名探偵コナン 迷宮の十字路

ページ名:名探偵コナン 迷宮の十字路

登録日:2014/11/09 Sun 10:36:11
更新日:2024/05/02 Thu 20:14:49NEW!
所要時間:約 16 分で読めます



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工藤新一、古都の謎に挑む!?



監督:こだま兼嗣
脚本:古内一成
主題歌:倉木麻衣「Time after time ~花舞う街で~」


『名探偵コナン 迷宮の十字路クロスロード』とは、劇場版名探偵コナンシリーズの第7作目のタイトルである。2003年4月19日公開で上映時間は107分。
興行収入は32億円。



【概要】

今回からデジタル製作に移行し、冒頭の解説シーンも一新された。
世紀末の魔術師』では出番が前半までだった服部平次が終始活躍する初の作品であり、彼の剣道の腕が生きる激しいアクションも見られる。
京都の実在する観光地が数多く登場するのも特徴*1
今回の舞台である京都は、これ以降も『絶海の探偵』等で舞台となっているが、実はゲーム版『3人の名推理』で劇場版より先に舞台となっている。
劇場版では珍しく原作とリンクしており、本作で初登場したある人物が原作『紅の修学旅行』に登場した時には既にコナン達と面識がある設定となっていた。
そして、劇場版では初めてコナンが新一の身体に戻るシーンがある。
14番目の標的』の後日談でもあり、今回も被害者の名前に数字が入っていた事でその事に触れられていた。
こだま兼嗣が監督となった最後のコナン作品。


劇場版名探偵コナンにしては珍しく、派手な大爆発シーンが一切無い。精々人里離れた所でボヤが起こった程度。



【音楽】

メイン・テーマのアレンジから分かる通り、和楽器の要素が強め……かと思えば時々それらとは全く違った都会的な雰囲気の楽曲もあったりと意外とバラエティ豊か。
TVへの解禁は2004年1月の初の2時間半スペシャル『黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー』から。
ただしこの話以降は翌年8月の『同時進行 舞台と誘拐(後編)』*2まで一切使われず、その後もほとんど使われなかった。
音響監督の交代に加えて和の要素が強めな楽曲が場面を選ぶからだろうか?
一応前作と異なりいくつかの楽曲はリニューアルされており、ちらほらと聴く機会はある……はず。


以下、ネタバレにご注意ください。



【ストーリー】

東京大阪京都で男性5人が相次いで殺害される事件が発生。
合同捜査本部によると、被害者5人は古美術を狙う盗賊団「源氏蛍」のメンバーである事、現場から各メンバーが所有する義経記が持ち去られていた事が判明した。
同じ頃、小五郎はコナン、蘭、園子を引き連れて京都にある山能寺を訪れる。
山能寺は12年に一度開帳される秘仏を近々公開するということで注目されているが、その秘仏は8年前に何者かに盗まれたらしい。
そして最近、秘仏を盗んだとされる犯人から秘仏のありかを示すという奇妙な絵が届いたらしく、山能寺の僧侶・竜円は小五郎にそれの解読を依頼したいのだという。


コナンは秘仏を盗んだのは源氏蛍だと考え、絵の謎を解く鍵を見つける為に弁慶ゆかりの場所を巡っていく。
その過程で平次と出会い共に絵の謎を解こうとするが、途中で連続殺人の犯人と思われる人物からの襲撃に遭う。
あと少しの所で捕り逃してしまい、蘭たちと合流したその夜、先斗町の茶屋で山能寺の檀家である桜正造が殺害される。後の調べで彼も源氏蛍の一員だった事が判明した。
その後、大阪への帰路についた平次と和葉は再び謎の人物に襲われる。
翁の能面を被ったその人物に木刀による勝負を仕掛けられた平次は、相手の見た事もない術に苦戦。この場は和葉の機転もあり何とか危機を逃れた。


途中で合流した少年探偵団、小五郎の迷推理などからヒントを得て徐々に真相に近づくコナンと平次だったが、犯人からの電話で和葉が誘拐された事を知る。
和葉を返して欲しければ鞍馬山に一人で来るよう平次に要求するが、その平次は前日の襲撃が原因で倒れてしまう。
秘仏を巡る連続殺人の真相とは? そして誘拐された和葉を救うためにコナンがとった行動とは……?



