レーザー兵器・レールガンはロマンか?
答えはNOだと私は考えています。というかNOと言い切っていい自信があります。
(この記事で扱うものは国家機密も多く、情報が不十分なところもありますがご了承ください。)
レーザー兵器とは
みなさんレーザーポインターはご存知だと思います。人によってはレーザーカッターをご存知の方もいるかもしれません。
そのレーザーを兵器転用できるほど高出力化したものが「レーザー兵器」と呼ばれます。
ただのLEDの光のようなものを単純に増大するだけでは十分な威力が得られないので、本質はもっと複雑ですが…。
レーザーポインターなどにおいてのLEDのようなものを媒体と呼称します。現在兵器用途で開発されているレーザーの媒体は、ヨウ素・フッ化重水素といったものの化学反応を利用してエネルギーを放射する化学レーザーや、個体からエネルギーを放射する個体レーザーが主流です。
利点として、砲弾のように放物線を描かず直線で進むので直接照準が可能ということが挙げられます。そのため、航空機に搭載されたり地対空兵器として計画されることがほとんどです。欠点は、比較的大電力が必要であることです。
レーザー兵器の開発状況
アメリカやイスラエルなどが開発したレーザー兵器がロケット砲弾や模擬ミサイル、ドローンの破壊に成功しています。
量産兵器として正式配備に至ったものはまだありませんないはずですが、いくつか試験・研究目的で開発されたものがあるので解説します。
YAL-1(アメリカ)
ボーイング747機をベースに、酸素ヨウ素化学レーザーを搭載し、弾道ミサイル迎撃のための技術開発に用いられた機体です。模擬目標を追尾する試験にや地上での高出力レーザーの照射試験に成功しましたが、2016年に機体は解体されました。
1K17(ソ連)
主力戦車T-80の車体をベースに人造ルビーを媒体とするルビーレーザーが搭載され、敵兵器のセンサー類を不全に陥らせ戦闘不能にする目的で開発された自走レーザー兵器です。1K17を元に試作された別の車両では、10km先のヘリコプターおよびその搭載照準機器に致命的な損傷を与えることが可能でした。しかし、ソ連崩壊による財政崩壊により計画は破棄されました。
レールガンとは
Only my railgun…ではなく、電磁誘導による磁力(ローレンツ力)で弾丸(プロジェクタイル)を投射する兵器です。
通常の火砲に対しての利点として、エネルギー損失が少なく、同等のエネルギーで火砲より高い初速(貫通力や威力、射程に影響します)を得ることができる点が挙げられます。
レーザー兵器と異なり弾道で飛翔するので、対地、対艦攻撃への利用が想定されています。また、レールガンと同じく多大な電力を必要とするという特性から、艦船をプラットフォームとした計画がほとんどです。
レールガンの開発状況
アメリカ、ロシア、中国、トルコなどが研究開発を進めているとしており、日本でも電磁加速システムの研究が進められています。
アメリカ軍では、重量15kgの砲弾を初速2.5km/sで発射、高度152kmまで打ち上げて370km以上先の目標に着弾させるレールガンを計画しており、すでに10.4kgの砲弾を2.7km/sで発射する試験を成功させています。
▲レールガンの発射試験(米国)
SFにもよく取り上げられるレーザー兵器とレールガンですが、実用はもうすぐそこです。
執筆:紫の13
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