始祖村正

ページ名:始祖村正

登録日: 2014/05/01 (木) 01:17:00
更新日:2023/12/15 Fri 13:30:03NEW!
所要時間:約 5 分で読めます



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如何なる者の助けとなり、如何なる者を討ち滅ぼすのか、


……まずそれを見定めねば、何も始まらぬ






装甲悪鬼村正』の登場人物。
本編の【魔王編】、外伝『妖甲秘聞』などに登場する。
CV:屋久島杉太郎、菅原淳一(ドラマCD)



勢州千子右衛門尉村正。
本編より500年前の南北朝の時代を生きた人物。勢州桑名千子村に住む劔冑鍛冶の鍛冶長。
始祖、と呼ばれる通り大和でも広く知られる伝説の妖甲・村正一門の初代。銀星号の劔冑こと二世村正の実父であり、三世村正にとっては祖父にあたる。


娘たちと同様に蝦夷の民であり鼻筋にある横一文字の傷跡が特徴。
不老とされる蝦夷ながら既に老境に差し掛かったことが見て取れる。しかし精悍さを失ってはおらず威厳のある男性。
同じく蝦夷の妻がおりこちらは若く美しい外見を保っている。……美人妻に可愛い娘、ナイスバディな孫娘持ちとはうらやまけしからん。


劔冑鍛冶としても天才と呼ばれる程の才覚を持つ(「相州五郎入道正宗の再来」とか云われてたらしい)。


強い忠誠を持って南朝に仕え、同じく南朝の将である飽間とは一族包みで親交がある。




南北朝末期。
動乱の折、勅命で最高の劔冑を差し出すよう命じられた始祖。しかし鍛冶の工夫、方向性に悩み十余年を過ごしてしまう。
飽間から紹介された浦夢(ニコラフラメル)を居候させ劔冑に関わる様々な知識を教授されるも、その迷いは消えることはなかった。
更に飽間の寝返り、北朝に攫われ劔冑として敵になった自身の妻など様々な悲劇の中で信ずるべきものを見失ってしまう。


正義と邪悪、善と悪を見出せず苦しみ悩む始祖。
だが彼は浦夢に「善悪とは物事の見方でしかなく、真の悪とは他者を悪とする独善により戦いを広めることである」という真実と浦夢自身の命を繋いでいた”神の血肉(ラピス・サギー)”を授けられ、至高の劔冑を作る願いを託される。


遂に答えを得た始祖は戦を世から滅ぼし世に和をもたらすことを願い二世と共に善悪相殺を秘めた劔冑となった。






いのち・めぐる
《輪廻転生》



銘:勢州千子右衛門尉村正
所属:北朝
生産国:大和/伊勢國
種別:真打/重拡装甲
時代:南北朝末期
兵装:野太刀、太刀、脇差
仕様:汎用/白兵戦
合当理:熱量変換型単発火箭推進
独立形態:甲虫
陰義:磁力制御/基素操作
誓約の口上:鬼に逢うては鬼を斬る。仏に逢うては仏を斬る。ツルギの理ここに在り。
仕手:足利義持
諸性能
甲鉄錬度:5
騎航推力:3
騎航速力:2
旋回性能:3
上昇性能:3
加速性能:2
身体強化:5


始祖村正が心鉄に魂を刻み鍛造した真打劔冑。
分厚い漆黒の甲鉄を持ち、色や頭部・肩部の形状を除けば外見や武装等は三世村正と非常によく似ている(三世が始祖の影響を受けたものと思われる)。
一方で基本性能自体は三世を上回っており始祖の才能の高さが垣間見える。


独立形態は黒くてデカいカブトムシ


千子村正鍛冶の理である”敵を殺せば味方を殺し憎きを殺せば愛するを殺す「善悪相殺の呪い」”と”他者の精神を侵す「精神同調の能(くるわし)」”を備える。
また、「卵」を作り出し他の劔冑から自身の複製体を生み出すことも可能。



浦夢が語った”宇宙の根源となる三要素”の一つを司る陰義を持つが媒体によって能力が異なり、ドラマCDでは「磁力制御」、小説では「基素操作」となっている。
前者は三世村正のそれと同じ能力であり充分に強力。


そして後者「基素操作」はマジモンのチート能力。
素粒子への干渉能力により火炎、冷気、甲鉄や太刀の金属の自在操作等他の劔冑が一つの陰義として使うレベルの特殊能力を無数に扱う。
攻撃以外にも仕手の負った即死級の傷を瞬時に回復させるといった芸当まで出来る化け物。
この異常な能力には鍛造の際に”神の血肉”(恐らくは金神の一部)が打ち込まれていることが関係すると思われる。




