登録日:2026/05/12 Tue 03:57:00
更新日:2026/06/15 Mon 15:13:16NEW!
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RPGツクール3とは、空想科学により開発、アスキーにより販売された、「RPGツクール」シリーズ作品である。
1997年11月27日発売。
概要
プレイステーションを媒体とする初のRPGツクール。
コンシューマ機用ツクールシリーズの中でも一二を争う名作と名高く、『4』やPS2の『5』がリリースされてもなお『3』が現役であったほどである。
本作以前のツクールシリーズは、PCではPC-98、コンシューマ機ではスーパーファミコンを媒体としていた。
そこにWindowsで『RPGツクール95』、そしてプレイステーションで本作が発売されたため、機能の幅もデータの保存領域も爆発的に向上した。
この2作は『2000』および『4』が出るまでの3年間、最新作として注目を集め続け、ツクールシリーズの名を大きく知らしめた。
ツクール3はコンシューマゲーム機のRPGツクールにもかかわらず、インターネットコミュニティとして非公式に作品発表の場が存在していたことも歴史上重要である。
というのも、メモリーカードをPCへとバックアップするサードパーティ製ツールを使って、ツクール3のセーブデータ、すなわち自作ゲームをWeb上に公開することが可能だったためである。
コミュニティサイトの1つ「ドラえもんのポケット」では、投稿型RPGコンテスト「ドラコン」がたびたび開催され、多くの名作が発表された。
もちろんそれまでのツクールシリーズ同様、公式主催のコンテストや、ゲーム雑誌を介したコミュニティも健在であった、
機能の特徴
利点
- コンシューマ機用ツクールとして、1マス単位でのマップビルドを初めて実装した。
- 後述する補助ツールにより、グラフィックやBGMが自由に自作できる。こちらもコンシューマ機では初。
- 収録グラフィックが綺麗。次世代の『4』『2000』にもクオリティで負けていない。
- Shift-JIS相当の文字種が入力可能で、シナリオテキストやネーミングの表現力が非常に高い。
- メモリーカードを使えば使うほど容量が広げられる*1。
- PSの次回作『4』と比べ、バグがほとんどない。……本体には。
欠点
- 変数がない。スイッチ機能では0と1の値しか表現できない。
このため、ゲームシステムにお金の概念を持たせず、お金を擬似的に一時的な計算変数として使用する技法も見られた。
- 全キャラが両手に武器を装備可能であるなど、攻撃力のバランス調整が難しい。
あのFFの強力なアビリティ、二刀流を全員が常に使用できる状態といえる。
一応抜け道的な解決策は有り、「呪われた盾を初期装備として装備させる」(ステータスに「呪い」表示が出続ける問題有り)、「システムから左手を使用不可にする」(キャラ個別設定は出来ないため、全キャラが左手を使えなくなる問題有り)
といった形で二刀流を制限は出来る。
- 収録BGM・効果音は、使いやすさの観点では評価が低い。
例えば、戦闘曲相当の『BATTLE1』~『BATTLE3』は、通常戦闘・中ボスに合わせやすい1・2、ヒロイックさが強く出た3という布陣となっており、典型的な恐ろしいラスボス戦に当てはまる曲がこの中にない*2。
BGMを自作してカバーしようにも、補助ツールの「かなでーる2」側にも大きな問題があることも追い打ちとなっている。
しかし、こうした曲ごとの性格の強さが、後の世で本作に注目が集まるきっかけともなっている。
補助ツール
アニメティカ
同じディスクに含まれているグラフィック制作機能。
タイトル画像、歩行グラフィック、モンスターグラフィックの3種類を作ることができる。
また、ツクール3とは独立して、アニメティカのみでアニメーション作品を作る機能もある。
タイトル画像は1ゲームにつき1枚しか使用できない。