【事件関係者】

CV:置鮎龍太郎
京都府警捜査一課の警部。
公家出身で警視庁の白鳥とは同期のキャリア組。あだ名は「おじゃる警部」。
よそ者の平次が事件の捜査に介入する事を快く思っていない。
シマリスを飼っており、記者会見場にまで連れ歩くほど溺愛している。さすがに事件現場に来る時は置いてきているが、この事が小五郎に疑われる原因となってしまう。
後に『漆黒の追跡者』などで再登場する。


  • 竜円(りゅうえん)

CV:中村大樹
山能寺の僧侶。34歳。
小五郎に絵の謎の解明を依頼する。
秘仏が盗まれた事をとても気にしており、すぐに警察に通報しようとしたが円海に止められたらしい。


  • 円海(えんかい)

CV:井原啓介
山能寺の住職。65歳。
秘仏が盗まれた事は「縁があったらまた戻ってくるかも知れん」とあまり気にしていない様子。
のんびりしているように見えるが、コナンと平次が只者では無いことを見抜いているような節がある。


  • 桜正造(さくら しょうぞう)

CV:亀井三郎
寺町通りで古美術店を経営。51歳。
義経記のファンであり、義経と弁慶の絆の深さを園子に語った。
先斗町の茶屋で納戸を物色していた時に何者かに殺害される。
後の捜査で店から義経記が見つかり、源氏蛍の一員「伊勢三郎」だという事が判明する。


  • 水尾春太郎(みずお しゅんたろう)

CV:遊佐浩二
能役者。33歳。
水尾流の若き宗家。独身で母親と暮らしている。
桜同様義経記のファンであり、特に安宅の関の場面がお気に入り。
竜円、西条、千賀鈴とは自宅に招き入れるほど仲がいい。


  • 西条大河(さいじょう たいが)

CV:鈴置洋孝
古書店店主。35歳。
店の2階で一人暮らしをしている。
桜や水尾とは違い義経記は好きではなく、「義経記ではなく弁慶記のようなもの」だと言っていた。


  • 山倉多恵(やまくら たえ)

CV:鈴木弘子
宮川町にある茶屋の女将。52歳。
東山区で引ったくりに遭ったところを平次に助けられる。
5歳の時の千賀鈴を引き取って以降、実の娘のように愛情を持って育てる。
なので千賀鈴が小五郎に疑われた時にはもの凄い剣幕で彼女の無実を主張した。


  • 千賀鈴(ちかすず)

CV:安達まり
お茶屋「桜屋」の舞妓。19歳。
5歳の時に母親と死別して以降は山倉の元で育てられる。
父親は誰かは分からないが、毎月匿名で茶屋に仕送りが送られていた。しかし、3ヶ月前からそれが途絶えている。
弓道を始めて日が浅い為、親指の付根に怪我をしている。その為小五郎に疑われるもすぐに容疑は晴れた。
年が近い事と手毬歌を暗唱できる事から、平次は彼女こそが初恋の少女だと考えている。


  • 市佳代(いちかよ)

CV:佐久間レイ
お茶屋「桜屋」の芸妓。
宴会では三味線を担当。
蘭たちにみそぎ川や桜の事について教える。


  • 女将

CV:一龍斎貞友
お茶屋「桜屋」の女将。本名は不明。
桜に9時に起こしてもらうよう頼まれるが、起こしに行った先で桜の遺体を発見する。
茶屋の名前が桜屋で中の人があのキャラの母親役もやっているが、あのアニメとは無関係。


  • 源義経

ご存知歴史上の武将……の名を語る盗賊団「源氏蛍」の首領。
平成3年頃から東京、大阪、京都を中心に仏像や古美術の窃盗を繰り返していた。
晩年は重い病に侵され、手下に秘仏のありかを示した絵を渡して謎を解いたものを次の首領にするという遺言を遺す。
従って既に故人である。