◇術技
主に仕手が修める相国寺流甲冑礼法に基素操作を合わせた崩し技。


焦〈コガレ〉
相国寺流甲冑礼法”蟒蛇”が崩し。
陰義で野太刀の刀身を伸縮させ鞭のように振う。


姦〈ミダラ〉
相国寺流甲冑礼法”蛇蠍”が崩し。
焦同様野太刀を伸縮させ間合いの外から突きを放つ。


貪〈ムサボリ〉
相国寺流甲冑礼法”蠅聲”が崩し。
投擲した脇差を無数の鏃へと変化させ鉄の雨を降らす。


髑髏〈ドクロ〉
相国寺流甲冑礼法”蠅聲”が崩し。
味方の首を刎ね飛ばしそれを善悪相殺の帳尻として敵に放つ。生首大砲。
もはや技とも言えない狂気の行い。


時間加速〈ときかけ〉
文字通り時間の流れを変えて超加速を行う。クロックアップ
この世の理の外にある力であり二世村正の辰気すら超える速度を得られるが連続使用すると自身がダメージを受ける。



おわりをはじめる
《蒐窮開闢》


しをおこなう
《終焉執行》


そらをあらわす
《虚無発現》


瞋〈ウラミ〉
相国寺流甲冑礼法”悪竜”が崩し。
陰義により物体を跡形も無く消し去る「基素分解」を引き起こし、その効果を野太刀の軌跡に乗せ広範囲を消滅させる。
尚、”悪竜”自体は吉野流でいう”雪颪”に相当する技である。






鍛造後、一方に戦力を偏らせない意図から両軍へと贈られた始祖と二世。
始祖は北朝主将・足利義持(小説では足利某)が装甲。
精神同調に善悪相殺を乗せて南朝軍に広めることで敵軍を瓦解させ次々と戦に勝利。その武威を示し村正の存在を南朝へと知らしめた。


しかし自身に差し向けられた刺客を咄嗟に殺してしまった足利は善悪相殺の代償に弟を手にかけ、乱心。
始祖は彼の狂気を精神同調により伝播させ南北朝の戦いを地獄へと変えた。


精神同調と善悪相殺による凄惨な虐殺の末、二世村正を駆る南朝主将・楠木と配下十三騎と交戦。
人智を超えた力の応酬の末”神”に届かんとした足利だったが二世と楠木らに打倒され死亡。
始祖村正も原型を留めぬほどに破壊され、至高の劔冑は長き動乱と共に消え去った。



だが始祖の願いとは裏腹に南北朝の惨劇を経てなお人の世から戦が消えることは無く、村正一門は大和に大きな災厄をもたらした妖甲として500年後までその名を残すことになったのだった。




