している。
ウーロンが悟空に「トンカツは好きか」と言われて「好きなわけないだろ」と答えているので豚の自覚はある模様。
鳥山作品での「動物っぽい人」はあくまでそういう外見の種族ということらしい。


侵略!イカ娘

該当キャラがイカ娘しかおらず、好物はエビだが基本何でも食べるが、イカに関しては食べないどころか自分と同じ姿をしていると認識している。


クレヨン王国シリーズ

アニメ『夢のクレヨン王国』の原作となった児童文学で、「クレヨン」と呼ばれる人型種族と擬人化動物達が暮らす国「クレヨン王国」が主な舞台。
ある事情で具現化した「野菜の精」は専用の水差しから出る清らかな水しか飲まないが、基本は擬人化ニワトリのアラエッサがいる一方で養鶏場もあり、乗る四足歩行馬と二足歩行する馬女子が両方確認される等、割と地球と変わらない食生活の世界。
『タンポポ平17橋』では実家が料亭のカンガルー軍人が人型の住人達・アラエッサ・ブタのストンストン・白鳥の女性・うどん国から来た擬人化うどんの元外交官卵料理を振舞い、彼らにかつて「調理前の卵の会話を聞いた」と昔話をするなんて凄いシーンがあった。



ようこそ!アニマル連邦

ソ連がモチーフのアニマル連邦にてアニマルたちが反社会行為や死亡事故を繰り広げるブラックコメディ漫画。
この世界では擬人化された"アニマル"がそうでない"動物"を家畜化していて、準レギュラーに養豚場を営む牛系アニマルのウシトルが登場する。地下ではブタ系のアニマルと家畜を掛け合わせた「半豚」が美食のため飼育されていて、それに知性が残っていることにウシトルは手を焼いていた。
主人公のウサルノフはカニバリズムを伴う制裁を行っていたが半豚の存在は知らなかったあたり、アニマル裏社会全体の倫理観の低さがうかがえる。国家元首が豚なのによく粛清されないな



タイプ② 人工的に作られた合成食物を摂取している

工場などで作られた人工食物を食べているタイプ。
それらの技術が確立する前はどうしていたのかは不明。
原材料は植物性タンパク質などであったり、光合成の要領であったりする。


ドラえもん のび太とアニマル惑星

「アニマル惑星」ではドラえもん曰く、「22世紀の地球以上」の技術が確立しており、光、水、空気から合成食物をいくらでも作れるようになっている。

しかも完全オートメーションのため、食糧問題はなく肉食の動物も草食動物と仲良く暮らせる社会になっている。
なお、この技術に関しては動物たちが自発的に作り上げたものではなく、はるか昔に彼らをアニマル惑星に連れてきた人物が残したものである様子。


けものフレンズ

ジャパリパークにヒトがいた時代(漫画版、ネクソンアプリ版、アプリ版3)では肉まん、ケーキなど、おおよそヒトと変わらない物を食べていた。
クロサイが肉まんを食べる、タイリクオオカミがチョコをもらっているなど、アニマルガール(フレンズ)の食性はほぼヒトと同じとみられる。


ジャパリパークからヒトが消えてからは「ジャパリまんじゅう(ジャパまん、ジャパリまん)」なる謎の食料が流通しており、あらゆるフレンズがこれを食べて生活している。
味・栄養素にはそれぞれ違いがあり各個体向けに調整されているとされ、基本的にはこれだけ食べていれば生きていられる。
このため本来の意味での狩猟行為は基本的に行われておらず「狩りごっこ」のような遊びで行われる程度。またフレンズ達の間でやり取りされる描写があり、疑似的な通貨の役割も果たしている模様。
結構重要そうなアイテムながら製造工程・流通経路には謎が多く、材料の野菜を作るための畑があるらしいが「肉の有無」は言及されていないため不明である。
またラッキービーストが配っているらしき描写があるので「配給食?」という考察はされているが、それ以上の詳細な情報は殆どが謎。


同一かは不明だが、ジャパリまんじゅう自体はヒトがいた時代から存在する。普通に売っているらしく、ネクソンアプリ版では様々な味が登場する。「多くのフレンズをダメにしてきた罪深い食物」とのこと。