  • 武蔵坊弁慶

ご存知義経の部下……の名を語る盗賊団「源氏蛍」のナンバー2。今回の事件の実行犯。
年齢や性別は不明。平次の前に現れる時はいつもフルフェイスメットや翁の面を付けて顔を隠している。
剣との腕は達人クラスで特に剣の腕は同じ達人クラスの平次を圧倒するほど。
何故か平次が所有する水晶玉に執着している。


  • 備前平四郎

盗賊団「源氏蛍」のメンバーで大阪府寝屋川市でたこ焼屋「たこ平」を経営。35歳。
弁慶に短剣で殺害される。
平次とは顔馴染みで、平次が中学生の時から世話になっていたらしい。
本作のプレストーリー的作品でもあるOVA『コナンと平次と消えた少年』にも登場している。
名前の由来は衣川の戦いで討ち死にした義経の家来備前平四郎から。


  • 駿河次郎

盗賊団「源氏蛍」のメンバーで京都市東山区で「スナック・ジロー」を経営。32歳。
弁慶に日本刀で殺害される。
名前の由来は義経四天王の一人駿河次郎から。


  • 亀井六郎

CV:水戸耕三

  • 鷲尾七郎

CV:里内信夫

  • 片岡八郎

CV:水内清光
盗賊団「源氏蛍」のメンバー。年齢は亀井と鷲尾が35歳で片岡が34歳。
弁慶に東京都西国立市のとある神社に呼び出され、日本刀や弓矢で殺害される。
劇場予告でコナンが片岡に対し「危ない!」と叫ぶシーンがあるが、この2人は劇中では一切面識がない。名前の由来はそれぞれ亀井重清、鷲尾義久*3、片岡常春。


盗賊団のメンバーは全員義経記を所有しており、皆が義経の家来の名で呼ばれている為、上記の5人の名前は偽名だと思われる。



【レギュラー陣】

ご存知主人公。
博識だが京都の事はサッパリ。
犯人を追う際の軽やかな動きから、平次に「牛若丸みたいな奴」と言われた。
倒れた平次の代わりに和葉を助ける為、コナンはある行動に出る。
また今回は『黒の組織との接触』の後の話なので、劇場版シリーズで初めて『どこでもボール射出ベルト』を使用する。


ご存知平成のホームズ。
前に蘭と待ち合わせていた時に2時間も待たせてしまった過去を持つ。
しかし、その時に蘭が発した言葉は予想を裏切り……


ご存知色黒関西弁探偵。今回のもう一人の主人公。
8年前に京都を訪れており、その時に見た手毬歌の少女に恋をする。
その時に少女が落としたと思われる水晶玉を見つけ、京都に行く時にいつも持って来ている。
犯人から幾度と無く襲撃に遭い、とうとう倒れてしまう。


ご存知蘭姉ちゃん。
今回はヒロイン属性が強め。
新一に2時間待たされても怒ることは無く、それどころか新一の身を案じていたという寛大な心の持ち主。
しかし待っているのはやはり辛いようで、会いたい時に会える和葉が羨ましいと辛い表情を浮かべていた。


ご存知関西娘。今回のもう一人のヒロイン。
平次が初恋の人を探している事は知っており、その初恋の人に嫉妬する。
平次の為に証拠品を見つけるが、その後犯人に誘拐されてしまう。


ご存知迷探偵。
宴会ではアクセル全開。本人は真面目にやっているが、今回も迷推理を披露する。
しかし、この事が結果的に事件解決の糸口になった。
殺害された盗賊団のメンバーの名前に数字が入っていたことから自分も狙われないか心配した。
その時コナンに心の中で「それは前にあっただろ」と突っ込まれている。


ご存知哀ちゃん。
コナンから電話を受け、ある事を相談される。
戻橋(死者が一度だけ蘇生したとされる橋)の説明文を読み、意味深な笑みを浮かべる。


ご存知天才発明家。
恒例のクイズを探偵団に出題するも灰原に答えられてしまい、副賞として探偵団と京都に行く事に。


ご存知純真小学生。
純真すぎるあまり、綾小路に「人間の友達は少ないの?」ときつい事を言う。
ちなみに今作の後に起きるとある事件がきっかけで灰原への呼び方が変わるため、彼女をさん付けで呼ぶのはこの映画が最後になる。


