シャルーヤが貿易港としての街ならば、シャルモントは軍港としての機能を持った街である。
西方諸島は帝国寄りの政策を施いているため、それに対する備えがこの街の役割である。
また、北の国境線への軍需物資集積地であるこの街は、戦闘用の軍船が常時停泊する街なのだ。
王国で作られる大型の魔導炉や蒸気機関も、元々は練度で大きく劣る西方諸島の海軍に対抗するために開発・発展してきたのだと伝えられている。
西に対する備えをしている一方で、この港は西方諸島や西域に開かれている。
特に西域は世界でも限られた国としか国交を結んでおらず、長年鎖国状態が続いている珍しい国である。
また、西域との貿易は国が船を出す国策貿易であり、使われる船は基本的に軍船である。
また、シャルモントはアルトリオに続く水路を持った街でもあり、物資運搬の入り口としても重要な地である。
冬場でも氷とは無縁のこの地は、冬には雪と氷に閉ざされる帝国にとっては喉から手が出るほど欲しい地として、領土紛争を繰り返している。
この街の特徴として、港に近年開発されたカルダン・ダルモントの魔導砲が設置された海軍港がある。
また、カルダンは魔導砲を軍船に搭載できるように改良中であるという。
海軍港は造船所・工廠を併設しており、同時に王国海船騎士団の本拠地でもある。
海船騎士団は陸軍である王立魔導騎士団よりも歴史が浅く、またその必要性も低く見積もられがちで、与えられる予算も必要最低限である。
王国で海軍を必要とする想定は輸送任務のほかは西方諸島との戦か、西方諸島を巻き込んだ帝国との大戦以外にないため、平和時ほど軽視される傾向にある。
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