2では「ジャパリパン、ジャパリチップス、ジャパリスティック、ジャパリソーダ、ジャパリコロネ」などバラエティ豊富に。ヒトが食べてもおいしい。
「パンのロバヤ」でロバのフレンズが配っていた。BD特典によると、料理が得意なフレンズが用意しているとのこと。
3(アプリ版)にも存在し、ピクニックする時に使う。


ズートピア

作中では肉食動物の食事シーンがスイーツくらいしかないが、裏設定では「肉食動物は植物ベースの人造食物を食べている」と設定されている。
また作中で登場したハンバーガー店は「バグバーガー」という名前であり、昆虫食の可能性も示されている。
作中では鳥や魚は出てこないが、これは意図的に見せないようにしていて一応いることがディレクターのツイートで明らかになっている。
ちなみに当初は魚は進化せず肉食獣の食糧にする予定だったらしいが、世界観が混乱するのでやめたとのこと。



タイプ③ 肉食が完全に禁じられている

法律などで定められており、肉食動物であっても肉を食べることが禁じられている社会。
タイプ①のように「食料となる動物」がいるわけではなく、タイプ②ほどには技術レベルが高くない世界観に多い。
社会体制自体は整っており草食動物の人権意識も高くなっている、というパターンであり、ある意味肉食動物には一番生きにくいタイプかもしれない。


モロー博士の島

厳密には完全な禁止ではないが、便宜上ここに掲載。
超古典作品なので、原作小説の基本設定を要約。

  • モロー博士は動物(劇中見る限り哺乳類限定)を改造手術で人間のような姿にする。ただし博士の腕にも限界があるので体形が変だし、知能も人基準では低い。
  • この際同時に洗脳もしており、動物たちは博士を神のように畏怖し、博士の命令が本能に背くものであっても罰を恐れて従う。(ただしこれも限度があり…)
  • 教え込んである掟には「捕食行動を行うな」「生肉や生魚(血をすするなども含む)を食うな」というものがある。

…物語中盤まで、獣人たちは苦しみながらもこれを守り、木の根・草の葉・果実などを食べて生きていた。
が、モロー達が肉(掟は「生肉禁止」で加熱調理したものは良い)を確保するために、ウサギを島に放った*10のが大惨事となる。
肉食獣を改造した獣人たちが、本能にあらがえずにこれに襲い掛かり、血の味を覚えた事が原因で野獣に戻り始めてしまい、
博士たちは慌てて野獣化した連中を殺処分するが間に合わず、博士も助手も野獣化した連中に殺されてしまい、
文字通り「神は死んだ」という状況になった獣人達は、雑食・草食獣系のおとなしい個体も次第に掟を守らずに獣に戻っていき…という展開になる。


ジャングル大帝

主人公であるホワイトライオンのレオは人間文化を学んできたことで、ジャングルにベジタリアン文化を導入することを目指した。
王となった後も、肉食動物と草食動物が仲良く暮らす社会を築くことを目指している。
基本的にはタンパク源は昆虫の養殖などでカバーしており、肉食を明確に「悪」として描いているのが特徴。
この辺りは、本作の描かれた年代以降の1960年代に流行ったヒッピー文化の影響も見て取れ、また、人間との協力による人造肉の技術の導入も示唆されている。
どうしても肉でしか生きられない肉食獣には、物々交換で「草食獣が拾ってきた肉」であれば許されるという場面もあった。
だがそんなレオも最期、元飼い主のヒゲオヤジを生かしてムーン山から還すため、自分という唯一の肉を捧げることになる。
……アンモニア臭くかなり硬いライオンの生肉を、雪山でどう捌いて喰らい毛皮を剥がしたんだというツッコミはなしで。