ご存知探偵団団長。
京都で迷子になるも、探偵団バッジの機能により六角堂で発見される。
この事がトリック解明のヒントになった。


ご存知天才小学生。
義経と弁慶の事について解説してくれる。
…というか小学一年生にしては詳しすぎる。


ご存知蘭の親友。
忘れられがちだが彼女の恋愛模様も蘭と結構似ている。
みそぎ川で何かが落ちた音を聞いたらしい。


ご存知警部殿。
合同捜査本部の指揮を執る。
東京で殺害された3人の遺留品を見てある謎に気づく。


ご存知御曹司警部。
綾小路とライバルだと思われる事を嫌う。祇園じゃちょっとした顔らしい。
桜が源氏蛍のメンバーだった為、東京から京都に駆けつける。


ご存知高木君。
彼のちょっとした発言から、首領死亡説が浮上。


ご存知一課のアイドル。
綾小路ほどではないが、白鳥の事も変人だと思っている。


大阪府警の警部。
劇場版初登場。
今回は平次の保護者的立位置。
奔放な行動をとる平次に振り回され気苦労が耐えない。



【用語】

  • 手毬歌

「まるたけえびすにおしおいけ」…と、平次の初恋の相手が毬をつきながら歌っていた歌。
京都市中心部にある通りの並び順を覚えるために歌い継がれてきたもので、
「丸太町通・竹屋町通・夷川通・二条通…」と、京都市を東西に走る通りの名前が北から順に編み込まれている。
昭和に十条通が加わっているなど歌い継がれる過程で街も唄も変化しており、作中で使われたのは現実(公開時)の並び順に合わせたもの。
少女は「あねさんろっかく」という箇所を「よめさんろっかく」と歌い間違えていたようだが…?


なお、東西を唄う「丸竹夷」と同じように、南北に走る通りを唄う「寺御幸」も存在する。


山能寺に届いた手紙には、「秘仏の在処を示す」として、
五段の雛段にセミや天狗、金魚にドングリなどが描かれたイラストが添付されており、コナンたちは頭を捻ることに。
(詳細な解読法・暗号の示していた場所については映画を参照。)


  • 源氏蛍

美術品を狙う盗賊団。
首領『源義経』、№2『武蔵坊弁慶』を筆頭に、メンバーは義経とその部下の名前のコードネームが付けられており、
また全員が源義経の人生を描いた軍記物語『義経記ぎけいき』を所持している。
物語冒頭でメンバーのうち弁慶と伊勢三郎を除く全員が死亡(後に伊勢三郎も誅殺)しており、もはや組織の体を成していないと考えられる。


【以下、事件の真相】











オレは元々弁慶より義経が好きやった!


義経になりたかったんや!


  • 西条大河

今回の事件の真犯人「武蔵坊弁慶」。
真犯人だと明かされた時、これまでの気弱そうな態度は一変し、恐ろしい本性を見せた。
8年前に山能寺に盗みに入り、秘仏を運び出そうとするも、額の白毫*4が外れてしまう。
その事に後で気づき、山能寺に戻るも既にそれは平次に拾われてしまった後だった。平次が持っていた水晶玉はこの白毫である。
そして現代になり、水晶玉の持ち主が平次である事を知る。
同じ頃、死期を悟った首領は仏像を隠し、そのありかを示した暗号を手下たちに渡す。
その時に桜から他の部下を全員殺害する事を持ちかけられ協力関係になる。
しかし西条には初めから手を組もうという考えはなく、最初から仲間を全員殺害して宝を独り占めしようとしていた。
桜の殺害に先斗町の茶屋を選んだのは裏にみそぎ川が流れているからで、殺害後に凶器と盗難防止に使う端末をペットボトルに入れ川に捨てた。
後でそれを回収し、平次を襲った時にその凶器を残す事で容疑者から外れようとした。
だが後に会った時に弓道特有の「半足を引く」座り方をした事と、「矢枕…」という弓の用語を口走った事で平次に目をつけられる。


ある時剣の流派「義経流」が京都にある事を知り、独学で義経流を勉強し2年前に自ら義経流の後継者を名乗る。
しかし今まで道場として使っていた廃寺は首領が管理していたが、首領が死亡した事により取り壊される事になってしまった。
宝の独り占めを企んだのは、洛中に義経流の道場を建てる為の資金源とするためであった。
平次から仏像のありかを聞き出し、和葉を渡すも2人を生かして返そうとはせず、日本刀で平次に襲い掛かる。
避けるのに必死になっている平次を見て和葉は「この人平次とちゃう!」と言い出す。
その直後平次の帽子が飛ばされ、西条は「誰なんやお前は!?」と問う。
彼の正体とは……?


