シマキンの騎士団 ストーンウールの戦い

ページ名:シマキンの騎士団 ストーンウールの戦い

「どういうことだいベイビー!?」


シマキンは騎士団からの報告に驚愕していた
ストーンウール……それは神聖猿帝国近くの孤島の名であった
そこに行った15人の騎士は一人を除き皆死亡したという


「シリウス殿…あの島は恐ろしく危険です。あなたが行く必要はありません……」


生き残った騎士は、震えながらそう伝えるが、シマキンはフッと笑い飛ばした


「安心してくれ!危険な生き物なんてボクがしばきあげてあげるよっ」


「………分かりました。私が案内します。ただしこのどちらかの条件を守ってください」


「騎士団全員を連れて行くか、私たち二人で行くか」



木の小舟が砂浜へ到着する
そこからシマキンと同行する騎士が降り、その島を見回した


「ここがストーンウール島だね…神聖猿帝国に近いにしては結構暑いじゃないか」


二人は額の汗を拭きながら森の奥を進む
同行した騎士は進むべき道を指し示す
ストーンウールの植物は石のように灰色でとても固い。気を抜けば体中が切り傷だらけになってしまう
騎士はその鎧で、シマキンはそのヨロイで体を守っていたのでそんなことは無かったが


「それにしても君があんなことを言うとは驚いたよ 全員か二人かなんてね…でも意図は分かるよ」


シマキンは岩石のように固い植物をかき分け、開けた場所へ出た


「ボクが勝てないのなら全員を連れてこなければ意味が無いってことだろう?」


ビャウンと風を切る音がする
巨大な爪がシマキンへと迫り、シマキンは剣でそれを防御した


「うぐぐっ」


シマキンはその強大な攻撃エネルギーに弾かれ、大木へと激突する
その大木はストーンウール島の固有種…非常に固いはずなのだが、簡単にポッキリと折れてしまった
もちろん防御に使った剣も粉々になっているが、それでもシマキンに殆どダメージは無い


「どうやら、お出ましのようだね……さあ、君は浜へ帰るんだっ!ここは危険だからね」


「しかし…」


「ボクは平気さっ!早く!」


騎士が心配するのも無理は無かった
身長2mを超えるシマキンより遥かに大きいストーンウール・ドラゴンが目の前にいて、シマキンに襲い掛かっているのである。騎士団長を見捨てるなんて出来るわけが無かった


「手厚い歓迎だ……それならこちらも相応の挨拶をしなければいけないね!」


シマキンはドラゴンの腹に向けて拳を放つ
しかし、やはりその固さは異次元であった。むしろ攻撃したシマキンの左手が血塗れになるほどだったのである


「なにっ!?」


そしてドラゴンは大きく口を開いた
口内が真っ赤に発光し、瞬時に周囲が高温になる
ドラゴン・ファイアだ



ストーンウール・ドラゴンは勝ち誇った笑みをしていた
あの声を聴くまでは


「笑わせないでくれたまえベイビーっ」


シマキンの肉のアーマーは熱すらも防ぐ事が出来たのだ!
ドラゴンは怒っていた
だが、冷静であった。この人間は自分を殺すことどころか、ダメージを与えることすら出来ないと
それが命取りであった


龍の咆哮が鳴り響く
当たり前であろう、なぜならば頭に剣が突き刺さったからだ


「君は…!」


「シリウス殿!これを!」


剣を突き刺したのは同行してきた騎士であった
その騎士は突き刺した剣を投げ渡し、シマキンはそれを受け取った


「一騎打ちじゃなくて悪いね……だが、ボクたちの騎士団を傷つけたんだ」


シマキンは騎士を振り落とそうとするドラゴンの逆鱗までジャンプした


「君を彼岸に送ってあげようっ」


シマキンは龍の逆鱗を一刀両断した



「もっと大きな船で来ればよかったよベイビー」


すっかり日も暮れ、シマキンはストーンウール・ドラゴンの頭を持ちながら小舟で帰っていた
ドラゴン討伐の証拠を集めるため、頑張って首を切り落としていたらこんな時間になっていたのである


「君のおかげで助かった…感謝するよっ」


「いえ…そもそもシリウス殿がいなければ討伐はできなかったのです。感謝するのは私ですよ」


二人がオールを漕ぎながらそう会話していると、不意にシマキンは口を開いた


「それにしても…このドラゴンの頭ってとても重いじゃないか。少し持っていてくれないかい?」


「ええ、分かりました…って、重!」


騎士はその重さにドラゴンの頭をうっかり落とし、なんと小舟の床をブチ抜いてしまった!


「何をやっているんだベイビーっ」


そうしてシマキンと騎士が乗った船は沈没し、龍の頭も海の底へ沈んでしまったとさ


───完───



これが「シマキンの騎士団 ストーンウールの戦い」の内容である
船で落としたという理由から龍の頭等のドラゴン討伐の証拠は一切無いが、本国に帰ってからストーンウール島の情報に関しては非常に正確に事細かに語っている
この話が本当かどうか、今現在でも激論が繰り広げられている

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する
名無し

ううんどういうことだ

返信
2025-04-15 19:39:24

NG表示方式

NGID一覧