鳥人大系

『ジャングル大帝』の約20年後に同じ手塚治虫が執筆した青年漫画。
地球上の鳥たちが急激に進化して文明を獲得し、人類に代わって地球の支配者となる過程を時代ごとのオムニバス形式で描く。
異星人の思惑により様々な種類の鳥が一斉に知能を獲得したため、肉食鳥も虫食鳥も草食鳥も同じ社会で生活する歪な社会構造となっており、
猛禽類が狩猟本能に逆らえず、重罪である殺鳥・食鳥に手を染めてしまう事を主題とする章がある。


なお鳥が文明を獲得してからしばらく*11は人間も知性ある生き物として存続し、鳥は人類を「ヒトザル」呼ばわりして遊び半分で殺してまわっしたり奴隷としたりするものの、
あまり美味しくないのか人間を食肉生物として狩りの対象とするシーンはない。


BEASTARS

ある意味この項目で取り上げている問題に真正面から斬り込んだ意欲作。
この世界には「食べられる」動物は一切存在せず、肉食動物も基本的に植物性タンパク質(豆類など)、もしくは昆虫食で対応している。
合法的に食べられる唯一の動物性たんぱく質として、「鳥類の無精卵」は食べてもよいとされる。
そのため、草食も肉食も仲良く暮らしている理想的な社会である。


実際には、どうしても肉を食べたい肉食動物と、金に困った草食動物の需要と供給の一致から、食用肉を売り買いする「裏市」が平然と存在している
もちろん公的には一切認められていないが、「必要悪」ということで黙認されているのが現状である。
裏市はヤクザや奴隷商人が行き来するスラムと化しているが、肉食動物の間では「ここで肉を食うのが通過儀礼」のような認識すらされている。
ちなみに売られているのは何らかの事故で死亡した身寄りのない遺体や、金の代わりに自分の一部を切り売りする者、病院からの提供物などで賄われている。
ただし極一部では『食糧にする為の孤児を監禁し、生餌として売る』という、肉食獣の本能を満たす為の奴隷商もいる。
なお、食べる為に他者を殺す「食殺」は本作では最も重罪にあたる。
しかし肉食獣にとっては草食獣の血の匂いや味を感知すると、麻薬の禁断症状のようなもので本能が抑えられなくなる。


そして一方でこの世界で肉を食うことは非合法ではあるが明確な悪と呼べるのか?という命題がこの作品のテーマでもある。
確かに肉を食うことは非合法であり奴隷と言った人権を無視した行為であるのは確かだが、一方で肉食動物たちにとっては生きている草食動物を殺さないために必要な措置とも見て取れる。
肉食動物にとっても裏市での肉を食べることは合法的に本能を制限されずに肉が食える唯一無二の娯楽でもあり、作中では家族の祝いの為に御馳走として肉を買っていった家族思いの動物なども登場していた。
最初はこの裏市を全否定していたレゴシであったが、彼も裏市に関する様々な経験を経ることで裏市の存在自体を否定していいのか疑問に思う様にもなっていっている。


しかしやはり非合法なものであり、この裏市での狂気が何かしらのきっかけで増してしまうことで表の世界でも徐々に不穏な影響を与えてくるなど非常に危ういバランスで成り立っている。


ちなみに特筆すべき点として肉食動物が草食動物を食わないという社会構造は一見草食動物が肉食動物を一方的に縛り付けるルールのように見えるが
草食動物を食わないルール作りを決めたのは歴史上では肉食動物が始めたものである
遥か昔、古代では相手を殺しそして食う弱肉強食の野蛮な生活を送っていた故に、力は強いが人口が少なく社会性が発達しなかったのが肉食動物たちの祖先であるが、
ふとした偶然で発達した文化と人口数を誇っていた草食動物の祖先たちとたまたま遭遇。
いざ一方的な殺戮かと思いきや何故か肉食動物の祖先たちは草食動物たちの祖先を庇護対象と認識するようになった。
彼らがそうする事が本能的に発展に有利だと理解していたとも言われるが実際の所は不明であり、しかしそれがきっかけで肉食動物と草食動物が共存し発展していったのがこの世界の成り立ちらしい。