劇場版『名探偵コナン』の代表的"珍"動機犯人「弁慶より義経が好きだった。義経になりたかった」などと意味不明の供述をしており……
……などとネタにされる事が多いが、しっかり映画を見ていれば分かる通りこれらは彼の台詞の一端だけを切り取って誇張したネタであり事実ではない。
連続殺人を犯したのは前述の通り「剣道道場の運営資金確保のため」であり、
義経云々は「盗賊団『源氏蛍』のボスとなり、義経のコードネームを継承したかった」という意味である*5
極めて身勝手には違いないが、『訳の分からないヘンテコ犯行動機』では決してないのである。


ただし、直接の動機ではないだけで、義経への敬愛(というか歪んだ執着)自体は本物であり、上述したセリフの際にも義経のコードネームが首領に取られたと語っていたほど。
「義経になりたい」ために連続殺人を行ったわけではないが、動機の大元になっている道場に関しては「義経になりたかった」彼の心境が影響していると言ってもそこまでおかしくはない。


  • 桜正造

盗賊団の中で唯一美術品の売却ルートを握っていたらしく、自分だけは安全だろうと高をくくり西条に協力関係を持ちかける。
しかし西条はインターネットで別の売却ルートを見つけており、彼に裏切られて殺害されてしまう。


  • 駿河次郎
  • 備前平四郎
  • 亀井六郎
  • 鷲尾七郎
  • 片岡八郎

宝を独り占めするという理由だけで殺害された哀れな被害者たち。
しかし、元々盗賊団で幾度となく窃盗を繰り返している為、被疑者死亡で書類送検されたものと思われる。
備前は平次の言葉からするとかなりの面倒見のいい人だったと思われるが…*6




工藤新一…
探偵さ!


  • 工藤新一

平次の代役として西条が指定した玉龍寺へ平次の変装をして現れる。
玉龍寺に行く前に灰原に「一時的に工藤新一に戻れる方法はないか」と相談する。
そこで灰原から強い風邪と同じ症状になる薬を飲んだ後に白乾児を飲めば一時的にでも元に戻れるかも知れないと聞き、それを実行する。


声は腕に変声機を仕込んでそれを介して喋っていた。
関西弁は『ホームズ・フリーク殺人事件』の時よりかは改善されたがやはり多少不自然なところがある(語尾が標準語になっている部分があるなど)。
元に戻れても強い風邪を引いているのと同じ状態なので、和葉を逃がすだけで精一杯だった。
そこに現れたのは……



探偵やらしたら天下一品やけど…


侍としてはイマイチやな…


  • 服部平次

倒れた後で入院するも、隙を見て病室から抜け出す。
西条の弟子に紛れ込み、新一のピンチに駆けつける。
また一時的に新一に戻ったコナンは平次の浅黒い肌を再現するために何かを肌に塗ったらしいが、彼の反応は「俺はこんなに色黒ないぞ!」であった。
新一に「小さくなったら戻ってこい」と言って彼を逃がし、代わりに西条たちと対峙する。
その時に和葉に「工藤の事は誰にも言うな」と言い放つ。
何とかこの場を切り抜け寺の一室に逃げ込み、武器が収納された箪笥を見つけるも、入っている引き出しの場所のヒントとなる手毬歌を思い出せなかった。
しかし和葉が手毬歌を覚えていた為、武器のある場所を見つけ出しその引き出しから「妖刀村正」を入手する。
それを手にした平次は反撃を開始、西条との決闘に挑む。


