鬼ノ山

　数々の疑惑と陰謀渦巻く、オートドース派が本拠地とする山岳地帯の総称。由来はふたつの山が連なる奇異な形状から。

　オートドース派は男を磨くと称しながら自他問わず糞を塗りたて毀損、破壊するというエログロナンセンスとヴァンダリズムを特色としており、これを体現する死臭漂う鬼ノ山は他勢力から蛇蝎のごとく忌み嫌われている。それでも直接は一切攻め込まれず一派として成立しうるのは、その英雄のように飛び立ち蜚蠊のように堕ちる陰湿さと粘着質により、絶対人生において関わりたくないと思わせるそのスタンスの徹底ぶりにある。

　特に自らは昏い欲望に耽りながら口から出任せと他人任せを得意とするゾウノスケ=ヨワージィと、自らを快男児と信じて疑わない異常にタフなだけのノンデリ小僧であるダイゴ=ウェストリバー──ダイコはこの男の異性同位体である──は『価値ある戦い』の際戦死したと思われていたが目撃情報が多発しており、掲げていた未知の計画『True of OD』を水面下で遂行していると噂されている。