しかし肉食動物が草食動物を食うきっかけに当たるのがこの世界で言う100年前の「肉草対戦」という出来事が大きな亀裂を生むことになったのらしいのだが…


なお、海洋生物は陸上生物とはまた違った倫理観と社会構造の元暮らしており、「意思疎通するだけの知能はあるが、それでも食う食われるは当たり前」という感覚である*12


人魚姫のごめんねごはん

人魚たちが暮らす海底世界では、あらゆる魚介類が市民として生活しており、無論魚介類を食べることは絶対のタブーとなっている。
そのため、人魚たちは海藻を主食とするベジタリアンしかいない。ある一人を除いて。
魚を食べるのは重犯罪であり、海底の刑務所には10匹もの魚を食べた凶悪なサメの犯罪者が収監されている。その目の前にさらにヤベー奴がいたことは誰も気づいていなかった。
「たった……10匹……」



タイプ④ 普通に食う

社会自体は存在しているが、普通に狩りも行われる弱肉強食な動物社会。
最も自然に近いタイプの擬人化社会と言えるだろうか。



ドリームワークス作品

マダガスカルシリーズの第一作目はこれを重点的に描いており、ライオンのアレックスが自然界に置かれて周囲への捕食本能が起きて苦労する場面が存在する。最終的には寿司に落ち着き、その後はこの観点はシリーズで描かれなくなった。


ライオン・キング

サバンナにある動物たちの国「プライド・ランド」を舞台とし、そこでは肉食動物と草食動物が共存しているが、
明確な描写こそ無いものの主人公シンバ(ライオン)の台詞からして肉食動物は国民の草食動物を捕食している模様*13
シンバの父にしてプライド・ランド国王ムファサはこれを「サークル・オブ・ライフ(=食物連鎖)」と称し、
そのバランスを保つ事を王の務めの一つとしている。
実際シンバの叔父スカーが国を乗っ取り、肉食動物が好き放題に草食動物を狩れる体制に変更させた結果、国は酷く荒廃してしまった。
また放浪中のシンバは草食動物のコミュニティに入るに当たり、仲間の草食動物を食べない代わりに虫を代用としていた。
劇中描写の限り虫類に知性は無い模様。


ファインディング・ニモ

人間並の知能を持つという意味で擬人化された海生生物たちを描いた作品だが、食事に関しては現実に即している模様。
劇中登場するサメトリオはほかの魚と仲良くするため肉食を克服しようとしているし、クジラはオキアミを喰らう。
アカシマシラヒゲエビのジャックは寄生虫を食べるが、水槽の掃除禁止令を言い渡された際どうしたのだろうか。
ちなみに本作はパートナーを失ったオスのクマノミはメスになるはずという別方面からのツッコミがされてたり。
東京ディズニーシーのアトラクション「タートル・トーク」では、ファインディング・ニモの登場亀物であるクラッシュと話が出来るが、彼にそのあたりの事情を聴くと
「海の生き物たちはみな友達だが、中にはそれらを食べるものもいる」と、きちんと世界観に即した説明をしてくれる。彼からの好きな食べ物の質問で「魚」だというとドン引きされるぞ!


かってにシロクマ&真・異種格闘大戦

あらゆる生物が意思疎通可能な世界であるが弱肉強食の掟は普通に存在しているため、
『かってに~』中盤では主人公シロ(アルビノエゾヒグマ)の彼女(モモンガ)が主人公の母ちゃんに食われてうんこになるという凄まじい鬱展開がある。
(FC版ではその後うんこの状態から蘇生するが)
実質的な後日談である『真~』では格闘で死んだ敗者は容赦なくハイエナの餌になるほか、
終盤では「食物連鎖の掟に抗う」シマウマと「あくまで自然の道理を貫く」ライオンとの革命戦争とも呼べる戦いに突入した。