  • 毛利蘭

コナン達の足取りを追って鞍馬山へ向かうも、危うく西条の弟子に見つかりそうになる。
その時に新一に保護されて難を逃れる。
月明かりに照らされて正体が明らかになった新一が汗だくだったので、持っていたハンカチで汗をふき取るも、新一が撃った麻酔針により眠らされてしまう。
目を覚ました時には小五郎たちが目の前におり、一緒に玉龍寺へと向かう。


  • 江戸川コナン

白乾児の効き目が切れてしまい、子供の姿で再び玉龍寺に現れる。
駆けつけた時に、松明を蹴って西条の弟子を倒し和葉を助けるが囲まれてしまい、落ちていた松明を使って廃材に火を着けて助けを呼ぶ。
屋根の上で、毒を塗った小太刀を使う西条に苦戦を強いられている平次を、サッカーボールを使ってアシストする。
その時に仏像のありかの見当がついたらしく……



コナンのアシストもあり、ついに平次は西条の剣術を破ることに成功。『コナン』では犯人を死なせてはいけないというルールもあって気絶して屋根から落ちそうになった西条を助けた。
そして義経になりたかったと言っていた西条に向かってこう言い放つ。


義経になりたかった弁慶か……

あんたが弁慶やったら義経は安宅の関で斬り殺されてんで


その後、弟子達は駆け付けた蘭や小五郎達に制圧され、西条を含めた全員が綾小路達に確保される。
結局、秘仏は見つからないまま解決を迎えたかに見えたが……?









【以下、終盤のネタバレ】



薬師如来様が…

お帰りになってはります!


  • 秘仏のありか

実は玉龍寺の形そのものが「玉」という形になっていて、「、」の位置に秘仏が隠されていた。
「玉」にうかんむりを付けると「宝」という漢字になり、うかんむりは屋根を示していた。
平次の持っていた水晶玉を仏像の額にはめ込み元通りにした後、山能寺へ平次の被っていた帽子を添えて返した。
円海はコナンと平次のコンビをまるで牛若丸と弁慶のようだと言っている。


  • 千賀鈴

実は父親が誰か知っており、彼女から仕送りは止めてもらうよう本人に言っていたらしい。
父のことは内緒だと言いつつも合掌したことで、小五郎たちは正体が円海だと気づき怒りに震えるのであった。


  • 遠山和葉

京都駅で手毬歌を口ずさむも平次に歌詞が違うと突っ込まれる。
彼女も初恋の少女と同様に「あねさんろっかく」を「よめさんろっかく」と間違えていた。
どこで覚えたかを平次に聞かれると、8年前に平次と一緒に京都の親戚の家に行った時だと答える。
その時の平次は和葉の支度ができるのを待ちきれずに山能寺へ遊びに行くと言って出ていってしまった。
当時の和葉は着物を着せてもらい、化粧もしていたらしく、平次を探しに山能寺へ行くも会えず、しばらく鞠をついて帰ってしまったらしい。
その話から平次はあの時の少女が和葉だったと悟り、「やっと会えたっちゅうワケか…」と呟いた。


  • 毛利蘭

平次と和葉の仲むつまじい様子を見て辛そうな表情を浮かべていた時、コナンはわざと持っていた炭酸ジュース振り、中身を噴出させる。
それをコナンが頭から被ったので慌ててハンカチで拭こうとした時、ハンカチに新一の汗を拭いた時に付いたと思われるシミを見つける。
コナンや平次から、新一が平次のフリをして和葉を助けに行ったという事を聞かされると、あの時会ったのは本当に新一だったと知り笑顔を見せた。
ちなみに待つ事はそんなに苦ではないらしく、長く待てば待つほど会った時に嬉しくなるらしい。