そのため、タイトル表示機能を最初には使わないでおき、重要イベントで大きな1枚絵を表示するためにこれを使うという技法もある。
モンスターグラフィックは小型敵から大型敵まで4段階あり、それぞれ消費するデータ容量が異なる。
描画色を設定する際、RGBスライダーの操作は一見カクカクしているのだが、実はコントローラーをうまく操作すると精度の高い色調整ができる。
そのため、メモリーカードに比較的自由に数値を書き込めるソフトとして、ドラクエ7のグリッチRTAに大きなブレイクスルーを起こしたことでも有名になった。何の因果か、後述する「おでんの戦士たち」を生み出したツールが本当にエデンの戦士たちを助けることになった。
現代では、メモリーカードからバックアップしたアニメティカ製グラフィックを、PNGの形でPCへとエクスポート/インポートする解析技術も存在している。
音楽ツクール かなでーる2
音楽制作ソフト。こちらは同梱ではなく別で売られている。
SFCの『RPGツクール2』に対応している『音楽ツクール かなでーる』の次回作という位置付け*3。
GM規格、16トラック、歌詞の打ち込みなど、当時のプロ水準のシーケンサー機能の大半をPS上に再現している。
だが、ツクール3の拡張機能として見た場合、致命的なバグばかりのソフトとなってしまった。
このソフトからツクール3へと曲を移動させた場合、ドラムトラックの音番号が12個ズレてしまうのだ。
このため、全く異なるドラムが鳴ったり、音符自体が消えたりしてしまう。
現代なら緊急パッチものだが、そういうものは存在しない時代である。現代のDAWにあるような音高の一括シフト機能もない。
ツクラー*4たちは「曲を作り終わった後、ドラムを1音ずつ1オクターブ上で打ち直し*5、かなでーる2上では変に聞こえる状態にしてからインポートする」という大変な苦労を強いられた。
出力音量も両環境で大きく異なり、かなでーる2上で適正音量で作るとツクール3では爆音になってしまうため、その調整も必要となる。
RPGツクール3製の有名作品
ゴブリくんの冒険
ツクール3本体に同梱されているサンプルゲーム。
無数のザコキャラの1体として勇者に倒されるゴブリンも、勇者が見ていない所ではこのRPGを成立させるために裏方として奔走する。
そう、これは王道RPGの世界の舞台裏の冒険。
旅の仲間となるのは、ちょうど人1人が通れるように壁に空いた人型の穴のグラフィック役のポールと、猫役の堀田。
ゴブリは世界の作り手である神つまりツクラーに掛けあい、いつかはボスになれるのだろうか。
これからツクール3でまさしくRPGの舞台裏を作り上げようというプレイヤーに、RPGの造りの説明のみならず勇気をもくれる一作。
かのアンチRPG『moon』の1ヶ月違いで同じ会社から発売された作品という点にも注目である。FC~SFCにおいて形成された王道RPGのフォーマットを振り返るPS期作品群の一つと言える。
パロディクエスト2 おでんの戦士たち
Webコミュニティ「ドラえもんのポケット」において、管理人たけを中心として制作されたRPG。
2001年1月リリース。
フリーゲームのギャグRPGといえば今では『2000』製のものが多く知られるが、なんと『2000』発売前に大作が存在していたのだ。
同氏の研究とインターネットの集合知による非常に高度な技術が盛り込まれている。
- キャラが吹っ飛ばされたりジャンプしたりする演出。通常、ツクール3のキャラ移動コマンドは最速でも遅すぎるのだが、多数のキャラを直線上に配置してフラグで表示・非表示を次々に切り替える、言わば人間パラパラアニメによって解決している。
- 0か1のフラグを2進数と扱って変数を自力実装し、職業熟練度システムを再現。
- ツクール3には機能自体が存在しないはずのドラクエ風フィールドマップを、いろいろ工夫して実装。
これらによる驚きと軽快さがギャグを支えており、ツクール3の使い手たちにとってのメルクマールとなった一作である。
in those days!