【余談】
独立形態が甲虫なのは人間にとって益か害か分からないものというイメージから




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  • 磁力制御ならまだわかるんだが、基素操作なんてチートを使うやつをどうやって倒したんだ…? 小説未読なので誰か教えて! -- 名無しさん (2014-05-01 08:02:42)
  • 真の悪の定義からするとこの人も悪ってことだよな -- 名無しさん (2014-05-01 12:46:33)
  • 果たして娘が孫に足コキ伝授したことを容認していたのかいなかったのか…… -- 名無しさん (2014-05-01 16:33:01)
  • ↑↑ぶっちゃけこの一族、世の人々からすれば狂った思想を振りかざす傍迷惑な方々でしかないからね。 -- 名無しさん (2014-05-01 16:45:41)
  • ↑↑↑↑あんまり覚えてないけど最終的に二世村正の飢餓虚空魔王星ですりゆぶされてた -- 名無しさん (2014-05-01 16:49:36)
  • ミスった最終的に飢餓虚空魔王星ですりつぶされたよ確か。あと最後中の人少しだけ正気に戻ってた -- 名無しさん (2014-05-01 16:51:38)
  • 「世の中には善と悪があると信じていたんだ。戦争もよい国と悪い国が戦ってると思っていた。可愛いだろ」 -- 名無しさん (2014-05-02 17:38:24)
  • 結局、「悪」を設定することから逃れられなかった感じだよね。普通の人:「敵が悪だ」村正:「戦争そのものが悪だ」景明:「俺が悪だ」 -- 名無しさん (2014-05-02 22:02:50)
  • ↑装甲悪鬼村正という物語自体、善悪が主題だからな。本人は、正義と正義の対立という観点から喧嘩両成敗の極端としてこの呪いを組み込んだのだろうが…平和に拘りすぎたな。人の弱さを考えなかったことがこの人の失敗の原因だ。 -- 名無しさん (2014-07-16 17:14:49)
  • 彼に甘粕正彦レベルのメンタルが有ったなら・・・余計に危ないな。善悪相殺も -- 名無しさん (2014-07-16 18:12:00)
  • ↑ミス。善悪相殺もまた独善の一つであった。 -- 名無しさん (2014-07-16 18:13:38)
  • 頑なであったが故の善悪相殺。まぁ難しいよね -- 名無しさん (2014-09-08 12:21:26)
  • ↑4 確かにこの人の思想で齎す平和は一種の恐怖政治による平和にならざるをえないからね。 ↑3 神座の神格や甘粕と四四八は彼とその思想をどう評すのかな。 -- 名無しさん (2014-09-24 15:54:37)
  • ↑5 ↑ 人の弱さいうかそもそも相対主義を認めるなら戦争を求める奴や狂人の考えも認めるべきなんだよね。それに気づかないのと、この人の求める平和には結局のところ、武力による法治と秩序が必要なわけでこれってつまるところ捨て鉢になった人間による殺人や他人を傷つけようとした人間に対する正当防衛(正確にはそれによる殺人)や国家権力による統制(犯罪者の捕縛時の誤った殺人や死刑制度)なんかも否定しちゃってるんだよね。この時点で善悪相殺の考えがが世界に広まったとしても平和はもたらすことはできず、逆に己の命を薄皮一枚と割り切ってヒャッハーする無法者たちが蔓延る北斗の拳みたいな弱肉強食の無政府状態に世界が陥るということも考えられる -- 名無しさん (2014-09-27 19:30:19)
  • ↑続き ↑も考慮にいれると 第一天「この世には善と悪がある!私は悪くない!」 第二天「気持ちはわかるが、武力を用いる統制がなければ法治と秩序は成り立たない。必要悪を許容できない時点で破綻している」 第三天「そもそも人間から罪抜けばいいんじゃね?」 第四天「貴殿の業は“闘争を見続ける”といったところか」 獣殿「私は全てを愛している。闘争を求める魂も平和を求める魂も」 司狼「現実がつらいからって神様(この場合は善悪相殺を都合のいい信仰と捉える)に甘えるな」 蓮「お前たちは逃げたんだ」 覇吐「あんたらの女子供の主張地味た夢物語に付き合う気はない」 甘粕「闘争があってこそ人間は輝ける!」 四四八「第二天に同じ」 多分、こんな感じかなと -- 名無しさん (2014-09-27 19:36:39)
  • ↑ となると結局、義持や銀星号となった光がやってしまったように凄惨な同士討ちを走ってしまうことになると。司狼の評はこう直した方がよくない?「いくら戦いがつらいからって机上の空論を振り回すな」。夜行さんの評は「第三天が潔癖過ぎるなら貴殿は純粋過ぎる」だろうか?あと、マリィからの評価はどうなんだろ? -- 名無しさん (2014-09-27 22:29:34)
  • ↑なんだかんだでマリーも難色示しそう。神咒でマリーのことを示した石碑に「人の世に悲劇や争いは無くならない。しかし、かといって異なるものを排斥すれば、過去の座がそうであったように必ず歪みが生じてしまう」って一文があったし。そこ、自覚してるかは知らんが。 -- 名無しさん (2014-10-03 00:20:27)
  • ↑となると、彼の思想を曲がりなりにも引き継いだ「最小の殺戮を持って戦争を撲滅する」という景明とも相容れないね。特に獣殿とは相性が最悪だし・・・一番相性が良いのは二天と四四八か。甘粕は戦争は嫌いだけど闘争までは否定してないし -- 名無しさん (2014-10-03 01:23:24)
  • ついでにこいつはこうかな? (∴)「塵掃除に便利だな。俺の糞を恵んでやる」 -- 名無し (2014-10-08 19:37:37)