やっと会えたね…





【余談】

当時公開された劇場版『コナン』は、翌年に拡大枠でアニメ版を放送していた月曜日に放送する事がほとんどだが、本作の初回放送は『金曜ロードショー』の枠で放送している。



寛大な心を持った方、追記・修正お願いします。


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  • 反対意見もなかったようなので、コメント欄のリセットを行いました。 -- 名無しさん (2017-08-14 23:45:45)
  • 近年綾小路の映画出演は増える一方、同期の白鳥は3作連続欠席に -- 名無しさん (2017-08-15 23:30:10)
  • まさかコナンでニューリーダー病が出てくるとは。 -- 名無し (2017-08-23 19:28:45)
  • コナン、わざと炭酸ジュースかけたんじゃね? -- 名無しさん (2018-04-24 08:41:13)
  • 弓道やってない二人が「矢枕なんて言葉、弓道やってる人間しか知らん」と犯人を特定したのが凄い違和感だった。弓道やってないお前らだって知っとるやん -- 名無しさん (2018-06-01 15:45:11)
  • 派手な爆発は無くとも面白い作品 -- 名無しさん (2018-06-11 10:17:17)
  • 本物の工藤新一が回想じゃなくてちゃんと出てくるのってこれだけだっけか -- 名無しさん (2019-04-16 11:58:51)
  • 真犯人が出た時「・・・誰だ?」ってなったw顔変わりすぎじゃね?wあとバイクのチェイスシーンのCGがひどい -- 名無しさん (2019-05-28 17:18:49)
  • ↑2003年の作品ということを忘れない -- 名無しさん (2019-05-28 17:42:24)
  • 黒幕が日本刀を使っていたが、舞台が京都だから牙突を使う人を思い出してしまった。 -- 名無しさん (2019-06-03 20:23:48)
  • 小細工や不意を突いた所あるけど剣技で平次を圧倒できる犯人相当強いよね -- 名無しさん (2019-07-13 18:28:45)
  • ↑2 そう言えばこの映画の黒幕と牙突の人は中の人も同じか -- 名無しさん (2019-10-30 19:44:18)
  • 最初に見た時、西条の声が鈴置洋孝さんだと気付かなかった。 -- 名無しさん (2019-12-12 22:32:23)
  • 女将さんの悲鳴の演技は良かった -- 名無しさん (2019-12-12 22:41:05)
  • 通常状態の犯人が天国へのカウントダウンの原さんに似てるのが笑える -- 名無しさん (2020-01-12 18:01:07)
  • 誰なんや、お前は? -- 名無しさん (2020-01-26 10:21:55)
  • コナンの話の中でも被害者の数がかなり多いな -- 名無しさん (2020-02-22 14:46:46)
  • メガネ取って髪型をオールバックやめただけでああまで変わるんだなw -- 名無しさん (2020-12-25 19:45:56)
  • 初期の予告では内容が違うんだよね。矢で狙われるのが服部じゃなくて蘭だったり、寺が爆発してた。アニメと言えど寺とかの文化財を爆破するのはアカンから本編で爆発がなかったんかな。 -- 名無しさん (2021-01-11 10:00:50)
  • ↑ 爆破がNGで火災はOKというのもなんか変な話ではある -- 名無しさん (2021-04-12 01:27:00)
  • これを見たときに君がいればに歌詞があることを初めて知った。そういえば君がいればが劇中でonvocalで流れる映画ってこれだけ? -- 名無しさん (2021-05-28 16:42:12)
  • ↑意味がいまいちわからないけど、今回のはREIKOさんの歌っている十字路バージョン。他の原曲、世紀末Ver.、暗殺者Ver.もそれぞれの映画で使われている。 -- 名無しさん (2021-06-12 22:47:42)
  • 格闘技の達人である蘭と小五郎相手ならともかく、戦闘力皆無の白鳥にまで背後をとられてやられるあたり、西条が教えてた義経流の腕前もたかが知れてたのかもな。 -- 名無しさん (2021-07-03 14:37:36)
  • いや白鳥、現役の警察官だぞ、格闘能力皆無はないやろ あれやられかけだったところをどついただけで -- 名無しさん (2021-08-11 17:53:17)