アフリカのサラリーマン

人間社会さながらのアフリカで会社員として働く動物達の日常を描くギャグコメディ。
作中では普通に肉食獣が肉を食っており、トカゲ君は蟻シェイクやダンゴムシを食べている。
これに関して特に草食獣が肉食獣を忌避したりしないが、怖い時は怖い。鳥であるオオハシが居酒屋で焼き鳥を食うなどなかなかカオス。
まぁオオハシ自体は鳥自体は食べないが他の鳥の卵は食べるし肉食の鳥が鳥を食べるのは当たり前ではあるが…。
ほぼ日本の社会がそのまま再現されている為、肉に関するメニューも普通にある他、ウサギの丸飲みなども示唆されている。
女子高生ライオンがぶつかった相手に喰らいついたり、オオハシがバーガーショップでチキンの代わりに捕まえられたりもする。
オオハシが花見の場所取りに殺傷ハムスターが拾ってきたその辺のカラスの死骸を身代わりに立てるなど、深く考えていたらキリがないともいえる。


アリス殺し

『不思議の国のアリス』をモチーフにしたミステリー小説。
アリスがモチーフなので当然、動植物はお互いに会話する事が可能なのだが、本作の食事はその会話可能の相手を食べる事である。
主人公のアリスはハンプティ・ダンプティを殺害した容疑をかけられるが、これは相手を殺したが「食べなかった」罪によるもの。
この世界では食事のための殺害は認められているが、食事以外の殺害は認められていないのである。


メダカくん、さよなら

「生きているから、喰らうんだ~」がキャッチコピーのゆるっと殺伐擬人化アクアリウム漫画。
主人公のメダカくんは人間にアロワナの生餌として投入される予定だったが、零れ落ちたことで雑居水槽に住むことになる。
キャッチコピーの通り、基本的に水槽内の食物連鎖がそのまま再現されている為、弱った個体はすなわち餌である。
ちなみに擬人化と言ってもハコフグを被ったさかなクンと同じく、モチーフの魚の帽子を被ったりしている以外普通の人型の為、喰らう際はそこそこグロい。
特に幼児のようなミナミヌマエビはおやつ感覚で頭から食われる、


ハトのおよめさん

デフォルメされた動物たちが頓珍漢なやり取りをする、シュールなギャグ漫画。
直接的な描写こそないが、蛇がハトよめの産んだ卵を食べたと言ったり、馬が(去勢されるより)馬刺しになった方がましと言ったり、パンダがイノシシをラーメンの材料にして売ろうとしたりと、食べていることは明白である(ホットドッグなどの肉加工品も登場するが、死んだ個体を加工している、肉を合成しているという描写もない)。また、ハトのダンナがゆで卵を食べたがったりするなど、共食いも忌避されていないようだ。
それでいて文明社会が問題なく回っているという、不思議な世界観となっている。単に作者が何も考えていないという可能性もある。


童話、昔話

有名どころは『さんびきのこぶた』『おおかみとしちひきのこやぎ』だろうか。
日本だと『うらしまたろう』で鯛やひらめの舞い踊りが繰り広げられる一方、必ずと言っていいほどごちそうとして魚料理が挿絵に描かれツッコまれる事も。
教科書にも掲載されるあまん きみこ作『きつねのおきゃくさま』では、腹ペコの狐が食料にすべく痩せたひよこやあひるやうさぎを連れ帰るのだが……。


タイプ⑤ 社会の中で「食う者」「食われる者」が決まっている

タイプ④に近いが、こちらはさらに社会性が高く、社会構造の中にそのまま捕食者と被食者が組み込まれているというパターン。
食われる者の立場は奴隷だったり、家畜だったり、あるいは敵対する国家だったりするが、ある意味では「野生のまま」のタイプ④よりもさらにえげつない部分がある。
タイプ③が肉食動物が生きにくい社会なら、こちらは草食動物にとって地獄な社会である。