  • …つーか、戦争無くしたいんならこんな「善悪相殺」強制させる劔冑造る前に、どこぞのガンダムみたいに『対話』を目的にした劔冑造れよ。大多数に精神汚染使えるんだから出来そうなもんだけどな……あ、レギュラーもモブもぶっ飛んでるニトロ世界の住人には意味ないか。 -- 名無しさん (2015-02-07 02:04:17)
  • 他人を癒す(肉体と精神)劔冑でも作った方がまだ有意義だと思うんだが… -- 名無しさん (2015-02-10 20:35:24)
  • おそらくこの御仁の根っこが「平和の希求」じゃなくて「悪を倒したい」になっているんじゃなかろうか。で、本当の悪とは何かと考えた結果「独善」に行き着いた。そこまではよかったんだが、上の方のコメントにあるとおり、「独善を悪とみなして善悪相殺を強要する『独善』」に成り果てたのがこの御仁と。 -- 名無しさん (2015-03-29 22:41:17)
  • 各々にとって都合の良い夢を見させる劔冑でも作った方が一応平和にはなったかもな。にっかり青江とか居るんだし -- 名無しさん (2015-05-12 17:35:05)
  • すげー今さらなんだが、双国寺じゃなく相国寺じゃないかねコレ -- 名無しさん (2015-05-12 18:22:21)
  • 要は、頭でっかちの学者が、机の上で考えた平和論を、他人に押し付けるだけなんだよね、善悪相殺って。なまじ優秀で、とんでもない素材を手に入れちゃったもんだから、高々二機のパワードスーツで世界を変えられると思い込んでしまった。ある種のマッドサイエンティストとも言える。 -- 名無しさん (2015-08-25 13:01:49)
  • ていうか人の善性ないし利口さに期待しすぎたんだろ。皆は彼ほど真っ直ぐに生きられなかった -- 名無しさん (2015-08-25 13:09:07)
  • ↑むしろ逆で他者を信じられなかったんじゃね?精神汚染で心を強制する急ぎ過ぎる方法を取ったのが最大の過ちだったって語られてるわけだし -- 名無しさん (2015-08-25 20:06:02)
  • 完成版武州五輪と同じオール5だと思ってたけど違うんだな。能力反則だけど -- 名無しさん (2015-10-06 18:40:39)
  • っつーか命ってもんがさして重いもんでもない村正の世界観と命の重さを前提にして戦いを抑止する善悪相殺という方法論がまるで噛み合ってないのがそもそもの問題。 -- 名無しさん (2016-01-02 08:42:57)
  • 仮に北朝将軍が乱心していなくても、追い詰められた南朝側が最終的に凶行に走って似た様な事態になる可能性はかなり高かったと思うんだがどうだろうか。 -- 名無しさん (2016-01-31 16:14:20)
  • そもそも戦争を体験してない俺等が議論していい問題でもないのかもしれんな……まあ善も悪も等しく切り伏せても残るは死体と怨恨のみと思わんでもないけどさ -- 名無しさん (2016-03-18 01:53:13)
  • ↑じゃあこのキャラを作った奈良原や鋼屋は戦争を体験してんのかい? 年齢的に有り得ない気がするが。 -- 名無しさん (2016-05-25 22:09:50)
  • ↑話がズレてきてるし、煽り気味に聞こえるから止めとき -- 名無しさん (2016-05-25 22:16:04)
  • この人も正宗も人間の醜さが許せなくて醜さを見出だした対象を絶滅させることを正義であると短絡してるのは一緒だと思う。悪の皆殺しか独善の皆殺しかの違いだけ -- 名無しさん (2016-06-06 19:40:07)
  • 飽間さんが裏切るのが悪い -- 名無しさん (2016-10-21 18:51:00)
  • ↑2本編読んでこい。別に皆殺しがしたいんじゃなくて皆に戦争の醜さをしってもらったうえでその象徴である村正を憎んで貰いたかった。ようはゼロレクイエムと一緒。じゃなきゃこんな面倒なことしないよ -- 名無しさん (2016-11-24 20:23:32)
  • ↑それを指して独善の皆殺しと表現してるわけなんだが(独善を掲げる者は精神汚染による善悪相殺の呪いで死に絶え、生き残った者は戦いと村正を憎む)。それくらい読解してくれよ。まぁそれ自体が究極の独善なんだけどな -- 名無しさん (2016-12-10 09:02:02)
  • ↑言ってること変わってんじゃん。自分の意見の統一ぐらいしろよ -- 名無しさん (2017-09-29 13:39:16)
  • どこぞでイゼルカントみたいな思想だというのは聞いたことがあるな -- 名無しさん (2019-05-12 20:20:07)
  • 上にも書いてあるけど、善悪相殺って「味方の命が惜しい、(本人の思う)善人を殺したくない」って気持ちがないと意味をなさない呪いで、その時点で「必要とあらば善人だろうが味方だろうがぶっ殺す」人がめっちゃ多い村正の世界観的にちょっとあんま意味ないんだよな。 -- 名無しさん (2022-03-10 00:23:35)
  • あんま始祖を辛辣にいいたかないんだよな。確かに狂気的思想だと作中多数が述べた上で、本編でそれに至った動機は痛い程出ておった訳であるし。景明自身、三世の記憶の中で彼の思想を知って三世と真に結びつくきっかけになった訳でもあるし。そもそも時の帝が始祖に忠実な二世の鋳潰しを見逃し、三世までの存続を許したってのは、結局あの時代人の総意が彼らの思想を認めて、後世に残すに値するって判断したからではあるまいか? -- 名無しさん (2022-08-22 18:16:18)
  • 原作ゲームのステータス表に直すと防5、攻5、速2、動3って感じ? -- 名無し (2023-11-20 23:51:22)

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