死者を扱ったり、呪いをかけるなど、生命の負の側面を扱うことに長けた魔導術。
神話の昔に死と夜を司るサンダルカスが生命の探求心が尽きぬものに与えたとされる。
一般には誤解されることが多いが、黒の魔術の基本は対象に何かを与える「贈与」の術である。
それは、仮初めの命であったり、病であったり、または、死であったりする。
しかし、ここで言われる命とは、生命が元々持っている物とは別である。
または、命を与えることはできても、魂までは与えることができないと言うべきか。
死者を動かすことはできても甦りを成すわけではないのだ。
仮初めの命を与える「蘇生」、病を与える「疾病」、死を賜る「呪殺」などが黒の魔術の得意分野だが、一瞬の間に相手を殺害できるほど便利なものではない。
黒の魔術の多くは、効果は大きいが遅効性なのだ。
もう一つ黒の魔術が得意とするのは、「潜入」の術である。
これは異なる世界の力を借りたり、潜り込んだりすることを指すもので、必ずしもどこかに忍び込むことを指すものではない。
影に潜って同化する「潜影」や異世界の自分と同化して姿を変える「異形化」などは分かりやすい例だろう。
また、こうした術に魔力以上の代償を求められるのも黒の魔術の特徴である。
何事も、等価交換の原則からは逃れられない。
例えそれが、神の御業であっても、である。
また、自らを強化する術よりも、相手を弱体化させる術を、黒の魔術は得意とする。
例えば、相手に痛みや恐怖を与え、鈍らせる。
例えば、相手の知覚を鈍らせ、欺く。
そうした術を人や物に与えることを得意とする。
「鈍麻」、「痛痒」などは黒の魔術の初歩として扱われる。
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