ミノタウロスの皿

ある意味このテーマを逆アプローチで描いたような藤子・F・不二雄のSF短編。
簡単に説明すると、ウシ型宇宙人が食用の家畜人間を飼っているとある惑星。そう、食用人間…すなわちこの作品で食べられるのは人肉である。
ちなみに家畜人間自身は草食性の動物。尚、一応愛玩用(ペット)や使役用(奴隷)もいる。
これで人間がリアルな牛同様の獣であればまだ良かったのだが、普通に知性のある良識的な人間だから主人公は葛藤することになる。
だが、彼らの「社会常識」として、ウシ型宇宙人に食用肉として食べられることは無上の名誉にして誇りであり、喜んで食べられるのである。
その為により良い肉になるべく日々努力し、それを疑う者はなく、死よりもその名誉が得られないことを何よりも恐れる。
ウシ型宇宙人達と家畜人間達の仲も家族のように良好で「人間が草を食べ、ウシが人間を食べ、ウシは土に返って草となり…」と双方認識したきちんとした「共存社会」となっている。
ウシ型宇宙人も性格自体はとても温和で冷静。惑星外から流れ着いた宇宙飛行士が、家畜人間でないと分かると詫びを入れて歓迎し丁重に扱った。
ちなみに最高の栄誉である「ミノタウロスの皿」に選ばれた場合、生きたまま自分を食べている賞賛の言葉を聞ける『活け造り』*14になれる。


燐寸少女

とあるエピソードで主人公たちが竜宮城を訪れることになるが、そこは乙姫を頂点とする絶対カースト制度が支配する社会だった。
最下層の立場である「踊り子」はわずかでも粗相をすれば即座に食材へと立場を落とされ、料理として供される羽目になる。
主人公たちの目の前で粗相をし、主人公に料理として提供される運命になった踊り子に主人公は「どんな願いでも叶うマッチ」を手渡すが……
オチがとんでもなくブラック。


ヤスミーン

ライオンの王族が支配するサバンナの王国が舞台、という意味では「ライオン・キング」に似た世界観だが、こちらのライオンは完全なる暴君
草食動物はライオンから隠れ潜んで一族で村を築いてライオンの捕食に対抗しているが、ライオンが強すぎてジリ貧状態である。
主人公の一族であるトムソンガゼルの一族はマズイからという理由でライオンの捕食対象から免れているが、その代わりライオンの奴隷としてこき使われている。
なお、捕食対象にはなっていないが、戯れに殺されることはある。それでもこれ以外に生きる道はないため、半洗脳状態で奴隷として生きている。
ちなみにトムソンガゼル族は草食動物からはライオンに媚び売った裏切者として明確に嫌われている。


ケモノクニ

獣人が支配する国を舞台にしており、人間は下級国民の種族「ヒト」として「食糧」あるいは「奴隷」として生かされている。
獣人は「肉食獣人」「雑食獣人」「草食獣人」に分かれており、肉食獣人が上級国民の種族となっている。
「品種改良されたヒト」の種族が登場しており、「ヒルコ種」「天照種」「須佐之男種」「月読種」「淡島種」が確認されている。
また、「ブランド食品のヒト」として「桃娘(トウニャン)」がいる。



タイプ⑥その他分類困難なもの

群れなせ!シートン学園

人間と知性を持った動物が共存している世界にある学校が舞台。オスは獣人だがメスはけも耳っ娘。
肉食動物がモチーフのキャラクターは、どう見ても肉らしきものを食べている。
(そもそも学食の内容が「生肉」「生魚」「草」などである)
だが、現状作中に「擬人化されていない動物」が登場しておらず、一体何の肉なのかは完全に不明である。
ちなみに一応擬人化されていない魚が釣られることで登場しているので魚食に関しては普通にこれらを使用していると思われる


星の子ポロン

擬人化された動物たちが仲良く暮らす世界……のはずなのだが、なぜかオオカミは他の動物を食おうとするわ、ヘビは鳥の卵を食おうとするわ、ネコはネズミを追いかけるわと、明らかに野生寄りの連中が多い
しかも、擬人化された豚がポロンにトンカツ(毛の生えた何かにしか見えない……)を見せられてビビるというブラックなシーンがある。
この辺を深く追求しだすと相当闇が深い背景すらうかがえるのだが……多分スタッフが何も考えていないだけだと思われる。


ワイルドキングダム

一応動物たちが擬人化して描かれているのだが、これはあくまで抽象的表現らしく、人間の視点で描かれたシーンでは普通の動物として描かれている。
……なので、普通に肉食動物は草食動物を食べようとする。


