南域の制式軍装について

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南域では、兵といえば歩兵であり騎馬兵隊は伝令を含め、極めて少数しか編成されていない。

それは密林の多い南域では騎馬の特性を生かせる地形が少ないためで、それは南域の兵装にも多大な影響を与えている。

歩兵の装備といえばまず槍である。

が、木々に邪魔されて満足に振るうことのできない南域では槍による戦術は発展せず、主流の武器は剣と弓である。

南域歩兵は剣を二種類携行することが普通で、一つは短剣である。

これは干戈を交える目的ではなく、混戦時や作業用の刃物として使うほかに、としての特性を持たせたもので他国で魔導騎士などが持つ剣を短く切り詰めた物である。

これはどちらかというと、「刃物としても使える」と解釈した方がよいかもしれない。

概ね木材の本体に交換可能な刃が付けられるだけなので、刃物としての性能はないよりましという程度なのだが、ヒュームの猟兵には好評である。

不整地が多く人の手で物資を運ぶのが主流の南域ではこのように、限りある輸送力に可能な限り多機能を詰め込む工夫であると言える。

もう一つの南域歩兵の剣は、鉈剣である。

剣先を水平に落とし、先端に行くにしたがって幅を広く、重くなるように作られた剣は斬るというより叩き割ることに向いており、革鎧の上からでも打撃武器としての威力を発揮する。

これも草や枝を払いながら進軍することの多い南域歩兵の中では評判はよく、一般的にも流通している。

次に弓だが、障害物の多い南域の密林では、遠距離まで見通せる開けた場所は少なく、自然弓に求められる機能も取り回しの良さと連射性・速射性であった。

そのため、主に使われる弓は短弓であり、矢も短いものが主流である。

小型弓は威力の面で問題があると言われるが、南域の弓は木材に獣の角などの素材を合わせた複合弓で、弓の姫反には二重曲げが採用されるなど、威力を高める工夫がいくつも採用されており、他国の弓に劣らぬ威力を持っている。

反面量産には不向きで、単純な造りの短弓も武器庫の予備兵装としては作られている。

 

また、ツリーフォークの重装歩兵は戦斧を振るうことを好む。

これも進軍の際に木々を伐採する目的でも使える武器として発達した。

森の中でも取り廻せるよう柄は短く切り詰めた、両刃の物が主流で、東域産の鉄で作られた斧は鎧ごと相手を叩き潰すのにも十分な威力を持っている。

新兵科の騎馬兵隊では、馬上槍の備えもある。

長い柄は森に入るときには邪魔になるため、ダーナン河周辺でのみその姿を見ることができる。

しかし、そうした環境に対して何の工夫もされていないわけではなく、金属製の柄は螺子式で二つに分けることができるようになっており、密林の中でも邪魔にならないように作られている。

 

具足についても、南域の事情を反映した装備が多い。

例えば金属資源に乏しく、高温多湿な南域では鉄兜ではなく面頬を備えた鉢金が採用されている。

これは密林の中では金属製の兜が邪魔になることも多く、運用上も鉢金の方がよいとする意見も多い。

また、ダーナン河を渡って逃げた敵を追討することもある南域歩兵は革で作った小札と、金属製の小札を併せて作った小札鎧が主流である。

これにはすべてを鉄で賄うことができないという事情もあるのだが、その分金属製の小札鎧よりもはるかに軽く、必要によっては木の上に上ることもある南域兵には重宝されている。

鎧下にも革のつなぎを着ることが多く、鎖鎧はめったに使われない。

 

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