  • 実際、義経にかぶれて古本で独学で学んだだけの人間が勝手に後継者を自ら名乗ってるのはキツいものがあるから、ヘンテコな動機の犯人と思われてしまうのも仕方無い部分はある -- 名無しさん (2021-08-31 18:16:37)
  • ↑3警察関係者は大体柔道とかの有段者だから弱いわけない。 -- 名無しさん (2021-12-17 12:20:32)
  • >「弁慶より義経が好きだった。義経になりたかった」 これや天国へのカウントダウンもそうだけど、コナンの「珍動機」って台詞だけ切り取って何言ってんのwwってネタにしてるだけ臭いのが大半な気がする -- 名無しさん (2021-12-30 17:03:04)
  • 桜正造の中の人が源氏蛍にいてもおかしくない名前で吹いた -- 名無しさん (2022-04-06 13:51:41)
  • ↑6あの白鳥、すでに蘭にやられて倒れてたのを打っただけなのにドヤ顔してて笑ったんだが -- 名無しさん (2022-05-04 03:00:32)
  • ↑25 平次もコナンも知らなかったから「山倉」だと思った。あれは千賀鈴さんが「矢枕」と言ったのを聞いてわかったんだよ。 -- 名無しさん (2022-05-05 23:10:10)
  • ↑4たいていはそうだろ、SHINEだって背景知ってりゃネタにしにくい -- 名無しさん (2022-05-05 23:15:25)
  • ↑2小五郎のおっちゃんが迷推理で、千賀鈴さん犯人説言ったときに「矢枕を怪我してる」って指摘したので気付いたんじゃなかったっけ -- 名無しさん (2022-05-19 01:13:25)
  • ↑2とはいえこれに関しては、ネタにされるのも仕方ないくらい犯人がアレなのは確かなんだよな。義経愛を拗らせすぎて、義経気取りで継承者として道場開くために金が欲しかったってさぁ -- 名無しさん (2022-06-06 19:43:34)
  • よく考えるとラストでコナンは自由のきかない空中からボールを出して西条の手めがけ正確に持ってる刀をふっ飛ばすほどの威力で蹴り飛ばしているんだよな。割と凄い離れ業なのに誰もツッコまないが。 -- 名無しさん (2022-11-05 09:14:55)
  • 一括りするには最早格差があり過ぎるというのもあるが、西条に「ハイスペック犯人」は違和感しかないな、主要人物とタメ張れるあるいはそれ以上の体術持ちならナイトバロンの前田やシンクロにシティの根倉がいるし、何よりも作中内の殺人が「強盗犯同士の内輪揉め」の域を出ない -- 名無しさん (2023-05-06 11:36:49)
  • 「ハイスペック犯人」をタグを削除。 上述の異議に対し、1ヶ月以上も反論や意見がなかった事。 また、同じく上述で引き合いに出されている犯人が登場する事件の記事では「ハイスペック犯人」のタグが付けられてない点から、本記事には相応しくないと判断。 -- 名無しさん (2023-06-10 20:41:18)
  • ↑2タグを編集するのに反対はしませんが、前田さんはともかく根倉って主要人物とタメ張れるほど強かったでしたっけ?小五郎達を振り切ったってだけではハイスペックとは言えないんじゃ。それに前田さんは事件の主犯ではなかったからタグがついてないのは当然なのでは -- 名無しさん (2023-06-10 20:55:03)
  • ここに書くことではないかもしれませんが、犯人が「ハイスペック」である定義も人それぞれで曖昧だから、他の項目の「ハイスペック犯人」のタグも反対がなければ消しても良いように思います。 -- 名無しさん (2023-06-10 21:02:28)
  • 著作権保護のための編集を行いました。 -- 名無しさん (2023-08-30 14:18:27)
  • つまんねーことすんなよ -- 名無しさん (2023-11-21 23:13:52)

#comment

*1 ただし、小五郎に推理を依頼した山能寺、最終決戦の舞台となった玉龍寺は実在しない。
*2 しかもこれも現実音としての使用であり、きちんとBGMとして使用されたのは2ヶ月後の『八岐大蛇の剣(前編)』を待つことになる。
*3 ただし鷲尾義久の通称は七郎ではなく三郎である。
*4 わかりやすく言うと仏様のおでこのホクロみたいなやつ。
*5 しかも、弁慶のコードネームを持っている人物が義経流の道場を運営していたことの言及への返答であり、直接動機を語ったわけでもない。
*6 なお、過去に平次の知人が犯人になって例は原作であったが、被害者になった例は初めてである。

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