漫画家・動画投稿者のルーツのデビュー動画『中二の頃作った黒歴史RPGを実況プレイするぜ』でプレイされたゲーム。
2008年1月に「Part1」公開、同6月に完結。
序盤~中盤は過去の自作ゲームをツッコミ所まみれのものとして楽しむ動画だが、終盤はなんとそんな物語がちゃんとまとまっていくギャップによる熱さを味わえる。
というのも、中二の頃に作られた箇所は途中までであり、シリーズが好評を博したため完結まで続きを作りながらプレイ動画が投稿されていったためである。
Part1投稿当初には作者には固定のHNがなく、「ルーツ」に決めたのは本作に登場させた仲間キャラの名前から。
このことから誰が呼んだかルーツのルーツと言われ、以降の作品でも今作が参照されている。
アニメ『するめいか』主題歌『王侯貴族のためのするめいか』Cメロには、今作で主題歌扱いであったツクール3のBGM『MO』のメロディが恐らく非公式に組み込まれた。
実は後述の高橋邦子よりも先んじて『BATTLE3』をネタ曲扱いでニコニコ動画に知らしめた作品。
こちらの文脈では「博士のテーマ」として親しまれている。
妹が作った痛い RPG「Meaningless」
「川越が生んだ鬼才」の異名で知られる高橋邦子の動画シリーズ第1作。
2009年1月公開。
同作者のアイデンティティたるセリフ回しはこの頃から健在である。
ツクール3のBGM『BATTLE3』が「邦子のテーマ」とすら呼ばれているのはこの作品がきっかけ。
この曲と『BATTLE1』は同作者が『2000』など別ツールに移行してからもなぜか使われ続け、シリーズでは定番の曲となるに至った。
前項ともども、ゼロ年代終盤においてはゲーム仕立ての動画のためのツールとしても活躍している。
「キャプチャーボードは存在するが、PC上でゲームを遊びながらその動画をキャプチャできるほど強いPCを皆が持っているとは限らない」という当時の時代背景において、
コンシューマ機ながらPC同等のテキスト表現力を持ち、戦闘シーンもあっさりで、動作も安定しているツクール3に白羽の矢が立ったのだろう。
小ネタ
- 説明書掲載のスクリーンショットでは「ももよ」という名前の主人公が見られる。明らかにもょもとを意識している。
- ゴブリにも使われている帽子をかぶった小人の歩行グラフィックは、『RPGツクール SUPER DANTE』からずっとパッケージイラストに居る、ツクールシリーズのマスコットキャラクターのもの。
追記・修正はDUALSHOCKコントローラーによる文字入力でお願いします。
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- ミステルとメトセラも書いてよさそう -- 名無しさん (2026-05-12 05:26:24)
- バトル3はネタにされすぎたからコミカルに感じるだけで、当時はストレートに最終ボス用の曲だと思ったけどな。 -- 名無しさん (2026-05-12 06:10:00)
- 変数がないのでパソコン版ツクールには全く及ばないものの、容量が少なすぎる4や管理難易度が極端に高い5と比べたらずっと扱いやすいのが特長。逆に言えば、本気でツクールのRPGを作りたいならパソコン版の方がいいという事でもあるが。 -- 名無しさん (2026-05-12 06:14:54)
- ドラえもんのポケット懐かしいな。スイッチ2進法はマジで衝撃的だった。あとアニメティカで真竜王描く解説が面白かった記憶 -- 名無しさん (2026-05-12 07:03:19)
- 最近では他ゲームのセーブデータを捏造するツールの印象 -- 名無しさん (2026-05-12 07:08:49)
- BATTLE3がコミカル扱いなのは間違いなく邦子のせい。単体で聞くと別にコミカルでも何でもなく、普通にシリアスなバトル曲だと思うが -- 名無しさん (2026-05-12 09:45:54)
- なんなら超展開の流れのせいで笑えるだけで邦子作品でもだいたい黒幕と戦うシリアス曲やぞ -- 名無しさん (2026-05-12 12:44:39)