HAPPY TREE FRIENDS

一応形式的にはタイプ①に近い擬人化された動物と擬人化されてない動物が混在しているパターン……なのだが、作中描写では擬人化された動物擬人化されてない動物食べるパターンが圧倒的に多く、ちゃんと食材として流通しているのかは怪しい。しかも、カモやカメなど明らかに無害そうな動物でも恐ろしく獰猛かつ凶悪であるため、現実世界と同様の食物連鎖が成立しているのかすら不明。
というか、既に加工されてベーコンなどになっている状態の肉を除けば、作中で擬人化された動物が擬人化されてない動物に勝ったパターンはほぼない。
例外的にアリは擬人化されているが、アリクイのスニッフルズからは食材として認識されている。原始時代の進化してないアリを除き、毎回残虐な報復に遭って殺害されているため食べられたためしはないが。


なお、ランピーが肉になったリフティとシフティを平然と販売したり、フリッピーが血塗れのポテトを美味しそうに食べるシーンもあるが、これはコイツらの倫理観がおかしいだけで社会一般として通じるわけではない……はず。

ライギョのきゅうしょく及び続編同シリーズ

そもそもこの本では学校があり、捕食者であるライギョのクラスでは他の魚を食べる方法を、タナゴ専用のクラスでは、捕食者から隠れる方法を学ぶと言う世界観であり、劇中ではナマズがザリガニを、ニジマスがワカサギを、ブラックバスが他の魚を捕食するシーンがあるある為、普通に食われている。
と思われたが、同じキンギョのてんこうせいでは何故かナマズと金魚、オイカワと言った魚が仲良く遠足に行く、ザリガニさいばんではナマズがザリガニを食った犯人だと言う裁判まで起きている他、「ピコのそうじとうばん」「メダカのえんそく」ではナマズとオイカワが食事する
と言うシュールな世界観になっている。


みどりのマキバオーシリーズ、馬なり1ハロン劇場

いずれも競走馬が擬人化され、普通に人間たちとも話している競馬漫画。
あくまで馬が人間の様に振舞っているだけで舞台その物は現代日本であるため、馬食文化も普通にある。
というか外道キャラ扱いではあるが、本編内で馬主の一人であるひげ牧場の堀江信彦(通称「ひげ」)が、
レース中自分の馬に「負けたら供養するぞ!」と叫び、欄外で「食って供養するのがひげ牧場の信念」と説明がされてたことがあるほど。


流石に「マキバオー」内でこいつ以外は自重してたが、続編では主役馬が「馬刺し」看板を見て「馬刺しって何?」と聞かれた際、
残酷な現実を悟られぬ様に騎手が「差し馬*15の方言じゃね?」と適当に誤魔化していた。


一方、後者は作風もあって作中に馬肉料理が出てくる事は殆どないが、何を血迷ったか宴会の席で桜鍋を注文しようとして袋叩きにされたアホが一頭いるため、一応認知はされているらしい。



番外編:作品としては擬人化だが、擬人化された動物社会の定義に当てはまってるとはいえない例

あれ?ウマ娘は普通に肉喰ってるよね?と思ったそこの諸君、実はウマ娘の世界観はかなり特殊なのである。
ここではそんな特殊な世界における食肉事情を纏めていく。

ダンジョン飯
ドラゴンに食べられた妹を助ける為に、ろくな食糧も用意できず、ダンジョンに出てくる魔物を食べていくという漫画。
Wizardryに代表される西洋ファンタジーの世界観であり、人間もエルフもドワーフも全て「ヒト」でくくられる。
一方で「亜人」と呼ばれる人間と動物の特徴を併せ持った種族(獣人・コボルトなど)や、亜人系モンスターも存在する。
もちろん普通の動物も存在するので、ヒトはそちらを食べるのだが、迷宮内では亜人を含めた食うか食われるかの食物連鎖が起きている。
「現実世界での食がモンスターに置き換わっているだけ」であるため擬人化された動物社会ではないが、世界観としてはタイプ①に近い。


