東域唯一の港街で、水資源に乏しい東域でただひとつ水に不自由しない場所と言われている。
西方諸島や南海を通して、この街にも物資が入ってくるようになったが、オーゼリアからの東回り航路はまだ拓かれたばかりで危険も多く、主流は昔ながらの隊商による陸運である。
しかしこの街が拓けたことでアルトゥーンまでウェルテ川をさかのぼる水運の道も拓かれ、利便性は向上している。
元々この場所は帝国との国境守備隊の補給基地として整備された所で、現在もその色が残っている。
また、交易路としては帝国領から個人的に船を使って交易に来る者もいる。
そのほとんどが個人船主による小規模なものであり、両国の関係悪化とは関係なく数百年前から続けられており、両国政府もこれを黙認している。
港や倉庫街を少し離れると、東域国境警備隊および東域王都隊商警備の補給基地や軍営が姿を現す。
河口から少し遡上した場所にあり、東域伝統の石と煉瓦造りの建物が並ぶ。
この軍営に詰めている兵士も、休日にはウェルテミドの街に出て羽を伸ばしていることが多い。
アルトゥーンほどではないにしろ、この街には南回りの貿易船が多く行き交うため、娯楽施設はいくつもある。
また、アルトゥーンでは贅沢品である水が安価で、湯を張った共同浴場がある。
砂漠と岩山が国土の多くを占める東域では、水の女神ウェルテミスを崇拝する文化が根強く、ウェルテ川の上流の水源に建てられた社は巡礼者の聖地となっている。
それに付随して、行商で発展した東域での信仰が活発であることからウェルテミスは商売の神という側面を持つようになったと言われている。
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