- DPS-Dに毎号のように投稿されたユーザー作品が楽しみだった。中でも「ALcHEmysTic」は名作だったなぁ。あと格ゲーみたいなコマンド入力戦闘を実装してるゲームとかは衝撃だった -- 名無しさん (2026-05-12 21:09:14)
- 有名な作品だとカービィの現ディレクターが昔作った「天のお仕事」というゲームもあるね。メモリーカード12枚使うというとんでもない超大作。 -- 名無しさん (2026-05-12 21:59:08)
- 効果音はともかく、BGMについてはむしろ評価の高い曲が多いくらいだと思うんだが。ここの記述は修正しても良さそうかな -- 名無しさん (2026-05-12 22:03:14)
- そんな事情があることは知らなかったけど当時からバトル3はオーバー気味なヤケクソ系のサウンドでシリアス風な曲には聞こえなかったのでコミカル系戦闘曲と言われると納得。まぁ感性は人それぞれだけどね。グラフィックが綺麗でSF系のマップもあるし2000作品に流用したくてPSデータ吸出しソフトでPCに取り込んでたな。モンスターやマップチップの画像が大きすぎたりしてサイズの規格が上手く合わず結局断念したけど。 -- 名無しさん (2026-05-12 23:59:28)
- 初代・2が明るくてクッキリした感じのグラフィックだったのに対し、この3は絵柄も文字のフォントも急に落ち着いた質感になったので、そこに慣れるのに時間が掛かったな。 -- 名無しさん (2026-05-13 00:03:22)
- 皆さんのコメントを受けてBATTLE3の形容を調整しました(記事作成者) -- 名無しさん (2026-05-13 02:27:02)
- 小ネタのももよってもょもとじゃなくて桃栗たき子のことじゃない?ツクール2のだんきち作ったのも桃栗たき子だし。 -- 名無しさん (2026-05-13 10:01:30)
- というか「ももよ=もょもと」自体、かなり無理があるしな。 -- 名無しさん (2026-05-13 19:26:21)
- 妹が作った痛いRPG懐かしすぎるwww そうか〜ツクール3だったか -- 名無しさん (2026-05-13 20:05:33)
- ゴブリくんシナリオはめっちゃ出来いいよね。こっちより先に単独項目作られてたのもそれだけ印象深かったからか -- 名無しさん (2026-05-13 20:52:56)
- ももよは明確に元ネタ(うまたろうシリーズ?)があったんですね、その辺りは把握していなかったのですみませんがご存知のかた修正お願いします(記事作成者) -- 名無しさん (2026-05-13 23:43:09)
- 素材面での難点は敵グラに女冒険者枠が無い事と自分でマップを作れない場面用のシーンが多い事か。PC版と違い足りない素材は自力で作る能力が要求されるのも敷居が高め。 -- 名無しさん (2026-05-14 22:13:48)
- 小学生の頃はアニメティカの操作方法がまったくわからんかったわ… -- 名無しさん (2026-05-15 11:46:49)
- THE EVENT OF TODAYってのがすごいね。どうなってんの、これ -- 名無しさん (2026-05-15 15:14:21)
- アニメティカのサンプルの中になぜかデフォで入ってないモンスターとかキャラグラあるんだよね。 -- 名無しさん (2026-05-16 17:29:51)
- アニメティカのガイド役の女の子が可愛い -- 名無しさん (2026-05-16 18:15:10)
#comment()
*2 そうした場面では城やダンジョン相当の曲がしばしば用いられるが、そちらはそちらで戦闘シーンにしては落ち着きすぎている
*3 わかりづらいが、「RPGツクール」と「かなでーる」でナンバリングが1つズレている
*4 当時は「ツクーラー」表記が優勢であった
*5 12半音上げることによって、音番号を12個ずらす。しかも五線譜上でこの作業を行わなくてはならない
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