ウマ娘 プリティーダービー
現実世界の競馬で活躍した競走馬の名前を持つ『ウマ娘』たちが、トレセン学園という学校で厳しいトレーニングを積み、トゥインクル・シリーズというレースでの勝利を目指す作品群。
この『ウマ娘』とは、特徴的な耳や尻尾、人間離れした身体能力などからして、現実世界でいうところの『馬』の擬人化といっていい存在なのだが、
作中世界においては『馬』やそれに該当する動物は存在せず、従って『馬肉』も存在しない。この世界で吉田のうどんは何の肉を使っているんだろうか?
そも『馬』という漢字も劇中ではウマ娘を意味しており、『馬』のれっか点は二つになっていたりする。
さらに、ウマ娘は上述した三つの特徴からして、人間とは別の種族としてある程度の区別が付けられている他、ほとんどのウマ娘が人参を好物としていたりするが、
消化器官は人間と(おそらく)ほぼ変わらないため、穀物や野菜はもちろんのこと、魚を含む肉類も問題なく食べており、傾向として一回の食事量が一般人のそれを凌駕しているくらいしか違いは見られない*16
メタ的に見れば、視聴者からすれば『ウマ娘』は現実で活躍した競走馬たちが擬人化した世界の話であるが、
世界観的には「馬が擬人化した世界」ではなく、「馬が存在せず、その代わりに馬の一部身体的特徴や身体機能を持つ女性が一定数いる世界」であるため、タイプ①に近いといえる。


トムとジェリー、ルーニー・テューンズ
前者では普通にトムはジェリーや小鳥や金魚を食べようとするし、後者でもシルベスターやワイリー・コヨーテがトゥイーティーやロード・ランナーを食べるべく追いかけ回す。
当然うまく行かずひどい目に合うのがオチであり、そもそもギャグで人間っぽい行動をするだけで擬人化された動物社会は存在していない。
ギャグなので世界観も糞も無いがケースとしては④に近い。


関連項目

ポケモン自体は実は結構食材になっている(代表例:ヤドンの尻尾、バスラオ、ヨワシ、カマスジョー)
ただしポケモンは作品ごとに擬人化の程度が違うこともあり単独項目。



追記・修正は肉を食らいながらお願いします。


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*1 カツドンマンが登場時によく歌う歌には「黒豚」の肉を調理するくだりがある。
*2 ただし『ブルブルの宝探し大冒険』で主役をつとめたブルブルやその父親など、全く登場しない訳ではない。
*3 他にも狐のコン太、アライグマくんなど意外と登場している。
*4 アンパンマンによって妨害され崖から落ち、その後空腹で困っているのを悟ったアンパンマンが顔の残りをやったことでごりらまんは情にほだされ「もう他の動物は食べない」と誓う。
*5 カタツムリは犬猫のような扱い、タツノオトシゴは馬や牛でミルクが取れる…哺乳r…いや、何も言うまい。
*6 これは公式でレシピが企業秘密である事が設定されているためで、レシピを知っているキャラもカーニさんとスポンジ・ボブしか存在していない。ただ、パティ以外の具は現実でのハンバーガーでも使われるような物も存在しており、メニューによってはカニを使われる事もある。
*7 具体的には犬や牛、ウサギなど
*8 鳥類や魚類は問題無し
*9 ゾウ系の住民と古代生物としてのマンモスが同系統であるなど
*10 本編中さらっと流されているが、第16章冒頭でかつて「食用にするため獣人の子供を改造して跳ねる小動物を作ったが、こいつ自身が産んだ子供を食うので思うように増やせず中止し、このウサギを放って増やす計画に変えた。」というえぐい設定がある。
*11 得る以前は人間を串刺しにして焼いて食べるなどの描写があった
*12 もちろん陸上で暮らしている海洋生物など例外はいる。
*13 逆に肉食動物が死ねばその体は草となり、草食動物に食べられるらしい。
*14 人工心肺で意識を保ったままの状態で自身の食べられている様子が見られる
*15 最初は抑えて最後の方で加速して追い抜く戦法を使う馬。
*16 個人差もあり、食が細く人間と同程度、あるいは人間から見ても小食に分類される量しか食べ(られ)ない者もいれば、大食いチャレンジでもしているのかといいたくなるほどとんでもない量の食事を摂る者もいる。

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